読切小説
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魔物娘の求婚と自分嫌いの男
【Case.1 × リッチ】
「二つのことはできません。」

「・・・僕は何かやってる最中だと、全く周りが見えないんです。」
「別に、構わない。私もそれは同じだから。」
「それに、同時に二つのことを意識するのもダメでさ・・・」
「大丈夫、問題ない。それはもう知ってる。私もキミには一つのことしかさせない。」

「・・・キミは、かなり職人肌のようだ。是非、私の助手として一生を共にして欲しい。もちろん、それはキミの妻になることと同義だ。拒否権を認めないと言うつもりはないが、私を納得させられる理由は、全くない。私を信じて、是非付いてきて欲しい。」

その後、二人は古びた洋館に籠もりっぱなしの日々。
彼は助手として、非常識でありながらも心安らかな生活を送ったのでした。


【Case.2 × アカオニ】
「空気は全く読めません。」

「・・・僕は空気が読めないんです。みんなが何を考えてるかなんて」
「別に構わねーよ。アタシもさ、言いたいことはズバズバ言うしさ。っつーわけで言わせて貰うぜ。」
「どうしました?」

「細かいことなんか気にせず、とりあえずヤろうぜ!アタシも壊し屋(※建築物解体)でけっこー稼いでるし、お前が来たとこで全然問題ねーからさ。っつーわけで、お前の童貞、頂くぜ。嫌とは言わせねーよ。」

荒々しい口調に似合わず丹念に、優しく、しかし的確な責め。
騎乗位で半ば無理矢理筆降ろしさせられて、一瞬で絶頂。

「さぁ、お前はもうアタシなしじゃいられねーよ・・・これから一生、宜しくな・・・。」
そしてそういうなり、彼女のねっとりとした口づけが彼を襲います。
彼も気が付くと、彼女と舌を絡め合っていたのでした・・・。

「えーっと、前テレビで見たんだが、微妙な言い回しが苦手って障害があったよな。アストラルスター症候群だっけ。」
「それをいうならアスペルガーね。ま、可能性を否定はできないかな。検査受けるか考えてたし。」
「そう、それそれ。ま、お前がそうだったとしても気にしねーよ。結果としてお前はお前でいてくれりゃ、アタシはなーんも問題ねーからな。」

まったく、豪傑とは聞いてましたがここまでとは思いもしませんでしたよ。
ってか、アストラルスター(※)知ってるのもそれはそれで驚きなんですがw
※ミニ四駆PROの車種。本物のカーデザイナーが「実車感」を意識しデザインしている。

【Case.3 × ゆきおんな】
「僕はとっても甘えん坊です。」

「でしたら、好きなだけ甘えて頂いて構いませんのよ?私も、人肌が恋しいのです。いっぱい甘えていただけるなど、むしろ願ったり叶ったりです♪」
「な、なんだって!?」
「むしろもっと、も〜っと甘えていただけるように、氷の吐息を吹きかけさせて貰いました♪さぁ旦那様、私に思う存分甘えてくださいね♪」

即・陥・落。

【Case.4 × マッドハッター】
「何をやっても非常識、気が付いたらマイノリティです。」

「ところで、キミの言う「常識」とやらはどういうモノのことなのかな。」
「え、「常識」の定義、ですか・・・?うぅ〜ん・・・」
「例えば・・・そうだな。キミにわかりやすいネタを選んで言うならクルマのハンドルだ。日本で「普通」の右ハンドルだって英国やその影響を受けた地域、例えばオーストラリアなんかはともかく、世界的に見れば非常識だ。右ハンドルの香港という地域があるだけに、本土は左ハンドルの中国の交通はそう言う意味では混乱しているだろうな。つまりだ。絶対的な常識なんて言うモノはこの世に存在しないのさ。なんなら、「この世の常識」とやらが全く通用しない世界に、私と行こう。」

【Case.5/6/7 × 白蛇】

「世の中の流れに付いていけません。」
「興味の対象が極端に狭く、他の人と話が合わせられません。」
「臨機応変に対応できません。」

「心配要りませんよ。今日からは、このお社と、私が、あなたの世の中の全てなのですから。」
そう言うと、特大・特濃の炎を送り込まれてしまいました。

その後の生活はまぁ、お察しの通りです。

そして今日もまた、彼女と縁側でお茶を飲んでいたりするのです・・・。

【Case.8 × ジョロウグモ】
「自分の創作キャラでヌいてしまうくらいの変態です。」

・・・

カミングアウトしてから1週間後のことだった。
アラクネ種にデザインを見せてしまったのが最大のミスだったと言わざるを得ない。

数日後、彼女の家に来てくれと言われた。
先日お世話になっていることが引け目に感じ、断れずに行ってしまったのだが・・・

「はいっ!衣装は用意しましたから、早く私としましょう!」
そのキャラを完璧に再現したコスチュームを着た彼女が、満面の笑顔で求愛してきたではないか!!
「デザイン的には和服とミニスカの複合で特に難しいところはありませんでしたから、予備も3着作っちゃいました♪ですから汚そうが破こうがぜーんぜん気にしないでくださいね、旦那様♪」

