報告
「と、言う事であり現在我が軍は敵の殲滅及び国力の確保を行っている最中であります。」
と、クロードは玉座に座る人物に平服しながらこれまでの事を、シンプル且つ解りやすいように説明した。
「う、うむ、そうか。では引き続き軍の指揮を頼んだぞ、クロード大臣よ。」
部下であるクロード大臣よりも些か緊張気味の玉座に座る金髪紅眼の美男、七代目アラスト帝国国王にしてクロード大臣の実兄、ヘテル・ヴァン・アラストは答える。
「それでは、儂はこれにて。部下に指揮を任せておりますので。」
クロードは魔方陣に乗ろうとしたが、
「少しお待ちなさい、我が弟クロードよ。」
と、突然呼び止められて動かしていた足を止めた。
「一体何の用ですかな?それと、今は弟と呼ぶのは止めて頂きたいですな。姉上。」
姉上と呼ばれた銀髪碧眼の美女、この国の国王の実妹にしてクロードの実姉、アラスト帝国魔法戦士部隊長モルタ・ヴァン・アラストが玉座の間の入り口に立っていた。
「それは今貴方の目の前に入るのは、一人の"姉"としてだからよ、クロード。」
「やれやれ、では手短にお願いします姉上。」
「分かりました。」
そう言うとモルタは、懐から紐で括られた手紙の束を取り出した。
「今月に入って、同盟国からこれだけの貴方に対しての縁談の話が入って来てるんです。貴方ももう妻や妾の一人や二人取ったらどうですか?」
「姉上、儂は結婚するつもりなど全くありませんよ。例え、儂が死ぬ直前になっても。」
「でもクロードよ、王族の者が結婚しないとは聞いたことが無いぞ。」
今まで黙っていたヘテル国王が口を挟んだ。
「こうやってお前と結婚したい者が沢山おる。しかも…その…容姿については一切気にしないといっておるし。」
国王は、少し言いにくそうに言った。
「なんと言われようとも儂は結婚するつもりなどありません!これで失礼しますよ!"部隊長"、"陛下"!」
「ま、待て!話はまだ…」
バシュゥゥゥゥゥン
言い終わる前にクロードは魔方陣に乗ってその場を後にした。
バシュゥゥゥゥゥン
「「お帰りなさいませ、主様。」」
「うむ、今帰ってきた。」
移動した先は、先程と同じ岩の上だった。
「それでは主様、指揮権をお返しします。」
「うむ、それでその後どうなった?」
「敵軍の大半は魔軍に捕まり、その場で夫婦の契りを結んでおりますわ。」
見下ろすと、確かに魔物娘達は敵軍の兵士とそれぞれ裸になって男女の交わりを行っていた。
「よしよし、これでまた国力が増えて国が豊かになるな。」
「全くです。ところで、心拍数が少々上がっておりますが向こうで何があったんですか?」
「ああ、いつもの見合いの話だ。全く人の話を聞かない奴等で困る。」
うんざりした様に目頭をおさえた。
「では、気分転換と祝杯をかねた食事を摂りません?ここはもう大丈夫そうな事ですわよ?」
「それもそうだな、後は勝手にあいつらも国に帰る事だろうし。儂等も帰るか。」
そう言いながらも、クロードは先程の縁談の事を考えていた。
(儂が結婚ねぇ。いや、考えるのはよそう、あの時からその事については絶対にしないときめたんだから。)
昔の事を思い出しながら、二人の従者、マークとメイルを引き連れてクロードは国に帰って行った。
と、クロードは玉座に座る人物に平服しながらこれまでの事を、シンプル且つ解りやすいように説明した。
「う、うむ、そうか。では引き続き軍の指揮を頼んだぞ、クロード大臣よ。」
部下であるクロード大臣よりも些か緊張気味の玉座に座る金髪紅眼の美男、七代目アラスト帝国国王にしてクロード大臣の実兄、ヘテル・ヴァン・アラストは答える。
「それでは、儂はこれにて。部下に指揮を任せておりますので。」
クロードは魔方陣に乗ろうとしたが、
「少しお待ちなさい、我が弟クロードよ。」
と、突然呼び止められて動かしていた足を止めた。
「一体何の用ですかな?それと、今は弟と呼ぶのは止めて頂きたいですな。姉上。」
姉上と呼ばれた銀髪碧眼の美女、この国の国王の実妹にしてクロードの実姉、アラスト帝国魔法戦士部隊長モルタ・ヴァン・アラストが玉座の間の入り口に立っていた。
「それは今貴方の目の前に入るのは、一人の"姉"としてだからよ、クロード。」
「やれやれ、では手短にお願いします姉上。」
「分かりました。」
そう言うとモルタは、懐から紐で括られた手紙の束を取り出した。
「今月に入って、同盟国からこれだけの貴方に対しての縁談の話が入って来てるんです。貴方ももう妻や妾の一人や二人取ったらどうですか?」
「姉上、儂は結婚するつもりなど全くありませんよ。例え、儂が死ぬ直前になっても。」
「でもクロードよ、王族の者が結婚しないとは聞いたことが無いぞ。」
今まで黙っていたヘテル国王が口を挟んだ。
「こうやってお前と結婚したい者が沢山おる。しかも…その…容姿については一切気にしないといっておるし。」
国王は、少し言いにくそうに言った。
「なんと言われようとも儂は結婚するつもりなどありません!これで失礼しますよ!"部隊長"、"陛下"!」
「ま、待て!話はまだ…」
バシュゥゥゥゥゥン
言い終わる前にクロードは魔方陣に乗ってその場を後にした。
バシュゥゥゥゥゥン
「「お帰りなさいませ、主様。」」
「うむ、今帰ってきた。」
移動した先は、先程と同じ岩の上だった。
「それでは主様、指揮権をお返しします。」
「うむ、それでその後どうなった?」
「敵軍の大半は魔軍に捕まり、その場で夫婦の契りを結んでおりますわ。」
見下ろすと、確かに魔物娘達は敵軍の兵士とそれぞれ裸になって男女の交わりを行っていた。
「よしよし、これでまた国力が増えて国が豊かになるな。」
「全くです。ところで、心拍数が少々上がっておりますが向こうで何があったんですか?」
「ああ、いつもの見合いの話だ。全く人の話を聞かない奴等で困る。」
うんざりした様に目頭をおさえた。
「では、気分転換と祝杯をかねた食事を摂りません?ここはもう大丈夫そうな事ですわよ?」
「それもそうだな、後は勝手にあいつらも国に帰る事だろうし。儂等も帰るか。」
そう言いながらも、クロードは先程の縁談の事を考えていた。
(儂が結婚ねぇ。いや、考えるのはよそう、あの時からその事については絶対にしないときめたんだから。)
昔の事を思い出しながら、二人の従者、マークとメイルを引き連れてクロードは国に帰って行った。
11/09/01 23:50更新 / イノウエ食堂
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