第二十八話・亡命者たちの晩餐
「そうかそうか…、あのオアシス都市がそんなことになっていたとはねぇ。」
俺は八百屋の親父、本名は色々あって言えねえがクライブって言う。
正真正銘の人間だ。
今俺たちは、学園の校庭で大宴会の真っ最中。
「まぁ、無事を祝って飲もうや。おーい、少年。ビール足りねえぞー。」
「はい、ただいまー!」
給仕やっているのは、武器屋の倅のサイガって若いのだ。
ここの学生なんだが子供が出来たとかで、ここのロウガの旦那に扱き使われている。
「ありがとう、ございます…。皆様のお心遣いに同胞たちも地下で喜んでいることでしょう。こんな居心地の良い場所が…、あったと知っていたなら…。」
彼女はオアシス都市から亡命してきたリザードマン。
彼女だけじゃない。
今この校庭には124人の亡命者が俺たちの町の住人と一緒に酒を酌み交わしている。
種族はバラバラだ。
リザードマン、ミノタウロス、スライムにあれはハーピーか?
みんなひどい傷だらけだ。
「しかし、教団ってのはむごいことをしやがるぜぇ…。だから、俺も嫌気が差したんだよ。」
「…あなたは教団側の人間だったのですか?」
「おうよ、俺ぁね…、教団側の騎士団にいた時はそれなりに地位があった。女にも不自由しなかったし、金なんか寄進で腐るほどあった。でもな…、それがたった一夜でどうでも良くなっちまった…。たった一人のインプを見た時にな、俺は見えもしない神様なんかどうでも良くなっちまったんだよ。元々嫌気が差してたんだ。言葉通じるのに寄って集って女を一人殺すってのはね。元々信仰心なんかないんだよ。ただあいつらに付いてたら生きるのに困らないってくらいだった…。」
ぐいっとビールを飲み干す。
「それから俺の転落人生さ。その場で仲間を殺して、そいつと逃げた。逃げて逃げて逃げまくって、とうとうギルドのお尋ね者さ。それでやっと辿り着いたのがこの町でな。町の役人どもは俺たちを追い出そうとしたんだが…、ここの顔役やってる男が…変わり者でな。」
「それが…、あのマイア様のお父上なのですね。」
「そ。あの旦那、俺たちを見るなり『汚ぇなぁ、うちで風呂でも入ってけ。』って言いやがったんだぜ。役人たちはカンカンだったさ。でもなあの旦那『俺の客だ。文句はこいつらじゃなく、俺に言え。』って啖呵切ったんだ。聞けばあんな風に向かえたのは俺たちだけじゃない。あそこで飲んでる魔物夫婦も、あっちで笑ってる親子もみんな旦那の一言でここに居座ってるんだ。ほんとのこと言うとな、ここにいる連中はみんな何かしらでギルドに追われていたり、教団から敵対視されたやつらばかりなんだぜ。」
「変わった御仁のようですね…。」
「変わり者さ。親魔物派とか反魔物派とかあるけど、あの旦那にしたらどこ吹く風よ。この世にあるものはあるがままってのが旦那のスタイルさ。だからさ、あんたたちもきっとここで住める。生きる糧がないなら、たぶんあの旦那が用意してくれるさ。だって俺の店だって旦那が用意したんだからな。」
はっきり言ってあの旦那は学園長なんてガラじゃない。
どこぞの国王にでもなってくれたら、面白い国を造ったかもしれない。
いやいや、それよりあの顔ならヤクザの大親分だ。
「おっとすまん。カアちゃんが呼んでるから、俺は行くぜ。ゆっくり飲んでいってくれよ。あんたたちは今日から俺たちの隣人だからな。困ったことがあったら八百屋のクライブのとこまで来なよ。結構俺、古株だから町中で力になるぜ。」
