砂漠で迷子でギルタブリル
現在地-アルトリア砂漠-詳細不明
「此処は何処だー！」
とりあえず、叫んでみた。
砂漠に入って既に2日。
頭上にはギラギラと俺を焼くように輝く太陽、辺りは灼熱の砂山ばかり。
「アノン！ポム！パノ！キャノ！ウト！ティピ！アーリア！」
仲間の名前を叫ぶが、返事は来ず、俺は一人で砂漠に立ち尽くしていた。
何故一人で遭難しているのかと言うと、それは一時間前くらいの事だ。
皆で砂漠を歩いている→突如砂嵐が発生！→飲み込まれる→皆バラバラに飛び散ってしまった。
以上の理由で、俺は一人で此処にいる。
水は皆に持たせてたけど食料は俺が持っているのでこのままだと皆飢え死にするだろうな…早く見つけないとな。
「くそっ…熱い…！」
ともかく皆を捜さないとな…水飲み場のような岩場があればそこに集まる可能性が高い…洞窟の中とかにある水飲み場を探そう。
ザッザッザと砂を踏みしめる足音しか聞こえず、前にあるのは青い空に砂ばかり。
「ハァ…ハァ…」
砂漠の照りつける太陽が、俺の体力をどんどん奪っていき頬を伝った汗が砂に落ちて消える。
「…熱すぎるせいで幻覚が見えてるのか…？さっきまで右にあった太陽が左に見える…」（さっきと反対方向に進んでいる）
暫く進むと、岩場のような場所が見えてきた。
「ちょ、丁度いいや…あそこで休憩してくか」
岩場の下まで行くと腰を下ろして腰の水筒から水を飲む。
しかしその瞬間、地面から何かが突き出てきた。
「なっ…！？」
「フフフ…おしまいよ」
眼前に迫る針の様な物を回避する為に、少々惜しいが水筒を捨てて横に跳んだ。
「…！」
「今のを避けるなんて…人間にしてはいい動きをするわね」
俺に襲い掛かってきた奴は薄緑の肩より少し下まである髪に褐色の肌…そして何よりも目を引くのは下半身である。
蠍だ…さそり…うん、サソリだ。
「水を落としちゃったわね？私に大人しく従えば…私の住処に招いてあげてもいいわよ？」
こいつ…俺の命の源でもある水を奪っておいて反省の色はなしか！
「…れ」
「あら、何か言ったかしら？」
「そこに直れぇえええええええええええ！！！」
「ひゃっ！？」
俺が叫ぶと、怯んだ様に少し下がる。
「な、何よ？人間の分際で…」
「黙れぇええええええええええ！俺の水を返せこのサソリがああああああああああああああああああ！！！」
「ひぃっ！？」
「いいか！？砂漠で水は人間にとって無くてはならん物で……その名の通り命の水だぁ！そんなことも分からんのかっ！？」
「ひぃいいいい！？ごごごごゴメンなさいぃいいいい！」
「まだまだァ！」
この後、俺は三十分は説教を続けた。
現在地-アルトリア砂漠-詳細不明
sideパノ
「あっちー………」
「そんなに熱い熱い言うんじゃないよ」
「でも本当に熱いです〜」
あたい達は砂嵐でバラバラに吹き飛ばされてしまった。
運良く、あたいは姐御とアノンと同じ場所に倒れていたので三人で行動している。
それにしても兄貴とキャノとウトとアーリアとティピは大丈夫かな…砂漠はこんなにも熱いし、ずっと彷徨ってると干からびて死んじまう…。
「兄貴ー！何処にいるんだー！？」
叫んでみるが、あたいの声は青い空に吸い込まれていき、消えた。
「こんなに広い砂漠で叫んでも無理だと思うけど〜」
「姐御！諦めちゃそこで試合終了なんだよ！」
「叫ぶと体力使うと思うぞ」
アノンの突っ込み通り、あたいは喉が渇いていた。
「アノン……水くれー…」
「ったく、一口だけだよ」
水筒を貰って一口…そう、口いっぱいに含んだ。
「あ！こらパノ！一口がでかい！」
「ひふぉくひふぁひとくひふぁ（一口は一口だ）！」
そのままごくりと水を飲み込む。
「ん…んぐっ！？ぶえっ！ゲホゲホッ！」
でも少し気管に入ってしまいむせてほとんど吐き出してしまう。
「あ！どうして吐き出したりするんだい！？」
「ゲホゲホッ！む、むせた…」
「あ〜あ…もったいないなぁ…」
あたいが吐き出した水は砂に染み込んですぐに乾いちまった…。
「う…ごめん…」
シュンとすると、砂山の向こうから声が聞こえたような気がした。
「なあ、今なにか聞こえなかったか？」
「え〜？」
耳を澄まして聞き取ろうとするとやっぱり少し声が聞こえる。
「誰かいるんだ！行くよ！」
アノンを先導に砂山を越えるとそこには……
「おーい！皆ー！」
「なー！」
叫び続けるウトとキャノ、岩陰で休んでいるティピとアーリアだった。
「お、見つけた！」
「よかったね〜」
