下 実験結果。
下 実験結果。
研究の成果、私の持つ最高の知識と技術をつぎ込んだ最新の義手と義足の実装実験の為に、被験体オリバー・スミスが私、キャサリン・ブラックマンの研究室に連れてこられてきてから1ヶ月がたとうとしていた。その頃になると、右手と喉の怪我は綺麗に治っていた。
当初は重度の精神的外傷…俗に言うトラウマによって彼に触れるだけで大騒ぎになったけど、少しずつ…本当に少しずつ段々と打ち解けていっている。そう思いたい。
日に日に私の中のオリバーの存在が大きくなっていった。そう思うのは彼が、事故とはいえ私の心を封じていた経箱を壊してくれたからだろうか？少なくともオリバーが此処に来なければ、彼と会わなければ、私は何も変わらなかっただろう。彼に会えたことと、彼が生きてることにそっと感謝をした。
オリバーを見ていると時々、彼の中に暗い暗い大きな穴が見える。彼は時々悪夢を見る。もがいて、苦しんで、声にならない声を喉から出す。それを目の当たりにする度に胸が焼かれる様な思いになる。
普段の彼は抜け殻のようだ。自己防衛というのだろうか。重度の記憶障害と解離性障害が併発し、彼に聞いても自分自身が誰なのか、何処から来たのか、そして過去に何をしていたのかがわからないようだった。いつも渇いた笑顔を見せている。
ある日オリバーが私の事を
『キャサリン先生…』
と呼んでくれた時はとても嬉しかった。と同時に少し寂しかった。
オリバーは寝ている時に度々、封じ込めた記憶が悪夢となって、呪いのように彼を蝕んでいた。時々、発作の様にそれが出てくるんだ。
『ゔゔ…あ''あ''ぁ...撃つな！！…撃つなぁぁぁ！！！』
研究室に戻るとオリバーが魘されていた。今日のは少し酷いようだ。右手で喉や胸を掻きむしっている。
『ゔゔ…俺は…俺は！！民間人を助けただけだ！！！…ぐっ…ぎっっ！……お前らがっ！！…巻き込まなければ！！！……がぁぁ…やめろ！！…やめろ！！…神よ！…神よ！！…何故俺を助けない！？……うぅ…ぁがっ……殺せ！！！一思いに殺せ！！！！』
『オリバー！』
私は直ぐにオリバーに近づきながら夢見の魔法の呪文を唱える。彼に対して普通に魔法をかけるのでは効果が薄いので、額に手を当てて直接脳に魔力を注ぐ。
その時
ガッ！！
オリバーが右手で私の首を締めた。リッチである私の魔法を振り払い、ギリギリと音が聞こえる…凄い力だ。
ヒューヒューと私の喉から頼りない息の音が漏れ出していた。私はいきなりの事で動揺していて、自分は不死者だから呼吸の必要が無い事を忘れていた。
でも苦しい。
何が？
彼が苦しんでいるのが。
痛い。
何が？
不死者の体は物理的な痛みを感じない。
じゃあ何処が？
心が痛い。
このままでは、本当に壊れてしまうから。彼は強い憎しみと深い絶望と怒りで顔をぐしゃぐしゃにして、その目はとてもとても可哀想な目をしていた。
仕切りに 憎い、憎い、呪われろ と唸っている。オリバーは私しの事を、自分をこんな目に合わせた者だと思っているのだろう。私は首を絞められながらオリバーの顔に手を置き、その顔を撫でる。出来るだけ優しく。愛おしく。
指先に魔力を集めて私の想いを彼に伝える。
‘‘オリバー…大丈夫…大丈夫…。ここには、あなたを傷つけるヒトはいないんだよ…。憎いのなら、幾らでも絞めていいよ…あなたの心が少しでも救われるなら…。私は…もう…とっくの昔に死んでいて……これ以上は、死なないから…死ねないから…。”
