第三十一記 -マーメイド-
「…御気分はいかがですか?」
………?
…どこだろう……ここ…。
お魚が空を泳いでる…。太陽は見えない。雲もない。
ゆらゆらと揺らめいて見える何かが、空にあるだけ…。
……私は……。
「メイ、メロ。この子が目を覚ましましたよ」
「まぁ。無事で良かったわ」
「男の子だったら、もっと良かったのだけれどね♪」
…横になっているらしい身体を…首だけ動かし、声のする方を見る。
………大きい…お魚?人間?が、3人。
一人は、白装束に身を包んで…ヒレの数も、体格も一番大きい、水色のお魚。
一人は、腰よりも長く伸びた髪と…頭に付いた…星?が特徴的な、青色のお魚。
一人は、ハートのペイントと泣きぼくろ、それと羽根帽子が目立つ、桃色のお魚。
そして3人とも、人間の上半身とお魚の下半身をした…奇妙な姿。
「そう思うのなら、いつまでもカリュブディスのおこぼれを狙うのはやめなさい」
水色のお魚が、桃色のお魚を叱っている…のかな?
よく分からない。
なんで水色のお魚は、桃色のお魚を叱っているんだろう?
なんで3人とも、腰から下が魚みたいなんだろう?
なんで空が、こんな…水みたいに、ゆらゆらしているんだろう?
なんで……私は、自分の部屋じゃなく…こんなところにいるんだろう…?
「どうして? シビ姉様。効率的じゃない♪」
…お父さん……お母さんは…?
頭の中に疑問が渦巻き……まずは動こうと思い立って、
両腕に力を込め…上半身を、ゆっくりと起こしていく…。
「あっ…、いけません」
青色のお魚に、上がる両肩を制される。
…わぁ……。
なんてキレイな人なんだろう…。
こんなにキレイな人、今まで見たことない。
人間って…ここまで綺麗になれるんだ…。
「もうしばらく、横になっていてください…」
背中とおなかに手を添えられ…また、ゆっくりと横にされる…。
それはなんだか…寝かし付けてもらっている、子供みたいだった。
「ここは私達の家です。何も危害はありません」
…家…?
……天井も…壁も…椅子も…何もない…。
あるのは…変な形をした石?植物?がたくさんと…貝殻のベッドが、2つ。
…よくよく見れば、今自分が寝ているこれも同じもの。貝殻のベッドが、3つ。
とても、家という表現からは掛け離れている場所…。
「メイ。その子のお世話を頼んでも構いませんか?」
「はい、シビ姉様」
端正な顔を後ろに向け、答える…メイさん。
メイさん、声も透き通ってて、キレイ…。
歌を歌ったら、とっても上手なんだろうな…。
「どこへ行くの? シビ姉様♪」
「この子の御友達や御家族も、溺れてしまっているのかもしれません」
尾びれを振り、ふわり…と宙に浮かぶ、水色のお魚…シビさん。
まるで、ここが水の中かのような動き。
どんな原理なんだろう…。魔術か何かかな?
「メロも、メイと一緒に、お世話を頼みましたよ」
「はーい♪」
翻り…瞬く間に遠く…見えなくなっていく姿。
シビさんが飛んだ後には、ぷくぷくと…小さな気泡だけが残っている…。
「…さて、と。メイ姉様ーっ♪」
それを見送っていた桃色のお魚…メロさんが、そそくさとメイさんに近寄る。
「なんですか? メロ」
「一緒に、カリュブディスのところへ行こっ♪」
「いけません。この子のお世話ができなくなります」
「一緒に連れていけばいいじゃない♪」
制止しようとするメイさんを横目に、ひょいっ、と私の身体が抱え上げられた。
「あなたも、行きたいでしょ?♪」
ウィンク。どきっ、とする。
「メロ。シビ姉様は、あなたを信頼して任せていったのですよ?」
「でもー、男探し、したいし♪」
「メロは、シビ姉様の気持ちが分からない悪い子ではありません」
「…ま、いっか。じゃあ、今日はあなたに付きっきりでいてあげる♪」
説得され…私をベッドに戻しつつ、隣に寝そべるメロさん。
…メロさんも、メイさんとは姉妹みたいだけれど…負けず劣らず、美人…。
落ち着いた雰囲気があるメイさんは、知的美人って感じだけれど…
どことなく子供っぽいメロさんは、小悪魔的美人って感じがする…。
それに…なんだろう、良い匂いがする…。香水かな…?
