寮母さんと二人暮らしってマジですか?
電車にゆられ早5時間。そろそろ体がバキバキになってきた頃だ。ピアノさえあれば暇つぶしできるのだが…と思いつつ窓枠でエアピアノをする。
「次は〜終点、学園都市〜学園都市〜。皆様お忘れ物の無いようにお気をつけてください」
「おっとっと、もう着くのか。待ってろよ〜新生活」
俺は音街拓斗。今日からここ学園都市アレスティアのムジーカ学園に入学することになった一応特待生だ。
「はい、切符拝見しました。では新生活楽しんで〜」
改札から出てすぐに大きな駅舎内に驚く。すげぇ…スマホでみた東京駅みたいだ…。ドイツにはこんな広い駅なかったなぁ…
「おっとおっといかんいかん、まずは学校まで行かんとな」
俺は地図を見ながら学校へ向かう。5番ターミナルから魔動車にのって行くのか…
では向かうとするか…
向かう…
向かっている…
向かっているはず…なのだが
「5番ターミナルまで行けねぇ…」
なんだ?ここは迷宮なのか?広い上に土産屋から食事処まで沢山あって訳が分からん…
しかもそうこうしているうちに出発の時間は刻一刻と過ぎ去っていく。
「大丈夫でしょうか?」
困り果てている俺に声を掛けてくれる人が一人。後ろを振り返ってみると犬耳に羽毛の生えたしっぽ。恐らくキキーモラだろう女性がいた。
「お困りでしょうか?」
「ええ、実は道に迷ってしまって。5番ターミナルまで行きたいんですが」
「えぇ!5番ターミナルは反対ですよ。急ぎましょう」
彼女は俺の手を引いて走り出す。女性への免疫があんまり無い俺はこれだけでもちょっとドキドキする。走っているせいかも。
暫く走っていると5番ターミナルに着いた。彼女が居なかったらどうなっていたことか…
「ありがとうございます。助かりました」
「いえいえ、大丈夫ですよ。では」
彼女はすぐに人混みに溶けて消える。後でお礼ができるからお名前を聞いておけばよかった。
そうこうしているうちに魔動車が出発し無事学園に着くことができた
「うわぁ…色んな種族がいるなぁ…」
見ただけでも人間、亜人、獣人、妖精に昆虫系魔物娘さんまでとにかく多くの種族がいる。
その後入学式を済ませ晴れてムジーカ学園高等部に入学しました。クラスは1−6 クラス全員音楽の特待生のエリートクラスだ。正直怖い。
「はーい、今日からここの担任になったリャナンシーのリナで〜す。気軽にリナちゃんって呼んでね」
先生はだいぶゆるそうな人だ、しかしここの担任になるくらいだし実はすごい実力があるのかもしれないな…
「じゃあまず自己紹介をしよっか。種族と名前、専攻、それと簡単なあいさつをしてね。」
「出席番号が若い順からだから…そっちか」
青髪を後ろで束ねた女の子が立ち上がる。くるりと振り返るとそこには魔物娘らしい端整な顔立ちをした、しかし子供のあどけなさを残した顔があった。
「はい、サキュバスのアリア・シュミットです。専攻は声楽。よろしくお願いします」
おっ、次は男か…このクラス男女比が2:8位だから男の子とはぜひ友達になりたい
「アルバス・ワーグナーです。専攻はピアノです。他にもピアノが専攻の奴が居たら仲よくしような」
よかった、同じピアノ専攻だ…女の子とはあんまり喋れないから女の子だったらどうしようかと思ったよ
その後も数人挨拶をし、ついに俺の番が来る
「音街拓斗です。ピアノが専攻です。あんまり喋れないけどよろしくお願いします」
俺の自己紹介が終わる。変な所とかなかったよな…
そうこうしているうちに全員の自己紹介が終わり今日は放課後となる。
「なぁ、お前もピアノ専攻なんだって?俺アルバス、よろしくな」
「よろしく、アルバス君。俺は拓斗」
「よしタクト、早速弾きに行こうぜ」
早速仲良くなれそうなイベントが来た。こっちから話しかけづらかったから助かる。
「うん、アルバス君の演奏も聞きたいし」
「そうと決まれば早速音楽室に行こうぜ」
学園は生徒が授業を受ける学習棟と音楽室がある実習棟を中庭を挟んで立っている。
音楽室は実習棟の最上階。なぜ音楽室はどこも端っこに追い出されてしまうのか…
「やっと着いた…6階まで登るのは結構運動だな…」ゼェ…ゼェ…
「そうだね…」ハァ…ハァ…
それでも楽器があったら弾きたくなるのが俺の性なのかワクワクが止まらない
「まずは俺から引いていいか?」
「うん」
彼は鍵盤に指を置くと音を奏で始める。ビル・エヴァンスのワルツ・フォー・デビイか、ジャズピアノの金字塔、イントロのしっとりした感じからの4拍子でガラリと印象が変わるのがいい。