砂山を降りてどんどん近づいていくと、向こうもこっちに気がついた。
「アノンさん！パノ！姐さん！」
「さん〜！」
ウトとキャノが此方に近づいて来て、やっと合流した。
「よかった〜、三人とも無事だったんだね」
「うん〜、お兄さんはここにいないんですか〜？」
そう言えば兄貴の姿が見当たらない。
「どうせまた迷子スキルでも発動してフラフラしてるんだろ？探してやらないとね」
アノンがやれやれといった感じで首を振る。
「センは方向音痴なのか？」
「どうもそうみたいなんだけど…本当の所どうなの？」
まだ付き合いの浅いアーリアとティピが尋ねてきたので全員で頷いた。
「そ、そんなになのか？」
「そりゃ北西に向かうと言って左前に進むような奴だからね…案内してやらないと碌に目的地に辿り着けないんだよ」
アノンはこの中で一番センと付き合いが長いからな…でもあたい達と大差ないらしいけど。
それにしても兄貴の方向音痴は酷いよなぁ。
「それより、向こうにオアシスがあるから休んでくるといいよ。私達もさっき水を汲んで休んでたんだ」
ティピが砂山の向こうを指差すので砂山を登ってみると遠くに緑色の植物が見えた。
「よーし！いっくぞー！」
砂山を駆け下りて走り出して一気にオアシスを目指した。
現在地-アルトリア砂漠-オアシス
「ゴクゴクゴク……！」
オアシスにある池に直接口を付けて水を飲む。
「そんなにがっつくと腹を壊すぞ？」
アーリアが何かを言ってるけどそんなの関係ないね、今あたいは水を求めてるのさ！
池から顔を上げるとアノンと姐御は水筒に水を汲んでいてティピとウトとキャノは木陰で休んでいてアーリアは水で顔を洗っていた。
するとお腹が軽くキュル〜と鳴る。
「そう言えば飯は兄貴が持ってたよな…」
何か食べれる物はないかな…
そう思ってオアシスの中を探し回ってみると、キレーな赤い花を見つけた。
「クンクン……」
念のために臭いを嗅いでみるととっても良い臭いがしたので、花の部分を取って食べてみた。
「んぐんぐ……うまーい！」
甘くて美味い！
「どうしたの〜パノちゃん〜？」
「何か見つけたのかい？」
あたいの声を聞いて皆こっちに寄って来る。
「なんだいそれ？食べられるのかい？」
「うん！すっごく美味いんだ！」
まだまだいっぱい咲いている。
「じゃ、じゃあ僕も貰おうかな…」
「私も貰おうかな、腹が減っては戦はできぬって諺がジパングにあるんだよ」
ティピは物知りだな〜、そう言えば兄貴の出身もジパングなんだよな…今度故郷の事聞いてみようかな？
皆赤い花をどんどん食べていく。
「モグモグ…うん、これは美味だな」
「びみー！」
「美味しいです〜」
皆にもウケが良いみたいだ。
「あれ…？でも僕ちょっとボーっとしてきたような…」
「あ、アタシもだ…」
「そう言えばあたいも……そんな感じだ…？」
うぅ〜？ど、どうなってるんだ？
現在地-アルトリア砂漠-詳細不明
sideセン
「…と言う事だ、分かったな？」
「はいぃ…分かりました…」
数十分サソリ女に説教をすると、涙目になっていたので流石に止めた。
「ったく、じゃあ俺はそろそろ南に向かわないといけないから…お別れだな。じゃあな」
そう言ってサソリ女に背を向けて歩き出す。
「え？南？」
「ん？南だけど」
「南は逆方向よ？」
……マジで？
「何故だ？俺はちゃんと真っ直ぐ歩いていたのに…」
「砂漠には目印になるような物が少ないから方向感覚を失う事もあるのだけれど…真逆に進む人は初めて見たわ」
くそっ、水は無いし道は間違えるしどうしようもないな。
「あっちにオアシスがあるのだけれど…良かったら案内する？」
「……いいのか？」
何で急に優しくなるんだ？さっきまで襲おうとしてた相手だぞ？
「何だか興醒めしちゃったし…このまま放っておいて野垂れ死にされるのも後味悪いしね。ほらこっちよ」
「悪いな、俺はセンだ。お前は？」
「私はギルタブリルのヴェロニカよ。所で貴方は何故この砂漠を渡ろうとしてるの？」
「別に大した理由はないさ、唯当てのない旅をしてるだけだよ」
そう言うと、ヴェロニカはふーんと言って進んでいく。
「自分で聞いてそんな反応はなくね？」
「別に興味本位で聞いただけだもの。変な理由でこの砂漠に来る人間も後を絶たないしね。お陰で私達は人間を捕まえれていいんだけどね」
変な理由？
「変な理由ってどんな理由なんだ？」
「仲間が攫ってきた奴等はオアシスに咲いてる幻を見せる事のできる赤い花を取りに来たり遺跡の宝を取りに来た奴等が多いらしいわよ」
