2 深み
蒼い月の綺麗な夜。
ベッドでご主人様に寄り添っている。
最近は吸血鬼のご主人様に合わせて夜型の生活になってきている。早起きしてもご主人様は寝ているだけだ。彼女の眠りは深く、ちょっとやそっとじゃ起きない。大好きなご主人様が相手してくれないのは寂しいから起こす為にわざわざイケない悪戯をする。
彼女のおっぱいを鷲掴みし、下からすくい上げる様に揉みしだくのだ。
「悪い子ね」
ご主人様は眠そうな目をこすりつつ、おっぱいを勝手に揉んでいた玩具を抱き寄せてくれた。温かさ、柔らかさが心地いい。ぼくはこの人に全て捧げたい。
「血、吸って」
「貧血で倒れちゃうわよ。いいの?」
「いい」
ぼくの方からベッドの中で背伸びして。ご主人様はうずうずした様子でぼくの耳を甘噛みした。牙が耳たぶに立てられむず痒い。ご主人様の荒くなった息遣いを感じながら血を捧げれば頭がふわふわするけれど、嫌じゃない。体内に少しずつご主人様が入ってくるような不思議な感じ。全身をご主人様で包まれている様だ。ぼくはご主人様の供物だった。
「ふふ……美味しいわ。最初に吸わせてもらった時よりずっとね」
当たり前だ。ご主人様には毎日良いものを食べさせてもらっているし、綺麗にされている。たっぷり寝させてもらっているし、毎日スキンシップは欠かさない。一瞬ふらっとする。それさえも気持ちが良かった。
「ほら、貧血になっちゃってるじゃない。ベッドで寝てなさい」
「ごめんなさい。迷惑掛けて」
「ふふ…♪良いのよ。いっぱい甘えてくれて」
布団を優しく掛けられてしまう。後先考えずに血を吸ってもらうのをおねだりし、しょっちゅう貧血でふらふらしてしまっているのに、くすくす笑ってスキンシップばかりしてくるご主人様。つい最近まで貧民街でビクビクしていたのが嘘の様だ。全てが満たされ、毎日が温かい。
「血になる物たくさん作ってあげるから待ってなさい」
「……離れたくない…です」
布団から本音を覗かせると、ご主人様は笑顔を疼かせた。黒い笑顔だ。ぼくを玩具にする時の笑顔。でもこの笑顔が好きだった。食事が終わったらまたおっぱいをおねだりしたい。ぼくは楽しみにご主人様を待った。
「ふぇ〜♡エミィ〜ルゥ♡」
「!?」
扉を開けて顔が真っ赤なご主人様が戻って来た。足元はおぼつかず、目はとろんとしている。何があったんだろう。ベッドに飛び込んでくるご主人様の吐息は酒臭かった。
「お酒飲んだの?」
「のんれないよ?しゅこひなめたらけらよ?」
絶対嘘だ。酒は大人達が夢中になる危ない飲み物。貧民街でも誰かが酒を盗んでくると必ず騒ぎが起きた。酒の取り合いで殴り合いは起きるし、呑んだ人はおかしくなっていた。あのご主人様がこんなろれつの回らない姿で……
「何でお酒なんか…」
「らぁ〜ってぇ♪エミールにおいひぃおりょうり、つくったげるためらったのぉー♪」
料理酒を使っていたのか。でも今まではこんな事なかったのに。
「あのね、なのねぇ?エミールにげんきになってほひくてー、まかいわいんれぇ〜、にんにくとおにくをー、にこんれたんらけろねぇ〜?」
なんとなく想像はついた。ご主人様はぼくの為に酒とニンニクを使った滋養に良い料理を出そうとしてくれた。そうして味見か何かしている内に気分が乗って魔界ワインにを勢い任せに呑んでしまったに違いない。そのまま酔いつぶれてぼくの所に戻って来たんだろう。ろれつが回らない主人をベッドに寝かせる。布団をかぶせると上気した頬ととろんとした目で見つめられるとドキリとする。
「えへへ〜♪エミールのおかげでぇ〜♪もうひゃびひくないかりゃ〜♪」
「火、見てきますっ」
こんな様子じゃ火を消してきたか怪しい。厨房に入ると、美味しそうな匂いが漂っていた。火元はちゃんと消してあったが、調理具は乱雑に散らばったままだった。分かる範囲で洗って揃えておくと、自分とご主人様の分を持っていった。
「おひょい!」
「ふぇっ、ごめんなさい」
真っ赤な顔のご主人様はベッドで手足をばたつかせて駄々をこねていた。
「ごしゅりんひゃまをほぉってどこいってたのよぉ〜。ベアトリクスはおこってるりょ〜」
「お食事を持って来たんです」
べろんべろんに酔ってしまって威厳の欠片も無い。ベッドの彼女に料理を持っていくと、距離感が異常に近い。元からべたべたしてくるご主人様だったが、それでも理知的で母性的な女性だったのに。
「たべひゃへて」
「は、はい…」
折角寝かしてあげたのに、ベッドから上半身だけ起こし口をあけて瞳を閉じておねだりしてくる。年上の可愛らしい女性にスプーンを持っていく。ご主人様だった女性は素直にはむはむする。その様子がおっぱいをねだる子犬か子猫の様で、ひたすら胸が高鳴った。
「おまえもたべなひゃいっ!」
「は、はい…」
ぷんぷん怒る彼女は、自分の作った煮込み料理を無理矢理ぼくの口にねじ込んだ。
「ろぉお?おいひい?」
「美味しいです」
実際とても美味しかった。彼女の作る料理は皆美味しいけれど、この料理は特に美味しかった。彼女は真っ赤な顔で自信満々に頷く。
「おにくわいんにつけてねぇ〜?たいへんらったのよ〜♪にんにくをつかっれー。えみーるにげんきになってほしくれぇ〜〜♥」
「うぅ……」
完全に悪酔いしている。ニンニクは人間の身体を元気にすると聞いた事もあるし、吸血鬼の弱点だと噂で聞いた事もある。酒とニンニクの相乗効果でこんな事になってしまったのかもしれない。わざわざ弱点をぼくの為に用意してくれるなんて嬉しくて。
そんな事を考えていると、彼女は突然泣き出した。
「おまえがくるまれずっとひとりらったのよっ。どれらけひゃびひかったかわかる?」
「わ、わかりました。わかりましたから」
「わかってないっ。わかってくれるまれいっひょにねなひゃいっ!」
「え〜……」
この様子じゃ話は通じそうにない。ご主人様はベッドに座って自分の隣をバンバン叩いて座る事を促す。それにしたがって布団に滑り込む。
「うきゅ〜♪♪」
非常に酒臭い。相変わらずとても綺麗だけど、いつもの凛とした感じじゃなくて、ダダ甘で可愛い感じ。あまりにイメージが違い過ぎて戸惑う。
「なでて」
「え?」
「なでなひゃい」
「は、はぁ」
なでなですると、とても幸せそうに目を細める。可愛い。今までぼくを好き放題していたお姉さんがぼくに甘えている。サラサラの金髪を指で搦めて弄んでみると、ますます子猫の様な顔になった。
