連載小説
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後編
ソランは広いベッドの上で目を覚ました、手を一杯に広げても端に届かないくらい広いベッドだ。
こんなに柔らかいベッドで寝るのはどのくらい振りだろう。
「・・・」
夢見心地だった脳に沁み入るように記憶が蘇り始める、魔物だ、自分はあの美しい魔物に倒されたのだ、・・・何故戦っていたのだろう?確か・・・そうだ、あの魔物はコンラッドを攫ったのだ、だから取り返そうと・・・戦う前に魔物は何か言った、その一言に自分は激昂したのだ、あの魔物はコンラッドを・・・コンラッドを・・・。
ソランは身を起こした、いつも燃えるような輝きを放っていた蒼い瞳は輝きを失い、人形の目のようだ。
ここはどこだろう。
見回してみると知らない寝室だった、自分が寝かされていたベッドは思った以上に大きく、しっかりとした造りのものだった、ベッドの傍らにはサイドテーブルがあり、その上のランプが部屋全体に優しい光を投げ掛けている。
あの状況からどうやって助かったのだろう。
そこでふとソランは気付いた、体の何処にも痛みを感じない。
掛けられていたシーツをどけて自分の体を見てみるとパジャマのような衣服を着せられていた、自分の知らない服だ、そしてあんな傷だらけだった体は最初から何もなかったかのように完治している。
そこでソランは状況を理解した、恐らく自分もあの魔物に捕えられたのだ、このように短時間で跡形もなく傷を完治させるような治癒魔法を使える者は滅多にいない、そして恐らくあの魔物なら可能だ、何故自分の怪我を治療し、拘束もせずにベッドになぞ寝かせていたのかは分からないが。
その時部屋のドアが開き、空色のセーターを着たジュカが現れた。
「おはよう・・・まだ夜だから今晩はかな、気分はどう?」
「・・・」
ソランは何も答えない、ただ、ジュカに虚ろな視線を寄こしただけだった、体中から生気が抜け落ちている、肌は青白く血の気を失っており、美しいだけに精巧にできた人形のようにも見える。
ジュカはそのソランの目をしっかり見ながら言った。
「コンラッド君は生きているよ」
ぴくり、とソランが反応を示す、しかし瞳は虚ろなままだ。
ジュカはそっと半開きだったドアを開ききる。
部屋の外に、コンラッドがいた。


「コン・・・」
掠れた声でソランは呟いた、目の前の状況を理解しきれない様子だった。
「ソランさん・・・」
コンラッドが呟いた。
その瞬間、ビー玉のようだったソランの瞳に蒼い輝きが灯った。
「コンラッド、君」
みるみるソランの体に生気に満ち始め、霞掛っていた頭が目覚めたように回転を始める。
「コンラッド君!」
叫ぶと同時に先程の青白さが嘘のように全身に血が通い、艶やかな肌色を取り戻す。
ジュカは嬉しそうにその様子を見ていた。
ソランは胸が喜びと安堵で一杯になり、一瞬何もかもが決壊しそうになる。
しかし、思慮深さを取り戻した頭脳が感情の爆発を押し留める、コンラッドは無事だった、無事だったからこそ二人で生きて帰るために冷静に思考せねばならない、未だ危機は去っていない、再会を喜ぶのはこの危機を脱した後だ。
ソランはコンラッドの姿を観察した、見る限り危害を加えられた形跡はない。
「ふふふ、安心した?」
ジュカはそう言うとコンラッドを部屋に入れてドアを閉めた。
この魔物は一体何を考えているのだろうか・・・?