「お前が捕まえた奴等はどんな理由なんだ？」
そう聞いた瞬間、ヴェロニカはずーんと暗い雰囲気を纏ってしまった。
しかも余りに急だったので俺も驚いた。
「ど、どうした？」
「実は私…まだ男を捕まえた事ないのよ…」
「なんかスマン…」
何だかよく分からん空気になってしまった。
その後は砂を踏みしめる足音が辺りに響き、次第にオアシスが見えてきた。
「ほらあそこよ」
「そっか、あんがとな」
俺は礼を言うとオアシスに向けて歩き出すが後ろから感じたゾワッとした感覚から逃れるように前に跳んだ。
砂を転がり後ろを振り返ると、手に短剣を持ったヴェロニカが悔しそうな顔をしていた。
「どーゆー事だ？」
「あら？砂漠の暗殺者と呼ばれる私達ギルタブリルがみすみす獲物を逃がすと思う？今までのは貴方を油断させるエ・ン・ギ♪」
やれやれ、難儀だな。
ともかくオアシスに逃げ込むか。
砂漠は足場が悪いから足をとられないようにオアシスで戦わないとな。
俺はわりと本気で砂漠を走り、ヴェロニカはサソリの足で追ってくる。
「なっ…！？この足場であの速度…やっぱり唯の人間じゃなかったみたいね」
俺の脚力には驚いたようで慌てて速度を上げて追ってくるがもう遅いな、そのまま俺はオアシスに逃げ込んだ。
「良し、ここならしっかり戦える」
足場を確認してどんどん走っていく。
「ん？」
前方に人影を確認したと思ったら、そこに居たのはアノン達だった。
「おっ！お前等全員集まってたのか！俺今ギルタブリルに追われてて…っ！？」
声をかけたと思ったらアノンが振り向いて斧を振ってきたので慌ててしゃがんで回避した。
「あ、アブねー…急に何すんだよ？」
「…黙れ化け物」
「は？」
化け物って…うん、俺は何時も通りだ。
「ポム、ティピ、アーリア…皆どうしたんだ？」
よく見ると皆目からハイライトが消えている。
「どーも様子がおかしいな」
皆俺に向けて武器を構えて襲い掛かってきた。
「うおっ！くそっ、どうなってるんだ？下手に反撃するわけにもいかんし…」
とにかく繰り出される攻撃をかわしてきた道を戻る。
「追いついたわ！」
「ゲッ！」
前門のギルタブリル、後門のおかしな仲間達！
「今はとりあえず前門突破ー！」
「こっちにくるなんて……どうかしたｎキャアアアアアアア！？」
恐らく俺の後ろから追いかけてくる仲間達を見たのか急に顔を青ざめさせて逃げ出す。
「どうしたのあの娘達！？」
「俺の仲間で逸れてたんだがどうも様子がおかしいんだ」
「だからってあれは怖いわよ！」
「とにかく一旦撒くぞ」
上手く木の後ろに隠れて一旦視界から外れる。
その後も皆はウロウロと俺達を探しているようだ。
「いったいどうなってるんだ？」
「あの症状…もしかして…」
もしかしてって…何か解決策があるのか？
「どうした？」
「さっき言ったでしょ？幻覚を引き起こす花があるって…ホラ、丁度あそこに咲いてる花よ」
ヴェロニカが指した場所を見ると、赤い綺麗な花が咲いていた。
「見栄えも良いし、臭いも良いから知らない人は臭いを嗅ぎすぎたり、食べたりしてああなった旅人を何度か見た事があるわ」
「治す方法は？」
「同じくオアシスに咲いている青い花が解毒剤らしいわ…これよ。でもあんな状態じゃ食べさせられないわよ？」
近くにあった青い花を1つ取って見せてくれる。
「無理矢理にでも食わせるしかないだろ…とにかくその花を取ろう」
7人いるから7つか。
「じゃ、行ってくる」
ヴェロニカが持っていた青い花を取って口に含む。
まずは一番近くにいるキャノからだ。
俺に気づいたキャノは木の棍棒を振りかぶりながらこっちに走ってくる。
「たおすー！」
縦に振り下ろされる棍棒を横にそれてかわし、少ししゃがんでキャノの顎を持つとキャノとキスをする。
「…んぅ」
そのまま口移しで青い花を飲み込ませる。
飲み込んだのを確認してすぐに口を離す。
今度はティピとアノンの2人だ。
地面に咲いている青い花を2つ取って口に含む。
そうしている間にアノンの斧が目の前に迫っていたので再びしゃがむと同時に足払いをして仰向けに転ばせる。
素早く馬乗りになり無理矢理口付けをして青い花を飲み込ませる。
「シャー！」
「っ！？」
すぐにアノンから退くと、さっきまで俺がいた場所にティピが飛び掛っていった。
「危ない危ない…」
残りの皆も此方に気がついたようなので、ティピだけでも先に戻しておくとするか。
