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010.旦那さん、強制募集

私の食糧問題が解決した。
沢山の魔力があればいい。
そう言う事で。
今、巣の中は絶賛大繁殖期。


ドラゴンの巣だからドラゴンの魔力が多い方がいいと言う事で、ドラゴンの夫婦の部屋を増やした。
前に行った場所にあった虜の果実や他の魔力が篭った食べ物を食べてもらって、いっぱい旦那さんとえっちをしてもらう。
すると巣の中にあの国みたいなたくさんの魔力が漂うようになる。
問題は、ドラゴンに旦那さんがあまりいないこと。

そこで出てきたのが、白いサキュバス。
前に見たことがある白くて黒いサキュバスのお友達と言うか、妹みたい。
「城は私が見てるから。旦那さん、捕まえてきたらどう?」
首をかしげる。

ドラゴンは強い人じゃないと欲しくない。
「ええ。でも待っていても来ないでしょ?」
少し前に沢山来た。
「それでも嫌だって人がいるのでしょ。だから、しましょう」

何をしましょう。
「勇者狩りをしましょう♪」
どこへ?
「いい場所があるのよ♪」


デュラハン隊長と他に何人か、この巣の偉い人が集まってる。
「巣の中にいる人間には強くなってもらうとして。有望株を拾って来るわけですね」
「大勢力は例の事件で粗方潰れた後じゃ。そう簡単に集まりはせんじゃろう」
「それが違うのよね♪」

白いサキュバスが地図の上に指を置く。
「急造勇者と言えばいいのかしら。深みは無いけれど味の濃い勇者が、急に増えて来ているのよ」
どれくらい沢山?
「100は越えているわよ」

皆驚いている。
「無茶ですよ。勇者が最低でも100人、ですか?」
「ええ。頑張ってね♪」
頑張ろう。

「し、しかし。前回、ただでさえ敵方に勇者が30名いただけで、城の危機にあっていたのですよ。今回はその何倍だと思っているのですか!」
あのレベルなら100倍でも大丈夫。
「……そうでした。竜王様がいらしてくれれば問題は無いのですね」
「数増やされると困るから。今の内に無意味だって分かってもらわないと困るのよね♪」

もっと増えるのを待つ?
「あまり待つと、ばらけられた時の対処が困るのよね〜」
じゃあ行ってくる。
「待ちなさい。貴方ひとりで行っても仕方ないでしょう」


ドラゴン達が巣の上に集まった。
前回の大騒ぎで旦那さんを見つけた人は、魔界ハーブとか詰め込んできた。
「それじゃ、行きましょう」
ごぉ。

襲撃の基本は早朝。
攻め込んでいる間に朝日が昇るのが一番。
「手加減を間違えて殺さないようにしなさいよ」
任せて。

予定通り、太陽が昇らないうちに町に着いた。
「変な町ね。塔が沢山立っているわ」
ディリアが不思議そうにしてる。
よく見ると、全部結界の塔だった。

「どうするの?」
とりあえずやる事は決まってる。
「何?」
叫ぶ。

ドラゴン皆で、大きな声で叫ぶ。
ドラゴンの咆哮はものすっごく大きくて、お腹の中に響く。
皆で咆哮すれば、家の中にいても響く。
ちなみに、体が大きい方が声も大きいので、みんな竜化けの姿になっている。

よし、とつげーき。
私は合図を出してから一番近い結界の塔に突撃する。
塔に近付くと結界に当たるけど、簡単に破れた。
そのまま塔の上半分を持って飛び上がる。

そして次の塔に投げる。
結界の塔には人はいないから大丈夫。
投げた勢いで、射線上の塔が2本壊れた。
あとはどこを壊そうかな。


結界の塔を壊したら簡単だったみたい。
沢山の勇者が出てきたけど、塔を投げたらみんなひるんだし。
町の人たちが出てきて危なかったけど、怪我人は少なかった。
ディリアには投げ過ぎって怒られた。

