連載小説
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後篇
佳也子に自分の心情を吐露して一日が経過しようとしていた。
徹は、自宅の裏手で畑から収穫した野菜を洗いながら昨日の出来事を思い出していた。
「それは、佳也子さんが好きだからです。」
自分でもなぜあんなに臆面もなく言葉にできたのかよくわからない。
勿論あの言葉や自分の想いに嘘偽りはないし、後悔もしていない。

徹は、佳也子のことを慕っている。
文明から離れ、黙々と刃物を作り続ける彼女の真摯な行動が、熱く燃え盛る炉の前で無心に槌を打つ姿が、そしてやや憂いを湛えながらもどこまでも澄んだあの眼がいつしかたまらなく綺麗で美しいものだと思うようになっていた。

だが自分でも予想しなかったタイミングで言ってしまったことは、確かだ。
彼女はどこか別の土地にいく雰囲気はなかったし、自分だってこの土地を離れるつもりはない。時間はかかるかもしれないが、ゆっくりと歩み寄れればいいと思っていたのに。
「…………あなたはなんで、私のためにそこまでするの?」
瞳に煩悶の色を浮かべた彼女に質問され、自分の気持ちを言わずには居られなかった。
佳也子に自分の気持ちを知ってほしい、そういう欲望が抑えきれなくなってしまったのだ。

「こんにちは。徹君、いるかしら〜?」
そんなことを考えていると、表の方から涼子の声がした。
「はーい、います。すぐに向かいます!」
洗い場の蛇口をひねり水を止め、徹は急いで表へと向かう。
「こんにちは、涼子さん。」
「昨日の午後ぶりね、徹君。」
玄関先にいつものように漆黒のロングドレスを着た涼子が立っていた。
彼女と会うのは、昨日佳也子から預かった品物を渡したとき以来ということになる。だからこそ、彼女がわざわざ徹の住む家を訪ねてくる理由が分からなかった。
「あの、今日はどういった御用で?」
「用というか、知らせに来たというか…複雑なところね。」
「はあ…」

「話というのはね、佳也子ちゃんのことなの。」
「!!」
佳也子という単語に徹は敏感に反応してしまう。
「実は今朝がた早くに佳也子ちゃんが私のところに訪ねてきてくれてね。」
涼子はそこで言葉をきり、じっと徹を見据えた。
「この土地から離れたいって言ってきたの。」
「え!?」
涼子の言葉で愕然となった。
ここ数年住んでいたというあの山小屋をこんなに急に離れたいと言い出したのは、間違いなく自分が昨日告白した影響に違いない。それにしてもそんなに急に離れたいと思うほど、自分は嫌われていたというのだろうか。あまりのことに言葉を失う徹に向かって、「あなたたち二人のプライベートなことだから、あまり私が踏み込むべきではないのかもしれないけれど」と前置きを言った後、涼子は佳也子の身の上話をしてくれた。

母親がエキドナであること。
その母親の美しさや自分の容姿にコンプレックスを持っていること。
美しい母と違って、自分は愛されないのでは悩んでいること。
感情に任せて家を飛び出し、涼子と出会ったこと。

そのどれもが今まで知らないことだった。
あの一人で強く生きている佳也子が悩み、悲しんでいたことなど露にも感じることはできなかった。今まで能天気に接してきた自分がひどく滑稽に思えてしょうがない。
「勿論、私も出ていくといった佳也子ちゃんを止めたわ。」
「…。」
「私としてもここ数年ずっと佳也子ちゃんと接してきて、半ば家族だと思っているほどだから考え直すように言ったわ。でも彼女は頑なに出ていくといって聞かなかった。ならば理由を聞かせて頂戴と、そう尋ねたら…その理由を、彼女はこう言っていたの。」
涼子は一呼吸挟んだ後、山小屋のある方向へと体を向けながら呟くように言葉をつづけた。

「私なんかに、あんなにも優しい言葉をかけてくれる徹さんに、これ以上関わっていけない。徹さんには自分なんかより素晴らしい人と一緒になるべきだ。だから自分はどこか遠くに移り住むんだってね。」