ティピは素早いが、俺が本気になればすぐに捕まえれる。
それに力は強くないので無理矢理捕まえて口移しで青い花を飲ませる。
ティピから離れて青い花を探し、見つけるとそれを口に含む。
アーリアがロングソードを抜いて切りかかってきたので、左足の黒空で受け止める。
「チッ…そらっ！」
跳んで、両足でロングソードを両面を足で挟み、捻って遠くに弾き飛ばす。
「くっ…ならば一度…」
体制を整えると、アーリアは後ろに下がっていたが、俺は脚力を全開で距離を一瞬で詰めた。
そして顔が目の前に来た所で口移しをした。
「んぐっ……」
唇を離し、残りはポムとパノとウトだ。
青い花を3つ一気に口に含んで俺は3人へと近づいた。
俺に殴りかかろうとするパノを避けると、ウトが棍棒を振ってきたのでそれも避ける。
「そ〜れ〜！」
最後にポムが大きな棍棒を空中で振り下ろすが、それも紙一重で回避した。
棍棒は地面にめり込み、ポムがそれを引き抜こうとする隙に、ポムにも花を口移しで飲み込ませた。
これで後2人だ。
こうなったら後は力づくで行くか。
「でやっ！」
「おらあっ！」
ウトの振る棍棒を足で受け止めて、力押しで蹴り飛ばす。
「喰らえー！」
その隙に殴ろうとするパノの後ろに瞬時に回りこみ、羽交い絞めにする。
「なっ！？は、離せ！」
「そう言うなよ」
後ろを向かせて口移しで花を移し、ウトに向き直る。
ウトは棍棒を構えなおして俺に向けて一直線に走ってくるが、それより先に俺が距離を詰める。
「なっ！？」
そのまま顔を引き寄せて最後に口移しをし、俺は顔を離した。
「ふぅ、やれやれ…これで全員…皆大丈夫か？」
どうにか解毒し、俺は皆を見ると、何故か全員座り込んでいる。
「どうした？体の調子でも悪いの…ってどわっ！？」
今口移しをしたウトに聞いてみると、いきなり押し倒された！？
「せ、センさん…襲ったりしてごめんなさい…でも何だか正気に戻ったら、体が…下半身が熱くて…」
「お、おいヴェロニカ！どうなってるんだ！？」
声をかけるとヴェロニカは少し頬を赤らめてこっちに来た。
「ご、ごめんなさいね…試しに青い花を食べてみたのだけれど…これ、媚薬効果もあるようなの…」
「は、はぁ！？」
ウトとヴェロニカに続き、アノン、アーリア、ポム、パノ、キャノ、ティピも俺に近寄ってきた。
皆顔を真っ赤にさせているが…この砂漠の暑さのせいだと嬉しい。
「セン…アタシ、もう我慢できないよ…！」
「クッ…恩人を2度も襲うなど…！だがこの疼きは…っ！」
「お兄さ〜ん、私…我慢できなくなっちゃいましたぁ…ハァハァ」
「あにきぃ…熱いよぉ…抱いてよぉ…！」
「抱いてよぉ…！」
「ゴメンなさいセンさん…」
「私の初めてが9ｐっていうのは何だけど…もう我慢できないし…いただきまーす♪」
誰が誰の台詞かは察してくれ。
「おい！いただきますってなんだ！？ちょ、ままま待て！ズボン降ろすな！口開けてナニする気だ！？あ…」
ｱｰｯ！
現在地-アルトリア砂漠-オアシス
まあ、昨日は夕方から日が沈み寒くなってしまったのでより激しく交わった。
はっきり言って枯れるのではないかと思ったがヴェロニカのギルタブリルの毒で強制的に続けさせられた。
で…
「き、昨日は凄かったよ…また街に着いたらシてくれ…」
とはアノンの弁。
「お兄さんの…逞しかったです〜」
とはポムの弁。
「兄貴…あたい…今幸せだよ…」
とはパノの弁。
「幸せー！」
とはキャノの弁。
「あ、あの……僕なら、何時でもいいですから…あ、でも次からは縛って…」
とはウトの弁。
「うん…私もセンなら悪い気はしないから…したくなったら言ってね？」
とはティピの弁。
「す、すまない……恩を返すどころか襲い掛かってしまって…でも良かったよ…性欲が溜まったら是非私に言ってくれ」
とはアーリアの弁。
そして暫くの間オアシスで休み、皆の腰が回復したら砂漠に出たのだが…。
「何でお前着いて来るんだ？」
「あら？貴方は犯した女を置き去りにして責任も取らない気かしら？」
そう、ギルタブリルのヴェロニカが着いてくる。
「どっちかって言うと俺が犯されたんだよ」
「あら、でも私も処女を無くしたのは事実よ」
「ぐ…」
それを言われると反論できん。
「当てのない旅なんでしょ？なら着いていっても大して問題ないじゃない」
「…足手まといになるなよ？」
「当然♪」
こうして新たな仲間、ヴェロニカが旅に加わったのだった。
「此処は何処だー！」
とりあえず、叫んでみた。
