連載小説
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過ちの夜
 風呂に浸かっていたダイロの前に、一糸まとわぬ姿で現れたアビーゲイル。
 そんな彼女を見て、少年はついその若々しくも華奢な体に似合わぬ分身をいきり立たせてしまう。女もそれを見て興奮し、いよいよその淫らな本性を露わにする。
 アビーは我慢出来なくなり、ダイロを押し倒してしまったのだ。

「わ、わわっ…!」

 爛々と輝くその金色の双眸からアビーの性的興奮の度合いが尋常ではない事は、出会ったばかりのこの少年にもよく分かった。
 しかし、燃え盛る女の肉欲とは対照的に、少年の方には幾分かの冷静さ、さらには躊躇いがあった。

(お…おねえちゃん……)

 少年の脳裏に思い浮かぶは師匠にして、毎夜交わったヴァルキリーの顔。如何に大きく柔らかな乳房を押し付けられようと、敬愛する彼女への想いが彼に過ちを犯さぬように訴えていた。

「ん〜っ♪」
「んっ――んむぅっ!」

 だが、所詮は無駄な抵抗である。それを思い知らせるかのように、のしかかった魔術師の女は手始めとばかりにダイロに無理矢理キスをし、さらには舌を絡ませる。

「ぷはっ!」
「うぅ…」

 心は確かに拒んでいたはずだった。けれども、結局体の方は受け入れてしまった。
 お互いの舌を絡ませ、さらにはアビーの唾液を流し込まれるも、ヴァルキリーに劣らぬ極上の美女の行為故か、嫌悪感は無い。
 むしろレミエル以外の女、それも妖艶な美女と触れ合っていると改めて実感してしまい、その背徳感によるものか、その一物はますますそそり立ってしまう。

「何だ、カラダは正直じゃない。でも嬉しいわ……私に欲情してくれてるんだものね」

 興奮し、顔を紅潮させたアビーは右手でダイロの肉竿を掴む。

「うふふ……こっちは頼りない坊やじゃないのね? それとも、これも勇者の素質の証明なのかしら?
 なにせ『英雄色を好む』っていうぐらいだものね。勇者になる子はみんなオチンチンが大きいのかしら」
「や、やめて…」

 男性経験の有無は不明なものの、アビーは慣れた手つきで体格に見合わぬ大きさとなったダイロの性器を扱いて刺激し、下準備を整える。
 一方のダイロはやめるよう弱々しく懇願するが、残念ながら熟練の魔術師を突き飛ばす度胸は無いようだった。

「ごめんなさい。それは出来ないわ」

 そして、アビーの方もこの少年の性格では自分を拒みきれない事を分かっていた。
 もっとも、拒んだところで彼女はやめるつもりはない。せっかく得た好機を逃すほど、彼女は気の長い性格ではないのだ。
 そんな覚悟を示す、爛々と輝く金色の瞳と、ぞっとするほど淫靡な薄笑いを浮かべ、魔術師の女は少年の肉棒を責め立てる。

「もう分かるでしょ?……私は貴方と交尾したいのよ」

 さらに、責め立てる手だけでなく、覆い被さる女は自らの秘所も少年の腿に擦り付ける。
 その部分は異常に湿っていたが、もう童貞ではない少年にとっては彼女の告白を聞くまでもなく、そこから何が分泌されるているかは分かりきった事だ。そして、彼女が自分に何を求めているのかもまた同じだった。

「でも、これは私が勝手にやった事。貴方は別に何も気に病む事は無いの」
「………………」
「もちろん、私はこの事を誰にも漏らすつもりは無い。今から起きる事は二人だけの秘密よ」
「!」
「ね……だから私を受け入れて?」

 理性と肉欲がせめぎ合い、その狭間で葛藤する中、魔術師の女は少年の耳元にそっと囁く。

(だ…ダメだっ!)

