連載小説
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17
──ある時は、知らない店に連れ込まれた。カフェのような、落ち着いた雰囲気。
その中の木製の丸テーブルに向かい合わせで座り、目を合わせて、こう言われる。

「今日はね、ボクの一番得意なゲームに付き合って貰おうかな」

そうして用意されたのは……チェスだった。
程よくニスの塗られた白と黒の駒々。白とこげ茶色のチェック柄は、歴史を感じさせるほど深みがあり、それだけで気圧されてしまう。
しかも、盤の横に競技用タイマーも置かれて……完全に理解してしまった。

ガチ、だと。

「あぁ、ごめんごめん、説明も無しに色々と並べてしまって……これはチェスって言うボードゲームなんだけど、先輩さんは知ってるかな?」

最初、ビリヤードを教わった時の流れを思い出すようなやり取り。知ってはいたが、あやふやな部分があったので教えを乞うと、丁寧に駒の進め方を教えてくれ、基本的な考え方や戦術も教えて貰った。

「それじゃあ、基本的なことは教えたし……実際にやってみようか」

「おおっと、思いのほか上手だね、似たようなモノをやったことがあるのかな?」

正直、将棋なら多少はやったことあるので、完全な素人よりかは上手い自信はあったが

「あぁ、ボクのキングは逃げ場が無くなってしまった、これで君のチェックメイトだね」

だからといって

「それじゃ、次は本番さ、勝った方が何でも言う事を聞く罰ゲーム付きでやろうか……♡」

彼女に匹敵出来るとは、一ミリも思えない。
一番得意だと豪語したことに加え、こうしてお試しで指した時も、実力を見定めるような優しい指し方であることを感じてしまったから。
何手先までなら読めるのか?それをテストするようかのように、徐々に強度を上げて……

「ハンデなんて要らないだろう?だって君はさっき勝ったじゃないか、だいたい同じぐらいの実力のはずさ」

これはあのビリヤードの時とは完全に違う。
勝たせるつもりも、楽しませるつもりも、一ミリも無い。
わざわざ凝った負け方をして、噓だと分かりきっている強弁を押し通そうとする様子だけで、圧倒的実力差で磨り潰そうとする魂胆が見え隠れして、ゾクゾクとした感覚に陥る。

「持ち時間は……ま、長くしすぎてもだし、20分ぐらいにしておこうかな」

そうして始まった試合は……悲惨なものだった。

「あぁ、そこはダメだよ、こうやって詰めたら……ほら、クイーンが取られてしまった。君の隣を守っていた邪魔者のクイーンがいなくなってしまったね……」

「あはは、どこに逃げるつもりなのかな?君を守る駒は、もう残り三個、二個、一個……あーあ、裸の王様になってしまったね……♡♡」

「それじゃ、これでチェックメイトさ、ボクの勝ちだね」

少しは抵抗を……と意気込んだものの、意地悪な姑のように一挙一動を咎められては、丁寧に潰されて……全部の駒を取られてしまった。
詰められるであろう場面も敢えて逃して駒を取り、敗北を決定付けるように、わざわざ。

「さぁて、どうしようかな?捕虜として捕まえた君を、どうしてやろうかな……♡♡牢屋にでも閉じ込めてしまおうかな……♡♡」

その声と共に、ぎゅむり……と股間が温かい感触に圧し潰される。これは体験したことがある、足で踏まれている時の……♡
ペニスの根元から先端まで、ぷにぷにとした肉感で包み込むように踏まれる快感。股間を足蹴にされてるという事実から沸き立つ被虐心。
そのどちらもが、一気に襲い掛かって、ぶるりと身体が震えてしまう。気を抜いたら漏れ出てしまいそうなほど、限界にほど近く。

「あはははっ♡そんなに震えなくても大丈夫だよ、君の心を気持ち良く炙って、更に恋焦がれるようにしてあげるからさ……♡♡楽しみにしておいてね……♡♡」

その表情はとても優しげで……隠し切れない嗜虐心が滲み出ていた。

「まあ、もうしばらくは、このままチェスを楽しもうか、今の試合の感想戦もして、今度はしっかり教えながら打ってあげるよ」

「……この足はどけてあげないけどね♡」

ぎゅむり、と押し付けられた足裏の感触が、脳裏にへばりついて離れない。
その後は戦術やら何やらを教わるものの

「そうそう、その通り、そうやって厄介な駒を釘付けにするのがとても大事さ、この気持ち良さと結び付けてしっかり覚えようか」

一つ理解する度に、にぢにぢと踏み扱かれて、ズボンの中で吐精を強いられる。更には、ご褒美だよ、と大きな胸を見せつけるように揺らされ、また吐き出して……もう、夢か現かすら分からないぐらい快感に侵され、ぐったりと机に突っ伏してしまった。

