拓斗、初めてのお使い
ここはショッピングエリア、俺とフィロップさんはここに生活必需品を買いに来た。この学園都市の中で一番大きなスペースを誇り毎日日替わりで行商が来たりするし、専門店街、食べ物を食べたりできる飲食店街もここにある。
そんな広い所に来て大丈夫か?迷わないかだって?ふっふっふ。
勿論迷いました
「フィロップさ〜ん。どこですかぁ〜」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
30分前
「いいですか?絶対に私から離れないでくださいよ」
「わかってますよ、絶対離れません」
「心配です…」
行きのバスの中で二人は話し合う。今日はタオルや予備石鹸、これから一週間の食料などいろいろな物を買うのでフィロップは手一杯。それに伴い拓斗の絶望的な追跡能力が頼りだ。
そうこうしているうちにバスは目的のショッピングエリアへ着く。
「さぁ、行きますよ」
「はい」
人は多いがまだついていける。頑張ってついていくその視界の隅でハンカチを落とす人を見つける。俺は反射的にハンカチを拾う。金糸で刺繍されたハンカチ、その紋章にどこか見覚えがある。が、しかしその紋章が何なのか考えている暇はない。俺は落とし主に声を掛ける。
「おーい、ハンカチ落としましたよ〜」
しかし振り向くことをない
「フィロップさ…」
フィロップに声を掛けようと振り返るももう彼女は居ない。しかし止まっているとハンカチを落とした人も路地裏に消えていく。いてもたっても居られず俺も路地裏に入る。
「はぁ…はぁ…」
と言っても運動の力も絶望的にない俺が追いつけるわけなく完全に彼女を見失う。
裏路地は怪しい雰囲気に包まれ恐らくここで強姦魔に襲われたら誰も気づかれないだろう
「取り合えず広い所に出よう。落し物は交番に届ければいいか」
そうして歩くこと10分。運良く広い広場に出る。
「おっ、ストリートピアノ」
その広場にはストリートピアノがあり誰でも弾けるようだ
「ピアノがあるなら引かないのは無作法と言うもの…」
椅子に座り鍵盤を少しいじる。うん、調律からメンテナンスもしっかりされている。だがかなり年季の入っているようにも見えるそのピアノは恐らく多くの人間が弾き、この町の人に愛されているのだろう。
では僭越ながらその歴史の1ページに僕も加わらせていただこう。
選んだ曲はT-SQUAREの宝島。吹奏楽の定番で昔学校から聞こえた音が気に入って必死に調音したっけ…
前半の冒険へのドキドキ感あふれる曲調から一転、踊っているかのような曲調へ変わる、少し落ち着いた雰囲気になるもすぐにフィナーレへと向かう。
フィナーレは前半と同じようで全く違う、やっぱり面白い曲だ。
「……ふぅ…」
久しぶりで指が覚えているか怪しかったけど何とか言ってよかった…さて交番に…
パチパチパチパチパチパチパチ
いつの間にかできていた人だかりに少しギョとする。がしかし人だかりの最前列に先ほどハンカチの落とし主を見つける。
「あっ、ねぇそこの君」
「僕かい?」
「えぇ、ハンカチ落としましたよ」
ポケットからハンカチを取り出し手渡す。
「あぁ、僕のだ。助かったよ。それよりも」
「どうかしました?」
「君の音色は魔物の色とも、僕達との色とも違う。無色透明で透き通っている。しかし魔物と関わりを持っている。君は本当に人間なのかい?」
俺の音色か…意外と面白いことを言う人だな
「ただピアノを弾いてるだけだよ、俺は」
「そうか…ますます君について興味が涌いたよ。しかし今日はもうお別れみたいだ、また会おう。その時は僕の演奏も聞かせてあげるよ」
「そうか、楽しみに待っているよ。君の名前は?」
「今はまだ言えない。神の代奏者とでも言っておこうか」
そう言うと人混みの中に消えていった。
「神の代奏者…いつかまた会おうか」
「拓斗さま〜」
「あっ、フィロップさん!」
入れ替わるように人混みからフィロップさんが現れる
「何で急に居なくなるんですか!ピアノの音で場所がわかりましたけどなかったらどうなっていたか」
「すみませんフィロップさん。落し物を拾いに行ってて」
「そうですか、でも次は私と一緒に交番に届けに行きましょうね」
「はい」
その後フィロップさんと残りの買い物を済ませ帰路についている途中。
「フィロップさん、福引だって」
「そういえば抽選権を何枚か貰った気が…ありました」
「じゃあ引きに行きましょう」
「そうですね」
俺らは福引の列に並ぶ。福引の1等はなんと旅行券。ぜひ狙っていきたい
遂に俺らの番にな福引を回す。
「お〜、4等の寝具が当たりました〜」
渡された寝具とは枕の事で2人分の枕を貰う。渡された枕にはYESとNOが書かれている。最近はこういうのが流行りなのだろうか?
