連載小説
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作戦03〜04
【作戦03 無性作戦!】

司令「そもそも、相手の土俵で勝負をするのが間違っているのかもしれん。
   最初から、相手にしなければ良いのではないだろうか?」

副官「と、司令がおっしゃっていたのが3日前。
   お喜びください、うってつけの人材を調達しました!」

司令「ほう、詳しく聞かせてもらおうか。」

副官「ハッ!今回送り込むのは、『性欲が死滅した男』です!」

副官「なんでもこの男、生まれつき自分のペニスが小さいことにコンプレックスを持っており、
   あまつさえそれを初恋の女に嘲笑され、言葉に出来ないほどの傷を心に負った過去があるそうです。」
副官「それが原因で、重度の女性不振および性機能不全を患っており、
   例え目の前で美女に誘惑されても、興奮のこの字もなく、性欲など微塵も湧かないとのこと!」

副官「まさに枯れた男!今回の作戦にはうってつけかと!」

司令「男としては同情するばかりだが・・・
   これなら魔物の快楽などモノともしないだろう。ただちに作戦を実行せよ!」

副官「了解!!」


――― 数日後 ―――


副官「司令!連絡員から報告が届きました!」

司令「今回は吉報だろう。内容は?」

副官「やられました!例の男が、魔物の虜となったとのことです!」

司令「なんだと!?奴の性欲は死んでいたのではなかったのか!?」

副官「確かに、何匹かの魔物の襲われたり誘惑されたりしましたが、
   あの男はそれを冷徹に退け、任務に当たっていました。
   しかし、思わぬ伏兵がいたのです。」

司令「伏兵だと?」

副官「ダークプリーストです。
   堕落神の信仰者である奴らは、言葉巧みにあの男のトラウマを聞き出すと、
   どれだけないがしろにされても、一貫して献身的な態度で接し続け
   女性への不信が薄くなったところを、自らの身体と魔力を使って一気に篭絡したとのことです。」

副官「あの男の快楽に対する無関心は、ひとえに女性不信がもたらしていたものでしたが、
   それが消えてしまっては、あとは坂道を転がるように堕落するのも仕方がないことかと・・・」

副官「今では、そのダークプリーストのつがいとなり、昼夜を問わず交わり続けているとか。」

司令「なんてこった・・・」





【作戦04 醜欲作戦!】
司令「前回の作戦は、失敗こそしたものの途中までは上手くいっていた。
   それを踏まえたうえで、魔物の特性を利用した作戦を考えた。」

副官「どのような作戦でしょうか?」

司令「うむ。この世には『ブス専』という
   外見に劣る異性を好む性癖があることを知っているかな?」

副官「はぁ、話に聞いたことはありますが・・・ハッ!」

司令「気付いたようだな。」
司令「タイプの差はあれ、魔物の外見は美しい人間女性だ。
   しかし、ブス専はその性質上、美女に欲情することはない。」

副官「つまり、魔物の誘惑に惑わされず、任務を遂行できるということですね!
   素晴らしい作戦です!」

司令「うむ。人選は君に任せる。さっそく作戦を実行してくれたまえ!」

副官「了解!」


――― 数日後 ―――


副官「司令!司令!」

司令「騒々しいぞ。一体どうしたんだ。」

副官「やられました!例の男が、魔物の虜となったとのことです!」

司令「なんだと!?そんなバカな!
   今回送り込んだのは、ブス専ではなかったのか!?」

副官「それが・・・普通の魔物には目もくれなかったのですが、
   その・・・サイクロプスに一目ぼれをしたようでして・・・」

司令「サイクロプスというと、あの単眼の?」

副官「報告によると『人間離れした青肌と単眼がたまらん!』とのことです・・・」

司令「・・・あれは『ブス』にカテゴライズされるのか?」

副官「判定の基準が不明瞭すぎます・・・」
13/07/08 23:12更新 / プロミス
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