「ふふふっ……お疲れ様。でーも……君は負けてしまったからね、ここからはオモチャになって貰うよ」

そしてそのまま、肩を抱かれて、古びたエレベーターに連れ込まれ、付いた先は……薄暗い牢獄だった。
中世を彷彿とさせる石造りの牢屋。その檻の中には、簡易ベッドと丸イスが、ぽつんと一つずつ置いてあるだけで、それ以外は何も無い。

──そんな場所に辿り着くこと自体が不可解な事なはずなのに、それを当然のように受け入れてしまう。

その牢屋の中に引き込まれて、とんっ、と軽く押され、ベッドに腰掛けさせられる。

「さてと、今の君は捕虜で、ボクは看守ってところかな?それも倫理観も何も無い、非道な看守。誰も見てないのを良いことに、好き勝手してしまうような……」

ひと言、軽く吹き込まれるだけで、シチュエーションの中に取り込まれてしまう。あまりに様になる独白が、心の奥まで染み入って。

非道な看守と憐れな捕虜。そんな状況に陥ったのだと、錯覚してしまう。

「早速だけど服を脱いで貰おうか、捕虜なんかが服を着ているのはおかしいだろう?もしかしたら武器を隠し持ってるかもしれないし」

「何かな?その反抗的な目は……ボクのへそを曲げさせたら、どうなるか分かってないのかな?衰弱するまでいたぶることも出来るんだよ……?」

横暴な言い分に抵抗を意志を示すものの、ずいっと詰め寄られて、見下ろされつつ脅されるだけで、屈服感が湧き上がってしまう。
他に味方も居ない敵陣の中、身の安全を守るために服従するのがベストだと、生存本能が囁いて……服を脱いでしまう。

「くふふっ……いいね、お利口さんだね、下着も、パンツも、全部脱ぐんだよ?」

その様子を、まるでストリップショー楽しむかのように、視線で舐め回され

「あぁ、その服はボクが没収するよ……すぅー……ふふふっ……♡」

脱いだ服を、下着も、靴下も残らず回収されては、顔を埋めるようにして匂いを嗅がれてしまう。
ご満悦、とも言いたげな笑みを浮かべる姿すら、様になっていて……もう、頭がおかしくなってしまう。忌避感を抱くべきはずの変態行為に、悦びを感じてしまって。

「さぁて、ホントは優しく接してあげようかと思ってたけど、生意気にも反抗してきたからね……だから、君に立場を分からせてやろうかな?」

「ほら、床に座りな?股は軽く広げて、大事なところを晒すように……そうそう、いい子だね」

そんな笑みから一転、こちらに冷徹な視線を向け、強めな口調で命令される。
その圧に屈し、すっ裸で座らされるものの……見るからに固そうな石畳は、不思議なことに、高級マットレスかのごとく肌に馴染んで、不快な思いを少しも感じさせない。

「じゃ、君の一番大事なところを踏んであげようか、こうやって……ぎゅぅぅ……っと」

だから、足でペニスを潰されてしまっても……下の圧を気にせずに、上からの感触を最大限堪能できてしまった。
淫魔すら凌ぐほど、吸精に特化した足裏を。

「あはははっ♡♡そんな声をあげて苦しいのかい?それとも……気持ちいいかい??」

黒い靴下に包まれた足は、ぷにぷにと弾力あって、心地良すぎる。土踏まずの窪みにフィットするように踏み潰され、かかとの膨らみにカリ首がにぢにぢと引っ掛かって……あまりの快感に、喉奥から呻き声が漏れ出てしまう。
上から踏み潰される感触、慣れない快感、男性器を踏み躙られて喘いでるという事実……それらが脳を茹らせていく。

