第11章:決死隊 BACK NEXT


さて、ここで一旦時間軸の整理をしてみよう。
なにしろ章ごとに時間を行ったり来たりするので、混乱される読者も多いことだろう。
カンパネルラ電撃戦開始からの出来事を順に並べると、次のようになる。


1日目:第二軍団がアネットに向けて出陣。
3日目:本隊及び第三・第四軍団が出陣。
5日目:第三軍団がアネット軍との前哨戦に勝利。(電撃戦前編)
   本隊と第四軍団が進路変更。
6日目:カンパネルラ軍主力がチェンバレン援軍に向かう。(電撃戦中編)
9日目:第三軍団が第二軍団と合流。
13日目:自由都市アネットへ攻撃開始(電撃戦後編)
15日目:カンパネルラ軍および十字軍がチェンバレンに到達。
17日目:十字軍がチェンバレンを無視し、プラム盆地へ進路を変更する。
18日目:カンパネルラ軍が十字軍本隊の追撃を開始。
23日目:第二軍団が別行動部隊を派遣。エオメル占領を目指す。
24日目:ルピナス河の戦い。
28日目:エオメルが陥落。
29日目:プラム盆地が陥落(外伝:籠の中の李)
31日目:チェンバレンが陥落
38日目:十字軍がカンパネルラに到達
41日目:カンパネルラの外周城壁を突破。(迷宮回廊)
43日目:カンパネルラ城への内部攻撃を開始。
55日目:カンパネルラ城攻略に冒険者集団を投入する。
68日目:カンパネルラ城陥落。


今回は、時間軸を戻してカンパネルラ電撃戦後編が終了した
33日目あたりから話を始めるものとする。



「フェデリカ様。グレイシア様の部隊が帰還しました。」
「やっと帰ってこれたか!さぞ辛かっただろうな、
すぐに休ませられるようにしておいてくれ!」
「わかりました。」


フェデリカのもとに、伝令のキーニから連絡が入った。
グレイシア率いるカンパネルラ軍残存部隊がようやく戻ってきたのだ。
フェデリカは早速彼女たちを出迎えることにした。

執務室を出て、軍が駐留する施設に向かう。
そこには無残にもボロボロとなったカンパネルラ軍主力の姿があった。
どの兵も疲れ切った顔をしており、無傷の者はほとんどいなかった。


「グレイシア!」
「フェデリカさん……、無念です。
我が軍はルピナス河で一方的な敗北を喫し…さらに
先ほど敵軍の伏兵にあって、多数の脱落者を出しました。」
「気にするな、今回は相手が悪かっただけさ。
それよりも今は腹を満たしてゆっくり休むといいさ。」
「ありがとうございます……」


緊急脱出したリリシアに代わって敗残兵を率いてきたデュラハンのグレイシア。
負傷兵を大勢抱えながらも、同行したバフォメットのレナスや
サキュバスのカペラ、メドゥーサのシャノンらの協力により
なんとかここまで戻ってくることが出来た。

しかし、アネットまでもう少しの地点で敵の伏兵から攻撃を受けてしまい
残っていた15000人のうち7000人が犠牲になってしまった。
チェンバレンの増援に向かった120000人は
わずか8000人しか戻ってこれなかったのだから、
グレイシアとしては申し訳ない気持ちでいっぱいだ。


「ところでレナスやマーテルたちは?」
「ワシならまだピンピンしておるぞ。」
「おっとレナス、いたのか。小さすぎて見えなかったわ。」
「お主はもう少し…いやもうかなり小さくなるべきじゃな。身長も胸も。
それはさておき、ワシとカペラは無事に帰ってこれた。
カペラは今腹減ったとか申して、さっさと精の調達に行ってしまったがのう。」
「……元気そうでよかったな。」
「じゃがな、アヌビスのマーテルは残念ながら捕虜になってしもうた。
その上シャノンは左肩に重傷を負っておる。」
「シャノンが重傷か…。当分あいつには無理させられないな。
わかった、今回は残念だったがまだ終わったわけじゃないんだ。
レナスも今はゆっくりと休んどけ。その間私達が守りきるから。」
「すまんな、少しに間休ませてもらうぞ。」


レナスもまた、サバトの支部へと戻って行った。


「あーあ、私だって休みたいんだけど。
ミノタウルスの睡眠時間が5時間とかありえねーとおもうんだ。
早いところ決着をつけてしまいたいのは山々だが…。
私に…もっと力があれば、な。」

ぼやいても敵は手加減してはくれまい。
この都市を守りきるその日まで、彼女は戦い続けなければならない。
















場面は変わり、カーター率いる第三軍団の陣地。
司令部幕舎で本を読んでいるカーターのところに、二人の将軍が戻ってきた。

「失礼します。カシス、ただ今戻りました。」
「トステム、帰還しました!」

戻ってきたのは教会騎士団を率いるカシスと、眼帯をした隻眼の将軍トステムだ。
この二人がカンパネルラ軍の残存兵にダメ押しの伏兵を仕掛けた張本人だ。
回復しきれない負傷兵を大量に抱えていたカンパネルラ軍残存部隊は、
第三軍団にとって絶好の鴨だったのだ。