ソランは相手の意図を読もうと思考を巡らせるが、見当もつかない。
その時、コンラッドが言葉を発した。
「どうして・・・来たんですか・・・」
ソランははっとしてコンラッドを見る、悲しそうな顔をしている。
「何で・・・」
ソランは痛い所を触られたように顔をしかめ、俯く。
独断で先行し、無謀な戦いを挑み、挙句捕えられてしまった、自分の行為は明らかに騎士の模範を逸脱している。
「俺一人なんかのためにどうして・・・ソランさんは勇者としていだだだだだ!」
何事かと顔を上げるとジュカがジト目でコンラッドの脇腹をつねっていた。
「に〜ぶ〜ち〜ん、何でかわかんない?」
「だだだだだ何でお前が怒るんだ!?」
「同じ女として納得いかないの!」
「や、やめてあげて!?」
「おおっと動いちゃダメだよ♪」
思わず止めに入ろうとするソランを見てジュカはつねっていた手を離し、コンラッドの背後に回り込んで首筋に指先を這わせる。
「おとなしくしててね〜」
「・・・!」
ジュカの見た目からは想像もつかない強さを知っているソランは青くなる、ジュカがその気になれば素手で人間の首を飛ばすことなど容易い。
無論、ジュカはコンラッドを傷つける気など毛頭ないが、魔物は人を害するものと認識しているソランは抵抗できなくなる。
ソランは心を落ち着かせる事に努める
意図はわからないがこの魔物は自分達を傷付ける気はないようだ、今のところは言う事を聞いて隙を伺うしかない、少なくともコンラッドに密着している今は何もできない。
コンラッドも心を落ち着けようとするが、うまくいかない。
何しろ存在自体が媚薬であるリリムのジュカに密着されているのだ、さっきからずっとジュカの匂いに包まれているし、背中にセーター越しの二つの膨らみが潰れるほど密着しているのだ、股間の昂ぶりが目の前のソランにばれないか気が気でない。
「ソランちゃんっていうんだね、私はジュカ、よろしくね」
「お前の目的は何だ?魔物は人を食らう前に弄ぶのが趣味なのか?」
ソランは怜悧な眼差しでジュカを見据えながら問う、ジュカはくすくすと笑う。
「教会はそう教えてるんだったね・・・ふふ、そう、弄ぶんだよ」
ジュカはより一層コンラッドに密着しながら言う、両手を妖しく全身に絡み付け、鼻先をコンラッドの首筋に埋める。
「くううっ」
コンラッドは腰が砕けそうになるのを必死にこらえる、抱きつかれているだけなのにどうしてこんなに気持ちがいいのか。
「・・・」
ソランはぎりりと歯噛みする、コンラッドは必死にこらえているが、顔が紅潮しているのがわかる、責める気にはなれない、あの魔物の魅了の力は異常だ、男性である限り、いや、女性であったとしてもあんな風にされてまともではいられないだろう。
「それじゃあ・・・着せておいて何だけど、脱いでもらおっかな」
「なっ・・・」
「・・・っ!、ソランさんを辱める気か!」
ソランは真っ赤になって俯く。
ソランにとって辱められる事自体はどうという事は無い、無論、屈辱だが、女の身でこういった世界に足を踏み入れる限りそういった恥辱を身に受ける可能性があるという覚悟はいつでも胸に留めていた、例え下卑た男に身を汚されようと、どんな恥辱を受けようと冷静さを失わず、反撃のチャンスを伺う自信があった、しかし・・・。
ソランはふるえながらコンラッドを見る。
コンラッドにその様を見られるのだけは耐え難い、例え自分の身がどんなに汚されようと、彼の中では、彼の記憶の中だけでは清い自分でいたかった、彼の理想のままでいたかった。
「こ・・・のぉっ!」
「わっと」
ソランの視線を受けたコンラッドは力の入らない体で必死に抵抗し始めるが、ジュカに易々と抑え込まれる。
まずい、今この魔物の機嫌を損ねるのは危険だ。
「・・・脱げばいいのでしょう」
「ソランさん!」
しっかりしろ、彼の命に比べれば自分の恥くらい何だ。
「駄目だ!ソランさん!ぅう・・・」
「ふふ、落ち着いてコンラッド君、ほら・・・よぉく見て・・・」
ジュカはコンラッドの首筋を一撫でしておとなしくさせると、コンラッドの顔をソランの方に向けさせる。
ソランはベッドから降り、震える手でパジャマのズボンの裾に手を掛ける。
「お、下からいく?マニアックぅ」
