連載小説
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俺は去るよ。私は寂しい。
現代のとある一軒家。

そこで僕と彼女は一緒に生まれて育った。

僕は兄で彼女が妹、双子という奴だ。

彼女は普通ではなく魔物娘という奴でワイバーンだ。

普通ではないという所で
彼女は時々いじめられたものだ

僕がたまにフォローを入れに行くのだが
彼女は気にせず蹴散らしてしまう。

そんなこんなで僕らは平凡に暮らしていた。

小学校、中学校を卒業し
高校という青春も終わりを迎え
就職先を探しながら
アルバイトをしながらその日暮らし。

余裕はあまりなかったが
その日その日がとても楽しかった。

しかし、ある日。

成人を前にして
オレは疲れてしまった。

「僕は自由に行きたい。」

私は気付いてしまった。

「私は兄貴が好きなんだ。」

そうか、これが自分の本心か。

成人してオレも妹もちゃんと就職した
同じ仕事場とはいかなかったが

就職はできたが兄貴とは違う所だ

とても残念な事だけど
帰れぱすぐに兄貴に会えるので
寂しがったりはしなかった。

妹は知らなかった、教えなかった。

オレの仕事場は功績に応じて
より良い環境の仕事場に移して
もらえるということに

オレが離れていく事に

離れる時に苦労はしなかった。
妹は反対していたが、その日。
妹が寝たのを確認した後、親父にまかせたからだ
おふくろも渋々だがわかってくれた。

そうして僕は家から出て
遥か遠い仕事場へ向かった。


その日突然兄貴が姿を消した。

昨日は何かと変だった。
部屋がドタバタしていたり
いつも以上に早く寝ろとうるさかったりと。

私は兄貴が好きだ、それなのに
私に何も言わず消えてしまった。

お父さん達は
「仕事場が変わったから
向こうに住み込みに行った」
なんて言ってた。

でもそれでなんとなく気付いた。

いや、なんとなくなんてのは嘘で。

でもわかりたくなかっただけなのかもしれない。

兄貴はきっと…

『私から離れたかったんだ』


ーーそれからいくつのも月日が経ちーー


気付けばオレは30だ
家族は元気にしているだろうか

妹は…元気だろうか。

おっと、振り返ってはいけない。

仕事をしていって学んだ事がある
『何かを手に入れるには
何かを捨てなければいけない』

だから僕は捨てなければ、帰る場所を。

断ち切らねば、家族との思い出を。

忘れなければ、彼女を。。。


大好きな兄貴が出ていってから
私は衝動を抑えながら暮らした。

兄貴が戻ってきた時のために

私が支えられるように
なんでもやれるようにした。

料理、掃除、洗濯、身の回りの事

勉強も仕事もとにかく頑張った。

兄貴が苦労しないで済むように

兄貴が私だけを見てくれるように

でも、兄貴は帰ってこない。

まだどこかで頑張っているのかな。

兄貴がいなくなってから


寂しいな。
15/11/14 09:38更新 / 紫酔染香*・ω・)ゞ
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■作者メッセージ
あぁ、作文は得意ではなくてですね(汗

ダメ出し貰えると気付けるので是非お願いします

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