 女の痴態に加え、その悪魔の誘惑と呼ぶべき、甘い声に負けそうになる。「ここで何をしても、おねえちゃんに言わなければバレない」――女はそう言っているようにも聞こえ、そして自らの内からもそのような声が聞こえる気がする。

「……仕方ないわね」

 少年の踏ん切りがつかないのを見るに、まだ押しが足りないらしい。そう実感したアビーは、次の一手を繰り出す。

「えいっ」

 石鹸液にまみれる豊満な二つの果実。アビーは少年から位置をずらし、潤い滑るそれらの谷間にその怒張した逸物を挟み込むと、そのまま上下させると共に、先端を舌で舐める。

「!?――――うぁあぁぁっ、ダメだよぉっ!」

 途端、悲鳴とも嬌声ともつかぬ声をあげるダイロ。手コキでも感じてはいたが、まだ理性が踏み止まっていたあちらとは違い、今度は本気で感じている。

「ジュッ、ジュルルルルッ」

 いやらしくぬめった音を響かせながら潤う両乳房は上下し、挟み込んだ肉竿を柔らかく包んで波打たせて快感を与える。同時に谷間から突き出た亀頭、鈴口は口内に咥えて吸引、そして舌先で丁寧に舐め、さらには激しくも精確に滑らせる事で刺激を与えた。

「んぅ……あ〜〜〜〜っ!」

 竿の快感と亀頭の刺激によるそのもどかしい感覚に、少年は情けなく声をあげるばかり。
 レミエルと毎夜肌を重ね、淫らに交わっているダイロ。その爛れた日々の中で、ヴァルキリーの豊満な胸によるパイズリをされた経験は百度を超えておきながらも、相手の違いがそのまま反映されたのか、まるで初体験のような反応を見せている。

「ぷはっ……あらあら、抵抗もせずそんなに可愛い声あげちゃって。まるで女の子みたいね」

 そんなダイロの反応が面白いのか、アビーは一旦咥えていた逸物を放し、ダイロの過敏な反応をニヤニヤ笑いながらからかう。

「う…」
「あら、その顔じゃまだ欲しいようね?」
「あ…ちょ、まっ……あっっァァァァァァ!!!!」

 ダイロの顔を見て前戯の続行を決めたアビー。再び両乳房に怒張を挟み込んで動かすと共に、先端を咥えこむと頬をへこませながら吸引する。
 再び始まったダブルの刺激に、寝そべっていた少年は体を仰け反らせて悶絶、絶叫してしまう。けれども、愛しい少年の分身を舌で味わい、反応を目で愉しむ魔術師の女はやめる気など微塵もない。
 さらには、最後に放たれる二つのメインディッシュも味わうべく、乳圧を変え緩急をつけたり、甘噛したり舌の責める位置を変えるなど、工夫を凝らして少年を弄ぶ。

「あっ…あぁっ……!」

 そして、淫靡なる責めについに我慢出来なくなり、少年は射精してしまう。咥えていた亀頭から大量の精液がアビーの喉奥に流し込まれるが、彼女は嫌がるどころか恍惚の表情でそれを飲む。

「ハァッ、ハァッ……」

 若さと快楽故か、かなり多めに射精してしまったダイロ。しかし、その逸物は大きく、そして硬く反り返ったままである。

「あぁん……貴方の精液、とっても美味しいわぁ♥ 甘くて濃厚で香ばしくて……クセになりそう♥」

 そんな彼の疲労など気にせず、アビーは大量の精液に己の唾液を絡ませ、舌で味わう。そして、まるで甘く美味な菓子でも味わったかのように顔をほころばせる。

「ねぇ坊や……貴方の精液が美味しすぎて、私ぃ我慢出来なくなっちゃった♥」

 待ちに待った精の味わいは魔術師の女にとっては期待以上の代物、まさに絶品であった。少年の若々しくも力強い、濃厚で甘美なる精を吸った事で、彼女の原始的な雌の本能はさらに疼いてしまう。
 こんな物を味わっては最早我慢など出来そうもない。本来もう少し前戯をしてニ、三発の精液を搾り取り、少年の反応を愉しむ予定であったのだが、今はもうそんなまどろっこしい真似などしていられない。

「ねぇ、お願い……私のグッチョグチョになったここにぃ、貴方のそのたくましいショタオチンチンをぶちこんでおもいきり掻き混ぜてぇ♥
 若くて元気いっぱいな濃厚新鮮ザーメンを大量に射精してぇ、私のオマンコを孕ませてぇ♥」

 種族の本能のままに、愛する雄との交尾を求める美しい雌。しかし発情しきった顔で舌をちらつかせ、卑猥な言葉を述べて愛液にまみれた尻を振るその姿はまさに生殖本能しかなく、理性といったものが微塵も感じられない。

「ハァッ、ハァッ……!」

 けれども、度重なる目の前の雌の誘いが功を奏し、この年若い雄もまた生殖本能に支配されかけていた。
 今まで交わっていた雌への想いは消えはせずとも薄れつつあり、またなまじ肉の交わりを知るが故に、この新しい雌の芳醇にして美味なる肉体を味わってみたくてたまらなくなっていた。