「え!?」
佳也子の言葉で、徹の心臓は一段と強く鼓動を刻み始める。
「ねえ、徹君。」
「……はい。」
「まだ、間に合うわ。私の口からなんかじゃなく、あなたの口で…いやあなたの愛で、佳也子ちゃんの馬鹿な誤解を解いてあげてちょうだい。」
「!!」
「できる、わよね?」
「はい、当たり前です。…今から行ってきます。」
思わず声が裏返るほど、大きな声で涼子に返事をする。
「ふふ、行ってらっしゃい。」
「教えてくださり、ありがとうございました。」
慌ただしく涼子に礼を言って頭を下げ、徹はすぐに佳也子がいるであろう山小屋へと走り出したのだった。

「若いって、いいわねえ〜。」
その場に一人残された涼子は、誰にともなくぽつりとつぶやき微笑んだ。





………………………………………………





徹は、がむしゃらに走った。
今まで走ったことのないような速度、持続力でただひたすらに山小屋を目指して走った。佳也子への想い、彼女をいとおしく感じて仕方ないその気持ちを燃料に山道を疾走した。そうして気が付けば、道中に一時間はかかる山小屋が半時もせずに目の前に現れた。そして山小屋の前に、荷物をまとめた佳也子が立っているのを見つけ、たまらず叫び声をあげた。
「佳也子さんッ!!」
「……!?」
佳也子は心底驚いたようにびくりと体を震わせた。
徹はそんな彼女に近づいていき、おもいっきり彼女を抱きしめた。

「あなたは大馬鹿者だ!!!」
「!?」
「あなたは、あなたっていう人は!!!」
「…は、放してっ」
徹の突然の行動に佳也子は目を白黒させる。
そしてなんとか徹の腕のから逃れようと抵抗するが、徹はそれすらも抑え込むように佳也子を抱きすくめる。
「自分は、他の人なんて嫌なんです。佳也子さんと、佳也子さんだからこそ一緒にいたいんです!!!」
「…!!」
「お母さんと種族が違うだとか、どれだけ風貌が違うだとか…それがいったい何だっていうんです。自分はあなたのお母さんを好きになったわけじゃない、佳也子さんを好きになったんです!!!。」
「本当、に…?」
徹の言葉を聞いた佳也子は、恐る恐る視線を上に向ける。
その目は涙に潤み、今にも儚く消えてしまいそうなもろさを孕んでいた。徹はその目をじっと見つめ、偽りのない言葉で彼女にこたえる。
「こんな状況で、嘘なんか言いませんよ。佳也子さんが分かってくれるまで、何度でも言います。」

「自分は、佳也子さんのことが好きなんです。愛しているんです!!!」

「………!!」
愛の言葉を囁き、再び佳也子を強く抱きしめた。
すると抱きしめられしばらくは呆然としていた佳也子が、おずおずとその腕を徹の背中に回し始める。そして震える声で質問してきた。
「私を…本当に好きで、いてくれるの?」
「はい、大好きです。」
「単眼で、肌だって青いのに…?」
「晴れ渡った空みたいで素敵ですし、むしろ好きです。単眼だって、なんの問題もありません。佳也子さんの綺麗で大きな瞳はとっても美しいですよ。」
「…っ」
それでもどこか懐疑的に視線を落とす佳也子にゆっくりと尋ねる。

「じゃあ逆に聞きますけど、サイクロプスとは違い目が二つあって、黄色人種の自分を…佳也子さんは愛する対象ではないと、そう考えているんですか?」
「そ、そんなことはない!!」
佳也子が、激しく頭を横に振って否定する。
「それなら、自分のことも信じてください。」
「…あっ」
「単眼や肌の色も含めて、自分は佳也子さんのことを愛しています。愛しているんです。信じて、くれますか?」
できるだけ優しく問いかけると、佳也子はゆっくりと―――頷いた。
彼女が自分の気持ちを受け入れてくれたことで、徹の心にじんわりと喜びが広がっていく。そんな徹を前にして、佳也子はどこか恥ずかしそうにもじもじしながらおねだりを始めた。

「…キス」
「え?」
あまりにもか細い声なので、思わず聞き返してしまった。
「……キスを、してくれたら…信じる。」
すると何かが吹っ切れたのか、佳也子が顔を真っ赤に染めながら口づけを求めてきた。
必死に目をつぶり、頬を染めながら口づけを待つ佳也子の可愛さに理性が吹き飛んでしまいそうになるが、なんとかこらえて彼女の肩に手を置きゆっくりと顔を近づけていった。