「くくくっ……♡まさか、踏まれて気持ちいい、なんて感じることはないだろうから、苦しくて声を上げてるんだろうね……♡♡一刻も早く止めてほしいだろう……?」

「それなら、ボクのココに媚びて貰おうかな……♡♡スーツ越しのおまんこに、こうやって鼻が埋まるぐらい押し付けて、許しを乞うようにペロペロと……♡♡」

それだけでも屈服してしまいそうなのに、頭をぐいっと掴んで上向かされて、スーツ越しの秘部……脚を組み直す時に何度も目に入った蠱惑の三角地帯に、顔を押し付けられてしまう。
籠る熱気、ぷにっとした感触、明らかに熱を帯びた一部分……衣服越しでも感じる濃いフェロモンが、脳をじくじくと腐らせて、次第に理性が溶けて、溶けて……
スーツ越しに、ぺろり、とひと舐めしてしまうと、もっととせがむように股を押し付けられる。それに応えて、もうひと舐めしてしまうと、まだまだ足りないよっ、と言わんばかりに顔の上で腰をくねらされる。
鼻もずっぽり埋まって、頬は太ももで軽く挟まれ、濃い熱気に包まれたまま、股の動きで顔を蹂躙されて……しかも、舐める度に甘いシロップのようなものが口に入って、睾丸に直結するような活力が流し込まれてしまうものだから……

「あはははっ♡♡随分と素直に舐めるんだね♡♡こんな屈辱的なことをされてるのに、反抗もせずにペロペロと……分かってるかなもうボクの愛液が染み出してるんだけど、それもペロペロ舐めてることに……♡♡」

もう、浅ましくもペロペロと舐めるだけの存在にされてしまった。踏み扱かれる快感に打ち震えながら、そのオカズとして股へと必死に媚びる存在に……

「くくくっ……♡♡ほら、もっと媚びな、君がボクのおまんこ汁にむしゃぶり付いてる無様な姿を見ると、ゾクゾクして堪らないなぁ♡♡」

下品な言葉で心を踏みにじられつつ、恥ずるべき痴態を悦びで受け入れられ

「はい、一旦お顔チェックの時間だね♡……ぷっ♡酷い顔をしてるなぁ♡♡とろっとろに蕩けて、反抗心もプライドも何も無くなってしまったね♡♡」

解放されたかと思ったら、顎を掴まれ、クイっと持ち上げられて、顔を覗き込まれてしまう。
その表情は嗜虐と嘲笑に満ちていたものの、抑え切れんばかりの喜色も溢れていて、心が悦んでしまう。

「あぁそうだ、アレが聞きたいなぁ……♡♡ボクに媚びる言葉、好き好き結婚して〜♡って甘えるアレ、アレを見たくてしょうがないな♡♡」

楽しくてしょうがない、と言いたげな様子でリクエストされたのは……あの、情けない求婚。
あの行為は、なけなしの理性が拒否してしまうほど、恥ずかして……けれども、歪んだ愛で嬲られ可愛がられるのが幸せでたまらなくて……その相反した感情ゆえに言葉に詰まってしまうが

「……おや?あぁ、まだ従順になってなかったんだ、じゃあコレをキツく潰してあげようかな?」

一転して、不機嫌さが伝わるほど淡々とした口調で詰められつつ、足でぎゅぅぅ……とナニを踏まれてしまう。
襲い掛かる鈍い快感は、ふと気を抜いたら、蛇口の元栓から壊れてしまいそうなほど危機感に満ちていて……思わず、必死に媚びてしまった。好き、好き、と。

「あははっ♡♡急に必死になったね♡♡でも、媚びるのは言葉だけじゃなくて……ココにもちゃんと媚びないとね♡ワンちゃんのようにペロペロと、情けなぁく舐めないと許さないよ?」

「それに、上手に媚びれたら、ボクに気に入られてお婿さんにしてくれるかもしれない……♡♡」

くちゅくちゅと顔いっぱいに広がる粘液の音。そのシロップのような甘味を欲そうと本能が勝手に舐めしゃぶって、解放されたら、崇拝に近い恋慕が溢れて言葉で媚びて……
舌にへばりつく甘味と、噎せ返るほどのフェロモンが脳をじくじく腐らせ……時たま、口を解放させられ、意地悪い笑みで顔を覗き込まれつつ、ひと際強く踏まれて、好き好きと言葉を搾り出させられ、また口を股で塞がれ

「あはぁ……♡♡まだ足りないよ、全然足りないなぁ♡♡愛液で溺れてしまうぐらい頑張らないと、大事なコレ、躙り潰してしまうよ?ほぉら、ぐちゃ、ぐちゃ、ぐちゃっ……♡♡」