「…ねぇ、あなたはどんな遊びが好き?♪」
顔を寄せて…内緒話のように尋ねられる。
「シビ姉様も、メイ姉様も、遊んでくれるけれど…あまり積極的じゃないの♪」
肩口にメロさんの指が掛かり…親指が、するりと服の中に入る。
「…メロ」
「メイ姉様も、一緒に遊ぼ♪」
楽しそうなメロさんに対し、複雑そうなメイさんの表情。
遊ぶって…どういう意味でのことなんだろう?
なんでメイさんは、こんな困ったような顔をしているんだろう…?
「…この子の歳では、恐らく、まだ知らないことです…」
「私達が優しく教えてあげればいいのよ♪」
「メロ…。私を困らせないでください…」
「私はひとつ譲ったわ、メイ姉様♪」
「………」
先程とは一転…メロさんがメイさんを説得する形となり、
どうやらその結果は、メロさんに軍配が上がったようだ。
……押し切られたメイさんは、そっと……両手を私のほほに…
少し戸惑いのある顔を、目と鼻の先にまで近付ける。
驚いて、口が小さく開き………ぽかんとしたまま……見つめ合った…。
「…お名前を」
清流のような、声。
「お名前を教えて頂けませんか…?」
……答える。
「ソラ…。ソラには、胸を焦がすような…恋をしている相手はいますか?」
……………。
「ほら、夜になると、思い出して…アソコがむずむずしちゃうような人♪」
「メロ」
…一瞬、ある人の顔が頭を過ぎって……でも、自己否定。
メイさん達が言っているのは…たぶん、男の人のこと…。
「…いませんか?」
………頷く。
「ソラ。いつかあなたの元にも、そんな男性が現れます」
「お互いに意識し……気になり……好きになって……」
「恋をし……愛し合います」
うんうん、と頷きながら、私の横髪をくるくる指で弄るメロさん。
「男性と女性が愛し合う際…どんなことをするのか…」
「ソラは、ご存知ですか?」
……………頷く…。
「ソラは素直だね♪」
…恥ずかしい…。
「…その時に向けての練習を、私達として頂きたいのです」
…練、習……?
それ…つまり………エッチなこと……するの…?
「………」
ぇ…。本当に…? 本気で…?
メイさんや、メロさんみたいなキレイな人と…私が…?
………エッチなこと…するの……?
「ソラ…、顔真っ赤♪」
その言葉にハッとして、慌てて顔を隠し、目を瞑る。
どうして?という言葉が頭の中で何度も繰り返されて…。
恥ずかしい!という感情が胸の中でどこまでも膨らんで…。
…していいの?という期待が…心の中で深く渦巻いて…。
「…まずはお互い、包み隠さず…見せ合いましょう…」
どきん…と、胸を打つ言葉…。
………目を開け……指の隙間から覗くと……、胸の貝殻を外す…メイさんの姿。
それを見て、また指を閉じ、目をぎゅっと瞑る。
夢じゃないの? 夢だよね? こんなこと、あるはずないもん。
だめ。こんな夢、見ちゃだめ。また…、また、みんなのこと…。
「…ソラ。恥ずかしいのなら、手はそのままで構いません」
「でも、上を脱ぐときは片手ずつでいいから協力してね♪」
………するすると…脱がされていく服…。
上着が腕から抜けた時、ブラのホックが外された時、スカートのチャックの音が聞こえた時。
これは本当に夢なの…?という思いが、どんどん大きくなっていく…。
それはとうとう…パンツに指が掛けられた時…ぼんっ、と爆発した。
―だめっ…!