彼女の魅力と魔力に、薄っぺらな理性は耐えられませんでした。

結局彼女に貰われて数ヶ月後。
「旦那様♪ちょっとアレンジ加えてみたんですが、どうでしょう?」
・・・なんか破壊力上げたコスチューム用意してきましたよ・・・。


【Case.9 × アヌビス】
「どれだけ完璧を目指しても、必ず計画に穴があって失敗します。」

「状況は把握させて貰いました。恐らく、キミも私と同じ、計画通りに行かないと気が済まないタチなんでしょうね。」
「そう・・・ですね。」
「そんなキミの為に、行動予定表を作らせてもらったわね。」

アヌビスならではのカッチリ決められたスケジュール。
しかも、自分のやりたいこととやるべき事がどちらも犠牲になることなくこなせるようになっているではないか。

「でもこれだけカッチリ決まっていると、今度は守りきれるか」
「キミの能力を見て、これでも余裕を持たせてあるわ。だから安心して、私に従って。」

うまくいかないとき、彼女はしっかり問題点と改善策を教えてくれます。
僕の性格を熟知しているのか、曖昧な表現は一切使ってきません。

しかもだ。
今や彼女の管理は時間だけでなく金銭にも及んでいる。
しかし、イベント時の薄い本や限定車なんかへの出費には一切規制を掛けてこない。

「余程のことがなければ行くなとは言わないから、早めに教えてね。」

実は、イベント遠征で意外と大きくなるのが食費とかの雑費だったりする。
そこに目を付けてくるあたり、力を掛けるべきポイントというのがわかっているように見える。

「はい、これ。気を付けてね。」

渡されたのは、少し大きめのお弁当箱・・・に、2Lの水筒。
この「少し大きめ」と言うのがポイントで、中に入っているサンドは1回で食べきるには少し無理がある量だったりする。しかし、それも彼女の計算のうち。
何だかんだで疲れて休憩したりで午前様になることもあることを見越して、買い食いを抑えようと残させているのである。
水筒が2Lなのも計算あってのこと。何せスーパーに行けば500mlペットが98円なのに2Lが158円と言ったような意味不明な価格設定がザラにあるのだ・・・。

何だかんだで彼女に管理される生活、意外と気に入ってます。

【Case.10】
「それでも僕は自分が大嫌い。ほんと、今すぐにでも死にたい。」

ワーム「そんなこと、させないよぉぉぉぉぉぉッ!!そんなことするんなら、樹海の木々をなぎ倒してでも犯しにいくからねぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!!」
ゴースト「死んだって私達からは逃れられないわよ。」
クノイチ「誰にもお前を殺させはしない・・・もちろん、お前自身にもだ・・・」

・・・

ファラオ「私に全部話してご覧なさい。そして、全て話した後は好きな娘を選んで生きなさい。」

「・・・と言うわけで、僕なんか救いようのないクズなんです。だか・・・」

ALL「だったら、私達全員であなたのお世話をします!!」
サキュバス「もう遠慮なんかしないの。インキュバス化して、変わりばんこに彼女達を犯しなさい。そうすればあなたも生き続けられるし、彼女達も喜ぶわ。むしろ、私も仲間に入れて欲しいくらい♪」
マッドハッター「言っただろ、魔物娘に会った時点で、キミの常識は塗り替えられる。」
刑部狸「ウチを満足させてくれよったら、銭の心配はさせへんで〜。」
ジョロウグモ「旦那様と暮らす為でしたら、いくらでも生地を作りますわ♪狸さん、売るのはお願いしますね♪」
ドワーフ「家、狭くなるね・・・家の改装なら任せて。」
白蛇「・・・あなたを独り占めにできないのは辛いけど、あなたが生きてくれるなら、それでも私・・・!!」

ALL「さぁ、私達と結ばれてください!!」

「・・・なんで、みんな僕なんかを選ぶの?」

アヌビス「キミは、言ってみれば『いいパーツは組んでいるのにセッティングが取れてない』状態なのさ。でも、私達なら君を扱いきれる。さあ、私の予定表に、君の求婚拒否はない。」
ジョロウグモ「ふふ、理由なんて要ります? 私や白蛇さん、クノイチさんに言い寄られたときのあなた、まんざらでもないお顔でしたよ〜♪」
ゆきおんな「私、本当に甘えられたいんです♪」

・・・

アカオニ「御託並べて自己否定する暇があるんならアタシ達犯して中出ししろって。少なくともアタシは、それで満足さ。」

・・・

デーモン「ザ・優良物件♪ ジュルリ」

数日後、誰とケッコンカッコガチになったのかはご想像にお任せと言うことで・・・。
16/02/11 09:31更新 / ぜろトラ!

■作者メッセージ
・・・はい、モロに私ですw
魔物娘にこんなこと言ったら、そこにいろいろ反論して求婚してくれるのではないかと言う期待の元で作ってしまいました。

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