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作戦05
【作戦05 ホモ作戦!】

司令「ホモを送り込もう。」

副官「唐突かつストレートですね。」

司令「トラウマ持ちだのブス専だの、振り返ってみれば回りくどすぎた。
   最初から女より男が好きな男、すなわちホモセクシャルを送り込めば
   魔物など見向きもせず、任務にあたることだろう。」
司令「何しろ女より男のほうが好きなのだからな。違うかね?」

副官「おっしゃるとおりですが、その・・・良いのでしょうか?
   教団が同性愛者に任務を任せるというのは、いささか問題があるのでは?」

司令「確かに教団の教えでは、同性愛は忌むべきものとされているが
   レスカティエ奪還という大義のためだ、大目に見ていただこう。」

副官「司令がそうおっしゃるのでしたら、私はそれに従うまでです。」

司令「ありがとう。何か横槍が入っても、私がなんとかする。
   君は早速作戦に取り掛かってくれたまえ!」

副官「了解!」


――― 数日後 ―――


副官「司令!連絡員からの報告です!
   例のホモが入院しました!」

司令「何だと・・・ってちょっと待て。入院?堕落ではなく?」

副官「はい。報告によれば、突然奇声を発しながら暴れまわった挙句
   血を吐いて倒れ、病院に搬送されたとのことです。」

司令「・・・あー、これは多分アレだ。
   ストレスからくる精神の破綻というやつだ。」

副官「どういうことですか?」

司令「考えてみたまえ。ホモは女より男が好きな人種だ。」
司令「しかし今のレスカティエは魔物の巣窟。周りはみな女だらけで、
   ことある度にアプローチをしかけてくる。」
司令「しかも男はほぼ全て恋人持ちか妻帯者だ。
   好みの相手を見つけても、手を出すことができないときている。」

副官「つまり、魔物だらけの環境で溜まったストレスを発散できずに
   精神が限界を超えてしまったということですか?」

司令「そういうことだ。ただでさえ潜入捜査という精神的負担の大きい任務で
   ホモとしてのアイデンティティも奪われてしまっては・・・」

副官「心が壊れるのも致し方なし・・・という訳ですか。」

司令「今回の失敗は、ホモの特性を理解しきれていなかった私の責任だ。
   ちなみにそのホモ、倒れたあとどうなった?」

副官「最初はレスカティエの病院に搬送されたのですが
   魔物が触ると発狂して暴れるのでどうにもならず・・・
   今は別の親魔物領で、男の医者の下で療養中とのことです。」

司令「・・・一度見舞いに行かなければならんな・・・」
13/07/11 23:08更新 / プロミス
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