連載小説
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偵察・・・・・・・・
{幻想を見て良いのは脳内だけだ・・現実で見ていれば見ているほど・・・・
・・・それに縛られて人間らしく生きられない・・・・・・・・・}

                 ザバサの基地移動の際の名言・・・・・

「ガラン..ガラン..ガラン......」

オアシスの奥から日が昇り始めた頃、それを知らせる様に教会の鐘が鳴り響く

そして人々はそれに合わせて次々と活動を始める、かく言う私もその一員だ

「・・・ん? 朝か」

私はエレノアに包まれながら窓からのぞく太陽と鳴り響く教会の鐘を感じた

(珍しく良く寝たな…)

そう思いながら私は起きかけているエレノアに抱きついた

「起きろ! エレノア、体温位温めてやるから」

そう言いながらエレノアの上半身を強く抱きしめる

エキドナは上位の魔物だがラミア種であるため寝起きは低体温症のおかげで

体がダルイらしいので温めてやる必要がある

「んん〜ザバサ…お主は本当にどうしたのじゃ?」

若干寝ぼけながらエレノアは尋ねた

「気にするな、それよりお前は教会に行くか?」

「いや、我は遠慮しておこうかのう」

「分かった、じゃあ私は今から行ってくるから朝食を頼む」

「分かった、では朝食のことは任せておれ」

「頼んだぞ」

そう言うと私はエレノアの体から離れ、光学迷彩を装備し

窓から教会に向かって飛んで行った、

ら教会に行く途中・・上空からメインストリートを眺めたが・・・

もう人々であふれかえっており、あちらこちからいいにおいが漂ってくる

(ほう、にぎわっているな)

そう思いながら私は教会に急いだ、教会はニルバスの西側に位置する

ニルバスで一番立派な建物だニルバス国内からならどこからでも眺めることが

できる

「さて、到着っと」

そう言いながら人目のない所に降り、光学迷彩を外した

教会には支部から飛べばものの十分ほどで着くことができる

「さて、人はそこそこいるな」

そう言いながら教会の大きな扉を開けて中に入った


「ようこそ…」

教会に入った私にいきなり挨拶をしてきた者が居た

人の良さそうな顔つき、先端がハート形の紫色の尻尾、尖った耳

そしてシスターのはずなのに妙に露出面積が多い修道服

(ダークプリースト…)

私は心の準備ができていた物の、いきなり会うと焦る

ダークプリーストはエキドナ程ではないが強力な魔物である

ついうっかりと油断して万魔殿か何かに連れて行かれてしまったら

シャレでは済まされない、そう言う危険も承知の上の訪問でもあった

(まあ、教会に直属しているし問題はないか)

そう私は思っていて安心していたのだが

「快楽の宴なもうとっくに終わってしまいましたよ? どうしてもと言うのな ら私がお相手いたしますが?」

いきなりとんでもないことを言ってきた

さすがダークプリーストがいる教会だ、禁欲もヘッタクレも無い

しかし朝の教会と言うのに人の姿が見当たらない、

しかし何故か奥の方から変な声が聞こえる・・・が

とりあえず私は全力で聞かないことにした

「少し尋ねたいことがあってな」

そう私がダークプリーストに聞くと

「なんでしょう? 万魔殿への行き方ですか? それならわたくしが・・・・

「この国の魔物についてだ」

言わせてたまるか! と思い私はすかさず要件を言った

とんでもない所だ、人を見るやいなやイキナリその様な所に連れて行こうと

誘惑するなんて・・教会として機能しているかどうかすら疑いたくなる

「この国の魔物達の事ですか?」

「そうだ、ヴァンパイアが居たりしなかったか?」

不思議そうに聞いて来たダークプリーストのシスターに、

私は単刀直入に尋ねた

「んん〜ヴァンパイア・・ヴァンパイア・・・・・・」

その様なことを呟きながら考えているダークプリーストのシスターを他所に

私は教会内部を軽く見渡してみた

(すごいな…)

