Nr.3 A Diller, A Dollar.
石造りの部屋の中。湯気に白み、淡い光を放つ小瓶が薄く照らし出す空間で、一人の女性が湯あみを行なっていた。
重い鎧を脱いだ体は色白で、薄暗い室内にぼんやりとその曲線美を映している。下腹部までで見ればすらりとした麗しい女体に見えるが、しかしその下半身は鈍色をした甲虫のようで、両の手にはそれぞれ巨大な鋏と盾が備わっている。
右手の鋏にべっとりとついた血を洗い流しつつ、彼女シルビアは、人の脚のような前脚で抱きかかえた子供に視線を落とし、まじまじとその体躯を眺めていた。病的に白い身体には擦り傷や切傷があちらこちらについており、上から下まで泥で汚れてしまっている。
生傷の一つを前脚の先でなぞってみる。肌は柔らかく暖かい、しかしどこか違和感がある。切れ込みのような傷には血も赤みも見られず、その周りだけ肌が硬くなっている。まるで石材に生じた浅い亀裂の様な傷に、彼女はどう手当てしてやったものかと困惑していた。
沸かした湯を桶に汲み、水を混ぜ人肌に冷ますと、抱きかかえている彼の身体へとそっとかけ流した。綿で擦り土や泥水を落としてやると、再びぬるま湯で汚れを濯ぐ。
有るべきものが無く、のっぺりとした質感の身体は洗うには都合が良く、こびり付いた泥も容易に拭い落とせた。
髪から順に下へと進み、特に汚れた足の裏まで、順に洗っては流しを何度も繰り返し、汚れをすっかり落とし終えると、乾いた布で丁寧に水気を拭いとった。
髪と尻尾は軽く水気を取ったのちに布で巻いてやり、自身の複雑な身体についた水気もくまなくふき取ると、換気窓の鎧戸を開き、月明かり射し込む浴室を後にした。
古びた木製の屋内、板張りの床はシルビアが歩くたびにカツカツと音を立て、その度に彼女の胸が上下に揺れる。木箱や樽が詰み重なった空間を抜け、階段へたどり着くと、二階へと上がった。
二階は奥に見える寝室と台所以外に部屋らしきものはなく、それ全体が大きな居間となっている。暖炉や向かい合って置かれた長椅子等、倉庫の様だった下の階よりは生活感が感じられる。
シルビアは抱きかかえていた彼を長椅子へと寝かせ、向かいに腰かけている女性、マンティスのフェルカに目配せをすると、自身は上の階へと上がっていた。
彼女はシルビアを視線で見送ると、手元に置いていた布袋を掴み上げ、立ち上がった。
フェルカは長椅子に寝かせられた彼の前で片膝をつくと、真剣な眼差しで傷口を注視する。しかしかすかに眉尻が下がり、困りはてた様子だった。
三階に上がっていたシルビアが階段を下りてきた。その前脚に衣類と毛布を掛け、裸だった身体には簡素な薄手の服を身に纏っている。どうしたものかと固まるフェルカの脇に歩み寄ると、尋ねるように小首を傾げた。
「これ、傷口じゃない…。」
指を傷口に当て、穿るように指を何度か曲げる。ヒビ状の傷口は広がる事も無く、一切形を変えず保たれている。横で見ていたシルビアも頷いて見せた。
フェルカは一応というように酒で消毒を行った後、瓶から小出しにした薬を亀裂に塗り込み、揉み解した薬草を貼り付け、上から包帯を巻きつけて葉を固定した。
「効くと思う…?」
処置を終えたフェルカが問うもシルビアは答えず、代わりにと言うように真新しい衣服と毛布を手渡した。その顔にはソルジャービートルらしからぬ優しい笑みが浮かんでいる。
フェルカは黙ってをそれを受け取ると長椅子の隅に置き、羊毛で編まれた上衣を手に取り、彼へと向き直った。
フェルカが服を着せようと彼を抱き起こしたとき、下の階から扉を開ける音が響いた。しばらくとせず階を上がってきたのは、ずぶ濡れになったワーキャットだった。