すると、私の首を絞めていたオリバーの手がゆっくりと少しずつ緩んできた。と同時に、彼の目が怖れを映していた。
『ごめん…なさい…キャサリン先生…僕は…僕は…！！』
私の首から手を放すと、彼は怯えきっていた。
『大丈夫…。痛くないよ。悪い夢を見たんだね……私は大丈夫。…だから、気にしないで。怖かったね…辛かったんだね…もう大丈夫だよ？…私が付いてるから。』
私は彼の頬につたっている涙を親指で拭う。でも、涙はどんどん流れてきた。
『ごめんなさい…ごめんなさい……』
私の中に彼に対する強力な庇護欲と独占欲が鎌首をもたげている。彼を救いたいと思う心と、彼を独り占めにしたいと思うがんじがらめの考えが両立していた。
『…オリバー…。苦しいのは嫌…？』
彼は震えながら頷いた。
『…なんで辛いの？』
『キャサリン先生を傷つけたから…』
あぁ…もう…この子は…
『私は…あなたが苦しむのが…あなたが涙を流すのが辛いの。だから…もう、悪い夢を見ないようにしようか…?』
彼は首を縦にゆっくりと振った。肯定してくれた。
私は自分の中に眠る大量の魔力を解放する。上位不死者の魔力を…
背中に青く揺らめく十字架が背後に現われる。
彼の顔を両手でしっかり抑え、額にキスをする。
『……オリバー…ごめんね…。』
そう言うとオリバーは笑ってくれた。初めて本当の笑顔を見た気がする…いや、きっとそうに違いない。
私は 忘却の呪文 を唱えた。
ガチャ…
扉を開ける。あれからまたしばらく時間が経った。私は研究室に戻りベッドにいるオリバーの所に行く。本を読んでいたようだ。
オリバーがベッドから声をかけてくれた。以前とは比べ物にならないような安らぎ穏やかな日常を楽しんでいる。
『ただいま…』
すると彼は本を畳んで私を抱き寄せる為に右手を前に伸ばしてきた。
『おかえりなさい。』
耳元で囁くように言ってくれた。彼は私をしっかりと抱きしめる。私も彼に応えるようにしっかりと抱きしめる。
彼を抱き抱えて研究室のデスクに連れて行く。左手と両足が無いので彼は軽い。彼をデスクの隣にあるテーブル付きの安楽椅子に座らせて、一緒に食事を取る。
彼は右手で、器用に食事をしていく。シチューを食べ、右手だけでパンを千切り、口に運ぶ。
『ごちそうさまでした。』
という声で、食事を終える。と、彼の頬にシチューの飛び跳ねが付いていた。
ちゅ…❤
と、私は頬に付いたシチューを舐めとる。彼は顔を真っ赤にして恥ずかしがる。かわいい…
見つめ合い、キスを交わす。最初は啄むように、次第に舌を絡ませ合う。次第に熱を帯びてくる彼の息、私の頭の中に淫らな音がクチャクチャと響く。冷たい身体が彼の熱で温められていく。心地よい感覚。失いたくない。永遠にこの温もりを感じていたい。
お互いの粘膜の交換により、オリバーのペニスが硬くなっていく。彼の口を離し、額にキスをする。それが何時もの合図だ。
彼を抱き抱えてベッドに優しく押し倒す。もう一度彼の口を私の口でふさぐ。私はズボンを脱ぎながら、彼を裸に剥きながら。
産まれたままの姿になり、私は彼のペニスに舌を這わす。舌を左右に動かしゆっくりとねぶり、喉の奥まで咥え込む。彼が呻き声を上げる。私は嬉しくなり、愛おしくなり、さらに彼の分身を愛する。彼のペニスが喉の奥に来るたびに頭の中まで犯されるような快楽が刷り込まれていく。
彼が快楽から逃れるように腰を引いた。
(出るのね…我慢しちゃ…ダメ…)
