十四話〜巨大ロボットが戦闘すると街が破壊されるけど誰が修復してんだ?〜
〜モイライ冒険者ギルド支部〜
俺が入院してから2日後。
「冒険者達よ!私は帰ってきた!」
怪我が治癒した俺はギルドの扉をくぐっていた。
「あ、おにいちゃんおかえりなさい!」
「おかえり〜」
幼女二人が俺に駆け寄ってくる。
<こいつはまた騒がしくなるな。>
<でもいつもの朝の漫才が無きゃイマイチ調子がでないよね〜。>
<あいつには悪いけど、また俺達の朝の活力剤になってもらいますか。>
こいつらは同じギルドのメンバー。好き勝手なこと言いやがって。
というか当たり前のように俺の渾身のボケは空振りしていた。
『知らないのだから当然です』
ですよねー。
「随分賑やかな場所ね。退屈しなさそう」
同じく怪我の治ったチャルニがギルドの中に入ってくる。
「うわ!ほんとうに来た!」
天敵でも見たかのような反応をするニータ。
「おねえちゃんもおかえりなさい……じゃなくていらっしゃい!」
素直に歓迎してくれるアニスちゃん。
「ようこそ、モイライ冒険者ギルド支部へ。歓迎するわ」
ミリアさんがチャルニを歓迎する。
「そういやギルドへの紹介って俺でも大丈夫なのかな?俺のランクってどうなってる?」
ギルドの登録は紹介が必要なのだった。そして肝心の俺は自分のランクを知らない。
「ギルド員のランクはその人がどれだけ有名になったかで決まるのよ」
えらく適当な基準だな。
「そういう意味では貴方はまず問題ないわね」
「俺ってそんなに名前知られてたっけ?」
あまり自覚がない。
「リーエル商会倉庫のビーストマスター、世間を騒がせる殺人鬼の討伐、秘薬『流れ星』開発の立役者、冒険者ギルドの漫才師、そして先日の大通りのメテオストライカー。意外に貴方の名前を知る人は多いのよ?」
冒険者ギルドの漫才師は明らかに方向性が違うだろ。
「と言うか大通りのメテオストライカーって何だ?」
「貴方この間物凄い勢いで大通りに突っ込んで長い距離を破壊して行ったでしょう?」
「うげ……確かにそんな事もあったような……」
嫌な汗が流れる。また借金の危機だろうか……。
「その時に貴方の通り道に運悪くこの町で盗みを働いた怪盗がいてね、貴方に撥ねられた彼女はあえなくノックアウト。犯人逮捕にご協力有難う、ってね。♪」
「ということはお咎めなし……?」
「えぇ、大通りを破壊した事に関してはお咎めなしよ」
「ホッ……」
あぁ……心臓に悪い。
「でもその大通りの補修工事の手伝いの依頼が来ているわ。罪悪感があるなら受けておいたほうがいいかもしれないわね♪」
「……ヤラセテイタダキマス、ハイ」
断れるわけがねぇだろうが。
〜クエスト開始〜
―土木工事の手伝い―
『この間のメテオストライカー事件で大通りのど真ん中が抉れてしまった。
修復のための人夫が足りないので是非力を貸していただきたい。
モイライ行政区公共事業委員会』
「なぁ」
「はい?なんでしょう?」
俺はカウンターにちょこんと座っている受付嬢に疑問をぶつける。
「何でお前はいつの間にか魔女になっているんだ?」
そう、いつもの受付嬢は顔立ちや髪型の面影を残したまま幼女化していた。
さらにウィッチハットと魔女っ子服(俺命名)まで着用済みだ。
「よくぞ聞いてくれました!」
テーブルに手を付いてこちらに身を乗り出してくる。顔が近い。
「最近私思うわけですよ。本来ギルドの看板娘といえば受付に座っている私なのではないかと」
「ほう、それで?」
彼女は人差し指を振りながら力説する。
「でも最近はアニスちゃんやニータちゃんやエルファ様がちょこちょこと動きまわって皆の視線を集めているんですよ!」
「それが何故魔女化に繋がる?」
「小さい=可愛い=看板娘という構図が私の中でビビビーっと閃いたんですよ」
なぜそうなる。
「そこで私はエルファ様に頼んで魔女にしてもらいました」
「理論が飛躍しすぎだ」
「小さくなった私はその可愛さで皆の視線を独り占め!これで私の看板娘計画はバッチリって寸法です!」