「ねぇえ〜♥わらひのことどーおもってる?」
「え」
「すき?ねぇえ〜すきぃ〜?すきぃ〜??」
「………ッ」
「あいひてりゅっていって?」
「…〜〜〜〜〜ッ!あ、ぁ………ぃ…して…………ます…」
「よかっらぁ〜♪わらひいつもいじわるりゃから……ほんとはらいしゅきなんらからね?」
潤んだ瞳で上目遣いで見つめられる。こちらが本心なのだろうか。
「いつもごめんらひゃぃ………どこもいかないでね…?」
「いかないですからっ。大丈夫ですっ」
ぼくの方からベッドに座りこむ彼女を抱きしめる。腕の中の彼女は安心した笑顔になってくれた。彼女の違った一面が見れた。今までの凛としたお姉さんはそこにおらず、やたらに甘えたがりの女の子がいるだけだった。
そのまま腕の中で寝息を立て始めた彼女とベッドに居た。
「〜〜〜〜〜〜ッ!あぁっもう!最悪っ!死にたい……!」
暫くしてご主人様が布団にくるまりぐるんぐるんとベッドで暴れている。
「ご主人様、そんな恥ずかしがらなくても、凄く可愛かったのに…」
ご主人様は布団の中に引き籠っていた。何とか慰めようと色々言ってみると、真っ赤っかなご主人様がずるりと出てきた。とても可愛らしい。でも気になる言葉を聞いた。
―エミールのお陰でさびしくない、お前が来るまで独りだった―
考えてみれば、魔物とはいえ貴族が広い屋敷に一人だけなのは気になる。召使い一人位居ても良いのに。屋敷の手入れも行き届いていないのだから無理をしているのも明らかだ。この際だから聞いてみたい。
「ねえ、ご主人様、なんで独りだったの?」
「別に良いでしょ」
ご主人様は立て続けに質問されてかなり動揺していた。でもここで聞かないと教えてくれそうにない。
「教えて。ご主人様の事は全部知りたい。なんで独りだったの?」
「女の過去なんて聞くもんじゃないわ」
「好きな人の過去だから」
「!」
ぼくは可能な限り真剣な目でご主人様を見た。酔って言い寄られた時に言いそびれた思いも添えた。ご主人様は一瞬たじろいで、瞳を閉じて、大昔を偲ぶように話し始めた。
「昔々…」
―昔々、小さな領地を治める諸侯がおりました。
諸侯は家族思いの良い父でした。でも最愛の妻に先立たれたのを切っ掛けに、病がちな娘を激しく溺愛する様になりました。領民に重い税金を課し、巻きあげた金全てを娘の為に使いました。娘が薔薇が欲しいと言えば庭に薔薇の庭園を作り、珍しい薔薇を見たいと言えば錬金術師を呼んで蒼い薔薇を作らせました。
ある日娘が不治の病に侵されました。諸侯は領地中から名医、錬金術師を呼びましたが娘は治りません。諸侯は娘を失う恐怖に負け、異教の呪(まじな)い師に助けを請いました。すると呪い師は娘に不死の吸血鬼になる呪いをかけたのです。娘は回復しましたが、重税で疲弊しきった領民は異教の呪い師にすがった諸侯を領民は許せませんでした。怒った領民は革命を起こし、諸侯と娘を断頭台に送りました。
娘は必死に抵抗して、全身に矢や剣を受けながら処刑寸前の父を助け出しました。しかし、民衆も、父でさえも、呪いで化け物になった娘の力を恐れ、全て逃げ出しました。とり残された娘は独り屋敷に住むようになりました。
終わりの無い退屈な人生を歩む呪いを背負って―
「さあ終わったわよ。つまらないでしょ?」
後味の悪い話だった。ご主人様はぼくよりずっと過酷な人生を歩んでいたんだ。けれどご主人様はあっけらかんと続ける。
「今の人間に興味なんて無いわ。あるのはエミールだけ」
ご主人様の香りがベッドルームを包む。ぼくは何と反応して良いか分からなかった。
気付くとベッドに引き倒されていた。
「さっきはよくもご主人様を虐めててくれたわね。悪い子にはお仕置きしてあげなきゃ」
「ひっ」
ご主人様はとても綺麗で、でも怖い顔をしていた。相変わらず赤い顔だけど、覚悟を決めた様な、後戻りできない様な顔になっている。不意に顔が迫ってきた。
「ッ!?」
いきなり口付けされる。強引に組み伏せられ、唇をひたすらに貪られた。逃げようにも頬に手を添えられていて許されない。舌まで入れられる。
「ん〜〜〜ッ!?ん〜〜〜〜ッ!」
「ぷはっ……抵抗して、そんなに嫌かしら」
「そんな事…」
嫌じゃない。戸惑っただけだった。ベッドで押し倒されるままにご主人様を見上げた。ご主人様もドキドキしているみたいだった。
「ぶっ壊してあげる」
ビリビリとぼくの服を破り捨て、ズボンも引きずりおろした。蒼いドレスを肩口からずらしていき、白くて立派なおっぱいをどーんとあふれさせた。
「ふふ。お前は私のものなの。しっかり刻みこんであげる」
ぼくはおっぱいに意識を奪われて答えられない。
ご主人様は構わず身体をぼくの方へ倒してきた。ふぁ…!胸におっぱいが当たって…!
「どうかしら?お前、おっぱいすきでしょ…?」
「はいっ、ごしゅじんさまの、だいすきですっ」
望み通りの答えが聞けて意地悪に笑う。白くて顔より立派なおっぱいが重さでゆやんゆよん垂れ下がって、ぼくの胸に押しつぶされる。そのまま身体を前後にスライドさせて撫でつける。おっぱいがぼくの胸からお腹を行ったり来たりして、どうにかなりそう。
「そう。その顔よ。ゆっくり壊していってあげる……」
首筋に舌を添わされる。牙を立てられ血を軽く吸われる。同時に魔力を少しずつ注がれていく。全身を貫く快楽に痺れる。ご主人様も焦点が合わない顔になっていく。互いに痺れていった。
「はぁ…はぁ…たまんないわ……真っ赤になって壊れていくお前の顔、最っ高…!」
何度も何度も口付けと吸血を交互に繰り返される。その度に全身を貫く快感に痺れ、力が抜けていく。ご主人様のお腹辺りにぼくのおちんちんを当ててしまった。
「生意気なおちんちんね……精一杯おっきくなって」
「ひゃっ」
腰を引こうとすると、ご主人様が優しく掴む。指で輪っかを作り扱かれた。細くて白い指がぼくを絡め取って離さない。
「私を孕ませる気満々じゃない。可愛い顔していやらしい子」
「そ、そんな事…」
「あら、身体は正直。おねだりしたらお前の望むままに奉仕してあげても良いのよ」
意地悪な笑みだ。牙がチラチラと見え隠れしている。怖くて素敵なご主人様がにんまり笑っている。今までだってそうだった。上辺だけ高圧的に見えても、必ず甘やかして望みを叶えてくれる…………筈だよね?
