君に会いに行く/君に…
おばあちゃんの家を出て歩いているうちに時計の針は14時を指していた。午後になりさらに熱くなった気がする。じりじりと真夏の太陽は幸人の肌を焼き、頬に汗が伝う。
そこからまたしばらく歩いているとお寺に着いたようだ。しっかり手を清めお寺の中に入った。境内を歩いているとお寺の奥から女の人が歩いてきた。女の人の後ろには黄金色のしっぽと頭には同じく黄金色の耳があり彼女も魔物娘だとわかる。女の人はこちらに気づくと。こっちっこっちと手招きをしてきた。
「あなたがエアちゃんの言ってた幸人君?」
「はい、俺が幸人です」
「やっぱりねー、目元がサチちゃんそっくり。さ、こっちよ。庫裏まで案内するわ。エアちゃんも庫裏にいるわよ」
「親切にありがとうございます」
「サチちゃんから聞いた通り礼儀正しくていい子ね、あたしは詩織っていうの。ささ、ついてきてね」
詩織さんについていき少ししたら「ここよ」と、言いそのまま建物の中に入っていった。俺も中に入ったら中は思ったよりも普通の家のようだった。
「ここから左の廊下の突き当りの部屋で待っててね、私はお茶を用意してくるわね」
「あ、これおばあちゃんからです」
もってきた水ようかんが入った袋を手渡す
「あらぁ、水ようかんじゃない。私もエアちゃんも大好きなのよ」
詩織さんは嬉しそうにしっぽをゆらゆらさせている
「あの、お手伝いすることとかありますか」
そう聞くと詩織さんは目をまん丸くして驚き
「そんな事お客さんにさせれないわよ。さ、エアちゃんと二人でイチャイチャする時間が無くなっちゃうわよ」
「???」
その言葉を聞いて俺はひどく困惑した、多分背景は宇宙だろう
「ななな、おぉぉ俺とエアリスさんはそんな仲じゃ…」
「そうなの?てっきりもうキスくらいならしてるると思ったんだけど…」
「キスって…今日あったばかりですよ俺たち」
「今日って…」
(なーるほど、そうゆう事ね)ニヤリ
そこらへんで気が付いたのだが詩織さんは何か企んでいるような、子供が新しいおもちゃを手に入れたときのような笑みを浮かべているように見えた。ここは離れた方がいいと男の勘が囁いてる。
「じゃ、じゃあ。お言葉に甘えて先に待ってますね」
「色々すっ飛ばして始まる恋もあるんだよ〜」と言いながら詩織さんは反対側の廊下を歩いて行った。
「まともな人だと思ったら…この世の深淵を覗いた気分だった…」
そうこうしているうちに詩織さんが言っていた部屋の前までついた、さっきのキス云々と言い逃げられたことと言い今日は変な事ばかり起きている気がする。
恐る恐る扉をノックすると扉の先からエアリスさんが「どなたですか?」と尋ねてきた、俺は「俺です、幸人です」と答えると、少しの沈黙の後に「どうぞ…」と帰ってきた。
「失礼します…???」
中は畳敷きの和室だった、普段使いするよりはどちらかというと客間という部屋だろうか、しかし。またしても困惑することが起きた。今日何度目だろうか、もう明日までずっと背景が宇宙になっててもおかしくないな。なんとエアリスさんが壁に向かって正座していた。
「あの〜エアリスさん?何してるんですか?」
「私は先ほどのような失態を犯してしまいもう幸人さまに向ける顔がございません」
どうやらさっきの事を気にしているらしい。
「いえいえ、俺自身何も気にしてないので大丈夫ですよ」
「ダメです、あれほどの事をしてしまっては私はメイド失格ですので」
うーん、このままじゃ何しても動いてくれそうにないな、いったいどうすれば…
「でもっ…」「!!!」
「その…幸人さまに…思い人がいないなら…なぜか顔向け出来る気がします…」
やっぱりそこだ、なんでエアリスさんは俺の好きな人が気になるのだろうか
「あの、なんでエアリスさんはそんなに俺の好きな人を知りたがるの?」
「そ…それは…ごめんなさい。まだ言えません…」
「そっか、でも安心して。今気になってる人も、前気になってた人もいないk「ほんとうですか!?嘘ついてませんよね?」
急にこっち向くとほぼ同時に口が動いてるようだった、俺まだ言い切ってないのにな…
「勿論、嘘なんてついてないよ」
「そうですか、よかったです…」
その眼はキラキラと輝いておりまるでおやつをもらった子犬のようである。しかし、その眼の中にある感情をまだ幸人は知るよしもなかった
(思い人がいないなら…少しくらい…いいはずですよね…)
「あのぉ…幸人さま…お願いがぁ…ありますぅ…」
「どうかしたの?って、顔真っ赤ですよ。大丈夫ですか?詩織さん呼んで…
次の瞬間俺は天井を見ていた、突然の事だった。エアリスさんに押し倒されたのだ。
「えへへ、幸人さま押し倒しちゃいましたぁ。じゃあつぎはぁ」
「まってくださいエアリスさん、落ち着いてください」
「うるさいなぁ…嫌なら抜け出してみなよぉ…」
おかしいエアリスさんは恐らくキキーモラという種族のはず…確かキキーモラは自分から男を襲うようなことは少ないって魔物学の授業でいっていたはず…
「もぉ…うるさいお口なんてぇ…こうしちゃえ…」
「ちょ、エアリスさnんむっ…」
エアリスさんはおもむろに顔を落としキスをしてきた。彼女の顔が間近に迫り、今日の朝であった時の記憶がフラッシュバックする。
「んむー、んんっ」
その時彼女の舌が満を持して口の中に入ってきた、くちゅりという官能的な音が鼓膜介さずを直接脳髄に叩き込まれ,俺はたまらず体を震わせる。そんなことはつゆ知らずと、言わんばかりに彼女はぬらりとした舌を俺の舌に、歯に、口の天井に、ほっぺの裏に、下の付け根、とにかくいろんな場所を犯されていく。
拒もうとしたりしてもむしろ彼女の舌の絡めとられ快楽を叩き込まれてしまう。
「ぷはぁ…えへへ、キスしちゃったぁ。ゆきとしゃまのだえきあまくておいしかったれす」
一体どれだけの時間がたったのだろうか、やっと解放されたころには俺はすっかりのびてしまった。
キスの時点で脳のキャパシティを大きく超えていた俺は意識寸前だった。
「じゃあつぎはぁ…このギンギンのおちんこを、しーこしーこして、もっとあまくておいしいのだしちゃおーっと」
そこからの記憶は曖昧だった、ただ一つ記憶に残ってるのは意識を手放す前に聞こえた詩織さんの声だった。
「魔力の調整間違えちゃったかなぁ…」
22/06/02 21:46更新 / photon
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