連載小説
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八月二十二日 水着購入と小さな企み
僕こと河野翔は現在マリア・シルヴァーノと阪野レヴァンと相坂徹と共に近所の商店街「花白マーケット街」を歩いている。
その目的は…―

「しかし…どうしてマリアは水着を買っていないの?」
「仕方が無いでしょ?今ある水着が小さいのよ」
「なに?胸が小さい魔物に喧嘩売ってんの?」

そうそれはマリアの水着を買いに来た為である。
そしてその後ろを僕と翔が歩いている。

「マリアちゃんの水着姿か…楽しみだぜッ!!」
「…徹?」
「…えッ?ちょッ!?レヴァンさんッ!?」

レヴァンが徹を殺意の目で見つめてどこかへ連行していった。
その後に「アーッ!!」という断末魔が聞こえたが気にすることはないだろう。

〜マリア視点〜

私はレヴァンに「先に行って選んでなさい」と言われたので現在は翔と二人っきりの状態である。
これって…デートよね?
私たちは目的の場所「シー・プリンス」という場所に到着した。

「ここで水着や女性物の洋服や和服を販売しているところなんだよ?」
「なるほど…入りますか?」
「…どうしても入らないとダメ?」
「どうしても♪」

私は翔の腕にしがみ付き中に入る。
そしたら「いらっしゃいませ♪」とマーメイドとメロウが空中を泳いでいた。

「…浮いてる」
「…そうですね?」

だっておかしいでしょ?
どうして海中に住む魔物が空中を泳いでいるのかが不思議なので聞いてみた。

「あぁ…ここの空間は良く周りを見てください」
「えッ?まわりを…うそ…」

そうそこはどうやら“海”であったのである。
しかしどうして私たちは平気なのだろう?

「…仕様です♪」
「…そうなの?」
「ところで今日は何をお探しですか?」
「水着を買いに来たのだけれど…迷うわねぇ?」
「でしたら私が何着か選びましょうか?」
「そうさせてもらうわね?」
「了解です♪では彼氏さんは待合室でお待ちください」
「…わかりました」

そして翔がマーメイドに待合室に連れて行かれた。
しかも鼻の下を伸ばしながら…後で甚振ってあげよう…―

「…はッ!?なんだろう悪寒が…」
「どうかしましたか?」
「いえッ!何にも…」
「…?」

〜翔視点〜

時間は11時を回る頃あいである。
ここに入店してから約二時間は滞在している。
そして僕は一人で待合室にいる。
すると…―

「お客様良ければ何か飲み物をご用意しますが?」
「…えッ?」

僕の後ろからシー・ビジョップが現れた。
彼女はここのオーナーあるらしい…―
思わず鼻の下が…いけないいけない…マリアというリリムの彼女が居ながらこんなのでいいのか?
いや…良くない。

「…あぁ、大丈夫です」
「わかりました。ではごゆっくり♪」

そしてシー・ビジョップがその場を離れるとそしたら何着か手に持っているメロウといつもの黒いドレスを着たマリアが来た。

「お待たせしました」
「…」

どうしてマリアはご機嫌斜めなのだろう?
すると…マリアが近づいてきて僕の胸ぐらを捕まえる。

「…翔いい度胸ね?この私という者がありながらマーメイドの店員を見て鼻の下を伸ばして…」
「ま、マリア…ご、誤解だッ!!」
「良いわよ?貴方には私の水着と新しい衣装を買って貰おうじゃない?」
「…わかった。それで許してくれるなら…」
「合計で150000円です♪」

…えッ?こんなにかかるの?
そして僕は僕の家の家政婦の三根紗代さんに教わった通りにシー・ビジョップさんに僕の住所を教えると…―

「紗代様の主様でしたか…でしたら御代は結構ですよ♪」
「「…えッ??」」
「なんでって顔ですね?ここは紗代様が経営している店なのですよ?」
「「マジですか?」」
「マジです♪」

紗代さんはどうやらただの家政婦ではないことが判明した。
その頃レヴァンと魂の抜けた徹と合流して一旦僕の家に戻ることになった。
12/04/16 11:03更新 / パンドラ
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■作者メッセージ
…高いよッ!!
ってなわけでマリアさんは水着を購入されたそうです。
しかし紗代さんはただの家政婦ではなかった…―

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