「おねえちゃん……おねえちゃん…!」

 しかしそれでも、少年は踏み止まった。頭の中は理性と肉欲のせめぎ合いでぐちゃぐちゃになり正気を失いかけながらも、最後に残った僅かな良心と理性が過ちを犯させなかった。

「………………」

 必死で耐える少年はそれどころではないので気づかなかったのだが、少年が無意識に「おねえちゃん」と唱えた際、アビーの発情しきった顔は一転、冷めたものとなる。
 そう、少年が自らを拒む悲しみによって。さらにはそんな少年の身も心も、その全てを独占するヴァルキリーへの嫉妬と怒りによってだ。

(この子に余程慕われてるようね……本当にジャマな女……!)

 生まれて初めて抱いた恋愛感情。この子と愛し交わり合いたい、生涯を共に過ごしたいと心から思う。
 美貌と魔術師としての才能を生まれついて持ち、裕福な生家故に物質的に恵まれつつも何処か物足りない、いつもあった心の隙間。しかし初めて彼を見た瞬間、それを埋める事が出来るのだと知った。
 “種の本能”が、出来るのはこの少年だけなのだと教えてくれたのだ。

「ハァッ…おねえちゃん……」

 だが、そう上手くはいかなかった。精がつくのに加え 媚薬まで盛った料理を食べさせ、発情しやすくした状態でありながら、この少年は踏み止まった。見習いとはいえ、さすがは勇者だというところか。
 しかし、この少年に性交を躊躇わせたのは、彼本人の意思というよりは、その背後にいる女の存在であった。
 彼が心底慕い、不貞を拒むほどに愛し合っているという女。もしアビーが一年早く彼と出会っているなら、その立場にいるのは彼女であっただろう。

(羨ましい……でも、それ以上に憎らしい!)

 アビーが愛するこの少年は、心よりヴァルキリーの事を慕っている。この師弟はただの肉体関係でなく、心もまた繋がりあっているのだ。
 当然、今日出会ったばかりのアビーでは、その繋がりに勝てるはずもない。

(負けたくない!)

 だがそれでも、アビーはそのヴァルキリーだけでなく、自らもまた愛して欲しかった。ただの肉体関係でなく、心もまた繋がり合いたかったのだ。
 ましてや、そのヴァルキリーは卑劣な事にこの純朴な少年を騙し、犯しているに過ぎない。そんな女が恋人ヅラをして彼の心に居座る事にアビーは憤慨していたし、自分ならば彼にもっと穏やかな生涯を歩ませてやれる事を確信していた。
 そして自分ならばそんな偽りの愛でなく、真実の愛を教えてやれるとも考えていた。

「うぅ……」
「……!」

 健気に耐えているが、肉欲と段々効いてきた薬の作用で意識が朦朧とする少年。ならば、今が好機である。

「坊や…私は貴方に愛して欲しい。それにはこの方法が一番良いのよ」

 湧き上がる肉欲と共に、僅かにあった罪の意識を振り払うかの如く、アビーは意識の混濁する少年の耳元にいやらしく囁いた後――

「んぅぅうっ!」

 少年の腰に跨り、そそり勃つ分身を無理矢理受け入れた。

「うっ……くぅ……」

 結合部より流れ出るは破瓜の証たる、一筋の鮮血。見た目は妙齢の女性でありながら、今まで愛せる男がいなかった故に使われなかった秘穴。
 しかし彼女は下半身を苛む痛みと共に、喜びに打ち震える。愛する者との性交によって、ようやく一人前の『女』となれたが故に。

「はっ!」

 混濁しつつあった意識が、さらなる快楽によって逆に正気へと引き戻される。
 こうして少年は現実へと帰ってきたが、同時に無理矢理とはいえ過ちを犯した事を知ってしまう。