「きゃっ!?」
手を振り払って……背を向け、うずくまる。
右手は顔に、左手は…あそこに…。どちらが一番かわからない、その2つを隠して。
「…ソラ…?」
メイさん。ごめんなさい。乱暴して、ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさいっ…。
「ねぇ…メイ姉様」
「………」
「今…ソラ、おちんぽついてなかった?♪」
「えっ?」
……………。
「………」
「本当よ、メイ姉様。この目で見たわ♪」
……………。
「…メロ」
「何?♪」
「………」
「…分かってるわよ、メイ姉様♪」
……………。
「ソーラッ♪」
……………。
「ソラ、おちんぽ生えてるんだ。珍しいね♪」
……………。
「ね、私達に、見せて♪」
……………。
「…ダメ?♪」
……………。
「じゃあ、代わりに良いこと教えてあげる♪」
……………。
「恋ってスゴイ、ってお話なんだけれど…♪」
……………。
「自分が好きになった、自分を好きになってくれた人はね♪」
……………。
「例え自分が…何もできない、邪魔なだけの存在になっても…」
……………。
「人に言えないような、恥ずかしい秘密がばれたとしても…」
……………。
「ずぅっと…ずぅ〜〜〜っと、ぜんぶ受け入れて、愛してくれるんだよ♪」
っ…。
「周りの皆が、どんなに自分のことを酷く言ってきても…」
……………。
「絶対…その人だけは、一緒にいて…守ってくれるの♪」
……………おねえ………ちゃん……。
「私はね、そんな人にこの帽子を預けたいな〜、って♪」
……………。
「…良いこと、聞いたでしょ?♪」
……………。
「………ダメ?♪」
……………首を、横に振る。
「あははっ♪ もー、ソラってばー♪ 照れ屋さーんっ♪」
私の頭をくしゃくしゃとかき回すメロさん。
…どんどん…息苦しい感じが消えていくのが分かる……。
「じゃ、御開帳〜っ♪」
と、身体をくるりと回され、閉じた足に手が掛かる。
「…していいよね?♪」
………左手を顔に戻し………頷く。
「じゃあ、ゆっくり……かぱーっ…♪」
「……まぁ…」
メイさんの…驚いたような声。足が、強張る。
「…ソラ」
耳元に、声。
「ソラの可愛らしいコが…挨拶してくれました♥」
…ふわっ…と……あたたかいものに包まれる…。
そして…また、ふわっ…と……身体が浮くような感覚…。
「ソラの可愛い身体、皆に自慢しよう?♪」
「メロ。ソラへの水慣れの魔力は…」
「メイ姉様がしてあげて♪ 私は、こっち♪」
目を開ける勇気がなく…何が起きているか、分からない。
ただ、感じるのは…前と後ろから抱きかかえられ……女の子の部分を…触られていること。
声からして、たぶん…前がメイさんで、後ろがメロさん。
「ソラ…、口付けの経験は、ありますか?」
前からの声。
…首を振る。
「…私が初めてでも…よろしいですか…?」
…頷く。
「…♥ ………んっ…♥」
首に腕が絡まり……やわらかいものに、唇が吸い寄せられる…。
ぷるっ…としたそれは、いちごゼリーみたいに…甘酸っぱかった。
……キス、しちゃったんだ…って、わかった…。
「わお…♪ なんだか、背徳的♪」
「ふ…っ♥ ソラ…♥ 少しでいいので…口を開けて…♥」
「メイ姉様、海層に出るよっ♪」
ふと…。
ドボンッ!