―――――――――――
変わった町だ。
あのオアシスとは雰囲気が違う。
かつて貧民街に追いやられる前からあの土地の人たちは余所余所しかった。
それが教団が来てから本格的に変わった…。
人々が彼らの言葉に耳を傾け、彼らは私たち魔物の危険性を訴え、人々がそれを砂が水を吸うように受け入れた。
この町は…、一体…。
「楽しんでいますか?」
同じリザードマンが声をかけてきた。
もしや、この方が…。
「自己紹介しておきましょう、私はアスティアと言います。」
「あ、あなたが…、あのアスティア…!?こ、これは失礼をしました!私はオアシス都市の…、いえ、元オアシス都市で暮らしておりましたアルフォンスと申します!このたびは大変ご迷惑を…!!」
「ああ、同族同士固くなるのは無しにしましょう。それにあなたの方が年長者のようですし、そんなに丁寧にならないで…。何かあれば、私たちがこの学園の裏に住んでいますので、いつでも声をかけてください。」
「は、はい!ありがとうございます!!」
あの剣聖と名高いアスティア様と会話してしまった…。
死んだ母がここにいたら、どんなに喜んだことか…。
「差し当たって住居ですが、しばらくは学園の校庭に仮の住まいを明日にでも造りますからそこを拠点としてください。うちの主人が後は何とかすると思いますので、何も心配はいりませんよ。」
「…何故、私たちにこんなに親切にしてくださるのですか?」
そう、さっきの人もそうだ。
あの人もどの人も親切だった。
オアシスで感じたことのない安らぎを感じた。
親魔物派の土地を旅したこともある。
でも…、ここまで自分が人間でないことを意識しないで良かった時間はない。
「さて…、どこからお話しましょうかね。色々と秘密にしなければいけないことが多いのですべては言えませんが…、簡単に言えば主人の主義です。主人は元々ジパングから来たので、人間と魔物がそこにいるのが当たり前だったというのでその生活スタイルを崩されるのが、嫌みたいなんですよね。たぶん、それだけです。」
「たったそれだけの理由で莫大な資金を使って、教会を敵に回せるのですか!?」
「その教会があんたらの引渡しを要請してきた。」
年配の男性が声をかけてきた。
「立ったまま失礼する。アスティアの夫、ロウガと申す。あんたらの亡命、歓迎するぜ。」
「オアシス亡命者のアルフォンスと申します。教会が…、我々の引渡しを言ってきたのですね…。」
これだけ親切にしてもらったが、やはり私たちは死ぬのだろう。
最後に暖かい気持ちを持たせてくれた彼らに感謝しよう…。
「おう。だから蹴った。」
「はっ?」
「だから、要請を即答で拒否してきた。」
「ふふふ、ロウガ…。君らしいね。」
そ、そんな…、あの教会を敵に回してしまう!
「わ、私たちは一度は死んだ身です。この町の方々を巻き込む訳にはいきません!どうか私たちを引き渡して…!」
「あんたはリザードマンだろう。自ら死に急ぐな。図太く、ふてぶてしく生きて、やつらを困らせてやれ。ここはあんたらのいたオアシス都市じゃない。いつまでも自分を卑下してはいけない。良いか、あんたら魔物も人間も変わらない。同じ時代を生きて、同じ時間を生きている。あんたも人間と同じように戦い、人間と同じように愛し、子を産み、次の世代に魂を継がしていくのだろう?なら、あんたらを守る理由はたったそれだけで十分だ。」
それは…、あの少年が言った言葉。