「ご苦労。戦果は?」
「はっ、伏兵によって約5000人を討ち取り、負傷兵を多数捕獲しました。」
「残念ながら兵士8000人ほどと敵将は逃してしまいましたが。」
「そうだな、欲を言えば敵将をある程度捕らえておきたかったが
半数も減らしておけば十分だ。よくやってくれた。」
「左様ですか。では、私はこれにて。」

カシスは報告を終えると、幕舎から退出していった。



「カーター軍団長。」
「どうしたトステム。もう戻っていいんだぞ。それともまだ何か用か?」
「軍団長は、魔物についてどう思っていますか?」
「はぁ?んなこと聞かれてもなあ。俺自身は別に魔物自体に恨みがあるわけでもないし。
いきなりこんなことを聞いてくるのはどういうつもりだ?」
「いえ、軍団長は相手が魔物とはいえ子女を
手にかけることについてなんとも思わないのかと…」
「思わないな。(キッパリ)」
「そうですか……、なら結構です。では俺もこれにて。」


トステムもまた幕舎から退出する。
だが……


「待て、トステム。」
「どうしましたか軍団長?」
「お前は朝起きた時と食事の前、そして寝る前に神へ祈り捧げているか。」
「祈りを?ええ、子供の時からの習慣ですので、
軽くではありますが祖先と神に対して祈りをささげています。」
「なるほどな。ちなみに俺はやってない。」
「ええっ!?」
「祈っても無駄だからな。」
「あのですね…軍団長。仮にも我々十字軍は神の威光の下に集ったのですから、
その中枢をなすカーター軍団長がそんな不信心というのは如何なものかと。」
「そうはいっても祖先に対する敬意は持っているつもりだ。
しかしながら、俺は神などと言うものをどうも尊敬する気になれん。
それどころか隙あらばその座を奪ってやりたいとも少々思っている。」
「そんな恐ろしいこと、よくさらっと言えますね。」
「だから俺には神が善だとか魔物が悪だとかそんなことはどうでもいいんだ。
目指すのはただ一つ、俺たち人類の繁栄だからな。」
「……………」


この時代、人々が神に祈りをささげることは
挨拶をするのと変わらないくらい、当たり前の行為だった。
むしろ神を信じない人はかなり稀であると同時に、
倫理観に欠けるとみなされてもおかしくはない。
よって、カーターのこの言葉はトステムにとってかなり衝撃的だった。


「おっと、この話はカシスやユリアさんにはするなよ。」
「は、はい。分かりました。」

そしてトステムもまた幕舎を後にした。


「さて、続きを読むとしようか。」

カーターは再び本に目を通し始めた。
彼が手にしているのは『メーベルクレンツァウ』という知識書。
人類はいかに無力な存在であるかについて書かれている。

「『人類が他の動物より優れていると錯覚するのは、無駄に思考の力があるから』
この世界で最も偉大なのは結局神であり、その次が魔物…ってわけか。
だからと言って俺たちは神の奴隷にも、魔物の餌にもなる気はないがな。」


だが読書の時間はそう長くは続かなかった。
副軍団長のゼクスが幕舎に入ってきたのだ。


「カーター様、今お時間よろしいでしょうか。」
「ゼクスか。何かあったのか。」
「第二軍団長のファーリル様がお見えです。」
「おじゃまするよカーター。暇してたかな。」
「見ての通り、俺自身は割と暇だ。しかしお前はお前でやることは終わったのか?」
「今は連日の攻撃で兵士の疲労がたまってるから攻撃を二・三日見合わせてるんだ。
やっぱりあの都市は一筋縄ではいかなくてさ。弩砲のボルトの補充が追いついてないし。」

そう言いながらファーリルは、カーターの許可も得ずに
勝手に備え付けのティーカップに保温瓶から紅茶を注ぎ始める。
明らかに長時間居座る気満々だ。


「どうでもいいが、用があるならさっさと言ってくれ。
さもないと熱湯が入った保温瓶を俺が思わず手を滑らせちまうかもしれんからな。」
「それって遠まわしに『お湯ぶっかけます』って言ってるのかな?
もちろん用があってきたから安心してよ。実はさ、アネット攻略に関して
一つだけ確認しておきたいことがあるんだ。」
「確認したいことだと?わざわざ俺にか。」
「アネット攻略の手柄、このままだと全部僕の軍団が独り占めしちゃうけど、いいかな。」
「なんだとっ!!」

バアァン!!


