連載小説
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とある女博士のレポート
ある日、私はとあるキノコを見つけた。
見たことがない初めてのものであった。

まるで女の人の姿をしていたそれを私はしっかりカゴに捕まえて、研究室へ持って帰った。

研究室で何度も観察していた。
胞子を調べたりつくりを調べたり……。








しばらくしてだった。
何かが欲しくなった。
それは液体だった。
しかし何を飲んでもそれは満たされない。
病院に行っても異常なしと判断された。

飢えていた。
それでも私は研究を続けた。
いつからか身体が熱くなって服も脱いでいた。
どうせ殆どこの研究室には人は来ないのだ。
問題はない。

それでも身体は熱かった。
股から何か出てる感覚があった。
その煩わしい感覚を胸などを弄りながら誤魔化していた。

食事は出前を研究室の前に置いてもらうようにした。
だが一向に飢えは満たされない。

そんな日々が続いたある日だった。

「先輩!?なんで裸で!?」

後輩の男が部屋に入ってきた。
普段なら勝手に入ってきた事に怒るところだったが、それよりも早く私は彼を押し倒していた。

「せ、先輩!?」

唇を奪った。
甘かった。
だがまだ美味しいものがあると分かっていた。
その下半身の要らない衣服を破いていく。

私はいつのまにこんなに筋力が上がったのだろうか?

そんな事を疑問に思いながら、彼の大きくなっているソレを咥えた。

「あ、ああああ!?で、でる!?」

彼の精液が私の喉に入ってきた。
とても美味しかった。
こんな美味しいものは初めてだった。

だがまだ飢えが満たされなかった。
もう一つの口が欲しがっている。

「や、やめてください!?」

彼が何か言ったようだが、私はそのまま下の口で彼のものを飲み込んだ。
そういえば私は処女だったろうか?
その時に感じた感触でそんな事を考えていた。

とても気持ち良い。
まるで本当に口になったかのように彼の味が感じられた。
とても美味しく素晴らしかった。

美味しくて気持ちよくて、美味しくて気持ちよくて頭が破裂しそうだった。
そう思ったら頭が破裂した。

否、頭の上に何かが出て開いたのだ。
鏡を見るとそれはキノコであった。
研究対象のと同じキノコが。

キノコは胞子を撒き散らしていく。
それが何よりも嬉しいし気持ちよかった。

いつからか彼も悲鳴ではなく喘ぎ声をあげていた。
まだ、まだ足りない。
何もかもが足りない。
もっともっとたくさん。

そう思いながら腰を振っていた。







しばらくして研究室の扉を叩く音と怒声が聞こえた。
だがそんな事に関わる必要性なんてない。
私は無視を続けた。

いつのまにか肌色が変わっていた。
まるでキノコのような色に。
足は動かない。
否、気づいたら彼のものを咥えたまま、私の下半身は溶けてくっついている。

彼の中に私がいる。
私の中に彼がいる。
なんて素晴らしいのだろう。



しばらくすると怒声などは聞こえなくなった。
代わりに喘ぎ声と水音が聞こえるようになった。
どんどん胞子の濃度は濃くなっていく。
吸えば吸うほど麻薬みたいに脳が快楽漬けにされていくのが分かっていく。
だが何よりもそれに忌避感はなかった。




いつのまにか、私の腹は大きくなり乳房からは母乳が流れていた。
その事に喜びながら交わっていた。







しばらくして屋根や建物が崩れた。
外を見るとありとあらゆる建物が胞子で覆われている。
朽ちていく建物の中で外で、人々が交わり合っているのが目に見えた。
そしてその近くには子どもたちも多く居た。

今、この世界に人間は何人いるのだろうか?
その者たちに思いをはぜながら、何度も交わり、子に乳をやり思案に更けていく。

24/04/27 19:02更新 / デーカルス
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