「なぜそこで大人の魅力の方へ走らない。ロリコン人口よりはノーマルの奴らのほうが明らかに多いだろ」
「でも幼女ですよ!?チマっとしてるんですよ!?可愛いんですよ!?」
「そのぶっ飛んだ考えをどうにかしろ。あと暑苦しい」
「どうかしたの?」
言い合っているのに気づき、チャルニが近寄ってくる。
歩くたびに前方に付いている二つのメロンがユサユサと揺れている。
「しまったあああああ!?幼女化したら私のバインバインが無くなっちゃうじゃないですかあああああああああ!?」
言うほど無かっただろう、お前。
〜大通り メテオストライカー跡〜
「自分のした事ではあるが……こりゃひでぇ」
大通りの真ん中は大きく抉れ、その爪痕は中央広場を通り、キサラギ医院まで伸びている。
「何だか俺ってエクセルシアの武器を手に入れて使うたびに街を破壊してないか?」
『E-Weaponは非常に強力な力を秘めています。制御に慣れるまでは無駄な破壊をしてしまうのも致し方がありません』
今度から初めて使う武器は安全な場所で特性を確認してから使うことにしよう。
できればの話だが。
「君が冒険者ギルドから派遣された作業員?」
振り返ると『作業監督』と書かれた腕章を付けたジャイアントアントがそこにいた。
「ってその巨大なトンファーと青いジャケット……君が『メテオストライカーのアルテア』かい?」
嫌な二つ名が付いたものだ。
「自分のやった事の後始末にね。ジャイアントアントがいるなら比較的早く終わりそうだな」
ジャイアントアントは高い建築技術を持つ種族だ。土木工事はお手のものだろう。
「もちろん!あたし達だけでも作業はあっという間に終わるけど、手伝ってくれるって言うなら大歓迎よ!」
自信満々に自分の胸を叩く彼女。正直俺の出る幕が無い気がしなくもない。
「それで、俺は何をすればいい?少なくとも土木工事の経験は無いんだが……」
少なくとも俺の知識の中には土木工事に関する項目は無い。そりゃ兵隊が土木工事なんてやるわけが無いか。
……そこかしこに髑髏をあしらった鎧を着た兵士が寂しそうにこちらを見ていた気がするが、気のせいだった。
「補修部分はあたし達がやるから、君は指定された場所から土砂を運んで欲しい。行列ができるからそれに並んで麻袋を受け取って、補修している部分まで持って行って」
見ると通りの空きスペースに馬車を停めて土砂の袋を運び出している所のようだ。
まぁ馬車の行列を道の真中に停めておく訳にはいかないから仕方がないか。
俺は荷物置場にされているキサラギ医院に鵺を預けると行列に加わることにした。
ちなみに俺に待合室を破壊されたキサラギ医院は開店休業中らしい。
「どの道患者なんて来ないからあまり問題ないよ」
お前それでいいのか。
行列は通りの空き地から真っ直ぐに伸び、破壊痕に垂直になるように二列に並んでいる。列の先で土砂の麻袋を受け取ると、左右に別れて破壊跡の端っこの方から埋め、破壊跡に沿うように行列の後ろへ戻って行く。
「(しかしまぁ……)」
何故か妙にムラムラする。
「(そういやジャイアントアントは行列を作るときにフェロモンを撒き散らすんだっけ……)」
「あぁ……失敗した……」
隣から気怠そうな声が聞こえてくる。
「食糧配給の列だと思ったらよりによって工事に行くための列だったなんて……」
隣を見ると、ジャイアントアントが両手をだらりと下げていた。
いや、よく見ると……。
「(足の数が違う……?)」
3対の足に加え、もう1対の小さな足が付いている。
「(なるほど……アントアラクネか。)」
図鑑に、ジャイアントアントの巣に寄生して生きるアラクネ種の魔物がいたことを思い出す。
「災難だったな。まぁたまにはしっかりと働いてみろや」
前を向いたまま、そう言ってやる。
「っ!?」
まさかバレるとは思っていなかったのか、彼女がこちらを向く。
顔から大量に汗が流れ落ちているような気がした。
俺は終始ニヤニヤしている。
「あんた……何者?」
おぉ、警戒してる警戒してる。
せっかくなので少し弄ってやろう。
「ん?作業現場監査官」
もちろんそんな役職はない。
「……(滝汗)」