ファーリルの大胆な独り占め宣言に、普段冷静なカーターも思わずその場に立ち上がる。
今の音は、カーターが立ちあがった際に手を思い切り打ちつけたからだ。

「聞き捨てならんことを言うな、ファーリル。
俺らの軍団だってアネット攻略に全力を傾けているんだぞ。
しかも、初戦で一人将軍を失っているんだ。この失態は早めに取り戻さねばならん。
それなのに、お前は何を根拠に手柄を独り占めしようなどと……」
「まあまあ冷静になりなよカーター。」
「…ふぅ、一応落ち着いたぞ。だから遠慮なく話せ。」
「だったらついでに鞭もしまおうよ。でもまあいいや、
僕がこんな話をするのは、いよいよアネット攻略の目処が立ったからだよ。」
「ほう、それはまた随分なことだな。どのくらいかかる。」
「後一ヶ月かな。」
「話にならん、一ヶ月だと不確定要素が多すぎる。」
「まあまあ、最後まで聞いてよ。僕たち第二軍団はこの後……」


ファーリルは軽いテンションながら、非常に重大なことをカーターに知らせた。
もしファーリルがこの話をカーターにしなかったら、
危うく第三軍団は空気と化してしまうところだった。


「……なるほどな。
要するに、時期が来たら第三軍団からも部隊を出せと言いたいんだな。」
「あくまでも強制はしないよ。その代り、誰を出してくれるか決めたら
早めに僕のところに知らせてくれるとありがたいよ。」
「わかった、第三軍団でも話し合ってみよう。
しっかしエルならともかくお前に出し抜かれる日が来るとは思わなかった。」
「何言ってんだか。士官学校の兵法の授業で僕に勝てたことが一度でもあったかい?」
「言っておくが、実技では俺の勝ち星の方が多いからな。」


はたから見れば軍団同士の足並みがそろってないようにも見えるが、
この程度で連携が乱れるほど彼らは甘くない。
むしろ、こうした軽口を言い合えるほど仲がいいとも言える。



「なあ、ファーリル。話は変わるが、お前は魔物についてどう思っている?」
「唐突だね。魔物にいてねぇ…、結局僕たち人類の上位種族ってことになってるよね。
人類は魔物がいなくても生きていけるけど、魔物は人類なしじゃ生きていけない。」
「まあ、魔物は食えないしな。」
「だからね、今しかないんだよ。今ならまだ人と魔物が敵対するのが当たり前だ。
神様やご先祖様に何度も祈りをささげるのが当たり前のようにね。
でも、いつかきっとこの価値観は崩れると思うんだ。」
「……魔物と人が暮らすことが、当たり前の時代が来るってことか。」
「その時代が来た時、人類と魔物との均衡がどうなってしまうかは
今の僕たちの行動にかかっているといっても過言ではないんだよね。」


見た目は温厚そうで、一見すると争いを好まなそうに見えるファーリル。
そのほかにも、第一次十字軍に参加した将軍たちは一方的に魔物に恨みがある者は少ない。
なのになぜ彼ら彼女らは、容赦なく見た目女の子になった魔物を倒すことが出来るのか。

もし後世の歴史家が彼らに質問することが出来たのなら、彼らはこう答えるだろう。

「魔物が可愛いからいけないんだよ♪」



結局ファーリルはその夜遅くまで第三軍団の陣地にいたという。
こういうときでなければ親友とゆっくり話す時間は作れないからだろう。
士官学校での同期生だった二人は、今はお互い大勢の兵士の命を預かる身。
普通の友達同士のように気軽に話すには、二人とも偉くなりすぎた。













少しの休息期間をはさんで、攻城戦が再開された。

ファーリル率いる第二軍団は、以前にも増して自由都市アネットを激しく攻め立てる。
弓矢が無数に飛び交い、攻城兵器がうなりを上げる。
ボルトを補充した弩砲も絶好調だ。


そんな中、ファーリルは今日もせっせと魔法陣を描く。

「ふ〜んふふ〜んふんふんふ〜ん♪
  オマエにゃんこだよ〜
   僕はも〜っとにゃんこだよ〜
 あの娘〜もにゃんこだし〜
   どいつ〜もこいつも ね〜こまみ〜れ♪」
「ぐ…軍団長、今は戦争中なのですから、あまり笑わせないでください…」

副軍団長のヘンリエッタは、ファーリルが口ずさむ
意味不明な歌を聞かされて必死に笑いをこらえている。
彼女は、大規模術式発動を阻止しようとする攻撃から
ファーリルを守らなければならない。一時でも油断は禁物だ。


「サエさん。そろそろ結界の用意を。」
「畏まりました。」

第五師団長のサエは、儀式大の周囲に素早く結界を張りめぐらせる。
これでいつも通り飛び道具から防御は万全だ。






その一方で、アネット城内では
バフォメットのレナスがいち早く魔力の高まりを感知した。


「フェデリカ!ツィーリン!一大事じゃ!何やら城外で大規模な魔力の高まりが起きておる!」
「そうか!レナスは今までいなかったから…、」
「また今日も『あれ』がくるのか!?一体どうしたらいいんだ!?」
「とにかく守備兵全員に警戒令を出せ!」