…水に飛び込んだような音と共に、全身に感じる水の奔流。
上も、下も、右も、左も…何も分からない、全身に感じる重力。
鼻からは呼吸ができず、耳にはこもった音しか届かない。
でも…その中でも、なぜかはっきりと分かる…メイさんと、メロさんの存在…。
「んちゅ…♥ …ソラ…、私の胸の感触が分かりますか…?」
分かる…。胸に、ぎゅうって押し当てられてる。背中にも。
「女性の胸は、愛の結晶である赤ん坊を育むためと…」
「愛する夫に安らぎを与えるための…尊いものなのです」
「…ちゅ…♥ …豊かな胸も…控えめな胸も…それは同じです」
「夫が愛し、育んでくれた形が……ちゅっ…♥ 幸せの象徴なのです…♥」
メイさんが話すたびに…そのキレイな声を出す舌が、
私の唇を……歯を……舌を舐め……エッチな気分を呼び起こす…。
だって、でも、そんなの、そんな風にならないなんて……できない…。
メイさんみたいなキレイな人にキスされて…そんな気分にならないなんて…。
そんな人…いるわけないっ……。
「メイ姉様〜♪ 見てっ♪ ソラのここ♪」
「ん…」
「ほら…♪ メイ姉様にキスされて、こんなになっちゃってる♪」
……それは……メロさんが…ずっと、そこばっかり弄るからっ…。
「まぁ…♥」
「ソラって、そのケがあるのかも♪」
「ソラと心が通じ合えたのです。素敵な事…♥」
「そうとも言うね〜♪」
ずっと弄られて……じんじん熱くなってくる…あそこ……。
お腹の奥がうずうずしてきて………もっと……って気持ちが…。
「もうそろそろ、こっちも♪」
と…不意に掴まれる……男の子。
「私も…♥」
もう一つの手にも掴まれる…。
後ろからは幹の部分…、前からはさきっぽの部分…。
「しっかり熱いね♪ 硬いし、ちゃんとおちんぽしてる♪」
「ぴくぴくしてます…♥ 戸惑う小魚みたいに…可愛らしい…♥」
しゅっ…しゅっ…と擦り上げる指。
こねこね…くりくり…と揉み上げる指。
どちらも甘い刺激となって、男の子を伝い…私の全身に響き渡る…。
「ちゅっ…♥ ちゅぅぅ…♥ …ソラ、舌を…♥ ……れろっ…♥ そう…♥」
「羨ましいな、ソラ♪ どっちの気持ちよさも分かるんだもの♪」
くすくす耳をくすぐる声。
ふんわり押し付けられた胸。
ちろちろ絡み混じり合う唇。
にちゃにちゃ滾る男の子。
くちゅくちゅ溶ける女の子。
「あ、いいものみっけ♪ …えいっ♪」
ぐちゃっ…と、あそこに押しあてられる何か。そして…。
うにうにうにうにうにうにうにうにうに。
―っっっ〜〜〜〜!!?!?♥♥♥♥♥♥♥
「へへ〜っ♪ 千本短毛触手さん、ウニギンチャク♪」
見ると…足つぼサンダルみたいなポコポコした突起を、
私のあそこで…いくつもうにうにと動かしている…変な生き物。
変な生き物だけど……身体があそこからとろけおちそうなくらい…きもちいい…。
「ソラ♥ いつか現れる男性は、それ以上の幸福を与えてくれます♥」
これ…以上…?
うそ……だって、だってっ……もぅ………っ。
「…あ♪ メイ姉様っ♪ ソラ、イッてるよ〜♪」
「…♥ メロ、私にも貸して頂けますか…?♥」
「いいよ♪ はいっ♪」
うにうにうにうにうにうにうにうにうに。
―っっ〜〜〜♥♥♥♥♥♥♥ っっっ〜〜♥♥♥♥♥♥♥
「…わっ♪ すごいすごい♪ おちんぽミルクでたっ♪」
「まぁ…♥ ソラ、メロの帽子より真っ赤…♥」
「尿道の中、ぽっこんぽっこんしてる♪ まだ出そうだよ〜♪」
「ソラはおもちゃが好きなようですね♥」
「だね♪ 次はオナホマコや、ロータコ探してみよ♪」
「では、それまではこれで…」
「あ、ソラがイき終わったら私が使うから、返して♪」
「メロ。今はソラを一番愛する時間ですよ?」
「分かってるっ♪ これ以上に気持ちいいこと、してあげるの♪」
「それなら…♥」
「えへへ♪ 家に帰るまで、ソラ、何回…ううん、何十回イッちゃうかな〜?♪」
うにうにうにうにうにうにうにうにうに。
……………
………
…
………?