ちゅ、ちゅっ…
「んっ…」
「ん、ふぅ…ふぅ…」
最初は微かに唇が触れるだけの軽いキスを、何度も何度も交わしていく。
彼女のぷりぷりとした瑞々しい唇は、触れるだけでたまらなく気持ちがよかった。徹は顔の角度を徐々に変えていき、佳也子の唇の全てを味わうようにキスを落としていき、佳也子は徹の行為を嬉しそうに受け入れた。
「(佳也子さん、佳也子さん!!)」
徹はキスすると同時に、佳也子をゆっくりと抱きしめていく。
腰に回していた手を徐々に上にあげていき、無駄な肉のないスリムな体を優しく撫でていく。すべすべとした肌の背中、薄らと浮き出る背骨や肩甲骨の一つ一つを愛おしく撫でまわしていく。するとそれまで緊張したようにこわばらせていた佳也子も、時間がたつにつれ安心したように体を弛緩させていった。徹はその様子を見て、今なら大丈夫かなと思いひときわ強く唇を吸いつつ彼女の咥内へ舌を挿し入れていく。

んちゅぅ、れろ、れろ…むちゅぅ
ゆっくりと佳也子の唇を舌で割っていくと、途端に彼女の舌が絡みついてきた。
物静かな佳也子から想像できないほど、彼女の舌は乱暴に徹の口を嘗め回していく。彼女の変化に驚き動きを止めた徹の口内はあっという間に嘗め尽くされていく。まずは歯の一本一本を磨き上げるように下で舐めまわし、それを終えると次は歯肉や上顎、舌の根元にまるで自分の唾液を刷り込むように舐めていった。そして一通り徹の口を堪能した佳也子の甘い唾液をたっぷり身に纏った肉厚の舌は、呆然とする徹の舌を一気に自分の咥内に引きずり込み痛いほど吸い上げる。敏感な粘膜がいやらしく絡みつくたびにぐちゅぐちゅと水音が頭の中に響き、一気に徹の脳内にピンク色の靄がかかっていった。彼女の舌から与えられる愉悦に酔いしれつつ、同時に彼女もやはり性に特化した魔物娘なのだと思わずにはいられなかった。それほどまでに、彼女の愛撫は強烈で情熱的だった。

「ん、ちゅぅ…ぷはぁ…♡」
「んっ、佳也子…さん」
時間の感覚が鈍くなるほど徹の舌を思うさまに堪能した佳也子が、ゆっくりと顔を放す。
すると二人の間には混じり合った唾液の橋が出来上がり、名残惜しそうにゆっくりと切れていった。佳也子は口の端時から薄らと唾液をしたたらせながら今まで見たことがないような蕩けた表情でその様を見て、嬉しそうに微笑み徹を誘う。
「部屋で……続きをしよ♡?」
「……勿論!!」
徹は佳也子の誘いに迷いなく頷き、山小屋の中に入っていった。


山小屋の、佳也子の寝室で二人は向き合う。
佳也子は何も身に着けていない裸で、徹は下着だけを身に纏った状態だ。佳也子は興奮のせいか肌がうっすらと上気し汗が浮き出している。そのせいもあって彼女からは魔物娘独特の甘い体臭が香りたち、視覚だけではなく嗅覚でも徹を興奮させる。既に股間の一物は、パンツの中で今までにないほど固く勃起していた。
「……ふふっ♡」
「あ、んんっ…」
すると嬉しそうに見つめながら、佳也子は下着の上からペニスを撫でまわし始めた。
手のひらを使って男根全体をゆっくり撫でまわしたり、軽く握りながら強めにしごきあげたり、執拗に亀頭だけを弄繰り回したりと、彼女は絶妙な力加減で愛撫を加えてくる。さながら自分が刃物になったような、全てをコントロールされているような錯覚を覚えつつ、徹はもたらされる快楽に酔いしれる。それほど、初めて佳也子から与えられる快感は甘く、気持ちよかった。思わず戦慄く口から喘ぎ声が漏れてしまう。

「あんっ♡」
だがやられっぱなしもなんだか癪だったので、彼女の豊満な胸をこちらから愛撫する。
それまで作業の邪魔にならないためか、窮屈そうにブラと服で締められていた豊満な胸は今、惜しげもなく眼前にさらされている。興奮のためか胸の真ん中にそびえる綺麗なピンク色の乳首はツンと上を向いてふくらみ、その存在を大きく主張している。徹はまるでそれに誘われるように手を伸ばし、ゆっくりと揉み始めた。すると、可愛らしい喘ぎ声が佳也子の口から飛び出した。徹はそれに気をよくして、止まることなく佳也子の胸を愛撫していく。