ソランがまず下から脱ごうとしたのはコンプレックスのある上半身を無意識に庇う行動だったが、どちらにしろ恥ずかしさは変わらない。
コンラッドは見まいとしてぎゅっと目を閉じるが、ジュカにほら見て、と囁かれると、意思に反して瞼はすうっと開かれてしまう。
二人の視線を極力意識から排除しようと努めるが、痛いくらいの視線をどうしても無視できない、そして、恥じらいがあるが故にひどく艶めかしい脱ぎ方になってしまう。
ゆるゆると裾を下ろし、ズボンを足から抜き取る。
「おおー脚線美、うんうん、やっぱりその下着よく似合ってるね」
上半身パジャマに下半身は下着という眩惑的な姿になる。
鍛えられていながらも白く、すらりと長い脚にコンラッドの視線は釘づけにされてしまう。
「ふふ、コンラッド君夢中だね、あんなに綺麗なら無理ないね♪」
太股に特に強く視線を感じ、ますます顔が紅潮する、一方でコンラッドが自分に夢中になっているという事実に、こんな状況ながら女性として誇らしく感じてしまう自分もいる。
「じゃあ、次は上だね」
「・・・」
しかし、そこから先がもじもじするばかりで中々手が動かない。
「ほら、コンラッド君もお待ちかねだよ〜」
ソランはぎゅっと唇を噛みながら裾に手を掛け、持ち上げる。
引き締まって括れた腰が露わになり、ブラに包まれた乳房が露わになる。
「んぶっ!?」
思わずコンラッドが反応する。
「ええと、別に意地悪でそれ選んだんじゃなくてその・・・それが持ってる中で一番大きいサイズだったんだけど・・・」
「うるさい!」
苦笑いするジュカに涙目で言い返すソラン。
確かにだいぶ大きめのサイズのブラなのだが、それでも乳房は収まりきっておらず、ブラが食い込んで豊かな肉が淫らに変形し、深い谷間が出来ている。
起きた時からずっときついとは思っていたのだ。
昔から必要以上に女性を主張し、男の視線を無用に引き寄せ、鎧も彼女の物だけ特注であつらえなければならないという胸は彼女の大きなコンプレックスになっていた、それをこんな風に淫らに仕立てられ、コンラッドの前に晒す事になるなんて・・・。
「はあ・・・はあ・・・ああ・・・」
余りに刺激的なソランの姿にもはやコンラッドは言葉もなく、荒い息を吐くしかできない。
「ふふ、大きいの好き?でも私のも負けてないぞ〜」
その上後ろからジュカがうりゃうりゃとセーター越しの膨らみをますます押し付けるので視覚的興奮と直接的快感でもはや何が何やらわからない。
「ね、彼女だけが恥ずかしい思いをするのは不公平だと思わない?」
「えっ・・・」
ジュカの手がコンラッドの下半身に絡み付き始める。
「次はソランちゃんが見る番だよ・・・目を逸らしちゃだめだよ?」
言われる前からソランの目はコンラッドの下半身に向けられてしまう、はしたないとは思うが、どちらにしろ強要されるのでしょうがない・・・と、自分に言い訳する。
「なっ・・・だ、駄目だ!」
コンラッドは慌てて防御する、今の愚息は今まで自分でも感じたことがないくらいに最高潮なのだ。
「あれー、自分だけ拒否するんだ?彼女は君のためにあんなに頑張ったのに」
「・・・」
ジュカの意地悪な言葉に黙り込む。
「ふふ、大丈夫大丈夫この状況で何も反応してなかったらむしろ私にも彼女にも失礼だから」
そうは言っても・・・と、思い悩んでいるうちにジュカの手はするりとベルトを抜き取り、ズボンごとパンツをずり降ろしてしまう。
「ふわっ・・・びっくり箱」
「・・・っっ!!」
それこそ臍まで反り返らんばかりの状態なので勢いよく飛び出してしまう。
ジュカは目を見開いて見入り、ソランは顔を両手で覆いながらも指の間からしっかり見る。
「はぁぁ・・・これが・・・あ、ソランちゃんももっと近くで見ていいよ」
「あ・・・は・・・はい・・・」
ちょいちょいと手招きするジュカにソランはふらふらと近付く。
普段の彼女ならもう少し自制が効くのだが、今はジュカの言う事には逆らえないという言い訳が通じる状況だ、それに加えて気付かないうちにソランもジュカの放つ魔力に当てられ、理性のタガが緩んでいる状態だった。
「ほら座って・・・」
「はい・・・」
陰茎が目の前に来るように座り込む。