「あ…! あ…!」

 慄くダイロ。愛する女以外と関係を結んでしまった事を悟り、彼は後悔と恐怖に苛まれていた。

「大丈夫」

 しかし、アビーは痛みに耐えつつも、そんな風に怯える少年を優しく宥め、落ち着かせるために甘い口づけをする。

「!?――んむぅ!」

 その味わいは本当に甘い――いや、そもそも彼女の口には何らかの液体が含まれ、それを口移しで飲まされていた。

「気分が落ち着く薬よ。もちろん、後遺症が出るような物ではないから安心してね」
「……っ」

 情熱的なキスによって流し込まれた薬は、あべこべにダイロ少年に落ち着きを取り戻させた。その様子を見て安堵したのか、穏やかに微笑むアビー。

「うぅ……僕たちは出会ったばっかりだったのに……いくら好きだからって、こんな風に……」

 しかし落ち着きはしたが、ダイロは恨めしそうにアビーを見る。それが気の弱い彼の、精一杯の抵抗だった。

(可愛い)

 だが、この魔術師の女にはかえってそれが小動物じみた可愛さを連想させてしまう。

「そう。貴方を手に入れるためなら、私は何だってするわ」

 そんなダイロ少年を愛おしく思うと共に、破瓜の痛みから変換されつつある肉の快感と、ようやく繋がる事が出来た満足感を得たアビー。
 それらが合わさったせいか、少年を宥める穏やかな笑みは、ぞっとするほどの淫蕩な笑みへと変わる。

「んっ……そして、そうして良かったって今改めて思うの。
 断言出来るわ。私は貴方と共に生きるために生まれ、そのために今日までの人生があったのだとね」

 徐々にだが腰を上下させ、生まれ出る鈍い快感を慣らし、味わいながら、アビーは少年へと語る。

「う…うぅっ…」
「初めてだけど分かるわ、オチンチンがビクビクしてるもの。この動きがキモチイイんでしょ?
 やっぱり実感出来るわ。私と貴方の相性は最高だって。
 そうでなければ、貴方がこんな顔をする? こんなに歯を食いしばった、切なそうな顔なんてね」

 悔しいが、この女の言う通りだった。レミエルと交わった際とはやや異なるが、それと同等の快感が彼の逸物に齎される。
 しかし、少年はこの強烈な快楽に抗わねばならなかった。耐えねば、恋い慕うヴァルキリーを裏切る事になる。

「でも坊や、我慢なんてしちゃダメよ? こんなにキモチイイSEXなんだから、遠慮なく射精しなきゃねっ!」

 破瓜の血と多量の愛液、鈴口よりダダ漏れするカウパーは、アビーのつい先ほどまで処女だったとは思えぬほどの容赦無い腰振りによって、卑猥な水音と破裂音を伴いながら混ぜられ、泡立つ。
 さらにはむせ返る雌の匂いと、美女の淫靡な笑み、上下する大きな乳房と尻に加え、初物の割には慣れた腰振りとその中にある襞が少年の逸物をきつく締めつけ、激しく扱く。
 このように妙齢の美女がまだ幼い少年を喰い、味わうように犯す様は、例えようもないほど淫靡で背徳的な光景であった。

(おねえちゃん…!)

 しかし皮肉にも、少年の心は跨って腰を振る女でなく、家で帰りを待つヴァルキリーへと向けられていた。

「………………」

 そして体が繋がっている今、その助けを呼ぶ声を敏感に感じ取るアビー。
 彼の心が思ったより頑固であったのもそうだが、それ以上に彼に慕われているヴァルキリーが気に入らなかった。
 ダイロを勇者などという過酷な道へと追いやっておきながら崇拝にも近い思慕を受け、盲信と言ってもいい信頼を置かれている。さらには訓練だと騙し、この少年の若い肉体を毎夜貪り犯し、「貴方のため」だと宣う始末。
 何故、この子はそんな女を愛するのか。彼奴はこの子を魔物殺しへと育て上げようとしている上、立場を利用して性欲を満たすような真似までする、戦乙女の皮を被った最低の女だというのに。

(この子を…救わなきゃ…)

 その感情が生まれたのは真に愛するこの少年を救いたいという純粋な優しさか。あるいは愛や情を履き違えた独占欲か、はたまたヴァルキリーに対する嫉妬や怒りによるものかは分からない。
 しかし一つだけ言えるのは、この女は少年と共に暮らすヴァルキリーが大嫌いだという事だ。

「坊や……この場には私と貴方だけ。だから、ここには貴方が慕う“おねえちゃん”なんていないのよ」
「っ!」
「貴方と今交わっているのは彼女でなく、私。貴方はあいつでなく、私のカラダで気持ち良くなってるのよ?」
「うっ…ぅっ」
「でも大丈夫、この事は私と貴方だけの秘密。ただ一夜だけ、今日限りの過ちでしかないわ……」

 激しく卑猥に腰を打ちつけながら、精神干渉系魔術による粘ついた響きを伴ってダイロ少年に語りかけるアビー。
 健気に耐え忍ぶ少年だが、その非情なまでに甘い悦楽には心が揺れ動いていたところで、悪魔の囁きにも似た言葉に、なけなしの理性が一気に崩壊しそうになる。

「どうせお姉さんにはバレやしない。だからね…今はこの交わりを愉しみましょう?」
「……うん」

 そしてこの一言がとどめとなり、ダイロの理性はこの時折れた。なし崩し的ではあるが、ついに彼女との性交を続ける事に同意したのである。

(…やった!)