「あひぃ〜…今日は中腹近くまで潜ってやったのニャ〜♪全身全霊ドロドロニャンッ♥浅い所の触手に比べて責めが、もうっ!もうっ!ねちっこい!ねちっこくて丁寧!すっごい!すっごくすっごい!!にゃひ、にゃひひひ……♥」
惚けた様子でふらふらと階段を登りきったワーキャットが、腰を庇った千鳥足で居間へと入ってきた。脚を滴る液体が一歩進むごとに床板に染みを作り、生ぐさい臭いを周囲にまき散らす。
フェルカとシルビアの二人はそれに振りむくと、シルビアは彼女が垂れ流す液と床の染みに、微笑み絶やさぬまま僅かに眉をひそめた。
「おかえりなさい。」
「たっだいまーッ♪この時期特有のムラムラがドロドロとヌルヌルでスッキリ!触手健康法?これ流行るニャ〜♪というかもう流行ってるにゃ〜♪淑女の味方テンタクルにゃ〜♥」
フェルカの声に元気よく答え、聞いてもいない感想を熱弁する。
汗と愛液とで雨の中歩いて来たような状態の彼女が、無口な二人に見守られる中暖炉の方へと進む。じぐざぐな痕跡を残しつつ長椅子にたどり着きもたれ掛かると、今しがた治療を終えたばかりの客人を見つけてしまった。
目を丸くして立ち止まり、大袈裟な動きで指差して見せた。
「こ……こ奴がなズェ!なぜココにいるのニャスッ!!」
「知り合い?」
フェルカが問うと、彼女は自身のずぶ濡れの下衣を指さす。
「知るというか汁だにゃっ…こいつが真昼間から雄の臭いをひけらかしていたせいで、ミーのあそこのダムは越水決壊!辛抱溜まらんくなって触手の森へレディー・ゴーなのニャっ!」
劇的に躍動感のある動きで語るも、耳を貸す二人は冷めた様子でそれを見守っている。
「でも浅い層じゃ親子連れやカップルばっかり!妬みと嫉みで見てられなくなった私は奥へ奥へと進み、獰猛な未知の触手たちに全身の穴という穴を掻きまわされ、更にそこで運命的に相性の良い触手と邂逅!意気揚々と激しくおまん……こほんっ。それで、なんでこの子がここにいるのニャス?」
彼女は自身の興奮を抑え込みつつ、話を元に戻した。二人は後半には耳を貸していなかったらしく、彼女の方を見てすらいなかった。
「シルビアが拾ってきた。」
フェルカが答えつつ服を着せていると、再びワーキャットのミネットが慌てふためき、狼狽した。
「そ、それ私のおニューのセーターじゃないかニャッ!?それをどうする気ニャッ!!」
「着せる。」
「ヴァッ!?そ、そんな事はさせんのニャーッ!」
飛び掛ろうとしたものの、一歩も前に出る事無くミネットは足から崩れ落ちた。尻を突き出した姿勢で床に突っ伏し、わずかに腰を痙攣させている。シルビアがその様を、冷ややかな視線で見守っていた。
「にゃっ…触手さん激しすぎニャ。力入らんのニャッ…。あっ、ヤバい…余韻でイきそ…。」
床に頬ずりするミネットをよそに、既にフェルカは彼に上衣を着せ終え、再び寝かせて毛布を被せていた。下着と下衣を手に持ち、シルビアに近寄り差し出した。
「これ…大きすぎて入らなかった。」
「誰のケツがデカすぎだって…?つか下着まで私の着せる気だったのニャッ!?」
「こういうの、私達持ってないもの。」
ミネットは怒り静まらずといった様子で、フェルカから下着と下衣を引っ手繰った。
「普段から洒落ッ気がないからこういう時に困るのニャスッ!これに懲りたらきゃわわ♪な下着を買っておく………あれ、もうすでにパンツに雄の臭いが…。」
淡いピンクの下着に鼻を付けて臭いを嗅ぐと、ミネットはじとりとした眼差しを毛布に包まった彼へと向けた。
「あの子の体はシルビアが洗ったはず。」
「えっ…。でもしっかりこいつと同じ臭いがついてるのにゃ!ほらこんにゃに!。」
癖になったように臭いを貪り、息を荒くしつつ下着から鼻を離した。