コンラッドの前に跪く形になり、その構図にコンラッドはぞくぞくと倒錯した愉悦を感じてしまう、加えてこの角度はソランを見下ろす形になり、胸板から大きく突き出てブラに締め付けられている乳房が作り出すくっきりとした谷間が見える。
強烈な視覚効果に陰茎がびくびくと反応する。
「ああ・・あっ・・・う、動いて・・・」
「不思議だね・・・ね、触ってみて、大事なところだから優しくね」
ソランはもう返事をする余裕もなく、ただ唾を飲み込んでこくこくと頷くと恐る恐る手を伸ばした。
「ソランさん!正気に戻って・・・!こんなこと・・・!」
コンラッドの必死の呼びかけに一瞬我に返り、下着姿で彼の前に跪いて陰茎に手を伸ばす自分の姿を認識してしまい、そのはしたなさに改めて羞恥を感じるが、それも結局ジュカには逆らえないという状況に後押しされ、剣を使っている割に細く、白い指先を陰茎に触れさせる。
陰茎に冷たい指先の感触を感じた瞬間さらに何かを言おうとしていたコンラッドはそれで黙らざるを得なくなった、もう、ソランに語りかけるより自分の欲情を抑えることで一杯一杯になってしまう。
あ・・・熱・・・い
指に伝わる熱量に目を見開き、コンラッドの顔を見上げる。
コンラッドは泣き出しそうな苦しそうな表情をしている。
「苦しいの・・・痛いの・・・?」
「違うよ、コンラッド君は気持ちいいのを我慢しているんだよ・・・ほら、もっといい子いい子してあげて♪」
言われた通り、犬の頭を撫でるようにしてやるとコンラッドは目を閉じてううぅぅ・・・と切なげな声を上げる。
気持ち、いいんだ・・・
自分の手でコンラッドが気持ち良くなっている、という事実がまた彼女の理性を削り取る、今度は両手で陰茎を包み込むようにして握ってみる、熱い、すごく熱くて脈打っている、心臓のようだ。
「手で擦ってあげて、ゆっくりね・・・」
「擦る・・・?」
「握ったまま上下に動かしてあげて・・・そう、それが男の人が自分を慰める時にする動きだよ♪」
一瞬、自らを慰めるコンラッドの姿を思い浮かべてしまい、ますます赤面する。
なんて事を言うのだ、と、コンラッドもまた快感と別の意味で赤面する。
しかし、ソランがジュカに言われた通りにその白い指でにゅちにゅちと陰茎を擦り始めると、もう、何も考える余裕もなくなった。
そんなコンラッドの顔を見て、ああ、本当に気持ちがいいんだ、とソランはますます瞳を潤ませる。
「ふふ・・・ね、もっともっと、彼を気持ちよくしてあげたい?」
はあはあと息を乱しながら、殆ど夢中でこくこくと頷く。
「それじゃあね・・・お口、お口を使うんだよ」
口・・・?口を使う、とは・・・
一瞬意味がわからなかったが、ピンク色に染まった脳が弾きだした答えの余りの淫らさに頭がクラクラした、それはつまり、こう・・・
「ソ、ソラン、さん・・・!?や、やめっ・・・!」
ソランがその薄桃色の唇を自分の陰茎に寄せて来た時、流石にコンラッドは制止の声を上げたが、ソランはそれを無視し・・・
ちゅっ
ファーストキスをコンラッドの陰茎に捧げた。
「ああっあっな、何てこと、なんて、ことをっくううううぅぅっ!?」
コンラッドは悲嘆の声を上げるがその後に続くさらなる愛撫に言葉を続けられなくなる。
ソランはコンラッドの表情を伺いながら繰り返し陰茎全体にくちづけの雨を降らせ始める、
時折舌も使ってちろちろと舐め回す、そうして愛撫した場所によるコンラッドの反応の違いを観察し、彼の弱い所、気持ちのいい所を模索しようとしていた、こんな場面に至っても彼女は優秀さを発揮しているのだった。
「すごい・・・すごいよぉ・・・ソランちゃん、私よりもサキュバスみたい・・・」
ジュカも彼女の熱心な愛撫を目を潤ませて見入り、尻尾をゆらゆら揺らしながらコンラッドの服の下に手を侵入させて胸板を撫で回し、彼の快楽を助長する。
やがて、ソランが彼の弱点を把握しきった所を見計らい、声を掛ける。
「口全体を使ってみてもいいんじゃないかな・・・♪」
口全体?全体って・・・
コンラッドは快楽に鈍る頭で考えようとするが、もはや頭が回らない、答えはソランが先に出した。
「見て、ほら見て、コンラッド君♪」
「ええ・・・?」