 少年に跨り、貪るように腰を振っていたアビー。しかし快楽を上回る歓喜の余りそれを一旦やめ、さらには両目より涙を流した。
 それほど彼に受け入れられたという喜びは大きかったのだ。

「とっても嬉しいわ、坊や。心からね…」

 そう、今までは想い人がいる少年をこの女が無理矢理犯していただけ。即ち体は繋がっていても、心は繋がっていなかった。
 だが、これでようやく心も繋がる事が出来るだろう。今は軽い催眠を用いたが、“次回”からはそんなものを使わずとも望んで受け入れ、交わってくれるはずだ。

「ねぇ、今度は貴方が動いて……」

 独りよがりな騎乗位をやめ、今度はダイロの方に動いて欲しいと甘い声でねだるアビー。

「……アビーさんが悪いんだよ…」
「きゃっ!」

 やや怒りの籠った声で呟くダイロ。もう犯されてしまった以上は戻れないとやけっぱちになったのか、と騎乗位で犯していたアビーを逆に押し倒す。

「もう我慢しないよっ! 僕の好きなように犯すからねっ!」

 そして正常位で腰を激しく動かし始める。それは優しいこの少年らしくない、相手の事を考えず本能と快楽のままに任せた、独りよがりで乱暴な犯し方だった。

「いいわよぉ坊や……私のオマンコ滅茶苦茶に犯してぇっ! 坊やの濃厚少年ザーメン何発でも射精してぇっ!」

 しかしアビーもまたそれを待っていたと言わんばかりに受け入れ、先ほどと変わらず嬌声をあげてよがり狂う。

「僕は“坊や”じゃない!」
「あひっ!」

 けれども、この性交での主導権はあくまで自分にあると主張したいのか、はたまた今までの“坊や”扱いに不満があったのか。立腹したダイロは腰同士が打ちつけ合う度に揺れていた左の爆乳を口で強く吸い上げ、左で勃起していた陰核を強くつまむ。

「僕の名前はダイロだ! 坊やって呼ぶな!」
「!」

 この少年らしからぬ強気の主張と攻めにアビーは一瞬驚くものの――

(ああ坊や、そんな背伸びした所もカワイイわ…)

 そこもまた愛おしく思ってしまう。

「そうね、ダイロ君……私はもう貴方の物よ。だから貴方の好きなように犯していいのよ……♥」

 そして、この柔弱な少年には珍しく強気な攻めをさらに堪能すべく、アビーは自らがダイロの所有物であると宣言し、両脚を彼の腰に絡ませる。

「……っ!」

 反抗するどころかむしろ自ら服従を宣言した女に、少年の心は驚く以上に興奮したようだ。
 もう遠慮はしないとばかりに改めて乳房を揉みしだき、乳首に吸い付き、腰の動きをさらに速める。
 しかし、わだかまりも消えたようで、アビーには心なしか彼の顔が嬉しそうに見えた。

「あぁん、ダイロ君とっても上手よぉ♥ オチンチンがお姉さんのキモチイイ所ゴリゴリひっかいてるだけじゃなくてぇ、お手てもお口も物凄い上手いのね…♥」

 少年らしからぬ大きさとなった鋼鉄の硬さの肉棒で激しく突かれ、再び快楽の渦に呑まれるアビーゲイル。
 しかしそれだけでは終わらず、さらにダイロは持てる技術を発揮し始める。やや落ち着いたのか、両手は乳房だけでなく全身をまさぐるようになり、アビーの感じやすい箇所を探り当てていく。
 乳に吸いつく際や陰核を弄る際も子どもらしからぬ技術が見られ、肉欲に任せきっているくせに舌使いや指使いも絶妙だった。ただ吸ったりつまんだりするだけでなく、時には舌で転がし、あるいは指で弾くなど、女体の反応を愉しみつつも同様に好みの責めを探り、見極めたところでそれを実践する。