お〜焦ってる焦ってる。意外と面白い。
「ワ、ワタシアントアラクネチガウヨー?ジャイアントアントダヨー?」
なぜ片言だ。
「そうか、ところで……その前の方に付いている余計な2本の足は何だ?」
「……(真っ青)」
汗すら止まった。
「え、え〜と?アクセ……サリー?」
自分の好きで付けているなら疑問形は無いだろう。
「それはいけないな、作業中にアクセサリーは外すように」
「えぇ!?」
無論外せるわけがない。生身なんだから。
「いや、これは実は外せない奴で……」
もう無理、笑いが堪えられない。
「……っく……くは……」
「?」
「も、もう無理……ははは」
いきなり笑い出した俺に不審そうな視線を向ける彼女。そろそろネタばらしをしてもいいだろう。
「ごめん、監査官とかいうの、あれ嘘」
「ウソぉ!?」
素っ頓狂な声を上げる彼女。視線が集まる。
「あ、いや、何でもないから気にしないで」
慌てて取り繕う彼女。
他の奴らはすぐに興味を失ったのか、再び前へと視線を戻した。
「いやぁ、たっぷり楽しませてもらったよ」
「あんた何気に酷いね……」
恨めしそうに睨みつけてくる。
「と、そうこうしているうちに先頭だ」
列の先では、土砂の入った麻袋が手渡されている。
「(ってデカっ!?)」
胸のことではない。麻袋の事だ。軽く1トンはあるのではなかろうか。
「はい、君はこれ」
渡された麻袋は20キロ程度の物だった。
「あれ?こんなもんでいいのか?」
「人間にアレ運ばせたら潰れちゃうよ」
笑いながらそういう受け渡し係。その時俺の隣で……
「うぐ……ぉぉぉぉおおおおお」
苦悶の呻きが聞こえてくる。先程のアントアラクネだ。
「ほい、受け取ったら行った行った!」
ふらつきながらもドシドシと足音を鳴らしながら歩いて行った。
それでも運べる辺り流石魔物といったところか。
「あぁ……酷い目にあった……」
行列に戻ると、彼女がまた隣にいた。
「お疲れ、と言っても順番が来たらまた運ばされるだろうがな」
「もう嫌だぁぁ……しんどいぃぃ……」
疲労のあまりにぐったり。
しばらく列に並んでいると、一人のジャイアントアントが男の手を引いて列から離れて行った。
「ん?ありゃどうしたんだ?」
列から離れた彼女は近くの路地裏へ入っていく。
「おいおい……堂々とサボりか……」
「あれは休憩だよ」
前に並んでいるジャイアントアントが説明してくれる。
「人間と一緒にやっているとあたし達も人間の方もムラムラして作業にならなくなるからね。ああしてたまに気に入った男を連れて休憩しに行くんだよ」
「休憩……ね」
なんとなくやることは予想できる。
そして、隣からキュピーンとかいう擬音が。
嫌な予感しかしない。
ガシっと腕を掴まれる。
「あたしちょっと休憩してきまーす!」
俺の腕を引っ張って高速で列から離脱する奴がいた。というか、先程のアントアラクネだった。
「俺としてはちゃんと働きたいんだが……」
路地裏の目立たない場所。薄暗い所に俺と彼女はいた。
「あたしとあんたが抜けたところで作業量は大して変わらないでしょ」
彼女は俺のズボンのジッパーを下ろすと、中から息子を引っ張り出す。
「もうギンギンじゃない♪少し期待してた?」
「俺の意思じゃないよ。あの列に並んでいると自然にこうなっちまうんだ」
フェロモンが辺りに漂っている行列の中に入れば仕方がない事だろう。
「あたしも割とキてたんだ♪ほら……」
彼女が腰布をほどくと彼女の股間がテラテラと光っていた。
「元気に勃っちゃって……おいしそ♪」
彼女はそう言うと、息子を口に咥えて舐めまわし始めた。
「ん……ピチャ……あむ……」
「っ……!ぁ……」
「ん〜?舐められるのは初めて?」
上目づかいにこちらを見ながら舐めてくる。
「殆どされたことはない……童貞ではないんだがな……」
「へぇ……それじゃいっぱい味わってよ。あたし結構うまいんだ♪」
亀頭をなめまわし、裏筋に舌先を這わせたかと思うと、尿道に舌先をねじ込んでくる。
「ぁ……っ!これは……キツいな……っ!」