その一言に限った、内部の装飾はすべて上質な魔晶石で出来ていた

ニルバスの様な国だからこそ出来ることだ

瓶覗色に輝く彫刻の数々はもはや天国と言って良い空間を作り出していた

「あっ! 思い出しました」

私が魔晶石の彫刻に見とれている間に何か思いだしてくれたそうだ

「たしか、この国の裏に面する雪山にいらっしゃったはずです」

「そうか、裏の雪山か」

どうやらここでもエレノアの同じ見解が出てきた

「どうして雪山なんかに?」

どうして親魔物領なのに雪山に住む必要があるのか

私にはあまり理解できなかった

「私にもわかりません…ただ変わったお方でした」

「変わった方?」

そう言うことに私は喰いつきやすい

「ええ、とってもお強いの方ですが、とても人間の方がお嫌いになられるんで すよ」

「理由は?」

「存じません」

魔物だが人間が嫌い、ヴァンパイアの様な種族は分かるが

そう考えながらも分からないのだったら仕方がない、

とりあえず私は支部に帰ることにした

「すまない、時間を取らせたな」

そう私は言いながら1オルタのお布施をダークプリーストのシスターに渡し

扉に向かった

「またどうぞ…」

そうダークプリーストのシスターの怪しげな笑顔と共に私は教会を出た


教会から出た私はついでにメインストリートのバーに行って情報を集めよう

と思い、教会の花壇で挟まれた道を歩いた

(平和だな…朝に花壇の手入れをするシスター達が・・・・・・・・・・・・

私は思いなおした

(平和だな…朝に花壇を手入れするローパーのシスター達が居る)

シスターかと思ったのはローパーと呼ばれる魔物だった

体から何本も出ている触手の様なもので花壇を器用に手入れしている

(便利そうだな…)

そう思いながらもローパーのシスターを横切ると

「ダークプリーストのシスターさんに会いましたね?」

いきなりそう聞かれた

「あ、ああ..」

いきなりだったので私はその様な返事になってしまった

「どちらで会いましたか?」

そう聞かれたので私はとりあえず

「いや、入ってすぐ・・扉の前だ」

そう私が言うと

「あなた、貞操観念が強いですね?」

その様なことをローパーのシスターに言われた

「な、何を?」

「ダークプリーストは貞操観念が強い人を感じ取れるんですよ、私たちの所のダークプリーストさんは貞操観念強ければ強い人程入り口の近い所で向かい入れるんですよ…直ぐに取り込もうとして……」

「では入り口のすぐ・・と言うことは」

「はい、物凄く強いと言うわけです」

何か物凄い嫌なことを暴かれた

「あっああ、分かった」

私はこれ以上言われてたまるか! と思い早々と立ち去ろうとしたが

「気を付けてくださいね、たぶんあなたのこと・・物凄く気に入ってるはずで すよ?」

そう不吉なことを言われてしまった

「・・・気をつける」

そう言って私は教会から撤退するように立ち去った


・・・で・・メインストリートまで撤退して・・・・・・・・・・・・・・・

(まあ、あまり深く考えないとしよう)

そう思いながら私はバーを探していた

情報が欲しい時はバーに行く・・それが鉄則だ、(どんな鉄則だ)

とりあえず適当なバーを見つけ私は入ることにした

「ギィィィィィ...」

傷んだ扉を開けバーに入った、

中には夜から飲んで酔いつぶれている者

酔いに乗じて一発やって種抜きなっている奴

そしてミノタウロスやゴブリン等の魔物

元居た世界ではありえない風景を見ながらカウンター席に座った

「何に致しますか?」

品の良い老人が声をかけてきた

「ん? ああ、とりあえず情報を一杯」

とりあえずそう言うしかなかった

何せ私はここの酒の銘柄が分からなかった

「私が答えられる範囲でしたら何杯でもどうぞ」

品の良い老人はそう気を効かせてくれた

「とりあえずアンタの名前を」

情報を聞き出くうえでは親睦とは重要だ

「私、アンドリューと申します・・以後おみ仕切りを・・・・・・」

「私はザバサだ、よろしくな」

そう言って名前の交換を終え次の質問に移った

「アンドリューお前さんはこの国に居て長いか?」

「はい、建国当時から居ました」

そう答えてきて私は驚いた

「建国当時から・・しかし、300年は経っているはずですよ?」

そう私が聞くと

「いや、サキュバスの秘薬やら人魚の血を飲みましてな」

そうしみじみとアンドリューは話してきた

「そうですか」

「ええ、初めはこの国が出来る前は汚職とかが激しい国にいましてね
 希望もなく死にたいと思っていましたが、この国が出来てすぐに移住
 しました、そしたら私の様な境遇の方々がたくさんいましてな」