「ねぇフィロップさ…フィロップさん!?!?大丈夫ですか?」
フィロップさんの顔は真っ赤になっている
「ハイ…ダイジョウブデス…オウチニカエリマショウ」
そのまま手を引かれ帰路に就く
夜、ベットにて
今日貰った枕使ってみよう。あっ、ふかふかで俺好みの枕だ。文字は…ポジティブなYESにしとこっと。
「それじゃ、おやすみなさーい」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
翌朝
「さて拓斗君は学校に行きましたし業務を再開しますか。まずはお部屋のおかたずけ…」
ドアノブに手を書け硬直する。もしかしたらYESNo枕があるかもしれない
「まっまっまままままっまあ落ち着きましょうフィロップ。そもそも一緒に寝てすらいないのにYESNo枕を使うか?って話ですよそんなことありえないありえない」ガチャ
恐らく使われたであろう跡が残るYESNo枕がベッドの上に鎮座する
「くぁwせdrftgyふじこlp/////」
これはもしかしたら拓斗様からの誘い…?
妄想の中の拓斗
「フィロップさん、今日の夜…シてください」
………もしかしてワンチャンある?この彼氏いない歴ピー年の私がついに報われる?
あぁそうって考えているとどんどんエッチな気持ちに…
使い済み枕<コンニチハ
その瞬間、フィロップは枕をひったくり匂いを嗅ぐ。なんとこの間0.2秒
「スゥー ハァー スゥー ハァー 待ってほんとに良い匂いなんだけどスゥゥゥゥゥゥゥ ハァァァァァ」
ですが…ですが…
「これはいったいどういう意味なんですかぁー」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
教室内
「フィロップさんの声が聞こえた気がする」
「気のせいじゃねーの?」
そんな他愛の無い会話をしていると高内放送が流れる
ピンポンパンポーン「1−6のアルバス。ワーグナー君、アルバス・ワーグナー君。至急職員室まで来てください」
「って事だわりぃ、行ってくる」
「いってらっしゃい」
クラスでは一目置かれた存在になってしまった… 誰の話かけてこないだろうし本でも読もうかな…
しかし俺の予想に反し俺に話かけてくる声が一つ
「拓斗さん、今いいかしら」
不意に話しかけてきたのはアリアさん。確かアルバス君の幼馴染の子だったはず。
「あなたにお願いがあるの」
そんな広い所に来て大丈夫か?迷わないかだって?ふっふっふ。
勿論迷いました
「フィロップさ〜ん。どこですかぁ〜」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
30分前
「いいですか?絶対に私から離れないでくださいよ」
「わかってますよ、絶対離れません」
「心配です…」
行きのバスの中で二人は話し合う。今日はタオルや予備石鹸、これから一週間の食料などいろいろな物を買うのでフィロップは手一杯。それに伴い拓斗の絶望的な追跡能力が頼りだ。
そうこうしているうちにバスは目的のショッピングエリアへ着く。
「さぁ、行きますよ」
「はい」
人は多いがまだついていける。頑張ってついていくその視界の隅でハンカチを落とす人を見つける。俺は反射的にハンカチを拾う。金糸で刺繍されたハンカチ、その紋章にどこか見覚えがある。が、しかしその紋章が何なのか考えている暇はない。俺は落とし主に声を掛ける。
「おーい、ハンカチ落としましたよ〜」
しかし振り向くことをない
「フィロップさ…」
フィロップに声を掛けようと振り返るももう彼女は居ない。しかし止まっているとハンカチを落とした人も路地裏に消えていく。いてもたっても居られず俺も路地裏に入る。
「はぁ…はぁ…」
と言っても運動の力も絶望的にない俺が追いつけるわけなく完全に彼女を見失う。
裏路地は怪しい雰囲気に包まれ恐らくここで強姦魔に襲われたら誰も気づかれないだろう
「取り合えず広い所に出よう。落し物は交番に届ければいいか」
そうして歩くこと10分。運良く広い広場に出る。
「おっ、ストリートピアノ」
その広場にはストリートピアノがあり誰でも弾けるようだ
「ピアノがあるなら引かないのは無作法と言うもの…」
椅子に座り鍵盤を少しいじる。うん、調律からメンテナンスもしっかりされている。だがかなり年季の入っているようにも見えるそのピアノは恐らく多くの人間が弾き、この町の人に愛されているのだろう。
では僭越ながらその歴史の1ページに僕も加わらせていただこう。
選んだ曲はT-SQUAREの宝島。吹奏楽の定番で昔学校から聞こえた音が気に入って必死に調音したっけ…
前半の冒険へのドキドキ感あふれる曲調から一転、踊っているかのような曲調へ変わる、少し落ち着いた雰囲気になるもすぐにフィナーレへと向かう。