「うぅ……出ちゃう! 出ちゃうよ!」

 とはいえ、それでもまだ子ども。“保ち”は良くない。
 もちろん、アビーの体がそんなダイロでも短時間で我慢出来なくなるほどに極上の味わいではあるのだが。

「いいわよぉ、射精して! ダイロ君の精液を私の子宮にブチこんで! 貴方の赤ちゃんが一発で出来ちゃうぐらい大量にぃ!」

 しかし、アビーはむしろその瞬間を待ち望んでいた。彼の精は極上の味わいだとパイズリの時点で分かっていたし、膣内で受ければ尚更美味い。
 そして何より、彼の子種はそこで射精してもらわねば妊娠出来ない。

「うぅっ!」
「あっ……ああああああああ〜〜〜〜っっ!」

 ついに限界の来た少年はくぐもった声をあげ、膣内に容赦なく射精する。年齢が若い上に媚薬を投与されていたせいでかなりの量と勢いであり、今まで誰にも侵されなかった女の子宮にその白い放水を叩きつける。
 女の方も初めての膣内射精によって絶頂し、軽く痙攣した後に力無く横になる。

「凄いわぁダイロ君……これだけで妊娠…」

 だが、ダイロは射精直後にもかかわらずアビーの体を細身に見合わぬ力で持ち上げると、今度は対面座位の姿勢で彼女の腰を突き上げる。

「!?……凄いわぁダイロ君! いいわよ、貴方の満足するまで犯してぇ!」

 爆乳に吸い付き、射精直後とは思えぬ硬さの肉棒がまた膣内をかき混ぜる事にアビーは驚くも、少年の精力に改めて魅了される。
 終わらぬ初夜、まだまだ続く肉の交わりの果て。年端もいかぬ少年に好きなように犯されるという被虐の快感。
 それらを待ち望んでいた彼女は歓喜し、この雄の子を孕みたいという雌としての本能も相まって、その興奮の度合いを増した。
 そして、その小さな雄もまたこの雌のあまりにも淫らな本性を垣間見、それを罰するという名目で貪るように犯し続けたのである。





「んぷっ……んっ……ちゅっ……」

 そうしてダイロがこの浅ましい雌豚を犯し続け、膣内で射精する事五度。そこでようやく少年は犯すのをやめたものの、依然生殖本能に火が点いたままの両者は浴槽の湯に浸かっても尚、いやらしく口づけを交わし、唾液を絡め合って戯れている。

「! もう……本当におっぱいが好きなのね?」

 大人の手でも尚溢れるであろう爆乳を、少年は気の赴くままに揉みしだき、吸いつく。だが、その手つきや吸い付きのいやらしさはそこに痛みを与えるどころか、むしろ女の体に刺激的な快感を齎している。

「はぁ……はぁ……!」
「ふふ……」

 若さ故か、少年の性欲は収まる気配が無い。もっとも、アビーにとってむしろ嬉しい事だ。
 愛しい少年が自分の肉体に夢中になってくれている。それこそ女として冥利に尽きるというものだ。

(ヴァルキリー……こんなに可愛い坊やをアンタだけに独り占めなんてさせないわよ……)

 そのように少年がこの女の体に夢中になる中、アビーゲイルは一人笑う。
 湯と性欲の両方で火照る彼女の体の中に湧き上がるはヴァルキリーへの嫉妬、それに由来する対抗心であった。










 そのように風呂場で深夜まで交わったところでようやく満足したアビーゲイル。思う存分犯し犯され、疲れ果てたダイロを解放するも、今度は一緒のベッドで共に裸のまま寝るようねだった。
 そうして二人は褥を共にしたわけであるが、まだ若いダイロはそれ以上起きている余裕など無く、すぐ深い眠りについた。
 一方、すぐ寝た少年とは対照的にアビーは闇の中で彼の寝顔を眺めて愉しみ、また彼の若く華奢な体と温もりを堪能するかのようにしばらく抱きしめた後で眠ったのだった。

「う〜ん……」

 そして翌朝、ダイロよりも早く目覚めたアビー。彼女は起きてすぐに身支度を整えると、愛する坊やのために腕を振るって朝食を作り、彼の目覚めを待った。
 疲れ果てていたが故に熟睡していた少年であるが、やがて鼻孔をくすぐる料理の匂いを嗅ぎつけたところで、むくりと起き上がる。