膣内の全体を包みこむ感触とは違い、局所的に責められるフェラはまた違った快感を伴って俺を追い詰めていく。
「ん、くちゅ……あん♪……んふ……れろ」
息子を咥えながら自分の秘所もいじっているらしく、時折甘い声も漏れる。
「ん……」
動きが止まった……?いや、違う。
「……」
空気が漏れないように吸っている。亀頭に血液が溜っていく。
「……♪」
そのまま亀頭を舐めまわしてきた。
「いっ!?それやめ、ヤバ!」
血液が集中した場所の感度が高くなり、さらにそこをぬめる舌で蹂躙する。
「あ……がっ……!?」
体がガクガク震えるほどの快感が走るが、射精することができない。
「ねぇ……出させて欲しい?」
血液を止めるように手で抑え、聞いてくる。
「頼む……このままじゃ……辛い……」
「どうしようかな〜?♪」
息子をギュっと握ったまま先をチロチロ舐めてくる。
「仕事が終わったら何か甘いもの奢ってくれるなら考えてもいいけどな〜♪」
こいつ……。
「わかった!何でも奢るから出させてくれ!」
ここで我慢できるほど俺は鋼の精神を持っている訳じゃない。
「んふふ♪りょうか〜い♪」
彼女は抑えていた手を離すと、息子を咥えて一気に喉の奥まで咥え込んできた。
「んぐっ!ぐぷっんぷっじゅぷっ!」
そして咥えたまま激しく顔を前後に動かし、扱き立てる。
「ぁぁ……ぁぁぁあああああああ!!」
あっという間に我慢が決壊し、喉の奥へ白濁をぶち撒ける。
「んぐっ……ごく……ごく……」
モノが喉の奥まで達しているにも関わらず、咽ずに白濁を飲み込んでいく。
「ぷはぁ……ごちそうさま♪」
「はぁ……はぁ……」
散々焦らされて異常に体力を使ってしまった。
「それじゃ次は……」
彼女は疲れてロクに動けない俺を押し倒すと、
「あたしも満足させてもらおうかな♪」
8本の足で俺の足をホールドして、まだ硬い俺の息子を下の口で飲み込んできた。
「俺疲れているんだけど……」
「自分だけ満足して終わりってのは寂しくない?」
肩を押さえて地面に押し付けると、彼女は荒々しく腰をぶつけてきた。
「もうちょっと付き合ってよ。今度はあたしが満足するまでさ♪」
良いように搾り取られたのは言うまでもない。
「あ〜スッキリした!」
「あ〜……疲れた……」
それぞれ別の様相で列に並び直す。
無論後者が俺だ。
「終わるまでに結構時間使ったからね〜♪あたし達には順番回ってこないでしょ♪」
それが狙いか。俺としてはしっかり働いて自分のしたことの埋め合わせをしたかったのだが。
「はい、これで最後だよ〜」
しかし、運悪くその最後の順番まで回ってきてしまった。
乗せられた麻袋は、2個。
「ぐぉ……なんで二つも……」
「休憩した人は次の運搬で2個運ぶことになってるからね。がんばって〜」
隣を見ると、
「きゅう……」
合計2トンの麻袋の下敷きになっているアリモドキがいた。
〜モイライ冒険者ギルド支部〜
「ただいま帰りました〜……」
フラフラになってギルドの入り口を潜る。
中ではミリアさんが出迎えてくれた
「あら、お帰りなさい。早めに水浴びでもしてきたほうがいいわよ?」
「やっぱ臭いますかね?」
そりゃ重労働の後は汗臭いだろう。
「それもあるけど……襲われたくなかったら余計に洗ったほうがいいわよ?」
「へ?」
そういえば、さっきからやたら視線を感じるような……。
「お前……いつからそんなに格好良くなったんだ?」
「ロバート?」
フラフラと覚束無い足取りでこちらに近づいてくるロバート。
そういえばこっちを見ているのは全員男のような……。
「ジャイアントアントのフェロモンをくっつけたまま歩きまわるなんて……意外と勇気あるのね?貴方」
嫌な予感しかしない。
<うをおおおお!アルテア!俺だ!抱いてくれ!>
<待て!俺が先だ!>
<そこを俺に代われ!俺が行く!>
冒険者達のゴツイ男の群れが殺到してくる。
『男幕『アニキストーム』』
「アホ言っている場合か!?逃げるぞ!」
ギルドを飛び出し、ブリッツランスを展開。緊急離脱を試みる。
その日、郊外の湖に正体不明の隕石が落ちたそうだが、間違いなく俺だと付け加えておく。