そうか、あの少年は彼の魂を受け継いでいるのだな…。
「と、言うことだ。あんたらがこれから住む家は時間がかかるかもしれないが、ここにいる全員分は何とかする。だから今日限り自分を卑下するのは辞めろ。特にあんたはリザードマンだ。その誇りのために戦い、誇りのために守れ。死ぬのは罪人としてじゃない。死ぬのは次世代のために戦う時だけだ。」
「…はい…はい!」
忘れかけていた熱いものが身体に甦る。
忘れかけていた誇り。
あの町で潰されそうだった魂が甦ってくる、そんな感覚。
「アスティア、後を頼む。これから仕事でな…。アヌビスを待たせている。」
「…そうか、気を付けてな。」
「ああ、行ってくる。」
ロウガ氏はそのまま去っていく。
学園長という仕事は実に多忙なのだろう。
こんな遅くになっても仕事とは…。
……この町で生きていこう。
死んでいった仲間たちのためにも。
この町で受けた親切に報いるためにも。
―――――――――――
「待たせたな。」
「いえ、ですが急がなければいけません。町議会の野党組織から抗議が出ています…。彼らは教会からの要請を独断で拒否したロウガさんを糾弾するつもりのようです。」
「出来るものならやってみろ。やつらが、あの亡命者たちを教団に渡すようだったら一暴れしてやるだけだ。」
クックック、といつものようにロウガさんは笑う。
「それと…、先程娼館のルゥさんから情報を得たのですが…。マイアさんとサクラ君が教団から指名手配されたそうです。」
「予想はしてたよ。もっともあいつらがあの状況を静観出来る訳がない。そういう性格なんだよ。娘も、サクラも。」
「マイアさんはわかりますが…、サクラ君は予想外でした。」
「あいつはな、あれで結構激しい性格してるんだよ。」
「…わかるのですか?」
「俺の若い頃と似てるんだよ、あいつはな。」
馬車に乗り込む。
私たちは議会で糾弾されるのだろう。
だが、彼らのために私たちは戦わなければならない。
「行くぞ。俺たちは俺たちの出来る戦いに向かう。」
「はい、私は全知識を以ってあなたをサポートしましょう。」
心なしか嬉しそうなロウガさん。
この人は…、どんなものでも戦うという行為に喜びを見出すのでしょうね。
「どうした、アヌビス。尻尾が激しく動いているぞ?」
「…そうですね。少々私とあろう者が武者震いをしてしまったようですね。」
そんなロウガさんを見ていると、私まで何か楽しいところに行くような気がしてしまう。
さあ、私には私にしか出来ないことをしよう。
あの人たちを守るために。
俺は八百屋の親父、本名は色々あって言えねえがクライブって言う。
正真正銘の人間だ。
今俺たちは、学園の校庭で大宴会の真っ最中。
「まぁ、無事を祝って飲もうや。おーい、少年。ビール足りねえぞー。」
「はい、ただいまー!」
給仕やっているのは、武器屋の倅のサイガって若いのだ。
ここの学生なんだが子供が出来たとかで、ここのロウガの旦那に扱き使われている。
「ありがとう、ございます…。皆様のお心遣いに同胞たちも地下で喜んでいることでしょう。こんな居心地の良い場所が…、あったと知っていたなら…。」
彼女はオアシス都市から亡命してきたリザードマン。
彼女だけじゃない。
今この校庭には124人の亡命者が俺たちの町の住人と一緒に酒を酌み交わしている。
種族はバラバラだ。
リザードマン、ミノタウロス、スライムにあれはハーピーか?