…どこだろう……ここ…。
お魚が空を泳いでる…。太陽は見えない。雲もない。
ゆらゆらと揺らめいて見える何かが、空にあるだけ…。
……私は……。
「メイ、メロ。この子が目を覚ましましたよ」
「まぁ。無事で良かったわ」
「男の子だったら、もっと良かったのだけれどね♪」
…横になっているらしい身体を…首だけ動かし、声のする方を見る。
………大きい…お魚?人間?が、3人。
一人は、白装束に身を包んで…ヒレの数も、体格も一番大きい、水色のお魚。
一人は、腰よりも長く伸びた髪と…頭に付いた…星?が特徴的な、青色のお魚。
一人は、ハートのペイントと泣きぼくろ、それと羽根帽子が目立つ、桃色のお魚。
そして3人とも、人間の上半身とお魚の下半身をした…奇妙な姿。
「そう思うのなら、いつまでもカリュブディスのおこぼれを狙うのはやめなさい」
水色のお魚が、桃色のお魚を叱っている…のかな?
よく分からない。
なんで水色のお魚は、桃色のお魚を叱っているんだろう?
なんで3人とも、腰から下が魚みたいなんだろう?
なんで空が、こんな…水みたいに、ゆらゆらしているんだろう?
なんで……私は、自分の部屋じゃなく…こんなところにいるんだろう…?
「どうして? シビ姉様。効率的じゃない♪」
…お父さん……お母さんは…?
頭の中に疑問が渦巻き……まずは動こうと思い立って、
両腕に力を込め…上半身を、ゆっくりと起こしていく…。
「あっ…、いけません」
青色のお魚に、上がる両肩を制される。
…わぁ……。
なんてキレイな人なんだろう…。
こんなにキレイな人、今まで見たことない。
人間って…ここまで綺麗になれるんだ…。
「もうしばらく、横になっていてください…」
背中とおなかに手を添えられ…また、ゆっくりと横にされる…。
それはなんだか…寝かし付けてもらっている、子供みたいだった。
「ここは私達の家です。何も危害はありません」
…家…?
……天井も…壁も…椅子も…何もない…。
あるのは…変な形をした石?植物?がたくさんと…貝殻のベッドが、2つ。
…よくよく見れば、今自分が寝ているこれも同じもの。貝殻のベッドが、3つ。
とても、家という表現からは掛け離れている場所…。
「メイ。その子のお世話を頼んでも構いませんか?」
「はい、シビ姉様」
端正な顔を後ろに向け、答える…メイさん。
メイさん、声も透き通ってて、キレイ…。
歌を歌ったら、とっても上手なんだろうな…。
「どこへ行くの? シビ姉様♪」
「この子の御友達や御家族も、溺れてしまっているのかもしれません」
尾びれを振り、ふわり…と宙に浮かぶ、水色のお魚…シビさん。
まるで、ここが水の中かのような動き。
どんな原理なんだろう…。魔術か何かかな?
「メロも、メイと一緒に、お世話を頼みましたよ」
「はーい♪」
翻り…瞬く間に遠く…見えなくなっていく姿。
シビさんが飛んだ後には、ぷくぷくと…小さな気泡だけが残っている…。
「…さて、と。メイ姉様ーっ♪」
それを見送っていた桃色のお魚…メロさんが、そそくさとメイさんに近寄る。
「なんですか? メロ」
「一緒に、カリュブディスのところへ行こっ♪」
「いけません。この子のお世話ができなくなります」
「一緒に連れていけばいいじゃない♪」
制止しようとするメイさんを横目に、ひょいっ、と私の身体が抱え上げられた。
「あなたも、行きたいでしょ?♪」
ウィンク。どきっ、とする。
「メロ。シビ姉様は、あなたを信頼して任せていったのですよ?」
「でもー、男探し、したいし♪」
「メロは、シビ姉様の気持ちが分からない悪い子ではありません」
「…ま、いっか。じゃあ、今日はあなたに付きっきりでいてあげる♪」
説得され…私をベッドに戻しつつ、隣に寝そべるメロさん。
…メロさんも、メイさんとは姉妹みたいだけれど…負けず劣らず、美人…。
落ち着いた雰囲気があるメイさんは、知的美人って感じだけれど…
どことなく子供っぽいメロさんは、小悪魔的美人って感じがする…。
それに…なんだろう、良い匂いがする…。香水かな…?