「ご、ごしゅじんさまを………ひっく、ください…」
「……ッ。良い子ね。どうして欲しいの?言ってごらんなさい?」
今にも襲いかからんとしているのに、言葉で痛ぶってくるご主人様。
「ごしゅじんさまのすきなようにッ…ぐすッ、こわしてほしいですッ……!」
「よく出来ましたぁ♪うふふ♪それじゃあパイズリっていうのやってあげるわね」
ご主人様は身をかがめておっぱいを近づけてくる。大きなおっぱいでおちんちんが挟まれた。大きなおっぱいに包まれるとおちんちんが見えなくなってしまう。柔らかくてすべすべしていて、温かい。
「ふぁっ」
「ここで唾液を垂らふの」
舌を伸ばしてだらりと涎を滴らせる。たぷたぷのおっぱいの谷間にたっぷりと唾液が溜まって、見た目もいやらしい。ご主人様は寄せて上げた特大おっぱいを少しだけ開いて、谷間の奥までしみこませる。
「気持ち好くなってきた?」
「さ、さいしょからっ…」
「ふふ♪おちんちん良い子良い子してあげる」
ご主人様は上下におっぱいを揺らし始めた。柔らかい白いおっぱいがふにゅふにゅとぼくを責めたてる。優しく温かい。おっぱいの間にぬるぬるの唾液が流れて滑らかでいやらしい感触。
「どう?」
「き、きもちぃ!」
最初から気持ち好いのに、意地悪な確認してくる。ご主人様は意地悪な笑顔で舌を伸ばして唾液を垂れ流す。おっぱいがいやらしくテラテラ光って、余計ドキドキする。
「うふ。お前の頑張ってる顔、すき♡」
「ふぁ」
おっぱいの上下運動が加速していく。
たぱんたぱんたぱんたぱんッ
「ふにゃぁっ、おっぱいっ。おっぱいっ」
「ふふ♪何よそれ」
得意げな顔でたぱんたぱんと大きな胸を揺らしつづける。
「ダメぇっ」
「何が駄目なの?」
「ッ。おしっこッ、したいッ」
急におちんちんがむずむずして来たので、トイレに行こうと起き上がるけど、ご主人様は許さない。
「はぁあぁ…♡いいわぁ♪しーしーしちゃいなさい♪」
「ダメッ、おトイレっ、おトイレぇッ!」
「いいから。ご主人様を信じて射精(だ)しちゃいなさい?」
「〜〜〜〜〜ッ!〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッッ!!ダメぇッッ!!」
ぴゅるっ
白いねばねばしたおしっこがご主人様を汚す。白い谷間に呑みこまれあふれ出るねばねばにうっとりしている。
「ぐすっ……ごめんなさいっ…ご主人様っ。ひっく。変なおしっこかけちゃった…」
「ちょっと、泣かないで?大丈夫だから。凄く嬉しい事なの。ね?」
泣いているぼくを見るなりおろおろしながら説明しだす。
「こっ、これは“せいえき”って言ってね?女の子を妊娠させる為のもの。気持ち好い時に射精るものなの。恥ずかしい事じゃないわ。素敵な男の子の証」
「ほ、ほんとぉ…?」
「あぁんもうっ。可愛いわねぇ。おちんちんと精液の正しい使い方……教えてあげる」
胸の谷間や鎖骨を汚す精液を指ですくって舐めながら脱ぎかけのドレスを完全に脱ぎ棄てていく。大きなおっぱいと、か細い腰、そして張りのある大きなお尻。傷一つなくて、凄く白い陶器みたいな身体だった。
「………と言っても私も男性経験は無いの。泣いて悦びなさい?ずぅぅ〜っと処女だった私を………お前だけにあげるんだから」
ご主人様は指で股の間をくぱぁっと開いた。
「これは…なに…?」
「おまんこ。膣ともいうの。おちんちんを受け入れる場所」
ご主人様はぼくに跨り…………ゆっくり、ゆっくり腰を落していった。
「ほぉら、挿入るわよ…!」
最後は一気に腰を落した。
――ずにゅッ
「…っ。んんぁん♡………ふぅーッ…ふぅッ…ふぅ…」
「んにゃあッ…!ごひゅひんはまぁ…!」
ご主人様もあいている方の手の指を甘噛みしてぞくぞくしていた。結合部から血がにじんでいた。掴んでいる方の指はたまたまをなぞっていた。
「ごしゅじんひゃまっ、ちが…でて…っ」
「気にッ、しないでぇ…♪初めての証だから…」
ご主人様がぬるりと動く。
「ちっちゃいわねぇっ……はぁあ…♡根元までっ、挿入ってるのに全然奥まで届かないわ」
ご主人様はどこか詰まらなさそうに、けれど嬉しそうに腰を落している。
でもぼくは中が気持ち好過ぎて…おちんちんが呑みこまれて、ぐりゅぐりゅされてぇっ…!?
「ちょっと何その顔……♡私がレイプしてるみたいじゃないっ…♪」
見下ろす満足げな顔が怖い。ご主人様は腰を引いた。
「ふぁあッ!まって!まってごしゅじんひゃまっ」
「待たない」
浮かせた腰をまた一気に下ろす。
「んぁあああああああ!ぬぇ!ぁえ!まっれ!まっれよぉ!」
「その顔…いいわぁ…♡ゾクゾクしちゃう」
ご主人様が腰を前後にゆっくり振りだす。ベッドはギシギシ軋んでいた。ぼくはのたうち回っていたに違いない。
「うふ…♪腰浮いてきてるっ、んっ♪」
「やぁ…!やぁあああっ!」
ご主人様の腰が止まった。少し困った顔をしていた。
「お前が言ったのよ。……好きな様に壊してほしいって」
「んぁ…!らって…!らって…!ぐすん……こんにゃのっ、ひもひよすひて…!」
「痛くないの?ぁっ♪嫌じゃないのね…?」
吐息がかかる位顔を近づけられて確認される。気持ち好いだけ。暴力的なまでに。上からも下からも締め上げられて、奥へ奥へ吸い上げられている。先っぽに柔らかいひだひだが当たって、くすぐってくる。ねちょねちょ肉がぬめぬめ絡みついてくる。ぼくはご主人様の確認にゆっくり息を整えてから頷いた。
「ひっく……うん」
「じゃあ壊していいのね…?」
「ふぇ、やひゃひくひてえ……!」
ご主人様がぼくの涙を舐め取ったのを見て、自分がまた泣いているのに気付いた。
「そう。優しく…ゆっくり…………壊してあげる♡」
「ひっ…」
ご主人様はゆったりゆっくり腰を上下に振り始めた。ご主人様の中でもみくちゃにされちゃってぇ…!