彼を上目遣いで見据えながら、激しく愛する。ペニスが更に硬く大きくなり、ビクンと震えると同時に喉の1番奥まで咥え込む。
『ーーーーーーーーーっ！！！！！！』
ビクン…ビュルビュルビュルビュル！！！！！
(❤❤❤❤❤❤❤❤❤)
彼が弾ける。白い濁流が私の喉を遠慮なく冒し、直接胃に流れ込む。頭の中はバチバチと快楽の電気が走り、視界はチカチカと光を発している。引き摺られる様に私も絶頂してしまった。
彼の目は天井に向き、口端をだらしなく歪めている。精液を飲み下し、求めるがまま、彼に口付けをする。キスに反応して再び彼のペニスに力が入る。私は愛しい彼の分身に頬ずりをして、ヘソの下から首筋までを舌でなぞる様に舐める。彼がそれに合わせてかわいい声を上げる。
『…今度はこっちに頂戴❤』
すでに私のそこはお漏らしをした様に濡れそぼっていて、涎をたらしている。毛の一本も生えてない私のアソコをクチャ…と音を立て開き、彼に見せつける様にペニスをゆっくり、ゆっくりとくわえこむ。
『うぅ…はぁ、はぁ…』
『ん…ぁあ…❤』
オリバーのペニスが、私の体内に埋もれていくのに合わせるかのように、彼は顔を歪ませ、うめきを上げた。
肉を分けていく感覚をゆっくりと味わい、彼を感じる。端からは私がリードしている様に見えるが、全てが気持ち良すぎて余裕などかけらも無い。
私のアソコは彼のペニスに合わせて型取りをした様に、ぴったりと私の弱点を、気持ち良い所を的確に正確無比に、容赦無く付いてくる。
歪な私に合わせて、彼が歪んでいる様に、私もまた、歪んでいる彼に合わせて、歪んでいるのだろう。
パズルのピースが合う様に、一切の違和感を感じない。
ニチャァ…❤❤❤
やっとの事で彼の全部を受け入れることが出来た。入れているだけでイキそうになる。それは彼も同じようだ。彼しか受け入れた事の無い、彼専用の子宮。その入り口が彼の精液を求めて下に下がり、欲しい欲しいとペニスの鈴口におねだりをしている。
『ふぅーっ…はぁ…！！』
『はぁ❤…オリバー❤』
んちゅ…くちゃ、くちゃ…れろっ❤❤
彼の頭を抱えて唇を奪う。激しく求め合うキスを交わす。そうしてないと直ぐにでもどうにかなりそうだから…。でも私のそれは、火に油を注ぐ様な結果となった。
ドチュ❤❤❤❤
『んぎぃぃぃぃぃぃぃ！！？』
彼が右手で私の腰をつかみ、引きずり落とすと同時に、腰を突き上げだのだ。
『キャサリンっ！！キャサリンっっ！！』
『ちょっ❤❤❤ぁあ❤…まってぇ❤❤それっ❤…はんそくぅぅ❤❤❤❤❤』
ピストンが開始された。私の膣は彼のペニスを求めて、気づけば自ら淫らに腰を振っていた。
ぱちゅん❤ぱちゅん❤ぱちゅん❤ぱちゅん❤
そして直ぐに限界が訪れようとしていた。彼のペニスは一層硬く、大きくなって、私の子宮口を探り当てようと躍起になり、私のアソコは愛しい彼の全てを受け入れようと大口を開けて注がれるのを今か今かと待っていた。
『あっ❤…オ、オリ❤バー…首…首絞めて❤❤❤』
オリバーは私の首に右手を持ってくると、優しく、そしてきつく絞めてくれた。
『かひゅ❤…ひゅ❤ひゅ❤…んぐ❤…が❤い''く''❤ぃ''く''❤…ぁ''っ❤❤❤』
私は激しく彼の腰の上で跳ね回る。彼といっしょに限界に登り詰めていく。オリバーが更に腰を突き入れたその瞬間
『『ぁぁぁぁァぁaァぁあああアアAあアあAAAA！！！！！』』
びゅくびゅくびゅくびゅくびゅくびゅくびゅくびゅくびゅくびゅくびゅくびゅくびゅくびゅく❤❤❤❤❤❤❤❤❤❤