「…ねぇ、あなたはどんな遊びが好き?♪」
顔を寄せて…内緒話のように尋ねられる。
「シビ姉様も、メイ姉様も、遊んでくれるけれど…あまり積極的じゃないの♪」
肩口にメロさんの指が掛かり…親指が、するりと服の中に入る。
「…メロ」
「メイ姉様も、一緒に遊ぼ♪」
楽しそうなメロさんに対し、複雑そうなメイさんの表情。
遊ぶって…どういう意味でのことなんだろう?
なんでメイさんは、こんな困ったような顔をしているんだろう…?
「…この子の歳では、恐らく、まだ知らないことです…」
「私達が優しく教えてあげればいいのよ♪」
「メロ…。私を困らせないでください…」
「私はひとつ譲ったわ、メイ姉様♪」
「………」
先程とは一転…メロさんがメイさんを説得する形となり、
どうやらその結果は、メロさんに軍配が上がったようだ。
……押し切られたメイさんは、そっと……両手を私のほほに…
少し戸惑いのある顔を、目と鼻の先にまで近付ける。
驚いて、口が小さく開き………ぽかんとしたまま……見つめ合った…。
「…お名前を」
清流のような、声。
「お名前を教えて頂けませんか…?」
……答える。
「ソラ…。ソラには、胸を焦がすような…恋をしている相手はいますか?」
……………。
「ほら、夜になると、思い出して…アソコがむずむずしちゃうような人♪」
「メロ」
…一瞬、ある人の顔が頭を過ぎって……でも、自己否定。
メイさん達が言っているのは…たぶん、男の人のこと…。
「…いませんか?」
………頷く。
「ソラ。いつかあなたの元にも、そんな男性が現れます」
「お互いに意識し……気になり……好きになって……」
「恋をし……愛し合います」
うんうん、と頷きながら、私の横髪をくるくる指で弄るメロさん。
「男性と女性が愛し合う際…どんなことをするのか…」
「ソラは、ご存知ですか?」
……………頷く…。
「ソラは素直だね♪」
…恥ずかしい…。
「…その時に向けての練習を、私達として頂きたいのです」
…練、習……?
それ…つまり………エッチなこと……するの…?
「………」
ぇ…。本当に…? 本気で…?
メイさんや、メロさんみたいなキレイな人と…私が…?
………エッチなこと…するの……?
「ソラ…、顔真っ赤♪」
その言葉にハッとして、慌てて顔を隠し、目を瞑る。
どうして?という言葉が頭の中で何度も繰り返されて…。
恥ずかしい!という感情が胸の中でどこまでも膨らんで…。
…していいの?という期待が…心の中で深く渦巻いて…。
「…まずはお互い、包み隠さず…見せ合いましょう…」
どきん…と、胸を打つ言葉…。
………目を開け……指の隙間から覗くと……、胸の貝殻を外す…メイさんの姿。
それを見て、また指を閉じ、目をぎゅっと瞑る。
夢じゃないの? 夢だよね? こんなこと、あるはずないもん。
だめ。こんな夢、見ちゃだめ。また…、また、みんなのこと…。
「…ソラ。恥ずかしいのなら、手はそのままで構いません」
「でも、上を脱ぐときは片手ずつでいいから協力してね♪」
………するすると…脱がされていく服…。
上着が腕から抜けた時、ブラのホックが外された時、スカートのチャックの音が聞こえた時。
これは本当に夢なの…?という思いが、どんどん大きくなっていく…。
それはとうとう…パンツに指が掛けられた時…ぼんっ、と爆発した。
―だめっ…!
