連載小説
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野戦調理部隊訓練U{料理は戦いだ!}
料理は戦いとほぼ同じである・・・・・
下ごしらえと言う名の状況把握と援護・・・
食材を投入するタイミングと時間との戦い・・・
食材に火が通ったタイミングを見極める集中力・・・
味付けと言う戦術・・・
すべて・・・戦いに由来する事である・・・
料理を極めし物は戦いの素質があるということだ・・・・・・
                  
                ザバサ料理中の格言(独り言)より抜粋




「パンツァーフォー!」

フレイヤの声が調理室に響き渡る・・・

「ヘレーナ何をしている早いとこ醤油を入れないか!」

「ああ・・もう!エルナ小刀ではなく包丁を使え!・・・」

いそがしく動き回り新兵たちに注意するフレイヤの姿があった・・・

(戦闘開始か・・・フレイヤも言うことが様になってきたな・・・)

そうザバサはつぶやきながら片手で鯵の干物を焼きもう片方で味噌汁の味を

調節しお椀によそう最中だった。

「フレイヤ・・嫌がっていた割には楽しそうじゃないか?」

「ただの任務遂行のためです・・・・」

(その割によく面倒を見てくれているようだが・・・)

食堂にくる者のほとんどが任務の関係で料理を作る時間が無い者たちだが・・

三桁はいかなくのも二桁の後半くらいの人数はいる・・・

また安全面で調理室が地下にあるため上に運ぶだけでも一苦労である・・・

「今日は訓練でいつもより人数が少ない日を選んだからな!  
               こんなので大変ならこれから苦労するぞ!」

(まあ・・調理担当の隊員もその分減らしているのだが・・・)

「艦長・・炊き込みご飯を炊く準備が出来ました!」

「ここでは料理長と呼べ・・よし!ヘレーナすぐに炊き始めろ・・・
                  いいか焦がすんじゃないぞ・・・?」

「了解・・・理長!」

「エルナ!油揚げの準備は?」

「料理長・・もう焼き始めているぞ!・・」

エルナの代わりにフレイヤの声が聞こえた・・・

(そうか・・ずいぶんと早いな・・・優秀♪優秀♪)

そう二人のほうに振り向いたはずだが・・エルナの姿がない・・・・・

「で・・・エルナはどうした?」

「なんか・・上で呼ばれたらしく少しの間離脱すると・・・」

「呼ばれて?・・ん・・・・この感じは・・・・・・・」

「ご察しの通り呼んだのは監査長だ・・・」

(なるほど自分で見つけてきた人材だ・・流石に心配するのだろう・・・・)

「まあ・・少しの間なら練度に影響は無いだろう・・・
     ついでに監査長にあってエルナについて聞きたいのだがな・・・」

そう言うザバサだが・・ちょうど鯵の干物が焼きあがる直前だったため

監査長に会うことは無理だ・・・(しかし珍しいな監査長は極度の引きこ
もr・・いや・・・ほかの者とのあまり接触を好まないはずだが・・・・)

「よし・・こっちは出来た・・・フレイヤ!ヘレーナ!そっちはどうだ?」

「出来ていますよ」・「同じく」

二人ともそう言うと完成した料理を持ってきた・・・

ザバサはそれらの味見担当・・用は料理長の務め・・・

「炊き込みご飯は・・・よし・・具の味・固さ共に良し・・・
                   油揚げも火の通り方も良し・・・」

二人とも少しほほ笑みさっそく人数分の器に盛りつけ始めた・・・

(時刻は6時15分・・・なんとか間に合うか・・・・)

「料理長!盛り付けが完了しました・・・」

そうフレイヤが言ったとたんにザバサは

「早く上に持って行くぞ!急げ急げ!」

そう調理室は地下・・・大量の料理を上に持ってくのは大変なはず・・・・・

※上に行くには階段(約500段)しかありません(笑)