私とオリバーは同時に果てた。大量の精液が私の中に入り込む。魂すら抜け出すほどの激しい快楽の荒波に2人は飲まれていった。
やがて射精が止み、私の子宮口は注ぎ込まれた精液を一滴も残すまいと亀頭に吸い付き、膣はポンプの様な動きをした。
「あぁ･･･うぁ･･･」
尿道に残る精液を吸いだされ、彼が身もだえする。
（あぁ･･･かわいい･･･❤）
額にキスをして、ペニスを抜こうと腰を上げた時、オリバーが右手で私の体を引き寄せてきた。
『キャサリン…行かないで…いっしょにいて…不安なんだ……』
あぁ❤
『わかったわ。じゃあ、このまま寝ましょうね……❤』
私はオリバーと繋がったまま、私が下になる様に体制を変え、彼を抱きすくめて髪を撫でる。
『キャサリン…大好きだよ…おや…すみ…な…さい………』
疲れきっていたのか、安心したのか、直ぐに穏やかな息が聞こえてくる。彼の背中をさすりながら私は愛しい恋人にお休みのキスをした。
彼は私がかけた忘却の魔法により、此処にくる以前の事を何も知らない。オリバーはどうして左腕と両足が無いこの身体になったとか、以前何処にいたのかとか、自分が以前に何をしていた等を記憶から消した。
過去の記憶を消す事…それは以前あったの大切な出来事や過去のその人を殺す事に等しいのかもしれない。私は忘却の魔法を掛ける前も後もその事に悩んだ。でも、苦しむだけの過去ならないほうが良いのかもしれない。それで前に進めるのだから…それで彼が救われるのならば……。
だから彼には今度こそ、無理やりにでも幸せになって貰おう。だから…私は……
。
。
。
。
。
あくる日。
薄暗い実験室の中、様々な計器や機材が唸り声や蒸気を出している。至るところに書類や本が散らばり、中にはフラスコに浮かぶ怪しい液体やら薬品やら、ホルマリン漬けにされた気味の悪い臓器やらなんやらがプカプカ浮き沈みしていた。
『いよいよじゃな…キャサリン。』
『はい。ヴァルフォア先生。』
実験室のガラス張りのカベの中、オリバーが寝ている。3時間程まえに麻酔を打ち、彼に義手と義足を着けた。そろそろ麻酔が切れて、オリバーが起きる頃だ。
すると、
『ーーーん…んーっ…』
オリバーの麻酔が解けてきたようだ。
『キャサリン！どうじゃ？』
『魔力ジェネレーター、人口筋肉、機体外骨格、感情神経回路及び運動神経回路接続、装備者からの命令系統、電気信号反射、全て良好です。』
『ジェネレーターのエネルギー制御は？』
『良好です。』
『よし、実装起動実験開始なのじゃ！』
私はガラス張りの実験室の中に入り、愛しの恋人に声をかける。するとゆっくりと目を明ける。オリバーは目をパチクリさせて、自分の左腕についた銀色に輝く義手と両足についた義足に目をやり、それらをゆっくりと動かした。
自分の意思でカチャカチャと音を立てて動く義手に戸惑うも、好奇心のほうが勝っているようだった。やがて、慣れたのか、両足をバタバタと動かし始めてやがてベッドから降りてよろめきながらも歩き始めた。
最初は壁を伝いながら、徐々にゆっくりと、ゆっくりと歩いていく。
『実験は成功じゃな！ようやったぞ！！』
オリバーは私の前で立ち止まると両腕で私を抱きしめた。
『今日、僕の夢が叶ったよ。やっと…やっと、キャサリンを両腕で抱き締める事が出来たんだ……』
終わり。