「混じりっ気のない雄のかほり…ついてないだけで男の子なのかにゃ…?あれ、脱処女ワンチャン?飢婚者卒業?ショタっ子と子作り三昧ハッピーライフ?」
高揚し始めるミネットに、フェルカは彼の頭の耳を軽くつまんで示した。
「きっと、ワーウルフの子供。」
フェルカの一言で一気に現実に引き戻されたミネットは、彼の近くに寄ると鼻で三度深呼吸を行なった。
「でも雌の臭いも魔物の魔力も感じられんのにゃ…。というより私的に雄であってほしいのニャッ。召しませ孕ませプリーズニャンッ!プリィーーズニャァンッ!!……やべっ…またムラムラしてきた…。」
ミネットは三たび下着に鼻を沈めると鼻息を荒くし、故意か無意識か空いた手は下衣の下に潜り込ませ、湿った音を響かせ始めた。
下衣の隙間から音を立てて液体が吹き出し、大玉の雫が床に落ちる。シルビアの眉間に皺が寄るが、ミネットは気が付いていない様子だった。
「もういい…?」
フェルカの一言にミネットは下着から顔を離し、そのまま下着で自身の脚を伝う愛液をふき取った。
「はいはい分ったのニャ…とにかく!人の服勝手に使わないで欲しいニャ。…体流してくるのニャ。」
ぶつぶつと小言をぼやきつつ、ミネットは下の階へと消えて行った。
「床は私が。」
フェルカがミネットの愛液で汚れた床の掃除を始める。シルビアは二つの長椅子の間に下半身を下ろすと、長椅子に肘をつき、毛布に包まり寝息を立てる無防備な顔をのぞき込み、柔和な表情で静かに見守り始めた。
「ちょっ!風呂場まで男くさいのニャッ!折角発散したのに、まぁった子宮がガンッガン言い始めたのニャッ!…ああもう!………あっ♥んんっ♥んふっ♥んふふふふっ♥」
浴室の方からミネットの半泣きの叫びと嬌声が響いたが、居間の誰一人としてそれに反応する者はいなかった。
室内にはミネットの嬌声と、彼の穏やかな寝息だけが木霊していた。
重い鎧を脱いだ体は色白で、薄暗い室内にぼんやりとその曲線美を映している。下腹部までで見ればすらりとした麗しい女体に見えるが、しかしその下半身は鈍色をした甲虫のようで、両の手にはそれぞれ巨大な鋏と盾が備わっている。
右手の鋏にべっとりとついた血を洗い流しつつ、彼女シルビアは、人の脚のような前脚で抱きかかえた子供に視線を落とし、まじまじとその体躯を眺めていた。病的に白い身体には擦り傷や切傷があちらこちらについており、上から下まで泥で汚れてしまっている。
生傷の一つを前脚の先でなぞってみる。肌は柔らかく暖かい、しかしどこか違和感がある。切れ込みのような傷には血も赤みも見られず、その周りだけ肌が硬くなっている。まるで石材に生じた浅い亀裂の様な傷に、彼女はどう手当てしてやったものかと困惑していた。
沸かした湯を桶に汲み、水を混ぜ人肌に冷ますと、抱きかかえている彼の身体へとそっとかけ流した。綿で擦り土や泥水を落としてやると、再びぬるま湯で汚れを濯ぐ。
有るべきものが無く、のっぺりとした質感の身体は洗うには都合が良く、こびり付いた泥も容易に拭い落とせた。
髪から順に下へと進み、特に汚れた足の裏まで、順に洗っては流しを何度も繰り返し、汚れをすっかり落とし終えると、乾いた布で丁寧に水気を拭いとった。
髪と尻尾は軽く水気を取ったのちに布で巻いてやり、自身の複雑な身体についた水気もくまなくふき取ると、換気窓の鎧戸を開き、月明かり射し込む浴室を後にした。
古びた木製の屋内、板張りの床はシルビアが歩くたびにカツカツと音を立て、その度に彼女の胸が上下に揺れる。木箱や樽が詰み重なった空間を抜け、階段へたどり着くと、二階へと上がった。
二階は奥に見える寝室と台所以外に部屋らしきものはなく、それ全体が大きな居間となっている。暖炉や向かい合って置かれた長椅子等、倉庫の様だった下の階よりは生活感が感じられる。