俺が入院してから2日後。
「冒険者達よ!私は帰ってきた!」
怪我が治癒した俺はギルドの扉をくぐっていた。
「あ、おにいちゃんおかえりなさい!」
「おかえり〜」
幼女二人が俺に駆け寄ってくる。
<こいつはまた騒がしくなるな。>
<でもいつもの朝の漫才が無きゃイマイチ調子がでないよね〜。>
<あいつには悪いけど、また俺達の朝の活力剤になってもらいますか。>
こいつらは同じギルドのメンバー。好き勝手なこと言いやがって。
というか当たり前のように俺の渾身のボケは空振りしていた。
『知らないのだから当然です』
ですよねー。
「随分賑やかな場所ね。退屈しなさそう」
同じく怪我の治ったチャルニがギルドの中に入ってくる。
「うわ!ほんとうに来た!」
天敵でも見たかのような反応をするニータ。
「おねえちゃんもおかえりなさい……じゃなくていらっしゃい!」
素直に歓迎してくれるアニスちゃん。
「ようこそ、モイライ冒険者ギルド支部へ。歓迎するわ」
ミリアさんがチャルニを歓迎する。
「そういやギルドへの紹介って俺でも大丈夫なのかな?俺のランクってどうなってる?」
ギルドの登録は紹介が必要なのだった。そして肝心の俺は自分のランクを知らない。
「ギルド員のランクはその人がどれだけ有名になったかで決まるのよ」
えらく適当な基準だな。
「そういう意味では貴方はまず問題ないわね」
「俺ってそんなに名前知られてたっけ?」
あまり自覚がない。
「リーエル商会倉庫のビーストマスター、世間を騒がせる殺人鬼の討伐、秘薬『流れ星』開発の立役者、冒険者ギルドの漫才師、そして先日の大通りのメテオストライカー。意外に貴方の名前を知る人は多いのよ?」
冒険者ギルドの漫才師は明らかに方向性が違うだろ。
「と言うか大通りのメテオストライカーって何だ?」
「貴方この間物凄い勢いで大通りに突っ込んで長い距離を破壊して行ったでしょう?」
「うげ……確かにそんな事もあったような……」
嫌な汗が流れる。また借金の危機だろうか……。
「その時に貴方の通り道に運悪くこの町で盗みを働いた怪盗がいてね、貴方に撥ねられた彼女はあえなくノックアウト。犯人逮捕にご協力有難う、ってね。♪」
「ということはお咎めなし……?」
「えぇ、大通りを破壊した事に関してはお咎めなしよ」
「ホッ……」
あぁ……心臓に悪い。
「でもその大通りの補修工事の手伝いの依頼が来ているわ。罪悪感があるなら受けておいたほうがいいかもしれないわね♪」
「……ヤラセテイタダキマス、ハイ」
断れるわけがねぇだろうが。
〜クエスト開始〜
―土木工事の手伝い―
『この間のメテオストライカー事件で大通りのど真ん中が抉れてしまった。
修復のための人夫が足りないので是非力を貸していただきたい。
モイライ行政区公共事業委員会』
「なぁ」
「はい?なんでしょう?」
俺はカウンターにちょこんと座っている受付嬢に疑問をぶつける。
「何でお前はいつの間にか魔女になっているんだ?」
そう、いつもの受付嬢は顔立ちや髪型の面影を残したまま幼女化していた。
さらにウィッチハットと魔女っ子服(俺命名)まで着用済みだ。
「よくぞ聞いてくれました!」
テーブルに手を付いてこちらに身を乗り出してくる。顔が近い。
「最近私思うわけですよ。本来ギルドの看板娘といえば受付に座っている私なのではないかと」
「ほう、それで?」
彼女は人差し指を振りながら力説する。
「でも最近はアニスちゃんやニータちゃんやエルファ様がちょこちょこと動きまわって皆の視線を集めているんですよ!」
「それが何故魔女化に繋がる?」
「小さい=可愛い=看板娘という構図が私の中でビビビーっと閃いたんですよ」
なぜそうなる。
「そこで私はエルファ様に頼んで魔女にしてもらいました」
「理論が飛躍しすぎだ」
「小さくなった私はその可愛さで皆の視線を独り占め!これで私の看板娘計画はバッチリって寸法です!」
「なぜそこで大人の魅力の方へ走らない。ロリコン人口よりはノーマルの奴らのほうが明らかに多いだろ」