砂漠に入って既に2日。
頭上にはギラギラと俺を焼くように輝く太陽、辺りは灼熱の砂山ばかり。
「アノン！ポム！パノ！キャノ！ウト！ティピ！アーリア！」
仲間の名前を叫ぶが、返事は来ず、俺は一人で砂漠に立ち尽くしていた。
何故一人で遭難しているのかと言うと、それは一時間前くらいの事だ。
皆で砂漠を歩いている→突如砂嵐が発生！→飲み込まれる→皆バラバラに飛び散ってしまった。
以上の理由で、俺は一人で此処にいる。
水は皆に持たせてたけど食料は俺が持っているのでこのままだと皆飢え死にするだろうな…早く見つけないとな。
「くそっ…熱い…！」
ともかく皆を捜さないとな…水飲み場のような岩場があればそこに集まる可能性が高い…洞窟の中とかにある水飲み場を探そう。
ザッザッザと砂を踏みしめる足音しか聞こえず、前にあるのは青い空に砂ばかり。
「ハァ…ハァ…」
砂漠の照りつける太陽が、俺の体力をどんどん奪っていき頬を伝った汗が砂に落ちて消える。
「…熱すぎるせいで幻覚が見えてるのか…？さっきまで右にあった太陽が左に見える…」（さっきと反対方向に進んでいる）
暫く進むと、岩場のような場所が見えてきた。
「ちょ、丁度いいや…あそこで休憩してくか」
岩場の下まで行くと腰を下ろして腰の水筒から水を飲む。
しかしその瞬間、地面から何かが突き出てきた。
「なっ…！？」
「フフフ…おしまいよ」
眼前に迫る針の様な物を回避する為に、少々惜しいが水筒を捨てて横に跳んだ。
「…！」
「今のを避けるなんて…人間にしてはいい動きをするわね」
俺に襲い掛かってきた奴は薄緑の肩より少し下まである髪に褐色の肌…そして何よりも目を引くのは下半身である。
蠍だ…さそり…うん、サソリだ。
「水を落としちゃったわね？私に大人しく従えば…私の住処に招いてあげてもいいわよ？」
こいつ…俺の命の源でもある水を奪っておいて反省の色はなしか！
「…れ」
「あら、何か言ったかしら？」
「そこに直れぇえええええええええええ！！！」
「ひゃっ！？」
俺が叫ぶと、怯んだ様に少し下がる。
「な、何よ？人間の分際で…」
「黙れぇええええええええええ！俺の水を返せこのサソリがああああああああああああああああああ！！！」
「ひぃっ！？」
「いいか！？砂漠で水は人間にとって無くてはならん物で……その名の通り命の水だぁ！そんなことも分からんのかっ！？」
「ひぃいいいい！？ごごごごゴメンなさいぃいいいい！」
「まだまだァ！」
この後、俺は三十分は説教を続けた。
現在地-アルトリア砂漠-詳細不明
sideパノ
「あっちー………」
「そんなに熱い熱い言うんじゃないよ」
「でも本当に熱いです〜」
あたい達は砂嵐でバラバラに吹き飛ばされてしまった。
運良く、あたいは姐御とアノンと同じ場所に倒れていたので三人で行動している。
それにしても兄貴とキャノとウトとアーリアとティピは大丈夫かな…砂漠はこんなにも熱いし、ずっと彷徨ってると干からびて死んじまう…。
「兄貴ー！何処にいるんだー！？」
叫んでみるが、あたいの声は青い空に吸い込まれていき、消えた。
「こんなに広い砂漠で叫んでも無理だと思うけど〜」
「姐御！諦めちゃそこで試合終了なんだよ！」
「叫ぶと体力使うと思うぞ」
アノンの突っ込み通り、あたいは喉が渇いていた。
「アノン……水くれー…」
「ったく、一口だけだよ」
水筒を貰って一口…そう、口いっぱいに含んだ。
「あ！こらパノ！一口がでかい！」
「ひふぉくひふぁひとくひふぁ（一口は一口だ）！」
そのままごくりと水を飲み込む。
「ん…んぐっ！？ぶえっ！ゲホゲホッ！」
でも少し気管に入ってしまいむせてほとんど吐き出してしまう。
「あ！どうして吐き出したりするんだい！？」
「ゲホゲホッ！む、むせた…」
「あ〜あ…もったいないなぁ…」
あたいが吐き出した水は砂に染み込んですぐに乾いちまった…。
「う…ごめん…」
シュンとすると、砂山の向こうから声が聞こえたような気がした。
「なあ、今なにか聞こえなかったか？」
「え〜？」
耳を澄まして聞き取ろうとするとやっぱり少し声が聞こえる。
「誰かいるんだ！行くよ！」
アノンを先導に砂山を越えるとそこには……
「おーい！皆ー！」
「なー！」
叫び続けるウトとキャノ、岩陰で休んでいるティピとアーリアだった。
「お、見つけた！」
「よかったね〜」
砂山を降りてどんどん近づいていくと、向こうもこっちに気がついた。
「アノンさん！パノ！姐さん！」
「さん〜！」