フィナーレは前半と同じようで全く違う、やっぱり面白い曲だ。
「……ふぅ…」
久しぶりで指が覚えているか怪しかったけど何とか言ってよかった…さて交番に…
パチパチパチパチパチパチパチ
いつの間にかできていた人だかりに少しギョとする。がしかし人だかりの最前列に先ほどハンカチの落とし主を見つける。
「あっ、ねぇそこの君」
「僕かい?」
「えぇ、ハンカチ落としましたよ」
ポケットからハンカチを取り出し手渡す。
「あぁ、僕のだ。助かったよ。それよりも」
「どうかしました?」
「君の音色は魔物の色とも、僕達との色とも違う。無色透明で透き通っている。しかし魔物と関わりを持っている。君は本当に人間なのかい?」
俺の音色か…意外と面白いことを言う人だな
「ただピアノを弾いてるだけだよ、俺は」
「そうか…ますます君について興味が涌いたよ。しかし今日はもうお別れみたいだ、また会おう。その時は僕の演奏も聞かせてあげるよ」
「そうか、楽しみに待っているよ。君の名前は?」
「今はまだ言えない。神の代奏者とでも言っておこうか」
そう言うと人混みの中に消えていった。
「神の代奏者…いつかまた会おうか」
「拓斗さま〜」
「あっ、フィロップさん!」
入れ替わるように人混みからフィロップさんが現れる
「何で急に居なくなるんですか!ピアノの音で場所がわかりましたけどなかったらどうなっていたか」
「すみませんフィロップさん。落し物を拾いに行ってて」
「そうですか、でも次は私と一緒に交番に届けに行きましょうね」
「はい」
その後フィロップさんと残りの買い物を済ませ帰路についている途中。
「フィロップさん、福引だって」
「そういえば抽選権を何枚か貰った気が…ありました」
「じゃあ引きに行きましょう」
「そうですね」
俺らは福引の列に並ぶ。福引の1等はなんと旅行券。ぜひ狙っていきたい
遂に俺らの番にな福引を回す。
「お〜、4等の寝具が当たりました〜」
渡された寝具とは枕の事で2人分の枕を貰う。渡された枕にはYESとNOが書かれている。最近はこういうのが流行りなのだろうか?
「ねぇフィロップさ…フィロップさん!?!?大丈夫ですか?」
フィロップさんの顔は真っ赤になっている
「ハイ…ダイジョウブデス…オウチニカエリマショウ」
そのまま手を引かれ帰路に就く
夜、ベットにて
今日貰った枕使ってみよう。あっ、ふかふかで俺好みの枕だ。文字は…ポジティブなYESにしとこっと。
「それじゃ、おやすみなさーい」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
翌朝
「さて拓斗君は学校に行きましたし業務を再開しますか。まずはお部屋のおかたずけ…」
ドアノブに手を書け硬直する。もしかしたらYESNo枕があるかもしれない
「まっまっまままままっまあ落ち着きましょうフィロップ。そもそも一緒に寝てすらいないのにYESNo枕を使うか?って話ですよそんなことありえないありえない」ガチャ
恐らく使われたであろう跡が残るYESNo枕がベッドの上に鎮座する
「くぁwせdrftgyふじこlp/////」
これはもしかしたら拓斗様からの誘い…?
妄想の中の拓斗
「フィロップさん、今日の夜…シてください」
………もしかしてワンチャンある?この彼氏いない歴ピー年の私がついに報われる?
あぁそうって考えているとどんどんエッチな気持ちに…
使い済み枕<コンニチハ
その瞬間、フィロップは枕をひったくり匂いを嗅ぐ。なんとこの間0.2秒
「スゥー ハァー スゥー ハァー 待ってほんとに良い匂いなんだけどスゥゥゥゥゥゥゥ ハァァァァァ」
ですが…ですが…
「これはいったいどういう意味なんですかぁー」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
教室内
「フィロップさんの声が聞こえた気がする」
「気のせいじゃねーの?」
そんな他愛の無い会話をしていると高内放送が流れる
ピンポンパンポーン「1−6のアルバス。ワーグナー君、アルバス・ワーグナー君。至急職員室まで来てください」
「って事だわりぃ、行ってくる」
「いってらっしゃい」
クラスでは一目置かれた存在になってしまった… 誰の話かけてこないだろうし本でも読もうかな…
しかし俺の予想に反し俺に話かけてくる声が一つ
「拓斗さん、今いいかしら」
不意に話しかけてきたのはアリアさん。確かアルバス君の幼馴染の子だったはず。
「あなたにお願いがあるの」
22/11/11 00:44更新 / photon
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