「おはよう、ダイロ君」

 料理の並ぶテーブルの前の椅子に腰掛けながら、にっこりと微笑むアビー。

「お、おはようございます」

 寝ぼけたダイロは挨拶をした女がいつものヴァルキリーでない事に一瞬驚くも、ここで昨晩の事を思い出し、赤面しながらぎこちなく挨拶を返す。

「よく眠れた?」
「は、はい」
「うふふ。それは良かったわ」

 しかし、床を共にした女を意識してしまう少年とは対照的に、アビーの態度は親しげではあるが気安いものだった。これも大人と子どもの差であろうか。

「でも、お口の周りは涎でべっとり。まずは顔を洗ってらっしゃいな」
「あっ、すみません……」

 そんな彼女に早速指摘され、ダイロはすぐに洗面所へと向かう。

「……まだ遠慮がちかな」

 ダイロがいなくなったところで、少々残念そうに呟くアビーゲイル。
 一夜交わったぐらいでは、まだ完全には打ち解け合えない。心まで繋がり合うためにはまだ交流が足りず、さらに時間が必要だと彼女は改めて自覚していた。





「お世話になりました」

 出された食事を平らげたダイロは身支度を整え、別れの挨拶を魔術師の女と交わしていた。

「いえいえ、とんでもない。むしろ私の方も貴方に酷い真似をしてごめんなさい」

 やや申し訳なさそうに昨夜の非礼を詫びるアビー。交わった後に冷静になった彼女は、少年に対してやり過ぎてしまった事を自覚していた。

「……でも、あえて言っておくわ。私は貴方の事が好き」
「………………」
「だから、この街を再び訪れる時には、私の元へ寄って欲しいな」

 だがそれでもあえて、嘘偽りの無い気持ちをアビーはダイロへと告げる。

「……はい」
「これ、馬車代に使ってね。貴方との再会、楽しみにしているわよ」

 名残惜しいが、良い女は旅立つ男を引き留めないものだ。そう考えているアビーは最後にダイロをその豊満な肉体で抱きしめた後に餞別の金を渡し、涙を振るって送り出したのである。





「た、ただいま」
「! おかえりなさいダイロ!」

 馬車を乗り継ぐ事数時間。正午を越えたところでダイロは我が家に辿り着き、待ちかねていたヴァルキリーが彼を出迎える。

「あぁ、無事で良かった!」

 実に切なそうな様子で、レミエルはダイロを抱きしめる。

「はははは。おねえちゃん、心配しすぎだよ」

 二日ぶりの師匠の温もりと匂いを堪能しながらも、大げさな彼女の態度を笑うダイロ。

「………………!」

 しかし、ここでレミエルは気づいてしまう。

「おねえちゃん?」

 愛しい坊やから漂う、おぞましい匂い。明らかに発情しきった淫らな肉欲を彼に向けている、他の雌……それも人でない“魔物”の匂い。
 彼女が恐れていた悪夢が本当に起きてしまったのだ。

「ダイロ……貴方、昨日何処に泊まったの?」
「っ!」

 先ほどの愛おしさを全開にした態度から一転、冷たい口調で昨夜の事を問われ、体を強張らせるダイロ。

「や、宿屋だよ…」
「本当に?」

 レミエルはダイロから離れると、じっと彼を見つめる。

「ほ、本当だよ…」

 ヴァルキリーの目はいつもの凛としたものでない。明らかな怒りに加え、何故か瞳は暗く澱んでおり、ダイロは彼女の変貌ぶりに恐怖する。

「貴方……昨夜、女を抱いた?」
「!」
「その反応、図星というわけね」

 さらに悪い事に、機転の利かない少年は彼女の問いかけに反応してしまう。レミエルはそんな弟子の嘘に苛立つも、出来る限り平静を取り繕う。

「ダイロ……貴方は勇者となるべき者なのよ?」
「……」
「そんな貴方は清い身でなければならない。市井の女と淫らな行いをするなどもってのほかよ」

 レミエルは優しく諭すも、本音はダイロが他の女を抱いた事が気に入らないだけだ。
 現にレミエルは自身が毎夜ダイロと淫らに交わっているが、その事を口に出さず棚に上げている。そして、その矛盾は彼も感じていたが、今それを口に出せばヴァルキリーをさらに怒らせるだけだと思い黙っていた。