研究の成果、私の持つ最高の知識と技術をつぎ込んだ最新の義手と義足の実装実験の為に、被験体オリバー・スミスが私、キャサリン・ブラックマンの研究室に連れてこられてきてから1ヶ月がたとうとしていた。その頃になると、右手と喉の怪我は綺麗に治っていた。
当初は重度の精神的外傷…俗に言うトラウマによって彼に触れるだけで大騒ぎになったけど、少しずつ…本当に少しずつ段々と打ち解けていっている。そう思いたい。
日に日に私の中のオリバーの存在が大きくなっていった。そう思うのは彼が、事故とはいえ私の心を封じていた経箱を壊してくれたからだろうか？少なくともオリバーが此処に来なければ、彼と会わなければ、私は何も変わらなかっただろう。彼に会えたことと、彼が生きてることにそっと感謝をした。
オリバーを見ていると時々、彼の中に暗い暗い大きな穴が見える。彼は時々悪夢を見る。もがいて、苦しんで、声にならない声を喉から出す。それを目の当たりにする度に胸が焼かれる様な思いになる。
普段の彼は抜け殻のようだ。自己防衛というのだろうか。重度の記憶障害と解離性障害が併発し、彼に聞いても自分自身が誰なのか、何処から来たのか、そして過去に何をしていたのかがわからないようだった。いつも渇いた笑顔を見せている。
ある日オリバーが私の事を
『キャサリン先生…』
と呼んでくれた時はとても嬉しかった。と同時に少し寂しかった。
オリバーは寝ている時に度々、封じ込めた記憶が悪夢となって、呪いのように彼を蝕んでいた。時々、発作の様にそれが出てくるんだ。
『ゔゔ…あ''あ''ぁ...撃つな！！…撃つなぁぁぁ！！！』
研究室に戻るとオリバーが魘されていた。今日のは少し酷いようだ。右手で喉や胸を掻きむしっている。
『ゔゔ…俺は…俺は！！民間人を助けただけだ！！！…ぐっ…ぎっっ！……お前らがっ！！…巻き込まなければ！！！……がぁぁ…やめろ！！…やめろ！！…神よ！…神よ！！…何故俺を助けない！？……うぅ…ぁがっ……殺せ！！！一思いに殺せ！！！！』
『オリバー！』
私は直ぐにオリバーに近づきながら夢見の魔法の呪文を唱える。彼に対して普通に魔法をかけるのでは効果が薄いので、額に手を当てて直接脳に魔力を注ぐ。
その時
ガッ！！
オリバーが右手で私の首を締めた。リッチである私の魔法を振り払い、ギリギリと音が聞こえる…凄い力だ。
ヒューヒューと私の喉から頼りない息の音が漏れ出していた。私はいきなりの事で動揺していて、自分は不死者だから呼吸の必要が無い事を忘れていた。
でも苦しい。
何が？
彼が苦しんでいるのが。
痛い。
何が？
不死者の体は物理的な痛みを感じない。
じゃあ何処が？
心が痛い。
このままでは、本当に壊れてしまうから。彼は強い憎しみと深い絶望と怒りで顔をぐしゃぐしゃにして、その目はとてもとても可哀想な目をしていた。
仕切りに 憎い、憎い、呪われろ と唸っている。オリバーは私しの事を、自分をこんな目に合わせた者だと思っているのだろう。私は首を絞められながらオリバーの顔に手を置き、その顔を撫でる。出来るだけ優しく。愛おしく。
指先に魔力を集めて私の想いを彼に伝える。
‘‘オリバー…大丈夫…大丈夫…。ここには、あなたを傷つけるヒトはいないんだよ…。憎いのなら、幾らでも絞めていいよ…あなたの心が少しでも救われるなら…。私は…もう…とっくの昔に死んでいて……これ以上は、死なないから…死ねないから…。”
すると、私の首を絞めていたオリバーの手がゆっくりと少しずつ緩んできた。と同時に、彼の目が怖れを映していた。