フェデリカが発した警戒令は瞬く間に守備兵たちに伝わった。
だが、伝わったところで持ち場を離れるわけにもいかない。

「ダメ元であそこの魔法陣に攻撃を放て!」
「何かしら届けば発動をキャンセルできるかもしれない!」
「撃て撃てっ!」

ワーワー


アネット守備兵は危機感を募らせ、必死でバリスタや遠距離魔法を放つ。
しかし、彼我の距離は400m以上。仮に届いたとしても、結界に阻まれることだろう。
この時点ではもはや打つ手なし。



「サエさん、そろそろ結界の解除を。」
「分かりました。結界を一時解除いたします。」

結界をといておかないと魔力が暴走して自分たちにまで被害が出てしまう。



『セプテントリオン!!』



カッ!!

シュバアアアァァァッ!!

ドゴオオオォォォォ!!




「なっ!!なんじゃああぁぁぁっ!!??」
「ちょっ、ちょちょちょっ!何なのよ今の攻撃は!?」

セプテントリオンを初めて見たレナスとカペラは、あまりの衝撃に度肝を抜かれた。
白昼の空が闇に染まり、七つの星から超威力のビームが降り注ぎ、
着弾点の周囲にある物体を一瞬にして消滅させる。
ツィーリンも、何度も喰らっているがいまだに恐怖が抜けない。

「レナス…見たか。今のが奴らの対軍魔法だ。」
「バ…バフォメットでもあれほどの魔法を扱える者はかなり限られるというに…」
「それでも何とか防げないの?」
「こちらも大規模な結界を張れば何とかなるやもしれぬが……気休め程度にしかなるまい。」
「このままではそう遠くないうちに城壁を突破されてしまうぞ。」

(こうなればもはや、私の命を懸けるしかないだろう。
どうせもう私には帰るところはないんだから。)

この日、ツィーリンは非情な決断をした。









コンコンッ

「フェデリカ、いるか?」
「いるよ。その声はツィーリンか?」

その日の夕方、ツィーリンはフェデリカの執務室を訪れた。

「敵の攻撃がひと段落したと思いきや、またしても容赦なく攻撃を開始してきた。
このままだとこの街は半年も持たんと思っている。」
「そんなこと、言われなくても分かるよ。だが私たちでは打つ手なし。
相手があきらめるまでひたすら耐えるしかない。」
「確かに今の状態では、劣勢を挽回しようとして下手に動けば
逆に相手の思うつぼかもしれない。だが…犠牲をいとわなければ話は別だ。」
「そんなこと言ってもな…、今は一人ひとりが何にも代えがたい大切なものだ!
少数を犠牲にするような作戦は行いたくない。」
「この馬鹿っ!!いや、牛頭っ!!そんなこと言っている場合ではないだろう!
私は今晩、3000人の決死隊を率いて敵陣に夜襲をかけるつもりだ!」
「馬鹿はあんただよ!あの陣地を見ただろう!たとえ夜襲をしても
城門から出た後すぐに発見されて迎撃されるのがオチだ!
やられると分かっているのに、みすみす死にに行く馬鹿がどこにいるんだっ…!」


フェデリカの言うとおり、相手は警戒心が非常に強く、奇襲は困難だ。
夜襲が出来るというなら彼女たちはすでにやっていただろう。

だが、ツィーリンは引き下がらない。

「忘れたのかフェデリカ。この都市には城門以外の出口があるということを。」
「まさか地下通路を使う気か!?」
「その通り。地下通路を通れば丁度奴らの後ろに出てくる。
敵もまさか突然背後から来るとは思っておるまい。」
「…なるほど。それなら十分勝算はありそうだ。
それでも非常に危険なことには変わりない。一度みんなと相談しないとな。」



フェデリカは、城内にいる将校たちを緊急招集した。
会議の中でツィーリン自身が改めて今夜の夜襲を行いたいと主張している。


「いいか!今はもう手段を選んでいる暇はないんだ!」
「僕は反対です。隠し通路の存在が
万一敵に知られれば、非常に拙いことになります。」

早速反対意見を示したのは、内政局長のパスカルだ。
彼の言うとおり、城内への直通通路があると知られればそこから敵が押し寄せるだろう。
だが…

「いえ、私は賛成です。」
「レナータ…」
「今のまま籠城を続けていれば、ジリ貧になることは間違いありません。
時には大胆な手段をとることも一考かと。」

ツィーリンの案に賛同を示したのは意外にも冷静沈着なレナータだった。

「じゃがな、場合によっては二度と戻ってこれぬのじゃぞ?」
「それに決死隊がどれほど集まるかも心配ね。」

レナスとカペラは、今のままではまずいことは分かっているものの
一歩間違えば取り返しのつかないこの作戦には消極的だ。

「ではこうしよう。今夜までに決死隊の応募者が1000人に達しないときは、
私もこの案を中止しよう。腰抜けばかりではどうしようもないからな。」
「どうじゃろうな。少なくともうちの魔女どもは怖がって参加すまい。」