にちゅ、にちぃ…
「…こっち、も……触って♡」
「うわぁ…すごい!!」
しばらくお互いの体を夢中に触り合っていると、佳也子が徹の腕を自分の秘所へと導く。
彼女の女性器は、敷かれた布団に大きなシミを作るほどしとどに濡れていた。触れれば指や手にべったりと白く泡立った分泌液がまとわりつき、いかに彼女が興奮しているかを徹に教えてくれる。勿論女性経験のない徹に比較材料があるわけではないのだが、それでも彼女がひどく大量の愛液を膣口から分泌しているということは理解できた。そして彼女がそれだけ自分との行為で気持ちよくなってくれているということが嬉しくて、徹は行動を大胆にしていった。
にゅぐ、にゅぐぅ
「あはぁ♡」
人差し指を、濡れそぼる膣に挿し入れていく。
すると歓喜の声が佳也子からあがる。それに気を良くし、どんどん彼女に気持ちよくなってもらいたくて、徹は中指も差し込んで一緒に膣内をかき回しつつ、手のひらでクリトリスをこすりあげるように刺激していく。しばらくは要領が分からずがむしゃらに手を出し入れしていたが、丁度の中指の第二関節あたりまで入れたところで、膣の上側をこすりあげると途端に彼女の声が甘くなったように感じた。だから徹はそのポイントを執拗に攻めてみることにした。

「あひ、それ…だめぇ♡」
するとそれは見事に正解だったらしく、佳也子は一層表情をとろかせる。
ただ彼女もじっとやられているわけではない。負けじと徹のはいているパンツを脱がせ、ペニスを直接握りしごき上げる。右手で幹を握り、左手で亀頭を包み吐き出される先走り汁を執拗にこすりつけてくる愛撫はたまらなく気持ちいい。気を抜けば、彼女の手の中で果ててしまいそうだった。

それからは一気に部屋の中の気温が上昇したように感じた。
びちゃびちゃと佳也子の膣がかき回される水音と、カウパー腺液を幹全体に塗りたくる卑猥な音が混ざり合い室内にこだましてく。それは二人の興奮を急激に加速させていき、徹は耐えがたい射精欲が、佳也子は感じたことのない恍惚感がこみ上げようとしていた。

「ま、まって…」
「え?」
だが、突然佳也子が静止を求めてきた。
その意味を図りきることができず、荒い息を吐きながら彼女の言葉を待っていると、佳也子は敷かれた布団の上に寝転び、恥ずかしそうに自分の膝を抱えて開脚したかと思うと、消え入りそうな小さな声で徹を誘った。
「は、初めては…あなたのおちんちんでいきたいの………。だから、私のここに、あなたのおちんちんを、入れて♡」
「…………!!」
うっすらと涙を浮かべ、こちらを見上げる佳也子を前に、理性を保つことなんてできなかった。言葉を発する時間さえもったいない、今すぐに彼女と一つになりたい、そう思いながら徹は無言で彼女に覆いかぶさり、秘所に陰茎を押し当てた。

ずっちゅ、ずちゅぅぅぅ、ぐちゅう…
「あ、あ、あぁ…きたぁ♡」
そして一気に腰を推し進め、ペニスをヴァギナに突き入れていく。
途中で彼女の純潔の証である処女膜に亀頭の先が触れたが、ほとんどなんの抵抗をすることもなく、あっさりと膜は破れた。一瞬だけ、彼女に痛みはないだろうかと心配したが、ペニスをその身で銜え込み蕩けきった表情を浮かべる彼女を見ているとそれが杞憂であることが十二分に分かった。
「くっはぁ…す、ごぃぃ…なにこれ!?」
などと、冷静に彼女の様子を観察していたかったのだが、人外の膣はそれを許さない。
温かく粘度の高い愛液をたっぷりと吐き出し、こりこりと感触のいい卑猥な膣肉が一斉に侵入してきたペニスに襲い掛かる。柔らかさを持ちながら筋肉質な彼女の膣は、ペニスをまるで大きな手のひらで揉んでいくように締め付けてくる。それがなんとも言えず、気持ちがいい。その心地よさにすぐにでも射精したくなってしまいそうになるが、腹筋に力を込めてなんとかこらえ、ゆっくりとピストン運動を開始する。
「…あん、いい…いぃ♡」
「っか、やこさん…佳也子さん!!」
秘肉を男根で突かれやや遠慮がちに、喘ぎ声が佳也子の口から洩れる。
それがなんだか彼女の奥ゆかしさや慎み深さを表しているようで、もっと彼女を淫らに泣かせたいという欲望や、純粋に彼女と愛し合いたいという気持ちが徹の中で燃え盛る。その気持ちを糧に、射精をなんとかこらえ無心に彼女の最奥を男根で突いていった。