みんなひどい傷だらけだ。
「しかし、教団ってのはむごいことをしやがるぜぇ…。だから、俺も嫌気が差したんだよ。」
「…あなたは教団側の人間だったのですか?」
「おうよ、俺ぁね…、教団側の騎士団にいた時はそれなりに地位があった。女にも不自由しなかったし、金なんか寄進で腐るほどあった。でもな…、それがたった一夜でどうでも良くなっちまった…。たった一人のインプを見た時にな、俺は見えもしない神様なんかどうでも良くなっちまったんだよ。元々嫌気が差してたんだ。言葉通じるのに寄って集って女を一人殺すってのはね。元々信仰心なんかないんだよ。ただあいつらに付いてたら生きるのに困らないってくらいだった…。」
ぐいっとビールを飲み干す。
「それから俺の転落人生さ。その場で仲間を殺して、そいつと逃げた。逃げて逃げて逃げまくって、とうとうギルドのお尋ね者さ。それでやっと辿り着いたのがこの町でな。町の役人どもは俺たちを追い出そうとしたんだが…、ここの顔役やってる男が…変わり者でな。」
「それが…、あのマイア様のお父上なのですね。」
「そ。あの旦那、俺たちを見るなり『汚ぇなぁ、うちで風呂でも入ってけ。』って言いやがったんだぜ。役人たちはカンカンだったさ。でもなあの旦那『俺の客だ。文句はこいつらじゃなく、俺に言え。』って啖呵切ったんだ。聞けばあんな風に向かえたのは俺たちだけじゃない。あそこで飲んでる魔物夫婦も、あっちで笑ってる親子もみんな旦那の一言でここに居座ってるんだ。ほんとのこと言うとな、ここにいる連中はみんな何かしらでギルドに追われていたり、教団から敵対視されたやつらばかりなんだぜ。」
「変わった御仁のようですね…。」
「変わり者さ。親魔物派とか反魔物派とかあるけど、あの旦那にしたらどこ吹く風よ。この世にあるものはあるがままってのが旦那のスタイルさ。だからさ、あんたたちもきっとここで住める。生きる糧がないなら、たぶんあの旦那が用意してくれるさ。だって俺の店だって旦那が用意したんだからな。」
はっきり言ってあの旦那は学園長なんてガラじゃない。
どこぞの国王にでもなってくれたら、面白い国を造ったかもしれない。
いやいや、それよりあの顔ならヤクザの大親分だ。
「おっとすまん。カアちゃんが呼んでるから、俺は行くぜ。ゆっくり飲んでいってくれよ。あんたたちは今日から俺たちの隣人だからな。困ったことがあったら八百屋のクライブのとこまで来なよ。結構俺、古株だから町中で力になるぜ。」
―――――――――――
変わった町だ。
あのオアシスとは雰囲気が違う。
かつて貧民街に追いやられる前からあの土地の人たちは余所余所しかった。
それが教団が来てから本格的に変わった…。
人々が彼らの言葉に耳を傾け、彼らは私たち魔物の危険性を訴え、人々がそれを砂が水を吸うように受け入れた。
この町は…、一体…。
「楽しんでいますか?」
同じリザードマンが声をかけてきた。
もしや、この方が…。
「自己紹介しておきましょう、私はアスティアと言います。」
「あ、あなたが…、あのアスティア…!?こ、これは失礼をしました!私はオアシス都市の…、いえ、元オアシス都市で暮らしておりましたアルフォンスと申します!このたびは大変ご迷惑を…!!」
「ああ、同族同士固くなるのは無しにしましょう。それにあなたの方が年長者のようですし、そんなに丁寧にならないで…。何かあれば、私たちがこの学園の裏に住んでいますので、いつでも声をかけてください。」
「は、はい!ありがとうございます!!」
あの剣聖と名高いアスティア様と会話してしまった…。
死んだ母がここにいたら、どんなに喜んだことか…。
「差し当たって住居ですが、しばらくは学園の校庭に仮の住まいを明日にでも造りますからそこを拠点としてください。うちの主人が後は何とかすると思いますので、何も心配はいりませんよ。」
「…何故、私たちにこんなに親切にしてくださるのですか?」
そう、さっきの人もそうだ。
あの人もどの人も親切だった。
オアシスで感じたことのない安らぎを感じた。
親魔物派の土地を旅したこともある。
でも…、ここまで自分が人間でないことを意識しないで良かった時間はない。
「さて…、どこからお話しましょうかね。色々と秘密にしなければいけないことが多いのですべては言えませんが…、簡単に言えば主人の主義です。主人は元々ジパングから来たので、人間と魔物がそこにいるのが当たり前だったというのでその生活スタイルを崩されるのが、嫌みたいなんですよね。たぶん、それだけです。」
「たったそれだけの理由で莫大な資金を使って、教会を敵に回せるのですか!?」
「その教会があんたらの引渡しを要請してきた。」
年配の男性が声をかけてきた。
「立ったまま失礼する。アスティアの夫、ロウガと申す。あんたらの亡命、歓迎するぜ。」
「オアシス亡命者のアルフォンスと申します。教会が…、我々の引渡しを言ってきたのですね…。」
これだけ親切にしてもらったが、やはり私たちは死ぬのだろう。
最後に暖かい気持ちを持たせてくれた彼らに感謝しよう…。
「おう。だから蹴った。」
「はっ?」
「だから、要請を即答で拒否してきた。」
「ふふふ、ロウガ…。君らしいね。」
そ、そんな…、あの教会を敵に回してしまう!