「いま…ひゃっ♪どうなってるか…んっ…いってごらんなさぃっ?」
「おちんちんがっ…!ごしゅひんひゃまのに…っささっててえ…!」
意地悪に見降ろすご主人様が腰を段々腰を速くしていく。ぼくはどうする事も出来ずにのたうち回った。
「ふふっ…!悪くない気分だわっ…♪んっ♪」
楽しんでいる。恐ろしい顔をされた。
「お前が悪いのよ…♪可愛い顔してっ、優しくしてあげてるのにぃっ……♪ぁん♪勝手に感じまくってえ…!」
「らって、ごひゅひんひゃまっ、ひゅきらし…!ひもひぃひ…!」
確かにご主人様はゆったり腰を動かしていた。でもあまりに気持ち好過ぎた。今まで味わった事の無いものだった。
「えっちは、んッ♡普通っ、男が女を責めたてるものなのよ…!それなのにっ、情けない子ねっ…♪」
ご主人様が一際意地悪に口元を歪めてから、少しずつ少しずつ加速していった。
「アぁあああッ!ご主人ひゃまァッ!まっれッ!ほんとにぃ…!」
「ダメ。わたしもっ、けっこうよゆうなぃ……しぃ…!はぁあッ♡」
ベッドの上で意地悪なご主人様がどんどん勢い任せの腰遣いになっていく。ぼくはご主人様の中でしゃぶり尽くされた。ぼくの下腹部がまた精液を送り出そうとしていた。
「ぬいてぇっ…!にゃぁ…!でひゃぅ…!」
「…♡いいから♪ほら♪ほらぁっ♪ほらぁあ…♡」
ご主人様は前のめりにしっかりベッドに手を突いてガンガン腰を振りはじめた。ベッドが軋んで下腹部へ何かが流れこんでいく。必死に我慢しているのにご主人様はぐりぐり責めたててくる。
「ぁああ!ごめんなひゃいごひゅひんひゃまぁあ!」
「んあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁッ!〜〜〜んんんんん♡」
どくんッ
脈打つぼくのおちんちん。止めようと力むけど、ぼくのおちんちんはどくどくして言う事を聞かない。
どくんッ、どくんッ、どくんッ
「…♪これがっ、なかだしぃぃい…♪ながれこんでくるぅぅぅ……んん♪」
「ごめんなひゃいっ、ごめんなひゃいっ……ぐすッ」
謝っても止まらない精液。ご主人様を何度も汚している腰が勝手にどんどん浮き上がって、どうしても止められない。
「んんんんんんーッ♪あぁぁあん♪ァッ♪ァッ♪ァッ♪……ひゅごい♪」
「ひっく。ぐずッ…」
ご主人様は腰を上げた。ご主人様の中から萎えきったおちんちんがとろんと出てくる。ぼくの先っぽからは、白い粘液が糸を引いてご主人様と繋がっていた。
「はぁ、はぁ、はぁ。これが…セックス。えっちともいうの。はぁ…はぁ…女の子のおまんこの中に精液ぴゅっぴゅするの。はぁ…はぁ…こうやって、はぁ…はぁ…赤ちゃん作るのよ」
「赤ちゃん…?」
「まぁ不死身の魔物は妊娠しないらしいけどね。諸侯の女は世継ぎを生むのが一番の大仕事なのに、それすらできないなんてね」
ご主人様は少し寂しそうな顔で身体をずらし、隣に身体を横たえた。
「はぁ…はぁ…はぁ…ご主人…さ…ま……」
「乱れたエミール、可愛かったわよ…」
先程までの意地悪なご主人様は居ない。ベッドで裸で抱きしめて優しく甘く撫でてくれる。
「意地悪しちゃってごめんね。これからはもう少し優しくするから」
「はぁ…はぁ…はぁ…いいんです…はぁ…はぁ…ご主人様と一緒になれて……幸せだから…」
全て話して歯止めが利かなくなった。お互い一人ぼっちだった。まだ心の隙間を埋めていない。
「ご主人さま……また…キスしたいです」
「ッ♡ 良い子ね。ご褒美」
唇を重ねられ、啄ばむ。体格差は大きいけれど、ぼくに合わせて体勢を変えてくれる。
ぼくがご主人様に出来る事は、なるべくご主人様の思い通りに甘えて互いに気持ち好くなりたい。
長い金髪を耳にかけ、初体験の時よりも随分優しくキスされた。頬に手を添えられ、やんわり逃げられない様にされるが、逃げるつもりは無い。
「ちゅぷ………んふふ♪」
「ご主人様……唇…美味しい…」
唇を離しては重ねる繰り返し。二人の間のベッドシーツに滴る涎の染み。
寝室にキスの音だけがする。ぼくはご主人様の匂いを感じながら、間近のご主人様のまつ毛を見た。金色のまつ毛が潤んでいて綺麗だった。ご主人様の牙は長くて、キスで舌を絡み合わせると軽く当たる。
「ん……ん…んん………」
ひとしきりキスをして。満足いくまで互いの唇を重ねて。互いの匂いを確かめ合って。
名残を惜しんで未だに繋がる唾液が切れて互いの目線を合わせてはにかんだ。
「ご主人様……したい」
「あんっ」
ぼくは必死にご主人様を押し倒そうとした。ご主人様はくすくす笑って、ぼくを受け入れる為仰向けに綺麗な脚を大きく開いて指でおまんこをくぱぁっと開いた。
「ごしゅじんさまっ」
ご主人様に覆いかぶさって突き挿入れた。
「あんっ」
「ごしゅじんさまっ、いいっ……れすっ」
「必死に腰振って、ぁんっ、ご主人様がっ、そんなにっ、はぁっ…♪好いの?」
「うんっ、すきっ」
正直に伝えた。ご主人様はぞくぞくしているみたいだった。
ぼくはベッドに手を突いて、ご主人様にがっついた。
「ぃぃい♡お前のっ、その必死な顔ぉ♪」
ご主人様の膣内(なか)はとても気持ち好い。ぬるぬるのひだひだが先っぽをねぶってきて。
「本能って凄いわねえっ♪何にも知らなかった子が私を…♪」
「すきっ、すきごしゅじんさまっ」
ぼくは腰を深く挿入れた。ご主人様は少し仰け反りかけた。
「ふふっ♪なまいきッ…♪」
ご主人様が意地悪に笑って脚を絡めてきた。白い太ももがぼくを挟んでぐいぐい引き寄せられ、奥へ奥へ呑みこまれる。上で責めたててるのはぼくなのに。
「ごしゅじんさまぁ!さいこぉだよぉッ!」
必死にキスしようとするけど、ご主人様の顔が少し遠かった。ご主人様の方から顔を近づけてくれた。ご主人様が手を添え、優しく唇を重ねてくれた。自分の小さい身体が恥ずかしい…
「ぷは……愛してる。お前の全てを」
キス越しに血を吸われて余計に気持ち好い。ご主人様の整った顔がこんなに近くにあって幸せだ。ご主人様で満たされていく。ぼくもご主人様を満たしたい。腰をいっぱい奥に押し込んだ。
「ひゃぁあんッ♡」
腰をぐりぐりすると、ご主人様が喘いでくれた。
「かわいいれすっ。ごひゅひんひゃまぁ!」
「何よぉ。ろれつの回らないトロ顔でぇ」
甘く激しいえっち。どんどん腰を打ちつける。白いベッドシーツに広がったキラキラした金髪。ギシギシいうベッド。荒い息遣い。ぼくたちは高まっていく。
「エミールっ、いいわっぁ♪ひゃぁあん♪いいぃっ♪」
「すきれすっ!すきっ!すきっ!すきっ!」
どれだけ求めても物足りなかった。ご主人様は優しくて、意地悪で、ぼくを好きなように攻めさせてくれるけれど、必ず反撃してくる。気持ち好くて、どうにかなっちゃいそうだった。単調に突いてばかりいると、ご主人様が咥えこんだ股や脚でぼくを優しく導いてくれる。
「あんっ♡あっ、ひっ、エミールっ♡」
「ごしゅじんさまあッ!」
どくんっ、どくんっ…!