「でも幼女ですよ!?チマっとしてるんですよ!?可愛いんですよ!?」
「そのぶっ飛んだ考えをどうにかしろ。あと暑苦しい」
「どうかしたの?」
言い合っているのに気づき、チャルニが近寄ってくる。
歩くたびに前方に付いている二つのメロンがユサユサと揺れている。
「しまったあああああ!?幼女化したら私のバインバインが無くなっちゃうじゃないですかあああああああああ!?」
言うほど無かっただろう、お前。
〜大通り メテオストライカー跡〜
「自分のした事ではあるが……こりゃひでぇ」
大通りの真ん中は大きく抉れ、その爪痕は中央広場を通り、キサラギ医院まで伸びている。
「何だか俺ってエクセルシアの武器を手に入れて使うたびに街を破壊してないか?」
『E-Weaponは非常に強力な力を秘めています。制御に慣れるまでは無駄な破壊をしてしまうのも致し方がありません』
今度から初めて使う武器は安全な場所で特性を確認してから使うことにしよう。
できればの話だが。
「君が冒険者ギルドから派遣された作業員?」
振り返ると『作業監督』と書かれた腕章を付けたジャイアントアントがそこにいた。
「ってその巨大なトンファーと青いジャケット……君が『メテオストライカーのアルテア』かい?」
嫌な二つ名が付いたものだ。
「自分のやった事の後始末にね。ジャイアントアントがいるなら比較的早く終わりそうだな」
ジャイアントアントは高い建築技術を持つ種族だ。土木工事はお手のものだろう。
「もちろん!あたし達だけでも作業はあっという間に終わるけど、手伝ってくれるって言うなら大歓迎よ!」
自信満々に自分の胸を叩く彼女。正直俺の出る幕が無い気がしなくもない。
「それで、俺は何をすればいい?少なくとも土木工事の経験は無いんだが……」
少なくとも俺の知識の中には土木工事に関する項目は無い。そりゃ兵隊が土木工事なんてやるわけが無いか。
……そこかしこに髑髏をあしらった鎧を着た兵士が寂しそうにこちらを見ていた気がするが、気のせいだった。
「補修部分はあたし達がやるから、君は指定された場所から土砂を運んで欲しい。行列ができるからそれに並んで麻袋を受け取って、補修している部分まで持って行って」
見ると通りの空きスペースに馬車を停めて土砂の袋を運び出している所のようだ。
まぁ馬車の行列を道の真中に停めておく訳にはいかないから仕方がないか。
俺は荷物置場にされているキサラギ医院に鵺を預けると行列に加わることにした。
ちなみに俺に待合室を破壊されたキサラギ医院は開店休業中らしい。
「どの道患者なんて来ないからあまり問題ないよ」
お前それでいいのか。
行列は通りの空き地から真っ直ぐに伸び、破壊痕に垂直になるように二列に並んでいる。列の先で土砂の麻袋を受け取ると、左右に別れて破壊跡の端っこの方から埋め、破壊跡に沿うように行列の後ろへ戻って行く。
「(しかしまぁ……)」
何故か妙にムラムラする。
「(そういやジャイアントアントは行列を作るときにフェロモンを撒き散らすんだっけ……)」
「あぁ……失敗した……」
隣から気怠そうな声が聞こえてくる。
「食糧配給の列だと思ったらよりによって工事に行くための列だったなんて……」
隣を見ると、ジャイアントアントが両手をだらりと下げていた。
いや、よく見ると……。
「(足の数が違う……?)」
3対の足に加え、もう1対の小さな足が付いている。
「(なるほど……アントアラクネか。)」
図鑑に、ジャイアントアントの巣に寄生して生きるアラクネ種の魔物がいたことを思い出す。
「災難だったな。まぁたまにはしっかりと働いてみろや」
前を向いたまま、そう言ってやる。
「っ!?」
まさかバレるとは思っていなかったのか、彼女がこちらを向く。
顔から大量に汗が流れ落ちているような気がした。
俺は終始ニヤニヤしている。
「あんた……何者?」
おぉ、警戒してる警戒してる。
せっかくなので少し弄ってやろう。
「ん?作業現場監査官」
もちろんそんな役職はない。
「……(滝汗)」
お〜焦ってる焦ってる。意外と面白い。