『ごめん…なさい…キャサリン先生…僕は…僕は…！！』
私の首から手を放すと、彼は怯えきっていた。
『大丈夫…。痛くないよ。悪い夢を見たんだね……私は大丈夫。…だから、気にしないで。怖かったね…辛かったんだね…もう大丈夫だよ？…私が付いてるから。』
私は彼の頬につたっている涙を親指で拭う。でも、涙はどんどん流れてきた。
『ごめんなさい…ごめんなさい……』
私の中に彼に対する強力な庇護欲と独占欲が鎌首をもたげている。彼を救いたいと思う心と、彼を独り占めにしたいと思うがんじがらめの考えが両立していた。
『…オリバー…。苦しいのは嫌…？』
彼は震えながら頷いた。
『…なんで辛いの？』
『キャサリン先生を傷つけたから…』
あぁ…もう…この子は…
『私は…あなたが苦しむのが…あなたが涙を流すのが辛いの。だから…もう、悪い夢を見ないようにしようか…?』
彼は首を縦にゆっくりと振った。肯定してくれた。
私は自分の中に眠る大量の魔力を解放する。上位不死者の魔力を…
背中に青く揺らめく十字架が背後に現われる。
彼の顔を両手でしっかり抑え、額にキスをする。
『……オリバー…ごめんね…。』
そう言うとオリバーは笑ってくれた。初めて本当の笑顔を見た気がする…いや、きっとそうに違いない。
私は 忘却の呪文 を唱えた。
ガチャ…
扉を開ける。あれからまたしばらく時間が経った。私は研究室に戻りベッドにいるオリバーの所に行く。本を読んでいたようだ。
オリバーがベッドから声をかけてくれた。以前とは比べ物にならないような安らぎ穏やかな日常を楽しんでいる。
『ただいま…』
すると彼は本を畳んで私を抱き寄せる為に右手を前に伸ばしてきた。
『おかえりなさい。』
耳元で囁くように言ってくれた。彼は私をしっかりと抱きしめる。私も彼に応えるようにしっかりと抱きしめる。
彼を抱き抱えて研究室のデスクに連れて行く。左手と両足が無いので彼は軽い。彼をデスクの隣にあるテーブル付きの安楽椅子に座らせて、一緒に食事を取る。
彼は右手で、器用に食事をしていく。シチューを食べ、右手だけでパンを千切り、口に運ぶ。
『ごちそうさまでした。』
という声で、食事を終える。と、彼の頬にシチューの飛び跳ねが付いていた。
ちゅ…❤
と、私は頬に付いたシチューを舐めとる。彼は顔を真っ赤にして恥ずかしがる。かわいい…
見つめ合い、キスを交わす。最初は啄むように、次第に舌を絡ませ合う。次第に熱を帯びてくる彼の息、私の頭の中に淫らな音がクチャクチャと響く。冷たい身体が彼の熱で温められていく。心地よい感覚。失いたくない。永遠にこの温もりを感じていたい。
お互いの粘膜の交換により、オリバーのペニスが硬くなっていく。彼の口を離し、額にキスをする。それが何時もの合図だ。
彼を抱き抱えてベッドに優しく押し倒す。もう一度彼の口を私の口でふさぐ。私はズボンを脱ぎながら、彼を裸に剥きながら。
産まれたままの姿になり、私は彼のペニスに舌を這わす。舌を左右に動かしゆっくりとねぶり、喉の奥まで咥え込む。彼が呻き声を上げる。私は嬉しくなり、愛おしくなり、さらに彼の分身を愛する。彼のペニスが喉の奥に来るたびに頭の中まで犯されるような快楽が刷り込まれていく。
彼が快楽から逃れるように腰を引いた。
(出るのね…我慢しちゃ…ダメ…)
彼を上目遣いで見据えながら、激しく愛する。ペニスが更に硬く大きくなり、ビクンと震えると同時に喉の1番奥まで咥え込む。