「ほい、次はタクトの番な」
「うん。でもアルバス君うまかったから緊張しちゃうなぁ…」
僕は鍵盤を撫で…切り替わる
(なんだ…?さっきまでのタクトとは何かが違う…)
僕が選んだ曲はショパンの幻想即興曲。このまくしたてるような感じが好きなんだよね。
ふぅ…調律もしっかりしてていいピアノだったな…
「タクト!」
急に肩を掴まれる、何かしただろうか…
「お前…すっげぇうまいな。今の幻想即興曲だろ?すごいな、俺も頑張んないとな」
「アルバス君も上手かったよ。俺クラシックしか引けないからジャズピアノ教えてもらいたいくらいだったよ」
「だったら俺にもクラシック教えてくれよ」
やった、もっと上手くなれるし友達?も出来た。スタートダッシュ失敗しなくてよかった。
「俺に出来る事はなんでもするよ。ってもうこんな時間!?ごめん今日はもう帰んなきゃ」
「あぁ、タクトは寮母さんを頼んだのか」
実はこの学園都市では生徒1人1人に一軒家が付くのだ。国土がバカ広いから出来る所業だ。しかし生徒の中には一人では生きていけない人もいるだろう。
しかしこの学園には希望した生徒に専属寮母さんが付いてくれるという制度があるのだ。
そしてその寮母さんを迎えに行く時間が迫っていたのだ。
「それじゃあまた明日」
「おうまたな」
「どこに迎えに行けばいいんだっけ?」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「本当にありがとうアルバス君」
「いいっていいって気にすんな」(こういう所でバランスとってるのか)
学習棟1階の会議室。そこに迎えに行くのだがアルバス君が居なかったら絶対迷ってた
「そういえば誰が来るかわかってるのか?」
「うん、フィロップさんって方が面倒見てくれるみたい」
顔写真とかはないからどんな人か想像をしていた。優しかったらいいな
「すみませーん、フィロップさんいらっしゃいますかー?」
「はい、私です…って君は」
「あなたは」
そこには朝俺を助けてくれたキキーモラさん。こんな偶然があるのか、神様って案外いるのかもしれない
「じゃあ君のお家に行こっか」
「はい」
「それじゃ俺は帰るわ、また明日な」
「うん、今日はありがとね。明日からよろしく」
学園から出ると運動部の掛け声が聞こえる。青春だねぇ…
「えっとフィロップさん」
「はい、なんでしょうか」
「お家、どこかわかりますか?」
「勿論です。ついてきてください」
そのままついていきバス停へ。魔動バスにゆられ暫くすると住宅地エリアへ着く。覚えておかなきゃな
俺はこんなでも特待生なので他のクラスの人より少し大きな家を貰えた、なんと防音室にピアノも完備。最高かよ。
「お買い物は済ましておりますのですぐに料理を始めますね。それまでお風呂に入っていてください」
「はーい」
中に入ってみるとドイツで住んでたような家で安心感を感じる。
言われた通りお風呂を済ませ、夜ごはんの時間。
「今日は特別メニューのステーキです」
「わぁ…美味しそう。いっただっきまーす」
結論から言うとご飯はすごくおいしかった。あっという間に食べ終えてしまう。
「そういえばフィロップさんさんはこの学園都市のどこに住むんですか?ここ以外に居住区って無いはずですよね?」
「私はここに住みますよ?」
んんんんんんん?それって…
「つまり同居って事ですか?」
「はい。あっ、別に彼女ができて彼女と一緒に住むって場合、私は出ていくので問題ありません」
そう言う問題じゃないんですが…
「えっと…その…俺女性とかに免疫があんま無くて…多分慣れるとは思うんですが…」
「そうですか…大丈夫ですよ」
「ありがとうございます」
理解してくれる人で良かった。とりあえず今日はもう疲れたし寝ようかな。
自室へ向かいドアを開けようとする。しかしドアが開かない。どうやっても押しても、引いても、ドアノブがあるからスライドドアでもないしな…
仕方ない、フィロップさんに聞いてみるか。
「すみませんフィロップさん。ドアが開かなくて…」
「そうなんですね…って大丈夫!?」
次の瞬間俺は天井を仰いでいた。口に鉄分の味がするから多分鼻血を出している。
フィロップさんはお風呂上りなのか少しピンク色に紅潮した肌に黒色のネグリジュ、しかも露出が多く色っぽかった。
初日からこんなだが今日から俺とフィロップさんとの1095日が始まった。