結局、有志の決死隊を募って規定人数に達すれば実行するということになった。
そのため、すぐに各部隊に決死隊募集の知らせがいきわたった。
刻限は二刻後。集合場所は街の中央部にある女性像のある大広場。
それまでどれだけの人数が集まるか……





結果。

「これはちょっと多すぎるな。」
「まさかこれほどまでとはのう…」

ツィーリンとレナスの前には、大勢の兵士が集まっていた。
それはもう男女人魔関係なく。数にしておよそ4500人だ。

「内務局長。これだけ集まれば文句あるまい。」
「そうですね…、これだけの意思を無下にすることはできません。
ですが、くれぐれも無理はしないようにお願いします。
死んでしまって一番悲しむのは、生きている人なのですから。」
「わかっている。心配するな、私達は必ず大戦果をあげて戻ってくる。」


編成を終えると、ツィーリンは決死隊を率いて秘密の地下通路に向かった。

自由都市アネットには、府庁の地下から外の森まで伸びた隠し通路がある。
全長は何と4q以上におよび、速足で歩いたとしても出るのに30分以上かかる
非常に長大な地下通路。
その存在が知られたのは4年ほど前であり、
今でもこの通路の存在を知っている人はごく一握りしかいない。

おそらくは、アネットで革命が起きるにこの都市を領有していた帝国が、
要人の脱出用に作った物なのだろう。
一度は、埋めるかどうか議論されたが、
何かに使うこともあるだろうとして結局そのままにされていたのだ。


「さあ、皆の者。今夜は精一杯お礼をしてやろうではないか!」
『おーーーーっ!!』

決死隊たちは暗闇に通路を足早に進んでいった。













一刻後の第二軍団陣地にて……


「敵襲!敵襲ぅ!!」
「アネット兵が攻めてきたぞ!!」
「応戦せよ!敵を陣地に入れるな!」

ワーワー


「は〜ぁ、何だいこの騒ぎは?」
「ファーリル様!夜襲です!アネット兵が背後から押し寄せました!」
「背後からねぇ。リッツの言った通りになったようだ。
まずは動揺した兵士を落ち着かせて、ゆっくりと反撃に転じるんだ。」
「わかりました!」

夜襲の報告を受けたファーリルは慌てることなく、
確実に軍の立て直しを命じる。
彼自身が陣頭に立つことによって兵士たちに安心感を与え、
素早く反撃の態勢を構築し始める。


「くそっ!なぜだ!?一時は動揺させたとはいえ、
こうも短時間で立ち直るとは!?」
「ですが攻撃を始めたからには後には引けません。進みましょう。」


確かに陣地の後ろ側は前方に比べて明らかに防備が薄かった。
だが、ツィーリンの予想に反して奇襲したというのに
驚異的な速さで混乱から立ち直り、反撃されている。

それでもツィーリンとお伴のレナータは一歩も引かずに突撃する。
ツィーリンが振う『吸血剣ヴラド』は、切り裂いた相手の血を吸って
その分の力を自身の治癒の力に変換する。
このため、彼女は夜に強いヴァンパイアであることも相まって
多少無茶しようと平気である。

しかし周りの兵士はそうはいかない。
死ぬ物狂いで攻撃するため、相手に与える被害もそれなりのものだが
徐々に組織的な反撃に代わってきているのが非常につらい。


「敵将はどこだい!第三師団長のソラトが相手するよ!」
「大きく出たわね人間風情が!ヴァンパイアである私と対等に戦えるものか!」

ついに将軍同士の一騎打ちも始まる。
初めは人間であるソラトを見下していたツィーリンだったが、
何せソラトはかつて腕利きのリザードマンと人間を両方相手したこともある。
その見た目以上の強さに、彼女は戸惑った。


「ほいほい、大きく出たのはどっちかな?」
「くっ…お前、なかなかやるなっ!」

カーン、カキィン、キーン、カ、カ、カキィーン!!

ツィーリンの方がやや不利だったが、
それでも何十合にもわたって互角に打ち合っている。
しかしツィーリンの目的はソラトを倒すことではない。
もっと重要なことがあるのだ。


「ツィーリン様!目標はある程度達成しました!」
「そうか、なら長居は無用だ。撤退するぞ!」
「撤退するだって?そうはさせないよ。」

ソラトはなおもツィーリンと打ち合おうとするも、
もはや彼女からはOut of GANTYU。
そのまま陣地を無理やり突破して城門から帰るつもりだ。
隠し通路の存在がばれないようにするといえども、
この帰還経路は困難を極めた。