「それで・・生きる希望がわいたから今までの分を取り戻すために」

「はい」

私は気が合うアンドリューと話しこんでしまった、情報を聞く目的を忘れて

「でも、もう薬なんぞ飲まなくとも大丈夫ですからね」

「ほう」

「私はこう年を取ってしまいましたが、サキュバスの若い妻が居るんですよ」

「なるほど、完全なインキュバスになったんですね」

その様に話しこんでいると私はヴァンパイアの情報を聞くことを思い出した

(しまった、ヴァンパイアの情報を聞かなくては)

そう思いアンドリューに聞くことにした

「アンドリュー、この国の裏に面する雪山にヴァンパイアが居ると聞いたがの だが?」

そう聞くとアンドリューは

「ああ、確かにいらっしゃいますね」

何かしらの事を知っていた、そして、私は喰いついた

「なあ…そのヴァンパイアについて関して詳しく教えてくれないか?」

「いいですが、私もあまり詳しく知りませんよ?」

「どんなことでも良いから教えてくれ」

そう私が懇願すると

「たしか・・あの雪山のふもとにある大きな館に住んでいるはずです」

「人間が嫌いと聞いたのだが?」

「確かにそうですよ、建国後すぐに来て、そしてすぐにあの雪山の館に
 行かれてしまいましたから」

「理由とかは分からないのか?」

「わかりませんが・・他で物凄い迫害を受けたらしいですよ」

「そうか、すまない…変なことを聞いてしまったな」

「いえいえ、とんでもない」

「情報料だ」

そう言うとアンドリューに1オルタを渡した

「ありがたくお気持ちをちょうだいさせていただきます」

品の良い方だ、そう私は思った

「では、私も家内が家で待っているのでね」

「そうですか」

「あなたと同じく魔物の家内です」

「ほお、失礼ですが種族の方は?」

「エキドナです」

そう言うと私は傷んだドアを開けバーから出た

「ギィィィィィ......」

「ま、またのお越しを」

アンドリューは驚いている、無理もない

(・・・やっぱりラミアって偽った方が良いかな?)

そう思いながら支部に帰ることにした


・・・で・・支部に帰って・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「ザバサ、遅かったではないか?」

エレノアが朝食を準備して待っていてくれた

「すまない、色々とあってな」

そう言いながらエレノアの朝食として準備していたライ麦パンをかじった・・

「まあ良い・・・で何か情報はつかめたかのう?」

「ああ、雪山のふもとに居るらしい…かも人間嫌いだそうだ……」

「まあ、ヴァンパイアじゃったらありそうじゃな」

そう言いながらエレノアは葡萄酒を飲んでいる

(さて、どうやって行こうかな)

