連載小説
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フレンドリィラブー2
第二話:ラブコメの基盤が固まる瞬間




入学式から数日が経過して、俺も高校生活にも慣れてきた。同じクラスにも友達が何人かできたし、彩有里ともうまくやっている。多分アプローチだろう物も受けているし、ありがたく今の状況に甘えさせてもらうとしよう。

「で、その彩有里さんのアプローチはいつ花開かせてあげるつもりなんだ?」
「んぁ?ああ、いや、やっぱ俺が好きになったらってところだろ」
「それまでキープか」
「うぐっ……いや、まあその通りだけど」
「あんまりそういうことしてると魔物娘でも愛想尽かして逃げられるぞ」
「うぅむ。それもそうだけど……」
「まあ、久しぶりに会った女の子にいきなり好きだとかいうのもおかしいから急かしたりはしないけどね」

一志と屋上で昼飯(購買のパン)を食いながら話す。
一志の言うことももっともな話なわけで。確かにこれってキープしてるってことだよなー。

「ま、今のところ話す女子って彩有里しかいないわけで……」
「だから、もうちょっと品定めをしたいってわけだ」
「さっきから言い方きついな〜」
「悪い。僕自身少しばかり嫉妬しているんだ。なんせ僕は君と違ってずっと覚えてくれている幼馴染の女の子なんていないからね。まあ、好きだと思ってくれている女の子がいる男は嫉妬される義務があると思って諦めてくれ」
「へーへー。ってか、俺が見る限り一志もかなりイケてる部類に入ってると思うんだけどな」
「話し方のせいだね。どうやら堅物と思われているようだ」
「あぁ、それで……」
「君の言い方もなかなかキツイものがあるよ」
「悪ぃ悪ぃwwwww」

今のところ、一番の友達は一志だ。何となく話しやすいんだよな。多分、結構はっきり言ってくれるところがあるからだろう。そういうのはありがたい。

と話していると……

「あら……さっきから話し声が聞こえると思ったら」

上のほうから声が聞こえてきた。顔を向けるとそこには

「はぁい。こんにちわ」

めちゃくちゃ美人がいた。

「…………っ」

思わず息をのむ。一志は特に表情を崩すことなく立ってるが、こいつの精神力はどうなってんだ。いや、それよりもこの人だれだ?やべぇ、胸は……あ、彩有里よりも一回り……いや、二回りぐらい小さいけどめちゃくちゃ美人だ……

「胸を見て少し残念そうにしたのはなぜかしら」
「いや?別に」
「ふぅん。ま、大きいほうではないと自覚しているから構わないわ。許さないけど」
「すんませんしたー!」
「全く、初対面の女性に対して失礼な男ね。それにしても、屋上は誰も来ないと思ってけど案外来るものなのね」
「確かにその通りだね。僕たち以外でもここに来る生徒は多く感じるよ。まあ、今日は僕たちと君しかいないけど」
「そうね。自己紹介いるかしら?」
「これからも屋上に来るなら会う可能性が高いし、しておいたら友達になれるだろうね」
「うふふ。なかなか面白い言い回しね。私はレイネア。リリムよ」
「僕は釧枝一志。こっちは惣流竜也。幼馴染の女の子をキープしている男だよ」
「なっ!手前!それいう必要があるのかよ!」
「ふっ。せっかく美人と仲良くなれるチャンスだ。ライバルは蹴落としたほうがいいだろう?」
「あらあら。なかなか鬼畜な男の子みたいね。幼馴染さんに刺されないように頑張りなさい」
「怖いこと言わねえでくれよ……」

俺が肩を落としながら言うと、クスクス笑いながらレイネアはぐっと俺に顔を近づけてきた。そして匂いを嗅ぐように鼻をひくひくと動かす。

「……」
「うぇ!?な、なんだよ!」
「妬ましいね全く。もてる男は爆発四散して死ねばいいと思うんだ。ほら、理科室の薬品を使って爆弾でも作ってこようか?」
「お前はお前で怖いって!」

やべえ、ずももももって感じに一志の目が据わっていく……結構怖い。
少しするとレイネアは俺から離れる。

「ふうん。なかなか……その幼馴染の子も見る目がありそうね」
「は?何の……」
「その子、今サキュバス族でしょ」
「な、なんでわかんの?」
「うふふ。秘密よ。でも、このまま見逃すのも癪だし……ま、これから観察させてもらうとしようかしら。これからよろしくね、竜也♥」
「なるほど、竜也は僕を嫉妬でくるわせたいわけだね」
「俺はなんもしてねえ!」
「やかましいわこのモテたい男子の敵め!」
「あべし!」

やばい、一志のやつ漆黒の意思を目に宿してやがるっ!これは、『人殺しの目』だ!とか言ってる場合じゃねえ!

「ちょ、お前、蹴り、鋭いっ、あぶっ」
「この腐れ脳みそがぁーっ!」
「あらあら」

俺のラブコメライフは、ここから始まった……なんちゃって
13/11/25 08:44更新 / しんぷとむ
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■作者メッセージ
クーデレ。いいですよね。私は好きです

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