「わ、私たちは一度は死んだ身です。この町の方々を巻き込む訳にはいきません!どうか私たちを引き渡して…!」
「あんたはリザードマンだろう。自ら死に急ぐな。図太く、ふてぶてしく生きて、やつらを困らせてやれ。ここはあんたらのいたオアシス都市じゃない。いつまでも自分を卑下してはいけない。良いか、あんたら魔物も人間も変わらない。同じ時代を生きて、同じ時間を生きている。あんたも人間と同じように戦い、人間と同じように愛し、子を産み、次の世代に魂を継がしていくのだろう?なら、あんたらを守る理由はたったそれだけで十分だ。」
それは…、あの少年が言った言葉。
そうか、あの少年は彼の魂を受け継いでいるのだな…。
「と、言うことだ。あんたらがこれから住む家は時間がかかるかもしれないが、ここにいる全員分は何とかする。だから今日限り自分を卑下するのは辞めろ。特にあんたはリザードマンだ。その誇りのために戦い、誇りのために守れ。死ぬのは罪人としてじゃない。死ぬのは次世代のために戦う時だけだ。」
「…はい…はい!」
忘れかけていた熱いものが身体に甦る。
忘れかけていた誇り。
あの町で潰されそうだった魂が甦ってくる、そんな感覚。
「アスティア、後を頼む。これから仕事でな…。アヌビスを待たせている。」
「…そうか、気を付けてな。」
「ああ、行ってくる。」
ロウガ氏はそのまま去っていく。
学園長という仕事は実に多忙なのだろう。
こんな遅くになっても仕事とは…。
……この町で生きていこう。
死んでいった仲間たちのためにも。
この町で受けた親切に報いるためにも。
―――――――――――
「待たせたな。」
「いえ、ですが急がなければいけません。町議会の野党組織から抗議が出ています…。彼らは教会からの要請を独断で拒否したロウガさんを糾弾するつもりのようです。」
「出来るものならやってみろ。やつらが、あの亡命者たちを教団に渡すようだったら一暴れしてやるだけだ。」
クックック、といつものようにロウガさんは笑う。
「それと…、先程娼館のルゥさんから情報を得たのですが…。マイアさんとサクラ君が教団から指名手配されたそうです。」
「予想はしてたよ。もっともあいつらがあの状況を静観出来る訳がない。そういう性格なんだよ。娘も、サクラも。」
「マイアさんはわかりますが…、サクラ君は予想外でした。」
「あいつはな、あれで結構激しい性格してるんだよ。」
「…わかるのですか?」
「俺の若い頃と似てるんだよ、あいつはな。」
馬車に乗り込む。
私たちは議会で糾弾されるのだろう。
だが、彼らのために私たちは戦わなければならない。
「行くぞ。俺たちは俺たちの出来る戦いに向かう。」
「はい、私は全知識を以ってあなたをサポートしましょう。」
心なしか嬉しそうなロウガさん。
この人は…、どんなものでも戦うという行為に喜びを見出すのでしょうね。
「どうした、アヌビス。尻尾が激しく動いているぞ?」
「…そうですね。少々私とあろう者が武者震いをしてしまったようですね。」
そんなロウガさんを見ていると、私まで何か楽しいところに行くような気がしてしまう。
さあ、私には私にしか出来ないことをしよう。
あの人たちを守るために。
10/10/30 16:40更新 / 宿利京祐
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