ウトとキャノが此方に近づいて来て、やっと合流した。
「よかった〜、三人とも無事だったんだね」
「うん〜、お兄さんはここにいないんですか〜？」
そう言えば兄貴の姿が見当たらない。
「どうせまた迷子スキルでも発動してフラフラしてるんだろ？探してやらないとね」
アノンがやれやれといった感じで首を振る。
「センは方向音痴なのか？」
「どうもそうみたいなんだけど…本当の所どうなの？」
まだ付き合いの浅いアーリアとティピが尋ねてきたので全員で頷いた。
「そ、そんなになのか？」
「そりゃ北西に向かうと言って左前に進むような奴だからね…案内してやらないと碌に目的地に辿り着けないんだよ」
アノンはこの中で一番センと付き合いが長いからな…でもあたい達と大差ないらしいけど。
それにしても兄貴の方向音痴は酷いよなぁ。
「それより、向こうにオアシスがあるから休んでくるといいよ。私達もさっき水を汲んで休んでたんだ」
ティピが砂山の向こうを指差すので砂山を登ってみると遠くに緑色の植物が見えた。
「よーし！いっくぞー！」
砂山を駆け下りて走り出して一気にオアシスを目指した。
現在地-アルトリア砂漠-オアシス
「ゴクゴクゴク……！」
オアシスにある池に直接口を付けて水を飲む。
「そんなにがっつくと腹を壊すぞ？」
アーリアが何かを言ってるけどそんなの関係ないね、今あたいは水を求めてるのさ！
池から顔を上げるとアノンと姐御は水筒に水を汲んでいてティピとウトとキャノは木陰で休んでいてアーリアは水で顔を洗っていた。
するとお腹が軽くキュル〜と鳴る。
「そう言えば飯は兄貴が持ってたよな…」
何か食べれる物はないかな…
そう思ってオアシスの中を探し回ってみると、キレーな赤い花を見つけた。
「クンクン……」
念のために臭いを嗅いでみるととっても良い臭いがしたので、花の部分を取って食べてみた。
「んぐんぐ……うまーい！」
甘くて美味い！
「どうしたの〜パノちゃん〜？」
「何か見つけたのかい？」
あたいの声を聞いて皆こっちに寄って来る。
「なんだいそれ？食べられるのかい？」
「うん！すっごく美味いんだ！」
まだまだいっぱい咲いている。
「じゃ、じゃあ僕も貰おうかな…」
「私も貰おうかな、腹が減っては戦はできぬって諺がジパングにあるんだよ」
ティピは物知りだな〜、そう言えば兄貴の出身もジパングなんだよな…今度故郷の事聞いてみようかな？
皆赤い花をどんどん食べていく。
「モグモグ…うん、これは美味だな」
「びみー！」
「美味しいです〜」
皆にもウケが良いみたいだ。
「あれ…？でも僕ちょっとボーっとしてきたような…」
「あ、アタシもだ…」
「そう言えばあたいも……そんな感じだ…？」
うぅ〜？ど、どうなってるんだ？
現在地-アルトリア砂漠-詳細不明
sideセン
「…と言う事だ、分かったな？」
「はいぃ…分かりました…」
数十分サソリ女に説教をすると、涙目になっていたので流石に止めた。
「ったく、じゃあ俺はそろそろ南に向かわないといけないから…お別れだな。じゃあな」
そう言ってサソリ女に背を向けて歩き出す。
「え？南？」
「ん？南だけど」
「南は逆方向よ？」
……マジで？
「何故だ？俺はちゃんと真っ直ぐ歩いていたのに…」
「砂漠には目印になるような物が少ないから方向感覚を失う事もあるのだけれど…真逆に進む人は初めて見たわ」
くそっ、水は無いし道は間違えるしどうしようもないな。
「あっちにオアシスがあるのだけれど…良かったら案内する？」
「……いいのか？」
何で急に優しくなるんだ？さっきまで襲おうとしてた相手だぞ？
「何だか興醒めしちゃったし…このまま放っておいて野垂れ死にされるのも後味悪いしね。ほらこっちよ」
「悪いな、俺はセンだ。お前は？」
「私はギルタブリルのヴェロニカよ。所で貴方は何故この砂漠を渡ろうとしてるの？」
「別に大した理由はないさ、唯当てのない旅をしてるだけだよ」
そう言うと、ヴェロニカはふーんと言って進んでいく。
「自分で聞いてそんな反応はなくね？」
「別に興味本位で聞いただけだもの。変な理由でこの砂漠に来る人間も後を絶たないしね。お陰で私達は人間を捕まえれていいんだけどね」
変な理由？
「変な理由ってどんな理由なんだ？」
「仲間が攫ってきた奴等はオアシスに咲いてる幻を見せる事のできる赤い花を取りに来たり遺跡の宝を取りに来た奴等が多いらしいわよ」
「お前が捕まえた奴等はどんな理由なんだ？」