『ーーーーーーーーーっ！！！！！！』
ビクン…ビュルビュルビュルビュル！！！！！
(❤❤❤❤❤❤❤❤❤)
彼が弾ける。白い濁流が私の喉を遠慮なく冒し、直接胃に流れ込む。頭の中はバチバチと快楽の電気が走り、視界はチカチカと光を発している。引き摺られる様に私も絶頂してしまった。
彼の目は天井に向き、口端をだらしなく歪めている。精液を飲み下し、求めるがまま、彼に口付けをする。キスに反応して再び彼のペニスに力が入る。私は愛しい彼の分身に頬ずりをして、ヘソの下から首筋までを舌でなぞる様に舐める。彼がそれに合わせてかわいい声を上げる。
『…今度はこっちに頂戴❤』
すでに私のそこはお漏らしをした様に濡れそぼっていて、涎をたらしている。毛の一本も生えてない私のアソコをクチャ…と音を立て開き、彼に見せつける様にペニスをゆっくり、ゆっくりとくわえこむ。
『うぅ…はぁ、はぁ…』
『ん…ぁあ…❤』
オリバーのペニスが、私の体内に埋もれていくのに合わせるかのように、彼は顔を歪ませ、うめきを上げた。
肉を分けていく感覚をゆっくりと味わい、彼を感じる。端からは私がリードしている様に見えるが、全てが気持ち良すぎて余裕などかけらも無い。
私のアソコは彼のペニスに合わせて型取りをした様に、ぴったりと私の弱点を、気持ち良い所を的確に正確無比に、容赦無く付いてくる。
歪な私に合わせて、彼が歪んでいる様に、私もまた、歪んでいる彼に合わせて、歪んでいるのだろう。
パズルのピースが合う様に、一切の違和感を感じない。
ニチャァ…❤❤❤
やっとの事で彼の全部を受け入れることが出来た。入れているだけでイキそうになる。それは彼も同じようだ。彼しか受け入れた事の無い、彼専用の子宮。その入り口が彼の精液を求めて下に下がり、欲しい欲しいとペニスの鈴口におねだりをしている。
『ふぅーっ…はぁ…！！』
『はぁ❤…オリバー❤』
んちゅ…くちゃ、くちゃ…れろっ❤❤
彼の頭を抱えて唇を奪う。激しく求め合うキスを交わす。そうしてないと直ぐにでもどうにかなりそうだから…。でも私のそれは、火に油を注ぐ様な結果となった。
ドチュ❤❤❤❤
『んぎぃぃぃぃぃぃぃ！！？』
彼が右手で私の腰をつかみ、引きずり落とすと同時に、腰を突き上げだのだ。
『キャサリンっ！！キャサリンっっ！！』
『ちょっ❤❤❤ぁあ❤…まってぇ❤❤それっ❤…はんそくぅぅ❤❤❤❤❤』
ピストンが開始された。私の膣は彼のペニスを求めて、気づけば自ら淫らに腰を振っていた。
ぱちゅん❤ぱちゅん❤ぱちゅん❤ぱちゅん❤
そして直ぐに限界が訪れようとしていた。彼のペニスは一層硬く、大きくなって、私の子宮口を探り当てようと躍起になり、私のアソコは愛しい彼の全てを受け入れようと大口を開けて注がれるのを今か今かと待っていた。
『あっ❤…オ、オリ❤バー…首…首絞めて❤❤❤』
オリバーは私の首に右手を持ってくると、優しく、そしてきつく絞めてくれた。
『かひゅ❤…ひゅ❤ひゅ❤…んぐ❤…が❤い''く''❤ぃ''く''❤…ぁ''っ❤❤❤』
私は激しく彼の腰の上で跳ね回る。彼といっしょに限界に登り詰めていく。オリバーが更に腰を突き入れたその瞬間
『『ぁぁぁぁァぁaァぁあああアアAあアあAAAA！！！！！』』
びゅくびゅくびゅくびゅくびゅくびゅくびゅくびゅくびゅくびゅくびゅくびゅくびゅくびゅく❤❤❤❤❤❤❤❤❤❤