そう思いながらもエレノアと共に朝食を楽しんだ

「まあ、しかしこの果実…七色とは斬新だな」

そう言いながら謎の七色の果実をかじる私を見てエレノアが

「ちなみにそれにも媚薬成分が含まれておるぞ?」

エレノアはそう言ってきたがさすがに私も動じなくなっていた

「ふん、良い隠し味だ」

そう言い返してやった

「ほう…強くなったのう」

エレノアは関心の目で私のことを見た

どうやら私は体が徐々に魔物よりになっているらしい

後々調べて見て分かったことだがこの七色の果実

魔物専用の強力な媚薬成分を含んだ果実だった

まあ、その時そんなこと露知らず…私は食べていたわけだが

「ふう、美味かったぞ…エレノア」

「我はそこまで手を加えておらぬがな」

「ひと手間が重要だ…」

そう言うと私は持ってきた装備を確認することにした

「少ないな…まあ良い、これがあるからな」

そう言いながらエレノアの居るリビングに装備一式を持ってきた

「ザバサ、行くのか?」

「ああ、お前は留守番を頼む」

「それは良いが、ヴァンパイアじゃぞ? 襲われたらお主でも対処は難しい
 かもしれぬのう」

「そうなのか?」

私はヴァンパイアの存在情報ほ聞いただけでヴァンパイア自身については

無知その者であった

「そうじゃ、ヴァンパイアは我より魔力は多少劣るかも知れぬが、我よりも
 身体能力と肉体強度が強いはずじゃ」

「だが…太陽の光に弱く、銀にも弱い・・・だろう?」

「まあ、そうじゃが銀は持っているだけで門前払いじゃと思うぞ」

エレノアは私が襲われることを心配しているらしい

「まあ、エレノア、どうやら私が会いに行くヴァンパイアはどうやら
酷い迫害を受けて雪山の館に居るらしい・・・たぶん本人がやられたようなことはしないはずだ」

とりあえず私はエレノアに余計な心配をかけないようにした

「はたしてそうだと良いのじゃが」

それでもエレノアは心配そうにしている

それほどヴァンパイアは強いのだろう

若干だが私はどの様な強さかどうか楽しみでもあった

「まあ、今回は新型の装甲を持ってきたからな」

そう言いながら私は新型の装甲を装着してみた

この新型装甲は内部に強力なの反発装置を付けており

主に攻撃を受け流すのではなく攻撃を跳ね返す、

・・・と言うコンセプトで作った代物だ

「まあ、お主は魔法も使えるからな…じゃが……いざとなったら逃げた方が良 いぞ」

「ああ、そうする」

私はそう言いながら武器の準備をしていた

(最終兵器はM500ES..)

「ザバサ、とりあえずこれ位は持って行った方が良いぞ」

そう言いながらエレノアはライ麦パンと葡萄酒を渡してきた

「ああ、すまないな」

私はバックパックに葡萄酒とライ麦パンを詰めた

(あとは・・雪山対策で・・・・)

そう思いながらビタミンEとニンニクをバックパックに入れた

ニンニクは体の代謝を良くして滋養強壮に良く極寒地帯の必需品である

ついでに体も温まる

※ニンニクを常食すると−20℃でも薄着一枚で耐えられるようになります

そしてビタミンEは言わずとも……

荷物の準備ができ私はガスマスクを装備した

こちらの世界では警戒されないように付けるのをやめていた・・・が

「コーホー..コーホー......」

ガスマスクの吸気チェックをする

(やはりガスマスクは良いな)

そう思いながらエレノアの居るリビングに向かった、

私は雪山だが全身黒であった、タックギアー製のコート

後ろのポケットのサイズはA4雑誌がすっぽりと入る

またポケットも20か所ある

(やはり・・これは良いものだ)

そう思いながらエレノアの前に現れたが、案の定

「ザバサ、お主…ちと怖いぞ」

そうエレノアに言われた

「気にするな、威圧感は重要だ」

そう言って私はテラスの方に歩いて行った、

今の時刻は大体正午だ・・・・・・

メインストリートは活気で溢れている

「ザバサ、気を付けてな?」

「ああ」

そう言いながらエレノアと抱き合い

「ん..」

軽いキスをした

(・・・死亡フラグでは無いよな?)

ふと私はそう思ったが気にしない方向で行った

「では行ってくるぞ」

そう言うと私はエレノアから体を離して光学迷彩を装備した

(では…行くか……)

私は自分の魔法で空を飛び、雪山に向かって飛んで行った

「ザバサ…気を付けてな……」

エレノアはただそうつぶやくだけだった・・・・・・



{例外が存在することを分からない奴が多すぎる・・・・
・・先入観ほど危険で誤った行為はないと言うのに・・・・・・
何時かは先入観によって気づかぬまま操られてしまうぞ・・・・・・・・・}

               ザバサの教育書の走り書きより抜粋・・・・

10/09/04 15:40更新 / クロニカル
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■作者メッセージ
管理棟内で・・・・
「艦長・・・・・・あの・・・・・・・・・・・・

「聞きたいことは分かる・・・・・」

「はい・・・・・」

「あのときはニンニクも兵器になると思っていたのだ・・・・・」

「そうなんですか?・・・・」

「あの時監査長に聞いておけばよかったとこの後思ったよ・・・・・」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

エルナはザバサがニンニクを持っててしまった理由を聞きたかったのですね

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よし・・リリア殿に近づいた・・・・・・・・・・

何か段々文章が短くなっていく・・・・・・

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