下腹部から何かが吸い上げられるような感覚。同時に激しく抱き寄せられて、大きな胸に呑みこまれる。丁度目の前にあった乳首を口に含む。
「やぁん♡赤ちゃんみたい…♪」
そのまま甘く蕩ける何かを飲まされて身体に満ちていく。血を吸われた時の気持ち好さがまた襲ってきて、ぼくは幸せだった。
「まだまだ頑張れるでしょ?」
「はい…♡」
ぼくはご主人様に腰を入れてまた振り出した。
「んふ♪頑張って♡」
「んん〜ッ!」
くちゅくちゅと腰を振って、ご主人様を満足させる為に頑張る。
うずうずした顔でぼくを受け止める彼女は口元を歪ませて牙を見せた。
一度知ってしまった魔性のえっちに、ぼくはのめり込んでいった。
to be continued
ベッドでご主人様に寄り添っている。
最近は吸血鬼のご主人様に合わせて夜型の生活になってきている。早起きしてもご主人様は寝ているだけだ。彼女の眠りは深く、ちょっとやそっとじゃ起きない。大好きなご主人様が相手してくれないのは寂しいから起こす為にわざわざイケない悪戯をする。
彼女のおっぱいを鷲掴みし、下からすくい上げる様に揉みしだくのだ。
「悪い子ね」
ご主人様は眠そうな目をこすりつつ、おっぱいを勝手に揉んでいた玩具を抱き寄せてくれた。温かさ、柔らかさが心地いい。ぼくはこの人に全て捧げたい。
「血、吸って」
「貧血で倒れちゃうわよ。いいの?」
「いい」
ぼくの方からベッドの中で背伸びして。ご主人様はうずうずした様子でぼくの耳を甘噛みした。牙が耳たぶに立てられむず痒い。ご主人様の荒くなった息遣いを感じながら血を捧げれば頭がふわふわするけれど、嫌じゃない。体内に少しずつご主人様が入ってくるような不思議な感じ。全身をご主人様で包まれている様だ。ぼくはご主人様の供物だった。
「ふふ……美味しいわ。最初に吸わせてもらった時よりずっとね」
当たり前だ。ご主人様には毎日良いものを食べさせてもらっているし、綺麗にされている。たっぷり寝させてもらっているし、毎日スキンシップは欠かさない。一瞬ふらっとする。それさえも気持ちが良かった。
「ほら、貧血になっちゃってるじゃない。ベッドで寝てなさい」
「ごめんなさい。迷惑掛けて」
「ふふ…♪良いのよ。いっぱい甘えてくれて」
布団を優しく掛けられてしまう。後先考えずに血を吸ってもらうのをおねだりし、しょっちゅう貧血でふらふらしてしまっているのに、くすくす笑ってスキンシップばかりしてくるご主人様。つい最近まで貧民街でビクビクしていたのが嘘の様だ。全てが満たされ、毎日が温かい。
「血になる物たくさん作ってあげるから待ってなさい」
「……離れたくない…です」
布団から本音を覗かせると、ご主人様は笑顔を疼かせた。黒い笑顔だ。ぼくを玩具にする時の笑顔。でもこの笑顔が好きだった。食事が終わったらまたおっぱいをおねだりしたい。ぼくは楽しみにご主人様を待った。
「ふぇ〜♡エミィ〜ルゥ♡」
「!?」
扉を開けて顔が真っ赤なご主人様が戻って来た。足元はおぼつかず、目はとろんとしている。何があったんだろう。ベッドに飛び込んでくるご主人様の吐息は酒臭かった。
「お酒飲んだの?」
「のんれないよ?しゅこひなめたらけらよ?」
絶対嘘だ。酒は大人達が夢中になる危ない飲み物。貧民街でも誰かが酒を盗んでくると必ず騒ぎが起きた。酒の取り合いで殴り合いは起きるし、呑んだ人はおかしくなっていた。あのご主人様がこんなろれつの回らない姿で……
「何でお酒なんか…」
「らぁ〜ってぇ♪エミールにおいひぃおりょうり、つくったげるためらったのぉー♪」
料理酒を使っていたのか。でも今まではこんな事なかったのに。
「あのね、なのねぇ?エミールにげんきになってほひくてー、まかいわいんれぇ〜、にんにくとおにくをー、にこんれたんらけろねぇ〜?」
なんとなく想像はついた。ご主人様はぼくの為に酒とニンニクを使った滋養に良い料理を出そうとしてくれた。そうして味見か何かしている内に気分が乗って魔界ワインにを勢い任せに呑んでしまったに違いない。そのまま酔いつぶれてぼくの所に戻って来たんだろう。ろれつが回らない主人をベッドに寝かせる。布団をかぶせると上気した頬ととろんとした目で見つめられるとドキリとする。
「えへへ〜♪エミールのおかげでぇ〜♪もうひゃびひくないかりゃ〜♪」
「火、見てきますっ」
こんな様子じゃ火を消してきたか怪しい。厨房に入ると、美味しそうな匂いが漂っていた。火元はちゃんと消してあったが、調理具は乱雑に散らばったままだった。分かる範囲で洗って揃えておくと、自分とご主人様の分を持っていった。
「おひょい!」
「ふぇっ、ごめんなさい」
真っ赤な顔のご主人様はベッドで手足をばたつかせて駄々をこねていた。
「ごしゅりんひゃまをほぉってどこいってたのよぉ〜。ベアトリクスはおこってるりょ〜」
「お食事を持って来たんです」
べろんべろんに酔ってしまって威厳の欠片も無い。ベッドの彼女に料理を持っていくと、距離感が異常に近い。元からべたべたしてくるご主人様だったが、それでも理知的で母性的な女性だったのに。
「たべひゃへて」
「は、はい…」
折角寝かしてあげたのに、ベッドから上半身だけ起こし口をあけて瞳を閉じておねだりしてくる。年上の可愛らしい女性にスプーンを持っていく。ご主人様だった女性は素直にはむはむする。その様子がおっぱいをねだる子犬か子猫の様で、ひたすら胸が高鳴った。
「おまえもたべなひゃいっ!」
「は、はい…」
ぷんぷん怒る彼女は、自分の作った煮込み料理を無理矢理ぼくの口にねじ込んだ。
「ろぉお?おいひい?」
「美味しいです」
実際とても美味しかった。彼女の作る料理は皆美味しいけれど、この料理は特に美味しかった。彼女は真っ赤な顔で自信満々に頷く。
「おにくわいんにつけてねぇ〜?たいへんらったのよ〜♪にんにくをつかっれー。えみーるにげんきになってほしくれぇ〜〜♥」
「うぅ……」
完全に悪酔いしている。ニンニクは人間の身体を元気にすると聞いた事もあるし、吸血鬼の弱点だと噂で聞いた事もある。酒とニンニクの相乗効果でこんな事になってしまったのかもしれない。わざわざ弱点をぼくの為に用意してくれるなんて嬉しくて。
そんな事を考えていると、彼女は突然泣き出した。
「おまえがくるまれずっとひとりらったのよっ。どれらけひゃびひかったかわかる?」
「わ、わかりました。わかりましたから」
「わかってないっ。わかってくれるまれいっひょにねなひゃいっ!」
「え〜……」
この様子じゃ話は通じそうにない。ご主人様はベッドに座って自分の隣をバンバン叩いて座る事を促す。それにしたがって布団に滑り込む。
「うきゅ〜♪♪」
