連載小説
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始まりの夜
全寮制の学校の寄宿舎で

ある晩一人の少年が魔物の餌食になった

終わりのない輪舞曲が今始まる


とても美しい少女だった。
色白のきめ細かい肌と対照的な真紅の瞳は、それだけで視線を引き付けるだけの美しさがある。
少女の長い金色の巻き毛は、月の光に照らされ静かに揺れていた。
言葉はなく、蒸し暑い部屋の中で二人の荒い息遣いだけが漂っている。
少女に出会ってからまだ十数分ほどであるにもかかわらず、
ボクはもう何時間も彼女に見とれているような気がしていた。

二年生になったボクは、他の同級生がそうであるように、
この春に寄宿舎二階の二人部屋から三階の個室に移っている。
使える部屋が広くなったとはいえ、夏の蒸し暑さが体に堪えることに変わりは無い。
眠りにつく前に少しでも涼しい空気を入れようと窓を開けたままにした結果、
こうして魔物の侵入を許してしまったのだった。

風呂から戻り、自分の部屋に居る見知らぬ少女を見た時は、
最初、他の生徒の知り合いが寄宿舎に侵入したのだと思った。
実際、窓から女の子を自室に呼び寄せている上級生がいて生徒の間では噂になっていたからだ。
でも、少女がボクの唇を奪いその本性を表すまでにさほど時間はかからなかった。
魔物の接吻を受けたボクは、魅了の魔法で自由を奪われた。
おかげで体にほとんど力が入らない。
魔物とはいえ同い年くらいの少女の腕力に簡単に負けてしまう。

少女はボクの上にまたがり、夢中で腰を振っている。
「んうっ、あっ、うんっ」
その口から鼻にかかるような声が漏れ始めた。
同時に少女の体に異変が起きる。
頭から現れた二本の角、背中から生えた翼、腕のように太く
先端がとがった尻尾。
「サ、サキュバス」
驚いたボクは思わずそうつぶやいた。
それを聞いた少女が笑みを浮かべ、目を細める。
「あはっ、そう見えるんだ。うれしい」
「違うの」
「違うと思う?」
サキュバスの少女はボクの手を取り、彼女の胸へと押し付けた。
華奢な体格の割に豊かな胸は見た目以上に柔らかく、
揉みしだこうとすれば指が埋もれるかと錯覚するほどだ。
「こんな体の魔物なんて他にいないでしょ」
「う、うん」
嘘だ。魔物を見た経験なんてほとんど無い。
でも、サキュバスの肉体に見とれていたボクはうわのそらで返事をした。
「ねえ、そんなに胸が好きなの」
言われて、自分が夢中で胸を揉んでいたことに気づく。
少女はもうボクの手を押し付けてはいない。
あわてて手を引っ込めようとするが、
その腕を華奢な白い手が引き留めた。
「別にいいよ、そのままで」
白い手がいとおしそうにボクの腕をなでて、胸の上に降りてきた。
「私も男の子の胸が好きだから、お互い様ね」
そういうと、サキュバスは細い指でボクの胸をなで回し、
やがて一番敏感な乳首の上にたどり着いた。
少女の指先の柔らかい皮膚が乳首を優しく挟み、押し潰し、かと思うと、
次の瞬間固い爪の先端が痛みを与えないギリギリの力で突き立てられる。
「うっ、ああっ、やめて」
思わず声が漏れ、ボクは身をよじった。
でも、ボクをくわえ込んだままの少女の腰からは逃げらない。
そうしている間にも胸の先端からは甘い刺激が絶え間なくキリキリと食い込んでくる。
「かわいい。女の子みたい」
そう言ってサキュバスは微笑んだ。
「ボクは男だぁっ」
うめき声をこらえて抗議の声を上げるが、むしろ逆効果だった。
自分の言葉で自分の男の象徴を改めて意識してしまう。
少女の中で締め付けられ、奥へ奥へと引き込まれている肉棒は、
今夜初めて女の子の感触を知ったばかりだった。
だからこそこの刺激に耐える方法が分からない。
たちまちのうちに下腹部にしびれるような快感があふれ、
少女の中にありったけの精が解き放たれてしまった。
「ふふっおいしい」
「ううっ」
これで二度目である。
情けないことに、一回目はサキュバスと交わってすぐに出してしまっていた。
射精した後も、まるで初めて自慰をした時のように腰がけいれんしてしまう。
「そんなに気持ち良かったんだ。震えちゃってかわいい」
そう言いながらサキュバスの中はボクの肉棒に吸い付き、
最後の一滴まで吸い出そうとうごめいていた。
魔物に精を与えることが良くないことなのは知っている。
でもボクには頑張ってもこの刺激に耐えることはできなかった。
魅了の魔法をかけられているとはいえ、イった後も静まる事なく
次の射精に向けて高ぶり始めている自分の体が情けない。

しばらくすると、サキュバスが再び腰を上下に揺すり始めた。
「お願い、もう止めて」
体に力が入らず、刺激に耐えることもできないボクには、
もはやこうしてお願いをする以外に方法は無かった。
「腰を振るのを止めて欲しいの」
「うん」
「わかった。振らなければ良いんだね」
サキュバスはボクの腰の上にまたがったまま動きを止めた。
だが――
「うっ、あぁぁぁぁ」
少女の腰は動きを止めたものの、膣内は再びうねり始めた。
ボクの肉棒にしがみつき、うねりながら新たな刺激を与える。
少女の下腹部に目をやると、白い滑らかな肌の下で腹筋が妖しく波打っていた。
その様は、干したシルクのハンカチが優雅に風にたなびく様子を思わせる。
「んっ、ふうっ、んんっ」
サキュバスの少女が吐息と共に漏らす声は、先程とは違って静かで控えめだった。
豊かな胸を抱きかかえるようにしたまま、目を閉じている少女は、
時折眉間にしわを寄せる事を除けば、何かに祈りを捧げているかのようにも見える。
上半身だけをみれば、魔物だとは信じられないほど神々しく美しい姿だった。
しかし、そこから視線を下へ向ければ、淫らにうごめく下腹部がある。
誰にも見られることの無い場所で、
サキュバスの少女は思う存分ボクの肉棒にしゃぶりついているのだ。
「ひどい、こんなのひどいよ」
自分だけ上品ぶって、たぶんボクが快楽に負けるとまたあざ笑うんだろう。きっとその繰り返しだ。
少女の美しい姿態と、快楽に耐えられないみじめなボク。
何でこんな体に生まれついてしまったのだろう。
自分に対して嫌悪感を抱きつつも、強烈な快楽が上り詰めてくる。
「やだ、やだ、いやっ、あっ」
さすがにさっきほどの量はもう出ない。
でもそれに反して精液が尿道を駆け登る時の甘い快感は強烈だった。
睾丸に軽い痛みを覚えるくらいに。
快感と疲労の間を漂い、意識が朦朧としてくる。
記憶の途切れる寸前、魔物の少女が「また来るね」と耳元でささやいたような気がした。
11/04/14 16:27更新 / 偽典書庫
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■作者メッセージ
会話は少なめですが
毎回エロを入れるよう心がけます

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