私とオリバーは同時に果てた。大量の精液が私の中に入り込む。魂すら抜け出すほどの激しい快楽の荒波に2人は飲まれていった。
やがて射精が止み、私の子宮口は注ぎ込まれた精液を一滴も残すまいと亀頭に吸い付き、膣はポンプの様な動きをした。
「あぁ･･･うぁ･･･」
尿道に残る精液を吸いだされ、彼が身もだえする。
（あぁ･･･かわいい･･･❤）
額にキスをして、ペニスを抜こうと腰を上げた時、オリバーが右手で私の体を引き寄せてきた。
『キャサリン…行かないで…いっしょにいて…不安なんだ……』
あぁ❤
『わかったわ。じゃあ、このまま寝ましょうね……❤』
私はオリバーと繋がったまま、私が下になる様に体制を変え、彼を抱きすくめて髪を撫でる。
『キャサリン…大好きだよ…おや…すみ…な…さい………』
疲れきっていたのか、安心したのか、直ぐに穏やかな息が聞こえてくる。彼の背中をさすりながら私は愛しい恋人にお休みのキスをした。
彼は私がかけた忘却の魔法により、此処にくる以前の事を何も知らない。オリバーはどうして左腕と両足が無いこの身体になったとか、以前何処にいたのかとか、自分が以前に何をしていた等を記憶から消した。
過去の記憶を消す事…それは以前あったの大切な出来事や過去のその人を殺す事に等しいのかもしれない。私は忘却の魔法を掛ける前も後もその事に悩んだ。でも、苦しむだけの過去ならないほうが良いのかもしれない。それで前に進めるのだから…それで彼が救われるのならば……。
だから彼には今度こそ、無理やりにでも幸せになって貰おう。だから…私は……
。
。
。
。
。
あくる日。
薄暗い実験室の中、様々な計器や機材が唸り声や蒸気を出している。至るところに書類や本が散らばり、中にはフラスコに浮かぶ怪しい液体やら薬品やら、ホルマリン漬けにされた気味の悪い臓器やらなんやらがプカプカ浮き沈みしていた。
『いよいよじゃな…キャサリン。』
『はい。ヴァルフォア先生。』
実験室のガラス張りのカベの中、オリバーが寝ている。3時間程まえに麻酔を打ち、彼に義手と義足を着けた。そろそろ麻酔が切れて、オリバーが起きる頃だ。
すると、
『ーーーん…んーっ…』
オリバーの麻酔が解けてきたようだ。
『キャサリン！どうじゃ？』
『魔力ジェネレーター、人口筋肉、機体外骨格、感情神経回路及び運動神経回路接続、装備者からの命令系統、電気信号反射、全て良好です。』
『ジェネレーターのエネルギー制御は？』
『良好です。』
『よし、実装起動実験開始なのじゃ！』
私はガラス張りの実験室の中に入り、愛しの恋人に声をかける。するとゆっくりと目を明ける。オリバーは目をパチクリさせて、自分の左腕についた銀色に輝く義手と両足についた義足に目をやり、それらをゆっくりと動かした。
自分の意思でカチャカチャと音を立てて動く義手に戸惑うも、好奇心のほうが勝っているようだった。やがて、慣れたのか、両足をバタバタと動かし始めてやがてベッドから降りてよろめきながらも歩き始めた。
最初は壁を伝いながら、徐々にゆっくりと、ゆっくりと歩いていく。
『実験は成功じゃな！ようやったぞ！！』
オリバーは私の前で立ち止まると両腕で私を抱きしめた。
『今日、僕の夢が叶ったよ。やっと…やっと、キャサリンを両腕で抱き締める事が出来たんだ……』
終わり。
16/11/28 02:39更新 / francois
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