「きゃっ!?」
手を振り払って……背を向け、うずくまる。
右手は顔に、左手は…あそこに…。どちらが一番かわからない、その2つを隠して。
「…ソラ…?」
メイさん。ごめんなさい。乱暴して、ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさいっ…。
「ねぇ…メイ姉様」
「………」
「今…ソラ、おちんぽついてなかった?♪」
「えっ?」
……………。
「………」
「本当よ、メイ姉様。この目で見たわ♪」
……………。
「…メロ」
「何?♪」
「………」
「…分かってるわよ、メイ姉様♪」
……………。
「ソーラッ♪」
……………。
「ソラ、おちんぽ生えてるんだ。珍しいね♪」
……………。
「ね、私達に、見せて♪」
……………。
「…ダメ?♪」
……………。
「じゃあ、代わりに良いこと教えてあげる♪」
……………。
「恋ってスゴイ、ってお話なんだけれど…♪」
……………。
「自分が好きになった、自分を好きになってくれた人はね♪」
……………。
「例え自分が…何もできない、邪魔なだけの存在になっても…」
……………。
「人に言えないような、恥ずかしい秘密がばれたとしても…」
……………。
「ずぅっと…ずぅ〜〜〜っと、ぜんぶ受け入れて、愛してくれるんだよ♪」
っ…。
「周りの皆が、どんなに自分のことを酷く言ってきても…」
……………。
「絶対…その人だけは、一緒にいて…守ってくれるの♪」
……………おねえ………ちゃん……。
「私はね、そんな人にこの帽子を預けたいな〜、って♪」
……………。
「…良いこと、聞いたでしょ?♪」
……………。
「………ダメ?♪」
……………首を、横に振る。
「あははっ♪ もー、ソラってばー♪ 照れ屋さーんっ♪」
私の頭をくしゃくしゃとかき回すメロさん。
…どんどん…息苦しい感じが消えていくのが分かる……。
「じゃ、御開帳〜っ♪」
と、身体をくるりと回され、閉じた足に手が掛かる。
「…していいよね?♪」
………左手を顔に戻し………頷く。
「じゃあ、ゆっくり……かぱーっ…♪」
「……まぁ…」
メイさんの…驚いたような声。足が、強張る。
「…ソラ」
耳元に、声。
「ソラの可愛らしいコが…挨拶してくれました♥」
…ふわっ…と……あたたかいものに包まれる…。
そして…また、ふわっ…と……身体が浮くような感覚…。
「ソラの可愛い身体、皆に自慢しよう?♪」
「メロ。ソラへの水慣れの魔力は…」
「メイ姉様がしてあげて♪ 私は、こっち♪」
目を開ける勇気がなく…何が起きているか、分からない。
ただ、感じるのは…前と後ろから抱きかかえられ……女の子の部分を…触られていること。
声からして、たぶん…前がメイさんで、後ろがメロさん。
「ソラ…、口付けの経験は、ありますか?」
前からの声。
…首を振る。
「…私が初めてでも…よろしいですか…?」
…頷く。
「…♥ ………んっ…♥」
首に腕が絡まり……やわらかいものに、唇が吸い寄せられる…。
ぷるっ…としたそれは、いちごゼリーみたいに…甘酸っぱかった。
……キス、しちゃったんだ…って、わかった…。
「わお…♪ なんだか、背徳的♪」
「ふ…っ♥ ソラ…♥ 少しでいいので…口を開けて…♥」
「メイ姉様、海層に出るよっ♪」
ふと…。
ドボンッ!