非常に酒臭い。相変わらずとても綺麗だけど、いつもの凛とした感じじゃなくて、ダダ甘で可愛い感じ。あまりにイメージが違い過ぎて戸惑う。
「なでて」
「え?」
「なでなひゃい」
「は、はぁ」
なでなですると、とても幸せそうに目を細める。可愛い。今までぼくを好き放題していたお姉さんがぼくに甘えている。サラサラの金髪を指で搦めて弄んでみると、ますます子猫の様な顔になった。
「ねぇえ〜♥わらひのことどーおもってる?」
「え」
「すき?ねぇえ〜すきぃ〜?すきぃ〜??」
「………ッ」
「あいひてりゅっていって?」
「…〜〜〜〜〜ッ!あ、ぁ………ぃ…して…………ます…」
「よかっらぁ〜♪わらひいつもいじわるりゃから……ほんとはらいしゅきなんらからね?」
潤んだ瞳で上目遣いで見つめられる。こちらが本心なのだろうか。
「いつもごめんらひゃぃ………どこもいかないでね…?」
「いかないですからっ。大丈夫ですっ」
ぼくの方からベッドに座りこむ彼女を抱きしめる。腕の中の彼女は安心した笑顔になってくれた。彼女の違った一面が見れた。今までの凛としたお姉さんはそこにおらず、やたらに甘えたがりの女の子がいるだけだった。
そのまま腕の中で寝息を立て始めた彼女とベッドに居た。
「〜〜〜〜〜〜ッ!あぁっもう!最悪っ!死にたい……!」
暫くしてご主人様が布団にくるまりぐるんぐるんとベッドで暴れている。
「ご主人様、そんな恥ずかしがらなくても、凄く可愛かったのに…」
ご主人様は布団の中に引き籠っていた。何とか慰めようと色々言ってみると、真っ赤っかなご主人様がずるりと出てきた。とても可愛らしい。でも気になる言葉を聞いた。
―エミールのお陰でさびしくない、お前が来るまで独りだった―
考えてみれば、魔物とはいえ貴族が広い屋敷に一人だけなのは気になる。召使い一人位居ても良いのに。屋敷の手入れも行き届いていないのだから無理をしているのも明らかだ。この際だから聞いてみたい。
「ねえ、ご主人様、なんで独りだったの?」
「別に良いでしょ」
ご主人様は立て続けに質問されてかなり動揺していた。でもここで聞かないと教えてくれそうにない。
「教えて。ご主人様の事は全部知りたい。なんで独りだったの?」
「女の過去なんて聞くもんじゃないわ」
「好きな人の過去だから」
「!」
ぼくは可能な限り真剣な目でご主人様を見た。酔って言い寄られた時に言いそびれた思いも添えた。ご主人様は一瞬たじろいで、瞳を閉じて、大昔を偲ぶように話し始めた。
「昔々…」
―昔々、小さな領地を治める諸侯がおりました。
諸侯は家族思いの良い父でした。でも最愛の妻に先立たれたのを切っ掛けに、病がちな娘を激しく溺愛する様になりました。領民に重い税金を課し、巻きあげた金全てを娘の為に使いました。娘が薔薇が欲しいと言えば庭に薔薇の庭園を作り、珍しい薔薇を見たいと言えば錬金術師を呼んで蒼い薔薇を作らせました。
ある日娘が不治の病に侵されました。諸侯は領地中から名医、錬金術師を呼びましたが娘は治りません。諸侯は娘を失う恐怖に負け、異教の呪(まじな)い師に助けを請いました。すると呪い師は娘に不死の吸血鬼になる呪いをかけたのです。娘は回復しましたが、重税で疲弊しきった領民は異教の呪い師にすがった諸侯を領民は許せませんでした。怒った領民は革命を起こし、諸侯と娘を断頭台に送りました。
娘は必死に抵抗して、全身に矢や剣を受けながら処刑寸前の父を助け出しました。しかし、民衆も、父でさえも、呪いで化け物になった娘の力を恐れ、全て逃げ出しました。とり残された娘は独り屋敷に住むようになりました。
終わりの無い退屈な人生を歩む呪いを背負って―
「さあ終わったわよ。つまらないでしょ?」
後味の悪い話だった。ご主人様はぼくよりずっと過酷な人生を歩んでいたんだ。けれどご主人様はあっけらかんと続ける。
「今の人間に興味なんて無いわ。あるのはエミールだけ」
ご主人様の香りがベッドルームを包む。ぼくは何と反応して良いか分からなかった。
気付くとベッドに引き倒されていた。
「さっきはよくもご主人様を虐めててくれたわね。悪い子にはお仕置きしてあげなきゃ」
「ひっ」
ご主人様はとても綺麗で、でも怖い顔をしていた。相変わらず赤い顔だけど、覚悟を決めた様な、後戻りできない様な顔になっている。不意に顔が迫ってきた。
「ッ!?」
いきなり口付けされる。強引に組み伏せられ、唇をひたすらに貪られた。逃げようにも頬に手を添えられていて許されない。舌まで入れられる。
「ん〜〜〜ッ!?ん〜〜〜〜ッ!」
「ぷはっ……抵抗して、そんなに嫌かしら」
「そんな事…」
嫌じゃない。戸惑っただけだった。ベッドで押し倒されるままにご主人様を見上げた。ご主人様もドキドキしているみたいだった。
「ぶっ壊してあげる」
ビリビリとぼくの服を破り捨て、ズボンも引きずりおろした。蒼いドレスを肩口からずらしていき、白くて立派なおっぱいをどーんとあふれさせた。
「ふふ。お前は私のものなの。しっかり刻みこんであげる」
ぼくはおっぱいに意識を奪われて答えられない。
ご主人様は構わず身体をぼくの方へ倒してきた。ふぁ…!胸におっぱいが当たって…!
「どうかしら?お前、おっぱいすきでしょ…?」
「はいっ、ごしゅじんさまの、だいすきですっ」
望み通りの答えが聞けて意地悪に笑う。白くて顔より立派なおっぱいが重さでゆやんゆよん垂れ下がって、ぼくの胸に押しつぶされる。そのまま身体を前後にスライドさせて撫でつける。おっぱいがぼくの胸からお腹を行ったり来たりして、どうにかなりそう。
「そう。その顔よ。ゆっくり壊していってあげる……」
首筋に舌を添わされる。牙を立てられ血を軽く吸われる。同時に魔力を少しずつ注がれていく。全身を貫く快楽に痺れる。ご主人様も焦点が合わない顔になっていく。互いに痺れていった。
「はぁ…はぁ…たまんないわ……真っ赤になって壊れていくお前の顔、最っ高…!」
何度も何度も口付けと吸血を交互に繰り返される。その度に全身を貫く快感に痺れ、力が抜けていく。ご主人様のお腹辺りにぼくのおちんちんを当ててしまった。
「生意気なおちんちんね……精一杯おっきくなって」
「ひゃっ」
腰を引こうとすると、ご主人様が優しく掴む。指で輪っかを作り扱かれた。細くて白い指がぼくを絡め取って離さない。
「私を孕ませる気満々じゃない。可愛い顔していやらしい子」
「そ、そんな事…」
「あら、身体は正直。おねだりしたらお前の望むままに奉仕してあげても良いのよ」
意地悪な笑みだ。牙がチラチラと見え隠れしている。怖くて素敵なご主人様がにんまり笑っている。今までだってそうだった。上辺だけ高圧的に見えても、必ず甘やかして望みを叶えてくれる…………筈だよね?