「ワ、ワタシアントアラクネチガウヨー?ジャイアントアントダヨー?」
なぜ片言だ。
「そうか、ところで……その前の方に付いている余計な2本の足は何だ?」
「……(真っ青)」
汗すら止まった。
「え、え〜と?アクセ……サリー?」
自分の好きで付けているなら疑問形は無いだろう。
「それはいけないな、作業中にアクセサリーは外すように」
「えぇ!?」
無論外せるわけがない。生身なんだから。
「いや、これは実は外せない奴で……」
もう無理、笑いが堪えられない。
「……っく……くは……」
「?」
「も、もう無理……ははは」
いきなり笑い出した俺に不審そうな視線を向ける彼女。そろそろネタばらしをしてもいいだろう。
「ごめん、監査官とかいうの、あれ嘘」
「ウソぉ!?」
素っ頓狂な声を上げる彼女。視線が集まる。
「あ、いや、何でもないから気にしないで」
慌てて取り繕う彼女。
他の奴らはすぐに興味を失ったのか、再び前へと視線を戻した。
「いやぁ、たっぷり楽しませてもらったよ」
「あんた何気に酷いね……」
恨めしそうに睨みつけてくる。
「と、そうこうしているうちに先頭だ」
列の先では、土砂の入った麻袋が手渡されている。
「(ってデカっ!?)」
胸のことではない。麻袋の事だ。軽く1トンはあるのではなかろうか。
「はい、君はこれ」
渡された麻袋は20キロ程度の物だった。
「あれ?こんなもんでいいのか?」
「人間にアレ運ばせたら潰れちゃうよ」
笑いながらそういう受け渡し係。その時俺の隣で……
「うぐ……ぉぉぉぉおおおおお」
苦悶の呻きが聞こえてくる。先程のアントアラクネだ。
「ほい、受け取ったら行った行った!」
ふらつきながらもドシドシと足音を鳴らしながら歩いて行った。
それでも運べる辺り流石魔物といったところか。
「あぁ……酷い目にあった……」
行列に戻ると、彼女がまた隣にいた。
「お疲れ、と言っても順番が来たらまた運ばされるだろうがな」
「もう嫌だぁぁ……しんどいぃぃ……」
疲労のあまりにぐったり。
しばらく列に並んでいると、一人のジャイアントアントが男の手を引いて列から離れて行った。
「ん?ありゃどうしたんだ?」
列から離れた彼女は近くの路地裏へ入っていく。
「おいおい……堂々とサボりか……」
「あれは休憩だよ」
前に並んでいるジャイアントアントが説明してくれる。
「人間と一緒にやっているとあたし達も人間の方もムラムラして作業にならなくなるからね。ああしてたまに気に入った男を連れて休憩しに行くんだよ」
「休憩……ね」
なんとなくやることは予想できる。
そして、隣からキュピーンとかいう擬音が。
嫌な予感しかしない。
ガシっと腕を掴まれる。
「あたしちょっと休憩してきまーす!」
俺の腕を引っ張って高速で列から離脱する奴がいた。というか、先程のアントアラクネだった。
「俺としてはちゃんと働きたいんだが……」
路地裏の目立たない場所。薄暗い所に俺と彼女はいた。
「あたしとあんたが抜けたところで作業量は大して変わらないでしょ」
彼女は俺のズボンのジッパーを下ろすと、中から息子を引っ張り出す。
「もうギンギンじゃない♪少し期待してた?」
「俺の意思じゃないよ。あの列に並んでいると自然にこうなっちまうんだ」
フェロモンが辺りに漂っている行列の中に入れば仕方がない事だろう。
「あたしも割とキてたんだ♪ほら……」
彼女が腰布をほどくと彼女の股間がテラテラと光っていた。
「元気に勃っちゃって……おいしそ♪」
彼女はそう言うと、息子を口に咥えて舐めまわし始めた。
「ん……ピチャ……あむ……」
「っ……!ぁ……」
「ん〜?舐められるのは初めて?」
上目づかいにこちらを見ながら舐めてくる。
「殆どされたことはない……童貞ではないんだがな……」
「へぇ……それじゃいっぱい味わってよ。あたし結構うまいんだ♪」
亀頭をなめまわし、裏筋に舌先を這わせたかと思うと、尿道に舌先をねじ込んでくる。
「ぁ……っ!これは……キツいな……っ!」
膣内の全体を包みこむ感触とは違い、局所的に責められるフェラはまた違った快感を伴って俺を追い詰めていく。