シルビアは抱きかかえていた彼を長椅子へと寝かせ、向かいに腰かけている女性、マンティスのフェルカに目配せをすると、自身は上の階へと上がっていた。
彼女はシルビアを視線で見送ると、手元に置いていた布袋を掴み上げ、立ち上がった。
フェルカは長椅子に寝かせられた彼の前で片膝をつくと、真剣な眼差しで傷口を注視する。しかしかすかに眉尻が下がり、困りはてた様子だった。
三階に上がっていたシルビアが階段を下りてきた。その前脚に衣類と毛布を掛け、裸だった身体には簡素な薄手の服を身に纏っている。どうしたものかと固まるフェルカの脇に歩み寄ると、尋ねるように小首を傾げた。
「これ、傷口じゃない…。」
指を傷口に当て、穿るように指を何度か曲げる。ヒビ状の傷口は広がる事も無く、一切形を変えず保たれている。横で見ていたシルビアも頷いて見せた。
フェルカは一応というように酒で消毒を行った後、瓶から小出しにした薬を亀裂に塗り込み、揉み解した薬草を貼り付け、上から包帯を巻きつけて葉を固定した。
「効くと思う…?」
処置を終えたフェルカが問うもシルビアは答えず、代わりにと言うように真新しい衣服と毛布を手渡した。その顔にはソルジャービートルらしからぬ優しい笑みが浮かんでいる。
フェルカは黙ってをそれを受け取ると長椅子の隅に置き、羊毛で編まれた上衣を手に取り、彼へと向き直った。
フェルカが服を着せようと彼を抱き起こしたとき、下の階から扉を開ける音が響いた。しばらくとせず階を上がってきたのは、ずぶ濡れになったワーキャットだった。
「あひぃ〜…今日は中腹近くまで潜ってやったのニャ〜♪全身全霊ドロドロニャンッ♥浅い所の触手に比べて責めが、もうっ!もうっ!ねちっこい!ねちっこくて丁寧!すっごい!すっごくすっごい!!にゃひ、にゃひひひ……♥」
惚けた様子でふらふらと階段を登りきったワーキャットが、腰を庇った千鳥足で居間へと入ってきた。脚を滴る液体が一歩進むごとに床板に染みを作り、生ぐさい臭いを周囲にまき散らす。
フェルカとシルビアの二人はそれに振りむくと、シルビアは彼女が垂れ流す液と床の染みに、微笑み絶やさぬまま僅かに眉をひそめた。
「おかえりなさい。」
「たっだいまーッ♪この時期特有のムラムラがドロドロとヌルヌルでスッキリ!触手健康法?これ流行るニャ〜♪というかもう流行ってるにゃ〜♪淑女の味方テンタクルにゃ〜♥」
フェルカの声に元気よく答え、聞いてもいない感想を熱弁する。
汗と愛液とで雨の中歩いて来たような状態の彼女が、無口な二人に見守られる中暖炉の方へと進む。じぐざぐな痕跡を残しつつ長椅子にたどり着きもたれ掛かると、今しがた治療を終えたばかりの客人を見つけてしまった。
目を丸くして立ち止まり、大袈裟な動きで指差して見せた。
「こ……こ奴がなズェ!なぜココにいるのニャスッ!!」
「知り合い?」
フェルカが問うと、彼女は自身のずぶ濡れの下衣を指さす。
「知るというか汁だにゃっ…こいつが真昼間から雄の臭いをひけらかしていたせいで、ミーのあそこのダムは越水決壊!辛抱溜まらんくなって触手の森へレディー・ゴーなのニャっ!」
劇的に躍動感のある動きで語るも、耳を貸す二人は冷めた様子でそれを見守っている。
「でも浅い層じゃ親子連れやカップルばっかり!妬みと嫉みで見てられなくなった私は奥へ奥へと進み、獰猛な未知の触手たちに全身の穴という穴を掻きまわされ、更にそこで運命的に相性の良い触手と邂逅!意気揚々と激しくおまん……こほんっ。それで、なんでこの子がここにいるのニャス?」
彼女は自身の興奮を抑え込みつつ、話を元に戻した。二人は後半には耳を貸していなかったらしく、彼女の方を見てすらいなかった。