そう聞いた瞬間、ヴェロニカはずーんと暗い雰囲気を纏ってしまった。
しかも余りに急だったので俺も驚いた。
「ど、どうした？」
「実は私…まだ男を捕まえた事ないのよ…」
「なんかスマン…」
何だかよく分からん空気になってしまった。
その後は砂を踏みしめる足音が辺りに響き、次第にオアシスが見えてきた。
「ほらあそこよ」
「そっか、あんがとな」
俺は礼を言うとオアシスに向けて歩き出すが後ろから感じたゾワッとした感覚から逃れるように前に跳んだ。
砂を転がり後ろを振り返ると、手に短剣を持ったヴェロニカが悔しそうな顔をしていた。
「どーゆー事だ？」
「あら？砂漠の暗殺者と呼ばれる私達ギルタブリルがみすみす獲物を逃がすと思う？今までのは貴方を油断させるエ・ン・ギ♪」
やれやれ、難儀だな。
ともかくオアシスに逃げ込むか。
砂漠は足場が悪いから足をとられないようにオアシスで戦わないとな。
俺はわりと本気で砂漠を走り、ヴェロニカはサソリの足で追ってくる。
「なっ…！？この足場であの速度…やっぱり唯の人間じゃなかったみたいね」
俺の脚力には驚いたようで慌てて速度を上げて追ってくるがもう遅いな、そのまま俺はオアシスに逃げ込んだ。
「良し、ここならしっかり戦える」
足場を確認してどんどん走っていく。
「ん？」
前方に人影を確認したと思ったら、そこに居たのはアノン達だった。
「おっ！お前等全員集まってたのか！俺今ギルタブリルに追われてて…っ！？」
声をかけたと思ったらアノンが振り向いて斧を振ってきたので慌ててしゃがんで回避した。
「あ、アブねー…急に何すんだよ？」
「…黙れ化け物」
「は？」
化け物って…うん、俺は何時も通りだ。
「ポム、ティピ、アーリア…皆どうしたんだ？」
よく見ると皆目からハイライトが消えている。
「どーも様子がおかしいな」
皆俺に向けて武器を構えて襲い掛かってきた。
「うおっ！くそっ、どうなってるんだ？下手に反撃するわけにもいかんし…」
とにかく繰り出される攻撃をかわしてきた道を戻る。
「追いついたわ！」
「ゲッ！」
前門のギルタブリル、後門のおかしな仲間達！
「今はとりあえず前門突破ー！」
「こっちにくるなんて……どうかしたｎキャアアアアアアア！？」
恐らく俺の後ろから追いかけてくる仲間達を見たのか急に顔を青ざめさせて逃げ出す。
「どうしたのあの娘達！？」
「俺の仲間で逸れてたんだがどうも様子がおかしいんだ」
「だからってあれは怖いわよ！」
「とにかく一旦撒くぞ」
上手く木の後ろに隠れて一旦視界から外れる。
その後も皆はウロウロと俺達を探しているようだ。
「いったいどうなってるんだ？」
「あの症状…もしかして…」
もしかしてって…何か解決策があるのか？
「どうした？」
「さっき言ったでしょ？幻覚を引き起こす花があるって…ホラ、丁度あそこに咲いてる花よ」
ヴェロニカが指した場所を見ると、赤い綺麗な花が咲いていた。
「見栄えも良いし、臭いも良いから知らない人は臭いを嗅ぎすぎたり、食べたりしてああなった旅人を何度か見た事があるわ」
「治す方法は？」
「同じくオアシスに咲いている青い花が解毒剤らしいわ…これよ。でもあんな状態じゃ食べさせられないわよ？」
近くにあった青い花を1つ取って見せてくれる。
「無理矢理にでも食わせるしかないだろ…とにかくその花を取ろう」
7人いるから7つか。
「じゃ、行ってくる」
ヴェロニカが持っていた青い花を取って口に含む。
まずは一番近くにいるキャノからだ。
俺に気づいたキャノは木の棍棒を振りかぶりながらこっちに走ってくる。
「たおすー！」
縦に振り下ろされる棍棒を横にそれてかわし、少ししゃがんでキャノの顎を持つとキャノとキスをする。
「…んぅ」
そのまま口移しで青い花を飲み込ませる。
飲み込んだのを確認してすぐに口を離す。
今度はティピとアノンの2人だ。
地面に咲いている青い花を2つ取って口に含む。
そうしている間にアノンの斧が目の前に迫っていたので再びしゃがむと同時に足払いをして仰向けに転ばせる。
素早く馬乗りになり無理矢理口付けをして青い花を飲み込ませる。
「シャー！」
「っ！？」
すぐにアノンから退くと、さっきまで俺がいた場所にティピが飛び掛っていった。
「危ない危ない…」
残りの皆も此方に気がついたようなので、ティピだけでも先に戻しておくとするか。
ティピは素早いが、俺が本気になればすぐに捕まえれる。
それに力は強くないので無理矢理捕まえて口移しで青い花を飲ませる。