「ご、ごしゅじんさまを………ひっく、ください…」
「……ッ。良い子ね。どうして欲しいの?言ってごらんなさい?」
今にも襲いかからんとしているのに、言葉で痛ぶってくるご主人様。
「ごしゅじんさまのすきなようにッ…ぐすッ、こわしてほしいですッ……!」
「よく出来ましたぁ♪うふふ♪それじゃあパイズリっていうのやってあげるわね」
ご主人様は身をかがめておっぱいを近づけてくる。大きなおっぱいでおちんちんが挟まれた。大きなおっぱいに包まれるとおちんちんが見えなくなってしまう。柔らかくてすべすべしていて、温かい。
「ふぁっ」
「ここで唾液を垂らふの」
舌を伸ばしてだらりと涎を滴らせる。たぷたぷのおっぱいの谷間にたっぷりと唾液が溜まって、見た目もいやらしい。ご主人様は寄せて上げた特大おっぱいを少しだけ開いて、谷間の奥までしみこませる。
「気持ち好くなってきた?」
「さ、さいしょからっ…」
「ふふ♪おちんちん良い子良い子してあげる」
ご主人様は上下におっぱいを揺らし始めた。柔らかい白いおっぱいがふにゅふにゅとぼくを責めたてる。優しく温かい。おっぱいの間にぬるぬるの唾液が流れて滑らかでいやらしい感触。
「どう?」
「き、きもちぃ!」
最初から気持ち好いのに、意地悪な確認してくる。ご主人様は意地悪な笑顔で舌を伸ばして唾液を垂れ流す。おっぱいがいやらしくテラテラ光って、余計ドキドキする。
「うふ。お前の頑張ってる顔、すき♡」
「ふぁ」
おっぱいの上下運動が加速していく。
たぱんたぱんたぱんたぱんッ
「ふにゃぁっ、おっぱいっ。おっぱいっ」
「ふふ♪何よそれ」
得意げな顔でたぱんたぱんと大きな胸を揺らしつづける。
「ダメぇっ」
「何が駄目なの?」
「ッ。おしっこッ、したいッ」
急におちんちんがむずむずして来たので、トイレに行こうと起き上がるけど、ご主人様は許さない。
「はぁあぁ…♡いいわぁ♪しーしーしちゃいなさい♪」
「ダメッ、おトイレっ、おトイレぇッ!」
「いいから。ご主人様を信じて射精(だ)しちゃいなさい?」
「〜〜〜〜〜ッ!〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッッ!!ダメぇッッ!!」
ぴゅるっ
白いねばねばしたおしっこがご主人様を汚す。白い谷間に呑みこまれあふれ出るねばねばにうっとりしている。
「ぐすっ……ごめんなさいっ…ご主人様っ。ひっく。変なおしっこかけちゃった…」
「ちょっと、泣かないで?大丈夫だから。凄く嬉しい事なの。ね?」
泣いているぼくを見るなりおろおろしながら説明しだす。
「こっ、これは“せいえき”って言ってね?女の子を妊娠させる為のもの。気持ち好い時に射精るものなの。恥ずかしい事じゃないわ。素敵な男の子の証」
「ほ、ほんとぉ…?」
「あぁんもうっ。可愛いわねぇ。おちんちんと精液の正しい使い方……教えてあげる」
胸の谷間や鎖骨を汚す精液を指ですくって舐めながら脱ぎかけのドレスを完全に脱ぎ棄てていく。大きなおっぱいと、か細い腰、そして張りのある大きなお尻。傷一つなくて、凄く白い陶器みたいな身体だった。
「………と言っても私も男性経験は無いの。泣いて悦びなさい?ずぅぅ〜っと処女だった私を………お前だけにあげるんだから」
ご主人様は指で股の間をくぱぁっと開いた。
「これは…なに…?」
「おまんこ。膣ともいうの。おちんちんを受け入れる場所」
ご主人様はぼくに跨り…………ゆっくり、ゆっくり腰を落していった。
「ほぉら、挿入るわよ…!」
最後は一気に腰を落した。
――ずにゅッ
「…っ。んんぁん♡………ふぅーッ…ふぅッ…ふぅ…」
「んにゃあッ…!ごひゅひんはまぁ…!」
ご主人様もあいている方の手の指を甘噛みしてぞくぞくしていた。結合部から血がにじんでいた。掴んでいる方の指はたまたまをなぞっていた。
「ごしゅじんひゃまっ、ちが…でて…っ」
「気にッ、しないでぇ…♪初めての証だから…」
ご主人様がぬるりと動く。
「ちっちゃいわねぇっ……はぁあ…♡根元までっ、挿入ってるのに全然奥まで届かないわ」
ご主人様はどこか詰まらなさそうに、けれど嬉しそうに腰を落している。
でもぼくは中が気持ち好過ぎて…おちんちんが呑みこまれて、ぐりゅぐりゅされてぇっ…!?
「ちょっと何その顔……♡私がレイプしてるみたいじゃないっ…♪」
見下ろす満足げな顔が怖い。ご主人様は腰を引いた。
「ふぁあッ!まって!まってごしゅじんひゃまっ」
「待たない」
浮かせた腰をまた一気に下ろす。
「んぁあああああああ!ぬぇ!ぁえ!まっれ!まっれよぉ!」
「その顔…いいわぁ…♡ゾクゾクしちゃう」
ご主人様が腰を前後にゆっくり振りだす。ベッドはギシギシ軋んでいた。ぼくはのたうち回っていたに違いない。
「うふ…♪腰浮いてきてるっ、んっ♪」
「やぁ…!やぁあああっ!」
ご主人様の腰が止まった。少し困った顔をしていた。
「お前が言ったのよ。……好きな様に壊してほしいって」
「んぁ…!らって…!らって…!ぐすん……こんにゃのっ、ひもひよすひて…!」
「痛くないの?ぁっ♪嫌じゃないのね…?」
吐息がかかる位顔を近づけられて確認される。気持ち好いだけ。暴力的なまでに。上からも下からも締め上げられて、奥へ奥へ吸い上げられている。先っぽに柔らかいひだひだが当たって、くすぐってくる。ねちょねちょ肉がぬめぬめ絡みついてくる。ぼくはご主人様の確認にゆっくり息を整えてから頷いた。
「ひっく……うん」
「じゃあ壊していいのね…?」
「ふぇ、やひゃひくひてえ……!」
ご主人様がぼくの涙を舐め取ったのを見て、自分がまた泣いているのに気付いた。
「そう。優しく…ゆっくり…………壊してあげる♡」
「ひっ…」
ご主人様はゆったりゆっくり腰を上下に振り始めた。ご主人様の中でもみくちゃにされちゃってぇ…!