魔法を使ってきたらブレスで迎え撃つ。
弓を使ってきたら翼を畳む。
後は空から攻撃すればいい。
凄く簡単。

「馬鹿な。ドラゴンが、我々の攻撃に対応している?」
「やつらを叩き落せ! 空にいては攻撃できん!」
「くそ! 折角の勇者どもも攻撃が届かなければ無意味ではないか!」
「遠距離が可能な勇者はまだ来ないのか!?」

全部のした。
「な!? 貴様、単身で来るとは、愚か者め! 勇者ども、かかれ!」
勇者たちが無言で飛び掛ってきた。
見た事のある顔と言うか、全員無表情。

勇者を作った後は、洗礼をかけたんだ。
「貴様、何を知っている!?」
色々。
「く! 攻め続けろ! 恐らく奴が親玉だ!」

ドラゴンが上から攻撃しているのに、みんな私の方にやってきた。
叩いて、投げて。
「あ、ありえん。ゆうしゃだぞ? 神の恩恵を受けた勇者が、こんなにもあっさりと負けるはずが無い」
えっへん。

「に、にげろぉ! かてるはずがない!」
「ちくしょう。うでが、うでがうごかねぇ」
「テトのかたきぃい!」
「さむいさむいさむいさむい」

何だか、味方の魔法が当たって被害甚大の人間勢。
洗礼受けている勇者がいるのに逃げるから、勇者に攻撃されてる。
仕方ないので、勇者は素早く片付けよう。
叩いて叩いて、叩いて叩いて。


「は、ははは、はははははははは。わたしの、わたしのゆうしゃがたちが。ぜんめつだ。ぜんめつした。うそだ、ありえない。わたしのゆうしゃは、さいきょうの」
掴んで、投げる。
「にん」
これで終わりかな。

「それじゃ、貰うもの貰って帰りましょう」
みんなー、忘れ物はないー?
それじゃ、てっしゅー。
いちにの、さーん。


「人間たちも随分と痛撃を受けたようですね。あの結界、ドラゴンの侵入さえ防ぐレベルだったそうです」
だから私が壊した、えっへん。
「ところで、首のそれはつけたままだったのですか?」
うなずく。

それよりも、早く皆の所に行かないと。
大広間で大繁殖大会をするんだけど、私が挨拶をしないといけないって言ってた。
「あ、はい。いってらっしゃいませ」
行って来ます。




大繁殖大会は凄かった。
前回の戦利品と今回の戦利品、全部混ぜた上に魔界ハーブや色んな魔界の食べ物、サバト特製のお薬も使って、凄かった。
ドラゴンの聖地は元々、大きなドラゴンがゆっくり過ごせる位広いから、今のドラゴンたちならみんな入っていても大丈夫。
みんな、旦那さんを見つけて楽しそうにしてる。

「あぶれているドラゴンもいますけどね」
「あはは。私たちの事ね」
私たち3人は、眺めるだけ。
ディリアはお酒を飲んでいて、カナシャは食べていて、私は飲んで食べてる。

「これが終わったら、また勝負よ! リィーバ」
わかった。
「今日くらいゆっくりしたらどう?」
「は。非力なドラゴンは昼寝をしてなさい」

「いま、何て言ったかしら。ドンガメのドラゴンさん」
「貧弱なドラゴンより鈍い方が遥かにドラゴンらしいだろう」
「飛ぶのが苦手なくせに」
「あ? 何か言った?」

二人は何時も通り、仲がいい。
ドラゴンの皆も楽しそうにしてる。
ここはドラゴンの巣。
私が守らないといけない場所。


もっと、もっと強くならないと守れない。
魔界の魔力を全部飲み干すくらいしないと。
雲を飲み干して山を飲み込むくらいじゃないと。
今の私じゃ勝てないから。


だって、魔物の中で一番強い魔王と勇者だって勝てなかったんだから。 

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13/07/18 00:06 るーじ

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