連載小説
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番外編 【これまでのあらすじ】
 これまでのあらすじ・遥か東の地に咲く花『夜明花』。死んだ両親の無念を叶えるべく、その種を故郷に持ち帰るためにイーサンは旅をしていた。途中、グリーンワームのプラムと意気投合したイーサンは、彼女と共に旅をすることになる。幾多の街を巡る中、西方の街にたどり着く。そこは主神騎士団が支配する魔物禁制の街であり、イーサンとプラムは裏路地に住む老婆に助けられ、街を辛くも脱出する。
 食料も水も尽きたまま、雪原を歩き続ける二人。崖壁の洞窟にて死を覚悟した時、プラムが羽化の際に作る繭によって、イーサンはインキュバスに、プラムはパピヨンになって、二人は生き延びることができた。

 故郷であるムイナ村にたどり着いた二人は、村の寂しい雰囲気にやるせないものを感じながら、持ち帰った夜明花の種を農場に埋める。1か月後、種は芽吹くが、それは夜明花とは似て非なる花だった。疑問を感じながら村に向かうと、なんと村のあちこちにその花は咲いており、村中の家畜を魔物娘に変え、魔物娘と人間が共存する村に変えてしまっていた。イーサンは村の変貌ぶりに戸惑いながらも、その花に『冬明花』と名付けるのだった。

 平和な日々を謳歌していたイーサンとプラムは、西の街で自分たちを助けてくれた老婆のことを思い出す。その街にいるより、村に来た方がいい日々を送れるだろうと考えた二人は、不穏な噂を聞きながらも街に行くことを決意する。街に向かう道中、主神騎士団の一団に襲われた二人を助けたのは、剣士のエドとラタトスクのミール、そしてサキュバスに変貌し、幼い姿になった老婆サリアだった。

 再会の感動もつかの間、そこに現れた主神騎士団長ガレスによって、サリアは連れ去られてしまう。無力な自分に対する悔しさを覚えるイーサン、恩人を救えなかった悲しみに暮れるプラム。エドとミールは二人を、魔王軍の避難所に案内する。
 そこで、サリアはかつて主神騎士の母と呼ばれる偉大な騎士であったことが明かされ、3日後に進軍してくる魔王軍が到着する前にサリアを救出するとエドは言った。イーサンはサリアの救出任務に自分も参加させてほしいと頼み込む。民間人には危険すぎると拒否するエド。しかし、必死の懇願によって任務への参加が認められるのだった。
 一方、主神騎士団の拠点であるグリウス大教会では、ガレスが5人の主神騎士をインキュバスに変え、さらにサリアを自分のものとすることに成功する。
この恐るべき行為ですら、ガレスの計画の一端にすぎないことを彼らは知らないのだった。
 魔王軍の避難所の訓練場で、イーサンは自らの無力を克服すべく、エドによって魔人武術の手ほどきを受ける。その最中、グリウス大教会から高濃度の魔力が発せられていることが判明する。そして発せられる、サリアからの救援信号。これらを主神騎士団からの誘いと見たエドとミールは、出撃準備のためにイーサンとプラムに魔力補給を指示するのだった。

 グリウス大教会で一人の騎士が懲罰房に入れられていた。名はマーティン。彼もまたサリアと同じく、イーサンとプラムの命を救った一人である。
 マーティンは懲罰房に現れたガレスによって、主神騎士団の全員が魔物になったこと、これまでの主神騎士団の暴走は全て計画通りであることを明かされる。
 それからガレスは、マーティンが私室に隠していたエンジェルのルーシェの存在を、既に知っていることを告げる。ルーシェの存在を隠していた事を主神教団に密告されるか、ルーシェと交わることでインキュバスになるかを選択させられ、マーティンはルーシェと交わることを選択する。
 ルーシェと心身ともに深くつながったマーティンは、身体に満ちる魔力の心地よさと充実感に笑みを浮かべながら、ガレスと握手するのだった。

 エドとイーサンが救出せんとするは、既にガレスの手に落ちたサリアだ。
 そして、主神騎士団全員を魔物に変えたガレスの真の目的とは。
 果たして、イーサンは西の街を救えるのだろうか。
20/11/10 01:32更新 / KSニンジャ
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■作者メッセージ
状況を整理するために、あらすじを書きました。

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