しかしさすが軍隊っぽいZ部隊・・・一人ひとり担当の料理を人数分持ち

息を切らさず階段を駆け上がっていく・・・・

「待たせたな!・・・・」

某ステルスゲームの主人公の様な掛け声で食堂に登場したザバサ

「今日の献立はだな・・・・・」


○主食・・・炊き込みご飯
○副菜・・・鯵の干物・油揚げ
○汁物・・・豆腐と長葱の味噌汁
○その他・・・生卵・梅干し・たくあん・ホウレンソウのおひたし、など

                       以上だ・・・・・・・

その声がスイッチのように食堂に来ていた隊員たちが一斉に食事を取りに来た

「艦長・・今日は和食ですね?」←夜間&早朝任務の一般隊員
「食物繊維少なし・・任務に支障はないか・・・」←長時間偵察任務
「油揚げ♪油揚げ♪」←特定地域への居住監視&偵察

色々な隊員の言葉が交差する中・・若干空気の違うところがあった・・・

「ん・・この感覚・・・」

そうザバサが振り向くとそこには・・・・・

「ん〜おいしいわね〜艦長も料理に関しても今も昔も変わらないわね〜
              むしろ腕は上がっているじゃないのかしら?」

「そうですか・・私はあまり手伝っていませんが・・・」

「まあ次第に腕も上がるわよ♪・・・」

「そうですか・・・・」

「うんうん・・この様子なら上手くやって行けそうね♪」

「はい・・精進します」

エルナと仲良く談笑している監査長の姿があった・・・・・

「んあ・・・・・・・・・」

ザバサが珍しく驚いている・・・・・

「どうした・・・・・・・珍しく口を大きく上げて?・・・・・・・・・・」

何に驚いていのか?・・・フレイヤ視点から

エルナが喋っていること・・・
     ↓
いや戦闘中は良く喋るらしい・・・

監査長が食堂の様な人気のあるところに・・・
       ↓
エルナのためと言う理由があるため違う・・・

                      じゃあ何?

「いや・・理由は単純・・・・・あの笑顔は何だ・・・・?」

「ん・・ああ・・・・・そう言えば確かに笑っているが・・・・・・・・・・
 ・・・・・・・・・・・・・・・・特に監査長の方が・・・・・・・・・」

「お前位の古巣ならわかるだろ・・・普段あんな純粋な笑い方・・な・・・」

「分かる・・・普段どんな事があっても怪しく笑うことはあるが・・・・
            純粋に笑うことなんて滅多に・・・いや皆無だぞ」

そう二人であぜんとしていると二人の気配に気づいたのか監査長が振り向いた

「ふふふふふ・・・・そう笑いながら怪しくほほ笑んだ・・・・・・」

「目が笑ってない・・・・・・」

「蛇の様な絶対零度の視線・・・・」

「と言うか・・・若干蛇入っているし・・・・・」

ザバサは微笑み返し「フフっと一言」だが手汗が少し・・・・

フレイヤは目をそらし「あ・・食器片付けに行ってくるぞ!」と・・・

そそくさと地下に行ってしまった・・・・

(まだまだ・・・・・・・・・・・・・・・・だな・・・・・ミナも・・・)

ザバサはエルナと監査長の元へ近づいて行った・・・・

「士官監査長・・・いやエキドナ・・・・」

何故か名で呼ばないザバサだが相手も気にしていない様子・・・・

「うむ・・ザバサか・・・お前からエルナの評価を貰おうとしての・・・・」

向こうも艦長と呼ばずにザバサと呼んでいる

如何に物事に実直な感じがする奴だ・・・さっきの笑顔がウソみたいに

真剣な顔つきになっている

「ああ・・今日はお前の呼び出しもあって途中離脱もあったからな・・・
 まあ参考程度に・・・・素質は十分・・・・欲を言えば戦闘以外の連携・・ 用はコミュニケーション能力の向上・・・と言う所かな・・・・・」