最初はお互いに遠慮がちに動いていたが、それもすぐになくなる。
より気持ちよくセックスをするため、もっと快感を得るために二人は積極的に交わっていく。ぎこちなかった徹の腰振りもそれなりにさまになり、それを受ける佳也子も要領が分かってきたのか、合わせるように腰をくねらせる。そんな二人の初めての共同作業はなんとも言えず淫靡で、最高に気持ちがいい。いつまでもいつまでも、彼女と交わっていたいと半ば本気で思わずにはいられなかった。

「あ、もう、もうだめ♡」
「佳也子さん、自分ももうッ!!」
「一緒に、一緒にぃ♡」
そしていよいよ終わりの時が近づいてきた。
二人の呼吸は荒らしく吐き出され、佳也子は来るエクスタシーの波をこらえるために体をこわばらせ、徹は限界まで清掃に溜め込まれたドロドロの精液を解き放つために腰の動きを激しくする。そして最後の力を込めて徹が腰を打ち付け、佳也子がそれを受け止め抱き付いた瞬間

ッビュ、ビュウ…ビュルル、びゅくっびゅくっ…
「………っ♡!!!」
「っはぁ。ぁあ!!!」
限界まで勃起した陰茎から、大量のザーメンが吐き出された。
二人の口からは声にならない声が漏れ、体を弛緩させ快感にその身を漂わせる。それでもオスとしての本能なのか、徹はどぷどぷと子種を吐き出しながら無意識のうちにすこしでも奥で射精しようと腰を押し進めていく。佳也子は蜜壺の最奥、敏感な子宮口付近を猛るペニスでこすりあげられ、たまらず声を上げるが、徹の動きに応じるようにくいくいと腰を浮かせて精液を受け止めていった。

じゅぷぅ、ちゅぅ…ちゅぽん
そして最後の一滴まで出し切ったペニスを佳也子の女性器から引き抜く。
今まで経験したことがないほどの量を射精したというのに、佳也子のおまんこからは一滴の精液も漏れだすことはない。自分の体の下で震える彼女が全ての精液を子宮に飲み込んだのだと思うと、彼女と結ばれたことの実感や、メスを征服したというオスの本能が満たされ、徹の心には何物にも代えがたい幸せが湧き起こる。こみ上げる幸せに加え射精後独特の、不応期からくる気怠さに身を任せて彼女を抱きしめようと体を倒すが、その前に息を吹き返した佳也子が素早く隊を入れ替えた。

「ふふ、ふふふ。」
「か、佳也子さん?」
先ほどまで上に覆いかぶさっていたのに、気が付けば佳也子の下に倒され馬乗りに乗られて見下ろされていた。突然のことに驚く徹をしり目に、彼女はいまだに固く勃起する陰茎をつかみさらなる行為をねだる。
「………もっと、しましょ♡?」
「も、もちろん!!…あぁ!?」
同意の言葉を聞くや、佳也子はいきり立つ一物をおまんこで飲み込んだ。
改めて強烈な快感にさらされ、言葉がつまる。今まで受け身だった佳也子はその様子を楽しそうに眺めつつ、激しく腰を振り出した。
「好き、大好き…私も………愛してる、徹さん♡」
「自分も、愛してます…佳也子さん!!」
お互いの名前、自身の気持ちをぶつけあい二人はより深く交わっていく。

それは実に淫らで、愛に満ちていた。

こうして、二人の初体験はゆっくりと更けていったのだった。


14/08/10 21:40更新 / 松崎 ノス
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■作者メッセージ
なんとか無事に二人が結ばれました(笑)。

普段、男性が受けに回る話ばかり書いているので、徹のようなキャラクターは書くのが難しかったですね…。展開もいつになくのろのろとしたものになってしまったので、本当に今までにない大変さがありました。

一応これで本編は終わりですが、毎度のごとくおまけを、涼子の視点で本編の事後や裏話を書いていこうと思います。

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