「いま…ひゃっ♪どうなってるか…んっ…いってごらんなさぃっ?」
「おちんちんがっ…!ごしゅひんひゃまのに…っささっててえ…!」
意地悪に見降ろすご主人様が腰を段々腰を速くしていく。ぼくはどうする事も出来ずにのたうち回った。
「ふふっ…!悪くない気分だわっ…♪んっ♪」
楽しんでいる。恐ろしい顔をされた。
「お前が悪いのよ…♪可愛い顔してっ、優しくしてあげてるのにぃっ……♪ぁん♪勝手に感じまくってえ…!」
「らって、ごひゅひんひゃまっ、ひゅきらし…!ひもひぃひ…!」
確かにご主人様はゆったり腰を動かしていた。でもあまりに気持ち好過ぎた。今まで味わった事の無いものだった。
「えっちは、んッ♡普通っ、男が女を責めたてるものなのよ…!それなのにっ、情けない子ねっ…♪」
ご主人様が一際意地悪に口元を歪めてから、少しずつ少しずつ加速していった。
「アぁあああッ!ご主人ひゃまァッ!まっれッ!ほんとにぃ…!」
「ダメ。わたしもっ、けっこうよゆうなぃ……しぃ…!はぁあッ♡」
ベッドの上で意地悪なご主人様がどんどん勢い任せの腰遣いになっていく。ぼくはご主人様の中でしゃぶり尽くされた。ぼくの下腹部がまた精液を送り出そうとしていた。
「ぬいてぇっ…!にゃぁ…!でひゃぅ…!」
「…♡いいから♪ほら♪ほらぁっ♪ほらぁあ…♡」
ご主人様は前のめりにしっかりベッドに手を突いてガンガン腰を振りはじめた。ベッドが軋んで下腹部へ何かが流れこんでいく。必死に我慢しているのにご主人様はぐりぐり責めたててくる。
「ぁああ!ごめんなひゃいごひゅひんひゃまぁあ!」
「んあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁッ!〜〜〜んんんんん♡」
どくんッ
脈打つぼくのおちんちん。止めようと力むけど、ぼくのおちんちんはどくどくして言う事を聞かない。
どくんッ、どくんッ、どくんッ
「…♪これがっ、なかだしぃぃい…♪ながれこんでくるぅぅぅ……んん♪」
「ごめんなひゃいっ、ごめんなひゃいっ……ぐすッ」
謝っても止まらない精液。ご主人様を何度も汚している腰が勝手にどんどん浮き上がって、どうしても止められない。
「んんんんんんーッ♪あぁぁあん♪ァッ♪ァッ♪ァッ♪……ひゅごい♪」
「ひっく。ぐずッ…」
ご主人様は腰を上げた。ご主人様の中から萎えきったおちんちんがとろんと出てくる。ぼくの先っぽからは、白い粘液が糸を引いてご主人様と繋がっていた。
「はぁ、はぁ、はぁ。これが…セックス。えっちともいうの。はぁ…はぁ…女の子のおまんこの中に精液ぴゅっぴゅするの。はぁ…はぁ…こうやって、はぁ…はぁ…赤ちゃん作るのよ」
「赤ちゃん…?」
「まぁ不死身の魔物は妊娠しないらしいけどね。諸侯の女は世継ぎを生むのが一番の大仕事なのに、それすらできないなんてね」
ご主人様は少し寂しそうな顔で身体をずらし、隣に身体を横たえた。
「はぁ…はぁ…はぁ…ご主人…さ…ま……」
「乱れたエミール、可愛かったわよ…」
先程までの意地悪なご主人様は居ない。ベッドで裸で抱きしめて優しく甘く撫でてくれる。
「意地悪しちゃってごめんね。これからはもう少し優しくするから」
「はぁ…はぁ…はぁ…いいんです…はぁ…はぁ…ご主人様と一緒になれて……幸せだから…」
全て話して歯止めが利かなくなった。お互い一人ぼっちだった。まだ心の隙間を埋めていない。
「ご主人さま……また…キスしたいです」
「ッ♡ 良い子ね。ご褒美」
唇を重ねられ、啄ばむ。体格差は大きいけれど、ぼくに合わせて体勢を変えてくれる。
ぼくがご主人様に出来る事は、なるべくご主人様の思い通りに甘えて互いに気持ち好くなりたい。
長い金髪を耳にかけ、初体験の時よりも随分優しくキスされた。頬に手を添えられ、やんわり逃げられない様にされるが、逃げるつもりは無い。
「ちゅぷ………んふふ♪」
「ご主人様……唇…美味しい…」
唇を離しては重ねる繰り返し。二人の間のベッドシーツに滴る涎の染み。
寝室にキスの音だけがする。ぼくはご主人様の匂いを感じながら、間近のご主人様のまつ毛を見た。金色のまつ毛が潤んでいて綺麗だった。ご主人様の牙は長くて、キスで舌を絡み合わせると軽く当たる。
「ん……ん…んん………」
ひとしきりキスをして。満足いくまで互いの唇を重ねて。互いの匂いを確かめ合って。
名残を惜しんで未だに繋がる唾液が切れて互いの目線を合わせてはにかんだ。
「ご主人様……したい」
「あんっ」
ぼくは必死にご主人様を押し倒そうとした。ご主人様はくすくす笑って、ぼくを受け入れる為仰向けに綺麗な脚を大きく開いて指でおまんこをくぱぁっと開いた。
「ごしゅじんさまっ」
ご主人様に覆いかぶさって突き挿入れた。
「あんっ」
「ごしゅじんさまっ、いいっ……れすっ」
「必死に腰振って、ぁんっ、ご主人様がっ、そんなにっ、はぁっ…♪好いの?」
「うんっ、すきっ」
正直に伝えた。ご主人様はぞくぞくしているみたいだった。
ぼくはベッドに手を突いて、ご主人様にがっついた。
「ぃぃい♡お前のっ、その必死な顔ぉ♪」
ご主人様の膣内(なか)はとても気持ち好い。ぬるぬるのひだひだが先っぽをねぶってきて。
「本能って凄いわねえっ♪何にも知らなかった子が私を…♪」
「すきっ、すきごしゅじんさまっ」
ぼくは腰を深く挿入れた。ご主人様は少し仰け反りかけた。
「ふふっ♪なまいきッ…♪」
ご主人様が意地悪に笑って脚を絡めてきた。白い太ももがぼくを挟んでぐいぐい引き寄せられ、奥へ奥へ呑みこまれる。上で責めたててるのはぼくなのに。
「ごしゅじんさまぁ!さいこぉだよぉッ!」
必死にキスしようとするけど、ご主人様の顔が少し遠かった。ご主人様の方から顔を近づけてくれた。ご主人様が手を添え、優しく唇を重ねてくれた。自分の小さい身体が恥ずかしい…
「ぷは……愛してる。お前の全てを」
キス越しに血を吸われて余計に気持ち好い。ご主人様の整った顔がこんなに近くにあって幸せだ。ご主人様で満たされていく。ぼくもご主人様を満たしたい。腰をいっぱい奥に押し込んだ。
「ひゃぁあんッ♡」
腰をぐりぐりすると、ご主人様が喘いでくれた。
「かわいいれすっ。ごひゅひんひゃまぁ!」
「何よぉ。ろれつの回らないトロ顔でぇ」
甘く激しいえっち。どんどん腰を打ちつける。白いベッドシーツに広がったキラキラした金髪。ギシギシいうベッド。荒い息遣い。ぼくたちは高まっていく。
「エミールっ、いいわっぁ♪ひゃぁあん♪いいぃっ♪」
「すきれすっ!すきっ!すきっ!すきっ!」
どれだけ求めても物足りなかった。ご主人様は優しくて、意地悪で、ぼくを好きなように攻めさせてくれるけれど、必ず反撃してくる。気持ち好くて、どうにかなっちゃいそうだった。単調に突いてばかりいると、ご主人様が咥えこんだ股や脚でぼくを優しく導いてくれる。
「あんっ♡あっ、ひっ、エミールっ♡」
「ごしゅじんさまあッ!」
どくんっ、どくんっ…!
下腹部から何かが吸い上げられるような感覚。同時に激しく抱き寄せられて、大きな胸に呑みこまれる。丁度目の前にあった乳首を口に含む。
「やぁん♡赤ちゃんみたい…♪」
そのまま甘く蕩ける何かを飲まされて身体に満ちていく。血を吸われた時の気持ち好さがまた襲ってきて、ぼくは幸せだった。
「まだまだ頑張れるでしょ?」
「はい…♡」
ぼくはご主人様に腰を入れてまた振り出した。
「んふ♪頑張って♡」
「んん〜ッ!」
くちゅくちゅと腰を振って、ご主人様を満足させる為に頑張る。
うずうずした顔でぼくを受け止める彼女は口元を歪ませて牙を見せた。
一度知ってしまった魔性のえっちに、ぼくはのめり込んでいった。
to be continued
19/02/17 17:13更新 / 女体整備士
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