「次は〜終点、学園都市〜学園都市〜。皆様お忘れ物の無いようにお気をつけてください」
「おっとっと、もう着くのか。待ってろよ〜新生活」
俺は音街拓斗。今日からここ学園都市アレスティアのムジーカ学園に入学することになった一応特待生だ。
「はい、切符拝見しました。では新生活楽しんで〜」
改札から出てすぐに大きな駅舎内に驚く。すげぇ…スマホでみた東京駅みたいだ…。ドイツにはこんな広い駅なかったなぁ…
「おっとおっといかんいかん、まずは学校まで行かんとな」
俺は地図を見ながら学校へ向かう。5番ターミナルから魔動車にのって行くのか…
では向かうとするか…
向かう…
向かっている…
向かっているはず…なのだが
「5番ターミナルまで行けねぇ…」
なんだ?ここは迷宮なのか?広い上に土産屋から食事処まで沢山あって訳が分からん…
しかもそうこうしているうちに出発の時間は刻一刻と過ぎ去っていく。
「大丈夫でしょうか?」
困り果てている俺に声を掛けてくれる人が一人。後ろを振り返ってみると犬耳に羽毛の生えたしっぽ。恐らくキキーモラだろう女性がいた。
「お困りでしょうか?」
「ええ、実は道に迷ってしまって。5番ターミナルまで行きたいんですが」
「えぇ!5番ターミナルは反対ですよ。急ぎましょう」
彼女は俺の手を引いて走り出す。女性への免疫があんまり無い俺はこれだけでもちょっとドキドキする。走っているせいかも。
暫く走っていると5番ターミナルに着いた。彼女が居なかったらどうなっていたことか…
「ありがとうございます。助かりました」
「いえいえ、大丈夫ですよ。では」
彼女はすぐに人混みに溶けて消える。後でお礼ができるからお名前を聞いておけばよかった。
そうこうしているうちに魔動車が出発し無事学園に着くことができた
「うわぁ…色んな種族がいるなぁ…」
見ただけでも人間、亜人、獣人、妖精に昆虫系魔物娘さんまでとにかく多くの種族がいる。
その後入学式を済ませ晴れてムジーカ学園高等部に入学しました。クラスは1−6 クラス全員音楽の特待生のエリートクラスだ。正直怖い。
「はーい、今日からここの担任になったリャナンシーのリナで〜す。気軽にリナちゃんって呼んでね」
先生はだいぶゆるそうな人だ、しかしここの担任になるくらいだし実はすごい実力があるのかもしれないな…
「じゃあまず自己紹介をしよっか。種族と名前、専攻、それと簡単なあいさつをしてね。」
「出席番号が若い順からだから…そっちか」
青髪を後ろで束ねた女の子が立ち上がる。くるりと振り返るとそこには魔物娘らしい端整な顔立ちをした、しかし子供のあどけなさを残した顔があった。
「はい、サキュバスのアリア・シュミットです。専攻は声楽。よろしくお願いします」
おっ、次は男か…このクラス男女比が2:8位だから男の子とはぜひ友達になりたい
「アルバス・ワーグナーです。専攻はピアノです。他にもピアノが専攻の奴が居たら仲よくしような」
よかった、同じピアノ専攻だ…女の子とはあんまり喋れないから女の子だったらどうしようかと思ったよ
その後も数人挨拶をし、ついに俺の番が来る
「音街拓斗です。ピアノが専攻です。あんまり喋れないけどよろしくお願いします」
俺の自己紹介が終わる。変な所とかなかったよな…
そうこうしているうちに全員の自己紹介が終わり今日は放課後となる。
「なぁ、お前もピアノ専攻なんだって?俺アルバス、よろしくな」
「よろしく、アルバス君。俺は拓斗」
「よしタクト、早速弾きに行こうぜ」
早速仲良くなれそうなイベントが来た。こっちから話しかけづらかったから助かる。
「うん、アルバス君の演奏も聞きたいし」
「そうと決まれば早速音楽室に行こうぜ」
学園は生徒が授業を受ける学習棟と音楽室がある実習棟を中庭を挟んで立っている。
音楽室は実習棟の最上階。なぜ音楽室はどこも端っこに追い出されてしまうのか…
「やっと着いた…6階まで登るのは結構運動だな…」ゼェ…ゼェ…
「そうだね…」ハァ…ハァ…
それでも楽器があったら弾きたくなるのが俺の性なのかワクワクが止まらない
「まずは俺から引いていいか?」
「うん」
彼は鍵盤に指を置くと音を奏で始める。ビル・エヴァンスのワルツ・フォー・デビイか、ジャズピアノの金字塔、イントロのしっとりした感じからの4拍子でガラリと印象が変わるのがいい。
「ほい、次はタクトの番な」
「うん。でもアルバス君うまかったから緊張しちゃうなぁ…」
僕は鍵盤を撫で…切り替わる