「やられっぱなしで帰れると思わないことね!」
「逃げられると思いまして?」
「奴らは飛んで火に入る夏の虫だ!この機に全滅させてしまえ!」

ワーワー


「はあっ、はあっ…ようやく切り抜けた……」
「ですがレナス将軍の消息が不明です…」
「なんだって!?くそっ!今は探す時間はない、行くぞ!」

ようやく陣地を突破した時には、その数を500人弱にまで減らしていた。
予想以上に被害が大きい。フェデリカやパスカルがなんていうだろうか?
だが、過ぎたことは仕方がない。
彼女たちはこのまま西側の城門からアネットに帰還する。







が、ここで予想外のことが起きた。



「ツィーリン様!!前方に複数の人影が!!」
「こんなところに何がいるというのだ?」

闇夜の中、アネット兵が遭遇したのは…


「貴様らか!我々がいない間に陣地を奇襲した奴らは!!」
「くそっ!よりによってこんなところに敵部隊か!」

不運なことに、ツィーリン達は陣地外にいた敵部隊と鉢合わせしたのだ。
なぜこんなところ(何もない平地)に十字軍がいたのか謎だが、
今はそれどころではない。疲れ切ったアネット兵たちは
最後の力を振り絞って突破を試みる。


両軍は暗闇の中で激突し、夜の空に武器と武器がぶつかる音が盛大に鳴り響く。
死ぬ物狂いのアネット兵たちは非常に手ごわい。
十字軍の部隊は次第に受け身になってきた。

(クソッタレ!窮鼠猫をかむといったところか!
だがこのまま時間稼ぎをしていればおそらくは…)

部隊を指揮している十字軍の将軍…リッツは、
ただがむしゃらに攻撃するのは得策ではないと判断し、
陣形を変更して『鉤型』の防御陣形をとる。

その効果はすぐにあらわれた。


「ツィーリン様!後ろからも敵兵が!」
「し、しまった!!突破を試みている間に陣地の部隊が追いついてきたのか!」

第二軍団もやられっぱなしでは済まない。きちんと追撃軍を派遣してきたのだ。
そのためアネット兵たちは極度の疲労の上に挟み撃ちにあってしまった。

「リッツ!よくがんばったな!」
「ルーシェントか。何をチンタラしてたんだ。」
「なによー。せっかく助けに来てやったんだから感謝しなよね。」

リッツとルーシェントは戯言を口にしつつも、着実にアネット兵を追いつめていく。
彼我の兵力差は約4500対約500。もはや勝負は決したといってもよい。
それでもツィーリンはあきらめなかった。
たとえ彼女一人だけになっても、夜が明けぬ限りはなかなか倒せないだろう。


「こんなところで死んでたまるか!私は人間の手にかかって死ぬなど御免だ!
この場で逆に貴様らの生き血を吸い尽くしてくれるわ!」
「なんだ。お前ヴァンパイアだったのか。通りで一際強いと思った。」
「敵将か!丁度いい、お前を手土産にしてやろう!」

ツィーリンはリッツを発見するや否や、真正面から切り込んでゆく。

「リッツ様!危険です、お下がりください!」
「いや、ここは俺が相手せねば失礼だろう。任せておけ。」

リッツは、腰に装着した道具入れから『何か』を取り出した。

「これでも喰らいやがれ蝙蝠女が!」


ポイッ


「ちょこざいな!!」


ガシャン!!


ツィーリンは投擲物を剣で粉砕する。
ガラスが割れたような音がした。


バシャ〜ッ


「なっ!?」
「馬鹿め、今お前が粉砕したのは投擲剣でも目潰しでもない。
ただの水筒だ!それも飲料用の蒸留水入りのな!」
「う…うあああぁぁぁああっ!!」

一般的にヴァンパイアは能力が高いのだが、弱点もよく知られている。
日光、真水、ニンニク…
日の光の下では戦闘能力が大幅に低下し、
真水やニンニクを摂取すると『身体が灰になる』と言われている。
(もっとも、現在は『灰』にならず『ハイ』になる)
十字架に弱いという説もあるが、教団の勘違いによるデマなので注意しよう。


さて、水筒を破壊してしまったため真水を頭からかぶってしまったツィーリン。
全身に強い電撃のような感覚が走り、その場に崩れ落ちる。


「くっ……あはぁっ!んひぃっ……!」

ビクンビクンと痙攣しながら、息も絶え絶えに倒れ伏す。
その首筋に、冷たい金属の感触が伝わった。
リッツがツィーリンの首筋に剣を当てているのだ。

「どうだ?見下していた人間風情に一合も交えず倒された気分は。」
「き……いえ…あなたの名前……は?」
「俺の名前などどうでもいいだろう。しかし…灰にならないな?
見た感じ効果は抜群のはずだが。う〜む。」


リッツはツィーリンの顎を持ち上げて、じっくり観察し始めた。
顔全体が紅潮し、息遣いがとても荒い。

「魔物図鑑の説明が間違っていたのだろうか?」
「あっ……、いやぁ……」
(み、見られてる…、劣情によがり狂う…無様な私を…っ!)