「でもダイロ、安心して?」

 そうして偽りの優しさを見せたまま、レミエルはダイロを再び愛おしそうに抱きしめ――

「どんなに貴方が汚れてしまってもいい。私が何度でも綺麗にしてあげるから」
「………………」

 少年への愛と肉欲によって発情した顔で、レミエルはダイロの耳元で囁く。

「そして、今からそれを証明してあげる」

 薄汚い魔物にダイロが汚されたのを我慢ならぬレミエル。ダイロの肢体を洗うため、さらには自分こそがこの少年を一番愛している事を証明するために彼の手を引き、彼を浴室へと誘ったのである。










「おやすみ、私の可愛い坊や…」

 ベッドに横になった少年は、すぐに眠りへとついてしまう。そんな彼を愛おしそうに見つめるレミエルであるが、いつもと違い、彼女は共には眠らなかった。

「………………」

 奇しくも昨晩のアビーゲイルと同じく、二人は浴室で激しく交わった。愛しい坊やが他の雌の体液にまみれているのは極めて不愉快ではあったが、それもこちらが犯し、洗い流してしまえばいいだけの事。
 ダイロの方も他の雌に犯され、その味を知ってしまったのにもかかわらず、変わらず愛してくれた。
 恐らく、件の下手人は肉欲だけで彼の事を襲ったのだろう。そんな者相手に無理矢理犯されたところで快楽を感じる事など出来るはずもない。
 やはり他の雌では二人の強固な絆を切る事は出来ないのだ。
 
(坊や……)

 テーブルの上に書き置きを残し、ダイロとその両親に初めて出会った時と同じ戦支度、群青色の鎧兜に着替えたレミエルは外に出ると星空を見上げる。
 ヴァルキリーはダイロ少年を愛する余り狂ってはいたが、その狂った己を恥じ、隠し通せる程度にはまだ自制心と思いやりがあった。
 ダイロを犯したのは魔物であるのは分かっていたが、あえて彼に告げなかったのも事実を知った彼を傷つけてしまうのを恐れたからである。

(貴方は優しい。だからこそ、貴方は自らを傷つけた者でさえも許してしまうでしょう。
 でもね……私は違うの。貴方を汚した大馬鹿者を私は許せないのよ)

 だが、ダイロを犯した不届き者をそのままにはしておけなかった。
 愛しい無垢な坊やを犯し、穢した者を生かしておくほど、今のレミエルは慈悲深くはなかった。

(奴は再び貴方を求めるでしょう。でも、それは貴方を愛しているからではなく、貴方の持つ勇者の力を狙っているから。
 恐らく、奴は貴方に愛を囁いたはず。でもね、奴等は貴方に対する愛なんて無いの。
 魔物が人を愛する事なんて無い。だから、貴方の事も愛しはしない)

 ダイロに全てを捧げたレミエルと違い、魔物がダイロを誘惑したのは打算そのものだ。ただ肉の交わりを欲したか、あるいはただ勇者の素質を持った子どもを産むためだけで、そもそも彼個人の人となりなど何の興味も無いやもしれない。

(そんな輩が貴方の子どもを産もうとするなんて、私には耐えられない)

 だからこそ許せない。愛も無い輩が彼の子を産もうなどとは、思い上がりも甚だしい。

(そいつに先を越されるなんて、あってはならない。だから殺さなくてはいけないの)

 何より、ダイロの子を真っ先に孕むべきはそもそも自分なのだ。自分以外の雌がダイロの子を産むなどあってはならない。
 しかし産む前にそいつが死ねば、子どもはそもそも産まれない。一夜の交わりだとしても、孕んだ可能性がある以上は排除せねばならない。

(でもダイロ、悲しむ事はないの。所詮、あれは貴方の見た一夜だけの悪夢。月日が経てば、その内綺麗に忘れ去っているわ。
 貴方が私以外の女と寝た、なんていう悪夢はね…)

 そうして剣を携えたヴァルキリーは罪人を始末すべく、闇夜の中に姿を消したのである。
17/06/05 04:35更新 / フルメタル・ミサイル
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■作者メッセージ
 アビーゲイルさんの種族は彼女の身体的特徴と図鑑を照らし合わせていただければ気づいていただけると思います。ちなみに彼女は普段『鍔の大きい帽子』を好んでかぶっている事が多いです。
 また、今回の話では初めはもっと陰惨な描写が多かったレミエルさんですが、「これだとただの嫌な女」だと思ったので少しマイルドにしました。

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