「シルビアが拾ってきた。」
フェルカが答えつつ服を着せていると、再びワーキャットのミネットが慌てふためき、狼狽した。
「そ、それ私のおニューのセーターじゃないかニャッ!?それをどうする気ニャッ!!」
「着せる。」
「ヴァッ!?そ、そんな事はさせんのニャーッ!」
飛び掛ろうとしたものの、一歩も前に出る事無くミネットは足から崩れ落ちた。尻を突き出した姿勢で床に突っ伏し、わずかに腰を痙攣させている。シルビアがその様を、冷ややかな視線で見守っていた。
「にゃっ…触手さん激しすぎニャ。力入らんのニャッ…。あっ、ヤバい…余韻でイきそ…。」
床に頬ずりするミネットをよそに、既にフェルカは彼に上衣を着せ終え、再び寝かせて毛布を被せていた。下着と下衣を手に持ち、シルビアに近寄り差し出した。
「これ…大きすぎて入らなかった。」
「誰のケツがデカすぎだって…?つか下着まで私の着せる気だったのニャッ!?」
「こういうの、私達持ってないもの。」
ミネットは怒り静まらずといった様子で、フェルカから下着と下衣を引っ手繰った。
「普段から洒落ッ気がないからこういう時に困るのニャスッ!これに懲りたらきゃわわ♪な下着を買っておく………あれ、もうすでにパンツに雄の臭いが…。」
淡いピンクの下着に鼻を付けて臭いを嗅ぐと、ミネットはじとりとした眼差しを毛布に包まった彼へと向けた。
「あの子の体はシルビアが洗ったはず。」
「えっ…。でもしっかりこいつと同じ臭いがついてるのにゃ!ほらこんにゃに!。」
癖になったように臭いを貪り、息を荒くしつつ下着から鼻を離した。
「混じりっ気のない雄のかほり…ついてないだけで男の子なのかにゃ…?あれ、脱処女ワンチャン?飢婚者卒業?ショタっ子と子作り三昧ハッピーライフ?」
高揚し始めるミネットに、フェルカは彼の頭の耳を軽くつまんで示した。
「きっと、ワーウルフの子供。」
フェルカの一言で一気に現実に引き戻されたミネットは、彼の近くに寄ると鼻で三度深呼吸を行なった。
「でも雌の臭いも魔物の魔力も感じられんのにゃ…。というより私的に雄であってほしいのニャッ。召しませ孕ませプリーズニャンッ!プリィーーズニャァンッ!!……やべっ…またムラムラしてきた…。」
ミネットは三たび下着に鼻を沈めると鼻息を荒くし、故意か無意識か空いた手は下衣の下に潜り込ませ、湿った音を響かせ始めた。
下衣の隙間から音を立てて液体が吹き出し、大玉の雫が床に落ちる。シルビアの眉間に皺が寄るが、ミネットは気が付いていない様子だった。
「もういい…?」
フェルカの一言にミネットは下着から顔を離し、そのまま下着で自身の脚を伝う愛液をふき取った。
「はいはい分ったのニャ…とにかく!人の服勝手に使わないで欲しいニャ。…体流してくるのニャ。」
ぶつぶつと小言をぼやきつつ、ミネットは下の階へと消えて行った。
「床は私が。」
フェルカがミネットの愛液で汚れた床の掃除を始める。シルビアは二つの長椅子の間に下半身を下ろすと、長椅子に肘をつき、毛布に包まり寝息を立てる無防備な顔をのぞき込み、柔和な表情で静かに見守り始めた。
「ちょっ!風呂場まで男くさいのニャッ!折角発散したのに、まぁった子宮がガンッガン言い始めたのニャッ!…ああもう!………あっ♥んんっ♥んふっ♥んふふふふっ♥」
浴室の方からミネットの半泣きの叫びと嬌声が響いたが、居間の誰一人としてそれに反応する者はいなかった。
室内にはミネットの嬌声と、彼の穏やかな寝息だけが木霊していた。
16/12/02 05:59更新 / Snow Drop
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