ティピから離れて青い花を探し、見つけるとそれを口に含む。
アーリアがロングソードを抜いて切りかかってきたので、左足の黒空で受け止める。
「チッ…そらっ！」
跳んで、両足でロングソードを両面を足で挟み、捻って遠くに弾き飛ばす。
「くっ…ならば一度…」
体制を整えると、アーリアは後ろに下がっていたが、俺は脚力を全開で距離を一瞬で詰めた。
そして顔が目の前に来た所で口移しをした。
「んぐっ……」
唇を離し、残りはポムとパノとウトだ。
青い花を3つ一気に口に含んで俺は3人へと近づいた。
俺に殴りかかろうとするパノを避けると、ウトが棍棒を振ってきたのでそれも避ける。
「そ〜れ〜！」
最後にポムが大きな棍棒を空中で振り下ろすが、それも紙一重で回避した。
棍棒は地面にめり込み、ポムがそれを引き抜こうとする隙に、ポムにも花を口移しで飲み込ませた。
これで後2人だ。
こうなったら後は力づくで行くか。
「でやっ！」
「おらあっ！」
ウトの振る棍棒を足で受け止めて、力押しで蹴り飛ばす。
「喰らえー！」
その隙に殴ろうとするパノの後ろに瞬時に回りこみ、羽交い絞めにする。
「なっ！？は、離せ！」
「そう言うなよ」
後ろを向かせて口移しで花を移し、ウトに向き直る。
ウトは棍棒を構えなおして俺に向けて一直線に走ってくるが、それより先に俺が距離を詰める。
「なっ！？」
そのまま顔を引き寄せて最後に口移しをし、俺は顔を離した。
「ふぅ、やれやれ…これで全員…皆大丈夫か？」
どうにか解毒し、俺は皆を見ると、何故か全員座り込んでいる。
「どうした？体の調子でも悪いの…ってどわっ！？」
今口移しをしたウトに聞いてみると、いきなり押し倒された！？
「せ、センさん…襲ったりしてごめんなさい…でも何だか正気に戻ったら、体が…下半身が熱くて…」
「お、おいヴェロニカ！どうなってるんだ！？」
声をかけるとヴェロニカは少し頬を赤らめてこっちに来た。
「ご、ごめんなさいね…試しに青い花を食べてみたのだけれど…これ、媚薬効果もあるようなの…」
「は、はぁ！？」
ウトとヴェロニカに続き、アノン、アーリア、ポム、パノ、キャノ、ティピも俺に近寄ってきた。
皆顔を真っ赤にさせているが…この砂漠の暑さのせいだと嬉しい。
「セン…アタシ、もう我慢できないよ…！」
「クッ…恩人を2度も襲うなど…！だがこの疼きは…っ！」
「お兄さ〜ん、私…我慢できなくなっちゃいましたぁ…ハァハァ」
「あにきぃ…熱いよぉ…抱いてよぉ…！」
「抱いてよぉ…！」
「ゴメンなさいセンさん…」
「私の初めてが9ｐっていうのは何だけど…もう我慢できないし…いただきまーす♪」
誰が誰の台詞かは察してくれ。
「おい！いただきますってなんだ！？ちょ、ままま待て！ズボン降ろすな！口開けてナニする気だ！？あ…」
ｱｰｯ！
現在地-アルトリア砂漠-オアシス
まあ、昨日は夕方から日が沈み寒くなってしまったのでより激しく交わった。
はっきり言って枯れるのではないかと思ったがヴェロニカのギルタブリルの毒で強制的に続けさせられた。
で…
「き、昨日は凄かったよ…また街に着いたらシてくれ…」
とはアノンの弁。
「お兄さんの…逞しかったです〜」
とはポムの弁。
「兄貴…あたい…今幸せだよ…」
とはパノの弁。
「幸せー！」
とはキャノの弁。
「あ、あの……僕なら、何時でもいいですから…あ、でも次からは縛って…」
とはウトの弁。
「うん…私もセンなら悪い気はしないから…したくなったら言ってね？」
とはティピの弁。
「す、すまない……恩を返すどころか襲い掛かってしまって…でも良かったよ…性欲が溜まったら是非私に言ってくれ」
とはアーリアの弁。
そして暫くの間オアシスで休み、皆の腰が回復したら砂漠に出たのだが…。
「何でお前着いて来るんだ？」
「あら？貴方は犯した女を置き去りにして責任も取らない気かしら？」
そう、ギルタブリルのヴェロニカが着いてくる。
「どっちかって言うと俺が犯されたんだよ」
「あら、でも私も処女を無くしたのは事実よ」
「ぐ…」
それを言われると反論できん。
「当てのない旅なんでしょ？なら着いていっても大して問題ないじゃない」
「…足手まといになるなよ？」
「当然♪」
こうして新たな仲間、ヴェロニカが旅に加わったのだった。
11/06/14 23:52更新 / ハーレム好きな奴
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