「ん、くちゅ……あん♪……んふ……れろ」
息子を咥えながら自分の秘所もいじっているらしく、時折甘い声も漏れる。
「ん……」
動きが止まった……?いや、違う。
「……」
空気が漏れないように吸っている。亀頭に血液が溜っていく。
「……♪」
そのまま亀頭を舐めまわしてきた。
「いっ!?それやめ、ヤバ!」
血液が集中した場所の感度が高くなり、さらにそこをぬめる舌で蹂躙する。
「あ……がっ……!?」
体がガクガク震えるほどの快感が走るが、射精することができない。
「ねぇ……出させて欲しい?」
血液を止めるように手で抑え、聞いてくる。
「頼む……このままじゃ……辛い……」
「どうしようかな〜?♪」
息子をギュっと握ったまま先をチロチロ舐めてくる。
「仕事が終わったら何か甘いもの奢ってくれるなら考えてもいいけどな〜♪」
こいつ……。
「わかった!何でも奢るから出させてくれ!」
ここで我慢できるほど俺は鋼の精神を持っている訳じゃない。
「んふふ♪りょうか〜い♪」
彼女は抑えていた手を離すと、息子を咥えて一気に喉の奥まで咥え込んできた。
「んぐっ!ぐぷっんぷっじゅぷっ!」
そして咥えたまま激しく顔を前後に動かし、扱き立てる。
「ぁぁ……ぁぁぁあああああああ!!」
あっという間に我慢が決壊し、喉の奥へ白濁をぶち撒ける。
「んぐっ……ごく……ごく……」
モノが喉の奥まで達しているにも関わらず、咽ずに白濁を飲み込んでいく。
「ぷはぁ……ごちそうさま♪」
「はぁ……はぁ……」
散々焦らされて異常に体力を使ってしまった。
「それじゃ次は……」
彼女は疲れてロクに動けない俺を押し倒すと、
「あたしも満足させてもらおうかな♪」
8本の足で俺の足をホールドして、まだ硬い俺の息子を下の口で飲み込んできた。
「俺疲れているんだけど……」
「自分だけ満足して終わりってのは寂しくない?」
肩を押さえて地面に押し付けると、彼女は荒々しく腰をぶつけてきた。
「もうちょっと付き合ってよ。今度はあたしが満足するまでさ♪」
良いように搾り取られたのは言うまでもない。
「あ〜スッキリした!」
「あ〜……疲れた……」
それぞれ別の様相で列に並び直す。
無論後者が俺だ。
「終わるまでに結構時間使ったからね〜♪あたし達には順番回ってこないでしょ♪」
それが狙いか。俺としてはしっかり働いて自分のしたことの埋め合わせをしたかったのだが。
「はい、これで最後だよ〜」
しかし、運悪くその最後の順番まで回ってきてしまった。
乗せられた麻袋は、2個。
「ぐぉ……なんで二つも……」
「休憩した人は次の運搬で2個運ぶことになってるからね。がんばって〜」
隣を見ると、
「きゅう……」
合計2トンの麻袋の下敷きになっているアリモドキがいた。
〜モイライ冒険者ギルド支部〜
「ただいま帰りました〜……」
フラフラになってギルドの入り口を潜る。
中ではミリアさんが出迎えてくれた
「あら、お帰りなさい。早めに水浴びでもしてきたほうがいいわよ?」
「やっぱ臭いますかね?」
そりゃ重労働の後は汗臭いだろう。
「それもあるけど……襲われたくなかったら余計に洗ったほうがいいわよ?」
「へ?」
そういえば、さっきからやたら視線を感じるような……。
「お前……いつからそんなに格好良くなったんだ?」
「ロバート?」
フラフラと覚束無い足取りでこちらに近づいてくるロバート。
そういえばこっちを見ているのは全員男のような……。
「ジャイアントアントのフェロモンをくっつけたまま歩きまわるなんて……意外と勇気あるのね?貴方」
嫌な予感しかしない。
<うをおおおお!アルテア!俺だ!抱いてくれ!>
<待て!俺が先だ!>
<そこを俺に代われ!俺が行く!>
冒険者達のゴツイ男の群れが殺到してくる。
『男幕『アニキストーム』』
「アホ言っている場合か!?逃げるぞ!」
ギルドを飛び出し、ブリッツランスを展開。緊急離脱を試みる。
その日、郊外の湖に正体不明の隕石が落ちたそうだが、間違いなく俺だと付け加えておく。
12/03/06 11:55更新 / テラー
戻る
次へ