(なんだ…?さっきまでのタクトとは何かが違う…)
僕が選んだ曲はショパンの幻想即興曲。このまくしたてるような感じが好きなんだよね。
ふぅ…調律もしっかりしてていいピアノだったな…
「タクト!」
急に肩を掴まれる、何かしただろうか…
「お前…すっげぇうまいな。今の幻想即興曲だろ?すごいな、俺も頑張んないとな」
「アルバス君も上手かったよ。俺クラシックしか引けないからジャズピアノ教えてもらいたいくらいだったよ」
「だったら俺にもクラシック教えてくれよ」
やった、もっと上手くなれるし友達?も出来た。スタートダッシュ失敗しなくてよかった。
「俺に出来る事はなんでもするよ。ってもうこんな時間!?ごめん今日はもう帰んなきゃ」
「あぁ、タクトは寮母さんを頼んだのか」
実はこの学園都市では生徒1人1人に一軒家が付くのだ。国土がバカ広いから出来る所業だ。しかし生徒の中には一人では生きていけない人もいるだろう。
しかしこの学園には希望した生徒に専属寮母さんが付いてくれるという制度があるのだ。
そしてその寮母さんを迎えに行く時間が迫っていたのだ。
「それじゃあまた明日」
「おうまたな」
「どこに迎えに行けばいいんだっけ?」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「本当にありがとうアルバス君」
「いいっていいって気にすんな」(こういう所でバランスとってるのか)
学習棟1階の会議室。そこに迎えに行くのだがアルバス君が居なかったら絶対迷ってた
「そういえば誰が来るかわかってるのか?」
「うん、フィロップさんって方が面倒見てくれるみたい」
顔写真とかはないからどんな人か想像をしていた。優しかったらいいな
「すみませーん、フィロップさんいらっしゃいますかー?」
「はい、私です…って君は」
「あなたは」
そこには朝俺を助けてくれたキキーモラさん。こんな偶然があるのか、神様って案外いるのかもしれない
「じゃあ君のお家に行こっか」
「はい」
「それじゃ俺は帰るわ、また明日な」
「うん、今日はありがとね。明日からよろしく」
学園から出ると運動部の掛け声が聞こえる。青春だねぇ…
「えっとフィロップさん」
「はい、なんでしょうか」
「お家、どこかわかりますか?」
「勿論です。ついてきてください」
そのままついていきバス停へ。魔動バスにゆられ暫くすると住宅地エリアへ着く。覚えておかなきゃな
俺はこんなでも特待生なので他のクラスの人より少し大きな家を貰えた、なんと防音室にピアノも完備。最高かよ。
「お買い物は済ましておりますのですぐに料理を始めますね。それまでお風呂に入っていてください」
「はーい」
中に入ってみるとドイツで住んでたような家で安心感を感じる。
言われた通りお風呂を済ませ、夜ごはんの時間。
「今日は特別メニューのステーキです」
「わぁ…美味しそう。いっただっきまーす」
結論から言うとご飯はすごくおいしかった。あっという間に食べ終えてしまう。
「そういえばフィロップさんさんはこの学園都市のどこに住むんですか?ここ以外に居住区って無いはずですよね?」
「私はここに住みますよ?」
んんんんんんん?それって…
「つまり同居って事ですか?」
「はい。あっ、別に彼女ができて彼女と一緒に住むって場合、私は出ていくので問題ありません」
そう言う問題じゃないんですが…
「えっと…その…俺女性とかに免疫があんま無くて…多分慣れるとは思うんですが…」
「そうですか…大丈夫ですよ」
「ありがとうございます」
理解してくれる人で良かった。とりあえず今日はもう疲れたし寝ようかな。
自室へ向かいドアを開けようとする。しかしドアが開かない。どうやっても押しても、引いても、ドアノブがあるからスライドドアでもないしな…
仕方ない、フィロップさんに聞いてみるか。
「すみませんフィロップさん。ドアが開かなくて…」
「そうなんですね…って大丈夫!?」
次の瞬間俺は天井を仰いでいた。口に鉄分の味がするから多分鼻血を出している。
フィロップさんはお風呂上りなのか少しピンク色に紅潮した肌に黒色のネグリジュ、しかも露出が多く色っぽかった。
初日からこんなだが今日から俺とフィロップさんとの1095日が始まった。
22/10/28 09:01更新 / photon
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