「ふん、今はそれどころではないな。このヴァンパイアを捕縛しておけ。」


こうして、ツィーリンは捕虜になってしまった。

「よく聞けアネットの木偶兵士ども!お前らの大将は捕らえた!」

ワーワー


ツィーリンが捕らえられ、将を失ったアネット兵たちはたちまち混乱する。
その混乱に付け込んで、十字軍は一気に包囲殲滅を開始した。

しかし…

「リッツ!後ろを見ろ!」
「ちいっ、アネットから援軍が出てきてるだと!」
「今夜はもうこのぐらいで十分だろう。引き上げよう。」
「仕方ない、退却だ!」

アネットの城内から救援部隊が出てくるのを見たリッツとルーシェントは、
被害がこれ以上大きくなる前に引き上げることにした。
決死隊たちはあと一歩のところで全滅を免れた。



「ツィーリン!レナータ!無事か?」
「フェデリカ様…助かりました。もうだめかと思いました…」
「ですがツィーリン様はあえなく捕虜に。レナータ様も消息不明です。」
「そうか…、それは残念だ。」

フェデリカが駆け付けた時には、決死隊の人数はわずか32人にまで減っていた。








「軍団長、ただ今戻りました。」
「たーだいまー!」
「お帰り二人とも。どうだった?」

リッツとルーシェントは、戦後処理を行っているファーリルの下に戻ってきていた。

「こちらも210名ほど失いましたが、その代り敵将を捕縛しました。」
「おっ!さすが鬼将軍リッツ。大半が工兵だったのによく頑張ったね。」
「敵将がヴァンパイアでしたので、真水を振りかけてやりました。」
「真水か…。まあ、いいんじゃない。牢屋に入れといて。」
「承知しました。」

ちなみにファーリルはヴァンパイアに真水を掛けると発情することは知っている。

「ですが軍団長、俺がいない間に夜襲を受けたようですが、被害はどうなっていますか?」
「それなんだけどね、結構手痛い打撃を被ったよ。
なにせ新兵器の弩砲が半分くらい壊されちゃってたからね。また作りなおさなきゃ。」
「兵器はまた作ればいいだけのことです。問題は、奴らがどこから出てきたか…」
「恐らくリッツが言っていた、あの隠し通路を使ったのだろうさ。
君があの通路の存在を知っていなければ、もっと被害は大きかったはずだよ。」
「お役に立てたようでなによりです。」


夜襲の被害を抑えられたのは、偶然にもリッツが隠し通路の存在を知っていたからだ。
隠し通路の出口は森の中にあり、二つの頭蓋骨が目印となっている。
十字軍がこの通路を使わないのは、敵がこの通路を知っていると
通路の中で一網打尽にされる恐れがあるからである。

その時、ふとルーシェントが口をはさんだ。


「そいえば、リッツはなんであの隠し通路の存在を知ってたの?」
「…十年前のアネット革命の時、俺はあの通路から脱出した。
当時はまだひよっこだった俺は上官命令でただ一人逃がされたんだ。」
「なんだ。あんたも革命のときにアネットにいたのか。」
「アネットは俺の故郷だからな……」

自分にも他人にも厳しい、鬼将軍リッツ。
彼も笑ったり泣いたりしていた時があったのだろうか。
少なくとも、今では殆ど想像がつかない。


「しっかし、こんな鬼軍曹を育てて、革命まで起こしたとか
どんだけ苛酷な環境だったんだろうね?昔のアネットは。」
「さてな、昔のことはあまり思い出したくない。
では軍団長、俺はそろそろ仮眠をとりますのでこれにて。」
「うん、お疲れさん。ルーシェントも今夜はゆっくり休みなよ。」
「あいあいさー。」











騒がしい夜から一夜明け、自由都市アネットの執務室では
昨日の夜襲による戦果の報告が行われていた。


「新兵器を数台破壊したのと引き換えに、ツィーリンとレナータを失ったか。」
「確かに大戦果ですが、将軍を二名失ったのは非常に痛手かと。」

コンコンッ


「あいてるよ。」

そこに、二人の女性が入出してきた。
だがその二人の姿に、部屋にいて人々は大いに驚愕した。

「フェデリカ様、ただいまもどりました。」
「や、やあみんな!久しぶり!」

「レナータ!それにゾーエじゃないか!!」

フェデリカが驚くのも無理はない。
消息不明だったレナータが戻ってきたうえに、
捕虜になっていたゾーエが帰ってきたのだ。


…っといっても『ゾーエって誰だ』という読者が多そうなので補足。
ゾーエさんは、リザードマンの将軍であるレナータの姉で、
第6話の「カンパネルラ電撃戦前編」にて
カーターにつかまってしまったかわいそうな子である。