…水に飛び込んだような音と共に、全身に感じる水の奔流。
上も、下も、右も、左も…何も分からない、全身に感じる重力。
鼻からは呼吸ができず、耳にはこもった音しか届かない。
でも…その中でも、なぜかはっきりと分かる…メイさんと、メロさんの存在…。
「んちゅ…♥ …ソラ…、私の胸の感触が分かりますか…?」
分かる…。胸に、ぎゅうって押し当てられてる。背中にも。
「女性の胸は、愛の結晶である赤ん坊を育むためと…」
「愛する夫に安らぎを与えるための…尊いものなのです」
「…ちゅ…♥ …豊かな胸も…控えめな胸も…それは同じです」
「夫が愛し、育んでくれた形が……ちゅっ…♥ 幸せの象徴なのです…♥」
メイさんが話すたびに…そのキレイな声を出す舌が、
私の唇を……歯を……舌を舐め……エッチな気分を呼び起こす…。
だって、でも、そんなの、そんな風にならないなんて……できない…。
メイさんみたいなキレイな人にキスされて…そんな気分にならないなんて…。
そんな人…いるわけないっ……。
「メイ姉様〜♪ 見てっ♪ ソラのここ♪」
「ん…」
「ほら…♪ メイ姉様にキスされて、こんなになっちゃってる♪」
……それは……メロさんが…ずっと、そこばっかり弄るからっ…。
「まぁ…♥」
「ソラって、そのケがあるのかも♪」
「ソラと心が通じ合えたのです。素敵な事…♥」
「そうとも言うね〜♪」
ずっと弄られて……じんじん熱くなってくる…あそこ……。
お腹の奥がうずうずしてきて………もっと……って気持ちが…。
「もうそろそろ、こっちも♪」
と…不意に掴まれる……男の子。
「私も…♥」
もう一つの手にも掴まれる…。
後ろからは幹の部分…、前からはさきっぽの部分…。
「しっかり熱いね♪ 硬いし、ちゃんとおちんぽしてる♪」
「ぴくぴくしてます…♥ 戸惑う小魚みたいに…可愛らしい…♥」
しゅっ…しゅっ…と擦り上げる指。
こねこね…くりくり…と揉み上げる指。
どちらも甘い刺激となって、男の子を伝い…私の全身に響き渡る…。
「ちゅっ…♥ ちゅぅぅ…♥ …ソラ、舌を…♥ ……れろっ…♥ そう…♥」
「羨ましいな、ソラ♪ どっちの気持ちよさも分かるんだもの♪」
くすくす耳をくすぐる声。
ふんわり押し付けられた胸。
ちろちろ絡み混じり合う唇。
にちゃにちゃ滾る男の子。
くちゅくちゅ溶ける女の子。
「あ、いいものみっけ♪ …えいっ♪」
ぐちゃっ…と、あそこに押しあてられる何か。そして…。
うにうにうにうにうにうにうにうにうに。
―っっっ〜〜〜〜!!?!?♥♥♥♥♥♥♥
「へへ〜っ♪ 千本短毛触手さん、ウニギンチャク♪」
見ると…足つぼサンダルみたいなポコポコした突起を、
私のあそこで…いくつもうにうにと動かしている…変な生き物。
変な生き物だけど……身体があそこからとろけおちそうなくらい…きもちいい…。
「ソラ♥ いつか現れる男性は、それ以上の幸福を与えてくれます♥」
これ…以上…?
うそ……だって、だってっ……もぅ………っ。
「…あ♪ メイ姉様っ♪ ソラ、イッてるよ〜♪」
「…♥ メロ、私にも貸して頂けますか…?♥」
「いいよ♪ はいっ♪」
うにうにうにうにうにうにうにうにうに。
―っっ〜〜〜♥♥♥♥♥♥♥ っっっ〜〜♥♥♥♥♥♥♥
「…わっ♪ すごいすごい♪ おちんぽミルクでたっ♪」
「まぁ…♥ ソラ、メロの帽子より真っ赤…♥」
「尿道の中、ぽっこんぽっこんしてる♪ まだ出そうだよ〜♪」
「ソラはおもちゃが好きなようですね♥」
「だね♪ 次はオナホマコや、ロータコ探してみよ♪」
「では、それまではこれで…」
「あ、ソラがイき終わったら私が使うから、返して♪」
「メロ。今はソラを一番愛する時間ですよ?」
「分かってるっ♪ これ以上に気持ちいいこと、してあげるの♪」
「それなら…♥」
「えへへ♪ 家に帰るまで、ソラ、何回…ううん、何十回イッちゃうかな〜?♪」
うにうにうにうにうにうにうにうにうに。
……………
………
…
12/03/31 00:05更新 / コジコジ
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