読切小説
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吾輩は猫叉である、名前はまだにゃい
吾輩は猫叉である、名前はまだにゃい。
と、有名な某小説の出だしを真似してみたけど悪気はないんだにゃ。
ついでに言っておくけど、吾輩も本来の一人称ではないんだにゃ。
さて、改めて自己紹介私は猫叉名前は特ににゃい、ちなみに今のご主人の世話になって一週間くらい立つんだにゃ。
元々、普通の猫としてのんびり生きていたんだけど(と言っても普通のに比べれば長い間生きてるにゃ、ババアとか言ったら殺すにゃよ?)、尻尾が二つあるもんだからそうそう上手くは行かなかったんだにゃ・・・

〜一週間前〜
「ヒャッハー!おい見ろよ!この猫尻尾が二つあるぜキモチワリー!」
「ヒャッハー!石投げちまおうぜぇぇぇ!」
『全く、ヒャッハーヒャッハーうるさいやつだにゃ、これがいわゆるDQNと言う奴か、こんなやつ私が本気を出せば』
等と思っていたら。
「捕まえたぜヒャッハー!」
ここでまさか三人目が現れ捕まってしまったんだにゃ、私とした事が油断したんだにゃ。
「さてー、化け猫は始末だぜぇぇぇ」
バカ男はそう言って棒を取り出し、私に向かって振りおろしてきたんだにゃ。
その時だったにゃ。
「ギャッハー!やられたぜぇぇぇ!」
私を殴ろうとした男は吹っ飛ばされ、今のご主人が立っていたのは・・・
「やりやがったな、テメー!」
「ヤロー、ブッコロシテヤル!」
仲間を倒されてバカ男たちはご主人に向かって行ったのにゃ、あの時のご主人はカッコ良かったにゃ〜・・・
向かってくる二人のバカ相手を千切っては投げ千切っては投げ、あっという間に倒してしまったんだにゃ。
「きょ、今日はこの所で許してやらー!」
「負けたぜヒャッハー!」
あっという間にバカ男2人は退散、1人は気絶したまま、という状況だったにゃ
、すると御主人は私を抱きかかえて
「今日から君はうちの家族だ」
なんて言って勝手に連れて帰られたのにゃ。
〜回想終わり〜

思えば、助けてくれたあの姿と強引さに魅かれてしまったんだろうにゃ、ご主人の事を考えると・・・こうムラムラと・・・っといかんいかん。
猫叉とあろうものが、そんな安々と発情しては普通の猫に示しが付かないんだにゃ。
あ、そうそうご主人はしがない小説家の仕事をやってるそうで、基本的にはいつもパソコンとやらにへばりついて思考錯誤してるのにゃ。
まー、いつの時代も物書きの人間のやることってあんまり変わらないにゃ。ー・・・いつだったか前のご主人もそんな感じだったしにゃ。
語るばかりなのも暇にゃので、仕事中のご主人の膝の上にでも行く事にするのにゃ。

「うん?どうした?」
そう言ってご主人の手はキーボードなるものから私の頭に移動し撫でてくれる。
このなでなでが最高に気持ち良いもので、文章で表現しにくいのが非常にもどかしい・・・
まぁ、とりあえずとても心地いいんだにゃ、心地よ過ぎてまたちょっとムラムラし・・・・いかんいかん、また我を見失うところだったにゃ。
あんまりムラムラし過ぎると我を失ってしまうため、適度な所で脱出を試みる
「おっと・・・君は気まぐれだなぁ」
そう言って、私に向かい笑みながらご主人は仕事に戻るのである。
たはー、なんて素敵な笑顔にゃんだろうか・・・・うっかり元の姿に戻って襲ってしまうところだったのにゃ、猫叉のプライドにかけてそんな発情期の雄猫みたいな事はできないにゃ・・・うん


まぁ、とりあえず毎日こんな感じで夜までのんびり過ごしているのにゃ
しっかし、今日もご主人の小説は完成せず・・・また編集の人に怒られるんだろうにゃー・・・何もできないのがもどかしい。
夜になるとご主人はさっさと寝てしまうのにゃ、睡眠不足は思考能力が不足するとかどうとかで、ご主人も結構気まぐれだと思うにゃ。
ご主人はいつも猫のように身体を丸めて寝るんだにゃ、とっても可愛いんだにゃ。
ご主人が寝付いた後は、こっそりと元の姿に戻るのにゃ。
そしてそのままご主人に寄り添うんだにゃ〜・・・
今まで生きてきて、何度も人間の世話になった事もあったけど、今のご主人が一番良い匂いがするんだにゃ・・・
無意識のうちに、手が秘部の方へと向かっていた。
ご主人の匂いを嗅ぐとおまたが疼いてしまうのにゃ・・・
「にゃふ・・・うぅん・・・にゃぅ・・・」
ご主人を起こさないように声を抑えて、私は自分の秘部を弄っていく
くちゅくちゅと卑猥な感じのする音を立て、私は身を震わせる。
「本・・・当はご主人さまとまぐわりたいんだにゃぁぁ・・・・でも、この姿になった時、貴方がどう思うか考えると怖いんだにゃぁ・・・で、でも・・・それでも・・・」
指を止めなきゃいけない、分かっているのに止まらない・・・
私は快楽で身を震わせる
「それでも、私は・・・貴方が好きなんだにゃぁぁぁぁ・・・・!」
そして私は絶頂を迎えある、ご主人の前だといつも達するのが早い・・・
「寂しいにゃぁ・・・私はどうしたら良いのかにゃ・・・」
お汁で汚してしまったところを掃除して、私も眠りにつく。
おまたがせつない・・・


翌朝の事である
「できたっ!」
ご主人の元気な声で私は目を覚ます。
「いやー、君が来てから話が進む事進む事!」
嬉しそうにご主人は私をなでなでする。
「君が来てから、毎日夢を見たんだ。君が、毎晩ね人の姿になる夢なんだ」
まさか、私の痴態を見られ・・・そんなはずっ・・・・
「それを元に小説を書いて見たんだ、タイトルは「吾輩は猫叉である」ってね!」
そう言ってご主人は嬉々として小説を説明する、話を聞くにどうやら自慰の事は気付かれていないようだった。
嬉しいような悲しいような・・・・
「君って尻尾が二つあるからね、一目見たときからこの子は実は猫叉でこうなったら良いなって思ってたんだ!」
そう語るご主人の目は輝いていた・・・・私はその猫叉なんだけどにゃー・・・

その後、この小説は飛ぶように売れ、続編も作られる大ベストセラーになったんだにゃ
お話の中では猫叉と主人公は色々な事がありながら最後に結ばれるんだけど・・・・ご主人は今だに、私が本当に猫叉と言う事にすら気付いてくれないんだにゃ、はぁ・・・
今日もおまたがせつないにゃ・・・
12/04/24 22:24更新 / 猫目

■作者メッセージ
と、野良猫を撫でながら考えたお話でした〜
相変わらず短いですが、久しぶりに一筆でした
いきあたりばったりで書いてるので荒が多いかもしれませんが・・・・
その時は、ごめんなさいだにゃ

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