「夜襲に乗じて、捕らえられていた姉を救出してまいりました。」
「すまんみんな心配かけて。」
「本当に心配したのじゃぞ!よく見ればボロボロではないか。
捕虜虐待とかされなかったかのう?」
「う〜ん、なんだか『ハンバーグ陸戦じょーやく』がどうとかこうとかで
ただ単に閉じ込められてるだけだったわ。お陰で凄い暇だったけど。」
「なんじゃ、あんなことやこんなことされなかったのか。」
「それはよかったで……」
「つまらんのう。」
「おいこらそこのミニマムババァ!
私が痛い目にあった方がよかったというのか!」
「わかっておらぬなお主は。
敗北した女戦士→捕虜凌辱・調教→屈服は
太古から定められている黄金コンボじゃぞ。」
「知らんがなそんなこと!!」
「はいはい、二人ともそこまでにしなさい。」

二人のアレな言い争いはカペラによって終止符が打たれた。
もっとも、カペラはどちらかと言えばレナス派だったりする。


「とにかく、ゾーエが帰ってきたのはとても喜ばしいことだ。
敵にもそこそこ痛手を与えられたことだし、
決死隊に行った兵士たちの頑張りは無駄じゃなかった。」
「後は私達の忍耐にかかっています。精一杯守り抜きましょう。」




アネット軍からの奇襲は、結局この一回のみだった。
あとはひたすらヤドカリの様に城内に引きこもり、
徹底抗戦の構えを崩さない。


対する十字軍も、新兵器がいくつか破壊されたとはいえ
手を緩めることなく何度も何度も攻撃を続けた。


「梯子を掛けろ!城壁に登れ!」
「弓兵は援護射撃だ!邪魔な奴らを撃ち抜け!」
「破城槌、投石機、弩弓、攻城塔、セッティング完了!起動開始!」

ワーワー


「梯子を離せ!押して離せ!奴らを登らせるな!」
「石でも熱湯でも何でも構わない!ぶちまけなさい!」
「距離120メートル!目標、破城槌!放て!」

ワーワー



毎日がこのようなせめぎ合いの応酬。
変わり映えのない戦いが長期間続いた。

その間にも、本隊と第四軍団はカンパネルラの城壁を突破し、
内部ダンジョンに手間取りながらも、着実に進んでいるという。






そして、開戦からもうすぐで70日が過ぎようとした頃……


「ようファーリル。来てやったぞ。」
「お!エルじゃないか。それにユリアさんも。いつこっちに来たんだい?」
「先ほど、私の転移魔法でこの陣地に移動してきましたの。」

エルとユリアが、転移魔法で第二軍団の司令部に直接移動してきたのだ。
ファーリルにとっては、約二か月ぶりの再会であった。

「二人がここに来たってことは、カンパネルラは無事攻略できたみたいだね。」
「ああ、ユリアさんのおかげで首尾よくリリシアを討ち取ることが出来た。」
「いえいえ、私はただサポートしていただけですから(本当に…)」
「それよりアネット攻略の方はどうなっているんだ。後一ヶ月で落とせそうか?」
「大丈夫。もうそろそろ城門を破れると思う。あと1週間くらいかな。
けどね、そろそろ秘密に行ってきた作戦が大詰めを迎えてるんだ。
結果を楽しみにしててね。」
「ふーん、なら急いでくることもなかったな。」


どうやらエルが思っていた以上に攻略は順調のようだった。
後はファーリルとカーターに全てを任せてしまってもいいかもしれない。


「じゃあさ、せっかく来たんだから第二軍団の兵士たちにも顔を見せてあげなよ。
きっと士気が大いに上がるだろうからさ。」
「そんなもんかな?だが、陣地を視察するのも悪くないかもしれん。」
「では私もお供いたします。」
「いってらっしゃーい!カーターも呼んでおくからね。」



その日の攻城戦は、その場のノリで開かれた
「エル・サイン会」によって中止になったそうだ。
11/04/20 20:55 up

フィーネ「みんなごきげんよう!フィーネルハイト・フォン・クレールヘンです!本当はこの章でアネット攻略までやっちゃうつもりだったけど、前半がかなりつまらない展開ばかりだったから、分けることにしました。今回の章ははっきり言って盛り上がりに欠けるし、面白味もないんだけど、かといって飛ばしちゃうと色々不都合があるんだ。やっぱり戦争関係の話って難しいよね。つまらないシーンでも書かないとその後の展開がわけわかめだし。

でもね、次の章こそ本当にカンパネルラ編最後の戦いになるよ!たぶん『英雄の羽』における一つのハイライトになると思うから、楽しみにしていてほしいな。
参謀本部も、頑張って近日中に仕上げるつもりだって言ってるからね。
え?信用できない?まあ…、出来るときはできる、出来ないときはできないから…


あ、それと次の話はミゼラブルフェイト完結話と同時に発表する予定だけど、もしミゼラブルフェイトを読んでくれた方がいたら、そっちから先に読んでおくことをお勧めするよ!

じゃあ私からは以上だよ!当分出番がないけど、私のことも忘れないでね!
ばいばーい!
バーソロミュ
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