連載小説
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八月十日 お父様と従者同士の戦い
今日この日に考えていたことが起こった…―
僕こと河野翔は目の前の人物とちゃぶ台を挟んで座っている。
それは…―

「…」
「あ、あの…」
「…お父様」

そうこの日に同居人(今思うのだが同居人なのかわからない)マリア・シルヴァーノの父親のヴォルヴァという…あれ?
ヴォルヴァって確か…―

「…まさか貴方は」
「…なんだね?」
「僕の父親の幼馴染のヴォルヴァさんですか?」

そして周りの空気が静まった…―

〜マリア視点〜

どういうことなの…?
お父様が翔の父親の幼馴染ってそれってつまり…―
いいや…違うはずよね?私はそのことについて問いただしてみる。

「…お父様それは本当なのですか?」
「そうだ。私と輝明(〈てるあき〉翔の父親の名前)は小さい頃からの仲でな?輝明は元気にしとるかね?」
「はい。僕の両親はお爺ちゃんが亡くなってから忙しそうに働いてます」
「なんと彰三さんが…それは気の毒だな?」
「その気持ちはありがたいです」

そしてヴォルヴァさんは立ち上がり一度せき込み話す。
それは…―

「それなら今日から輝明が戻ってくるまでここに住まわせてもらう」
「…えッ??」

僕はその言葉を聞いた後にマリアと一緒に固まった。

〜紗代視点〜

皆様お久しぶりですね?
えッ??もう会っていると…それは気のせいですよ?
さて…まさか輝明様の幼馴染のヴォルヴァ様がいらっしゃったのは驚きです。
これは楽しくなってきました…ふふふッ♪

「…紗代殿少し良いかのぅ?」
「…?」

私の脚部をつついてきているのは先日同居人となったバフォメットのミナモさんが私に話してきた。
さて何でしょう…気になりますね?
こんなに殺気をむき出しにしてから…―
そして連れてこられたのは縁側です。

「…マリア様はここ最近どうじゃ?」
「…」
「あぁ…すまぬの?お主は声が出ないのじゃったな?」
(念話ならできますよ?)
「お主…どうして使わなかったのじゃ?」
(この力は人間には強すぎるので後はマリアさんもまだ若いですし何かあってはいけないと思って使っていませんでした)
「なるほどのぅ?どうじゃ…お主もなかなかいい覇気を持っているのぅ?」
(それは貴方もでしょう?)

あらあら…このバフォメットはしつけがなってませんねぇ…―
さて私も久しぶりに暴れますか…―

「ぬッ!?」
(…遅いですね?)

そして私はジパング魔物特有の“畏(おそれ)”を纏いミナモさんの首を掴んで地面に勢い良く叩きつける。
もちろん翔様や皆様には聞こえないように結界を張ってますので問題は無いですよ?

〜ミナモ視点〜

「ぐはぅッ!?」

ワシはこのジョロウグモの三根紗代殿に首を掴まれ地面に叩きつけられる。
それも掴んだ手には糸を巻いている…何たることか…このサバトをまとめ奥様専属の大臣のこのワシが…こんな…―

(あらあら?このような従者では王家の大臣が務まるのですか?)
「…ふふふッ…ワシも大分鈍ったものじゃな?お主も馬鹿じゃの?」
(そうかしら?なら…うッ!?)

ワシは紗代殿の腹部にワシの体より大きな鎌を突き刺す。
そして紗代殿は口から血を吐く。
そしてワシは鎌を抜いてその場を離れて鎌を構える。

(ハアハア…最高ですよ…ミナモさん?)
「それは…こっちも…同じじゃ」

そしてワシと紗代殿は近寄り握手をする。

「また手合わせを願いたい」
(その時は殺し合いではすみませんよ?)
「ふん…構わぬぞ?」

それから異変に築いた奥様と翔殿に紗代殿と共にこっぴどく叱られたのは言うまでもない。
しかし奥様は怖かった…えッ?お嬢様…ちょッ!?角を折らないでーッ!?
12/04/13 20:23更新 / パンドラ
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■作者メッセージ
十話目終了です。
何だかマリアの父親の尺が短いような気がしますがそこは次回に回します。
しかしバフォ様とジョロウグモの戦いはこれでいいのかはわからないです。

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