足りない足りない、と責め立てられつつ、スパートをかけるように踏み躙る足の動きが早く、そして根っこから先端へとコキ出すような動きへと変化して……
顔の上では、骨盤ごと前後に揺り動かすようなダンスを披露されてしまう。むっちりした尻肉、太ももに顔が張り付いて、そのまま揺らされ、魅了されて。
唾液か愛液か、分からないぐらい濡れた股に必死に媚びて、媚びて、その被虐的な快感が最高潮に昇り詰めて……

びゅーっ……♡♡
びゅるるるっ……♡♡びちゃっ……♡♡

脳が痺れるような感覚と共に、濃い精液が床に吐き出された。

「あはははっ♡♡踏み潰されてるのにびちゃびちゃ吐精して……あぁそんなにボクのおまんこ舐めるのが好きだったんだね♡♡それとも、この柔らかい足でぎゅぅぅと踏まれるのが堪らなかったのかな??」

「でも、ご奉仕がまだまだ足りないなぁ……♡♡射精してるからって、お口を止めるのはダメ、だよ?もっとこうやって、鼻先がおまんこに埋まるぐらい必死にペロペロしないと、ペットとしては不合格さ……♡♡」

吐き出したモノすら足で丁寧に磨り潰され、そしてまた口での奉仕を求められる。ペットとして相応しくなるために、と。
わずかに残った人間としての矜持が、ペットだなんて話が違うじゃないか、というワガママを上げるものの……口から流れ込む甘い蜜が、踏み扱かれる股間から広がる快感が、その矜持すら溶かしていき

「んー?あぁ、ごめんね、さっきの嘘さ。ボクは最初から、捕虜になった君をマゾペットとして調教するつもりしか無かったからね……♡♡ボクの股に媚びる可愛いペットにして、この牢屋で飼い殺す魂胆だった訳さ……♡♡」

「ま、君はもう手遅れだよ、ここの濃いフェロモンをたっぷり嗅ぎながら、愛液をペロペロ舐めしゃぶってしまったのだから、もう中毒になってしまってるのさ……♡♡おまんこ中毒に……♡♡」

追い打ちをかけるように謀略を明かされて、甘い蜜と共に心を溶かし折られてしまう。

「くくくっ……♡♡でも安心してほしいな、ボクが責任持って飼い殺してあげるからね♡♡♡君が狂ってしまっても、ずっとこうしてあげるよ……♡♡」

その声色は恐ろしいほど安心感でいっぱいで、だから飼い殺される結末に、ホントに陥ってしまうのだと理解ってしまい

「ほぉらエサの時間だよっ♡♡あまーいシロップならいくらでも舐めていいからねっ♡♡脳みそをトロトロに溶かしてボクの可愛いワンちゃんとして生きていこうじゃないか♡♡」

ゾクゾクと脳を震わしながら、目の前に広がる秘部の感触に媚びて、媚びて、もう甘い蜜をペロペロと舐めて、甘ったるい言葉を吐いて媚びるだけになって。
ご褒美に、にぢにぢと踏み扱かれて、全身が真っ白い快感に包み込まれるような絶頂を何度も味わされて、腰を震わして甘えるだけのマゾペットにされて……もう、何日も、何カ月も、そうしてるかのような感覚に陥って……

「おはよう、捕虜生活はどうだったかな?」

気が付いたら、またエレベーターの中に居た。
薫は変わらぬスーツ姿のままだったが……秘部と太ももの三角地帯、そこに思わず視線が釘付けになって

「ふふふっ……ほら、舐めたいならいいよ、今すぐ跪いたら、たっぷり舐めさせてあげるさ……♡♡」

飼い主としてのあまーい声と共に、アピールするように、その手が鼠径部の筋に沿って秘部から腰へと流れ上がって……もう、エサを欲しがる犬のように、口が甘い蜜を欲して……あぁ跪きたい、早く舐めたいっ……♡
なんて想いが溢れそうになったが……すんでのところで踏みとどまってしまった。

──そこで跪いたら、二度と戻れなくなりそうで

「……あははっ!流石にプライドが勝つんだね、ま、今はいいさ、今の君はボクの先輩さんだからね」

「……でも、我慢できなくなったら、いつだってペロペロしていいからね。媚びるだけのペットにしてあげようじゃないか……♡」

そんな誘いに心震わせつつも、憎まれ口を叩いて逃げて、また一日が始まって……
24/02/03 00:16更新 / よね、
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