エキドナは少し悩んだ顔をしたがすぐに戻ってまた喋り始めた・・・

「そうか・・で・・・もう一人の方のヘレーナは・・・・?」

「ヘレーナについては俺よりもフレイヤに聞いた方が良いだろう
      フレイヤの同種族で的確な評価が出来るはずだからな・・・・」

「一応そなたの評価も聞いときたい・・・・」

「素質に問題はなし・・後はドジっ子属性が垣間見える・・その位だ・・・」

「そうか・・・では引き続きヘレーナとエルナの指導を任せたぞ・・・」

そう言うとザバサとエルナを背に食堂から姿を消していった。

「ふう・・良しエルナそろそろ食事が終わるころだ・・・後片付けに入るぞ」

「はい・・・・・艦長」

珍しくエルナが喋った

「そうだ・・これが連携と言うものだ・・・」

「はい・・・艦長」

少しエルナがほほ笑んだようにザバサには見えた・・・

(ふふふ・・・素直な奴だな・・・・・・)

時刻は6時35分・・・・・

エキドナとの対話は予想外に長かった・・・・

「よし食器は食器洗浄機に入れてくれ・・・・・・・よし入れたな・・・」

「調理室の掃除も住みました艦長・・・・」

「よし解散!・・・ヘレーナとエルナは今晩下ごしらえの指導がある・・・
   夜の10時頃に食堂に来てくれ・・ついでに他の隊員も紹介するから」

「了解」

二人の返事が聞こえた・・・(よしよし息が合ってきたぞ♪・・・・・・)

「さてと・・・我々も朝食と行こうか・・・・フレイヤ!」

「ちゃんと人数分は取っといてあります艦長!」

そう言ってほほ笑んだ・・・・

「よしお前たちの初めてのまかない飯だ・・・」

「さあ・・運んだ運んだ!」

フレイヤは朝食以外にも色々と取り出した・・・

「フレイヤ・・これは・・・・」

「ん?・・・酒!」

「いやいやいやいや!酒はマズイて・・・・」

「いいじゃないか・・私たちの任務は午後からだし♪
            しかもあの二人も飲みたそうにしているぞ・・・」

そう振り返るとザバサの目に目を輝かせている二人の姿があった・・・・

(酒好きが多いいな・・・・この部隊・・・・・・
            まあ味覚の訓練に・・・・なるかな?・・・・・)

「よし!たまには良いだろう・・・・(良いのだろう?)」

そう疑問に思ってもヘレーナとエルナの輝く目に負けてしまったザバサである

「さすが・・話がわかるな艦長は♪・・・・」

そう言ってイキナリ飛びかかってきたフレイヤだった

「お前・・・まさか・・・・もう飲んじゃった?・・・・・・」

若干フレイヤの顔が顔が赤くなっていた

「私は全ッ然酔ってはいません!!!!!」

「そういう奴が一番酔っているんだよ!!!!!!!!!!」

(飲んだかどうか聞いているのに・・・・・・・)

ザバサの断末が調理室に響き渡った・・・・・・

時刻は6時55分・・・・・

いつも通りの騒がしい朝が始まった・・・・・・

酔っているフレイヤを止めるザバサ・・・そしてそれをただ傍観する

ヘレーナとエルナが居る・・・・・そんな騒がしい朝だ・・・・・・・・・。




理性あるものは自覚することで自分の欠点や特技を見出すことが出来る。
よって自覚の出来る者は自分を正確にとらえることが出来る・・・しかし
いくら特技や欠点が分かっても良くある{わかっちゃいるけどやめられない}
とは意志の問題であり自覚だけでは出来ないことである・・・・
まあ自覚のない者よりはるかにましであるが・・・・・・・・・・・

                  ザバサのメモ(新聞紙)から抜粋
               
10/08/10 19:59更新 / クロニカル
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■作者メッセージ
ミナとはフレイヤの旧名?です(忘れた人用)

部隊と書いてあるのに武器が出ない・・・・・

次回作から回想に半ば強引に持って行けそう(ヤッター!)





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