連載小説
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八月二十日 天敵(とも)との別れの涙
皆さんおはようございます。
改めまして私ことジョロウグモの三根紗代と申します。
えッ?「初めは主人公から始まるのでは?」って…?
そこは作者さん次第です…ふふふッ♪

「なかなかいい腕じゃな紗代殿は…羨ましいぞ」
(有難う御座いますミナモさん)
「ところで傷の具合はどうじゃ?」
(あれは幻覚ですよ?でも握手したのは本物ですよ?)
「なん…じゃと…」

いま私の前でへこたれているのは先日から同居しているバフォメットのミナモというものです。
前回私と死闘を繰り広げた者です。
さて…そろそろ朝食の時間ですので…これにて失礼します。
あれ…なんだか体が…―
私はその場で倒れてしまいました。

「どうしたのじゃ?お、おいッ!?しっかりするのじゃ紗代殿ッ!?」

私は腹部から血を流して意識を手放す。
ミナモさんが何かを発しているようですが意識が…―

〜ミナモ視点〜

「紗代殿ッ!!しっかりするのじゃッ!!」

ワシはその場で血を流しながら倒れている天敵(とも)をさすっている。
そこでワシは紗代殿の傷口を見るとそれは前回の戦闘で負った傷だと知った。
これは命に係わる重傷であった…―

「誰か…誰かおらぬかッ!?」

しまった…今日は翔殿がマリア様と共に奥様と旦那様を案内しているのじゃった…―
どうしたら…そこでワシは電話機(マリア様に扱い方は教わった)で救急車とやらを呼ぶことにした。
そして十分が立った後に救急車が到着してワシは紗代殿を担架に乗せて運ぶ者と共に救急車に乗って花白総合病院というとこに向かい今ワシは手術室の前にある長椅子に座っている。

「紗代殿…どうして…どうしてなんじゃ…」

ワシは俯きながら呟く…今のワシにはそれしか方法が思いつかぬまま…―

〜翔視点〜

僕はミナモさんに電話で病院に来るように言われたのでマリアの両親とレヴァンと徹と共に病院へ駆けつけると手術室の前でかなり落ち込んでいるミナモさんの姿があった。

「…ミナモ…何があったのかを説明して」
「マリア様…紗代殿が…紗代殿がッ!!」

ミナモさんは泣きながらマリアに泣きつく。
そしてマリアは状況を察してミナモさんの頭を撫でる。
すると手術中と書かれたランプが消えると中から白衣姿のラミアが出てきた。

「うぐッ…医者の者よ…紗代殿は…」
「全力は尽くしましたが…出血が酷くて…」

「申し訳ありません」と言って医者が深く頭を下げてくる。
それってつまり紗代さんは…―

「…それでも…それでも…貴様は医者なのかッ!?」
「…あのようなケースは私でもどうしようも…」
「…ッ!?」

そしてミナモさんはその場を逃げるようにして走り去っていく。
涙を流しながら…―

〜ミナモ視点〜

どうしてなのじゃ…どうしてッ!!

「どうして死んでしまったのじゃ紗代殿ッ!!」

ワシは病院の前で泣き叫ぶ…周りがワシの視線を向けようが関係ない…―
じゃがワシは…一つの命を奪った犯罪者…それも天敵(とも)をじゃ…―
ワシはおぼつかない足取りで帰宅をする。

「ただいま戻った…」

ワシは玄関を開けるとそこには紗代殿の血が床に残っている。
そこでワシは玄関にあるバケツと雑巾を持ってその血を拭いていく。
しかし拭いても拭いても血は取れていくがワシの目からは涙がこぼれそれが床を濡らしていく…それが何時間…何十時間もかかった。
ワシはどうしたら良いんじゃ…そこでワシの脳裏に何かが走る。

「…これじゃ…これしかないッ!!」

そしてワシはバケツと雑巾を片づけてワシの為に用意された部屋に向かう。

〜まだミナモ視点〜

暫くして…翔様たちが帰ってきた。

「ただいま」

そしてこれがワシが考えたことじゃ…―

『お帰りなさいませ』
「えッ??」

そうそれは…―

「お帰りなさいませ」
「ミナモ…これは…」
「奥様…これがワシできる紗代殿への償いじゃ」

ワシの部下の魔女たち(五人)を引き連れてのこの家の世話をすることじゃ。
たとえ…それが間違っていてもまた考えればいい話じゃろ?
そうじゃろ…我が友(・・・)よ…―
12/04/14 18:12更新 / パンドラ
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■作者メッセージ
はい変なことになってきた…(汗)
友の死というのは悲しいものだと思います。
ですがその後を考えてやるのも良いのではと思います。

感想や指摘がありましたら(以下略)

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