視覚的な刺激を受けまいと必死に中空を見つめていたが、ジュカの言葉に思わず視線を落とす。
そこには限界まで張り詰めた陰茎を前にあーん、と大きく口を開けたソランの顔があった、白く、並びのいい歯の上でぬらぬらと濡れて光るピンク色のナメクジのような舌が踊っている。
「やめ「はぷちゅ♪」
コンラッドの腰が震えあがる、ソランの口が自分の陰茎を咥えている、あの夜、自分に道を示してくれた言葉を紡いだ口が、舌が、歯が、唇が、自分の下卑た欲望を処理する道具のように使われている、それも本人の意思で。
「あ・・・かっ・・・あ・・・やめ・・・」
「じゅるっ」
何か大切な物が壊されたような感覚と同時に強烈な背徳感と快感が背筋を這い上がった、陰茎の先端が蕩け落ちそうに熱い。
「んん、ンん・・・」
舌をぬめらせながら陰茎をさらに喉奥にまで受け入れようと首を伸ばすソラン。
「ン・・・ん?」
しかし、そのソランの動きをコンラッドの震える両手が阻止した。
先程まで力が入らず、だらりと垂れ下がっていた腕に死に物狂いで活を入れ、ソランの頭を掴んで股間から遠ざけようとする。
「ん〜んっん〜」
ソランはそれをぐずる子供のように嫌がり、腰に縋りつこうとするが、コンラッドは歯をぎりぎり軋ませながら快楽と欲望に耐え、ソランの頭を引き離していく、驚嘆に値する理性と精神力だった。
しかし、先端に唇が吸いついているだけの状態にまで引き剥がした所で、コンラッドの両手に白い手が優しく絡み付いた、ジュカの手だった。
「ああううううああああっ」
泣き笑いのような顔で振り返るコンラッドにジュカは微笑みかけ、コンラッドの手首を掴んでソランの頭から引き離した。
「んじゅるるるぅ♪」
再びソランの熱い熱い口腔内に陰茎が収められていく。
「うううっうぐううっ」
コンラッドは抵抗しようとするが手はジュカが後から恋人握りの形で指をしっとりと絡ませるように捕え、腰を引こうにも甘い肉体に抱き止められていてはそれもできない。
コンラッドは成す術もなくソランの口腔奉仕を受けるしかなかった。
ジュカは抵抗を封じられ、あえぎ続けるしかないコンラッドを心底愛おしげに見つめ、囁いた。
「すごいねコンラッド君・・・惚れ直しちゃった」
そして、ソランが淫らな奉仕を施す上でファーストキスをそっと捧げた。
それは唇同士を触れ合わせるだけのキスだったが、触れ合った瞬間コンラッドは頭の中でピンク色の爆発が起こったように感じた、何しろリリムのキスだ。
陰茎が一際激しく反応したのを感じ、ソランは二人が口付ける様を下から見上げる。
「んン〜っ!!・・・じゅるんっ」
そして、それに抗議するように亀頭の根元を舌でぐるりと舐める、先程気付いたコンラッドの弱点だ。
悲鳴を上げるコンラッドから唇を離し、ジュカはえへへ、と笑う。
「ごめんごめん、邪魔しちゃった」
「んむぅっじゅぷっじゅぷっじゅっぷっ」
「んんあああうう、ソランさんっ!」
他に気を取られたお仕置きと言わんばかりに唇でピストン運動を開始するソラン、娼婦でしか知らないようなテクニックだが、ソランは先程の手で擦る動作の応用で自らこのやり方を考え付き、実践したのだ、恐ろしい応用力といえる。
コンラッドは快楽でチカチカする視界で自分に奉仕するソランの姿を見る。
ピストンするたびに背中に広がる金の髪が揺れ、背中からでも輪郭がはみ出て見える乳房がゆらゆらと揺れる、無意識の動きなのか細腰がくなくなと誘うように振られ、いつもはきりりとつり上がり、強い意志を表していた目じりは下がりきっている、燃えるような輝きを放っていた蒼い瞳は潤み、今まで見た事のない粘着質な炎が揺れている。
「あは、ショック?信じられない?これが自分の憧れた勇者様の姿だなんて思えない?」
コンラッドの考えを読んだようにジュカが囁きかけてくる。
「ぐううっ・・・!お前ぇっ!・・・何か魔法を・・・!」
「掛けてないよ、私の傍にいることで影響はあるかもしれないけど」
「やっぱり・・・っっうっ・・・!影響があるんじゃないかぁっ!」
「誰彼構わず発情しちゃうようなものじゃないよ、私の及ぼす影響はただ、普段よりちょっと素直になっちゃうだけ・・・」
「それは・・・っどういう・・・っっううっ」
「んもー、ほんとににぶちん、ここまで言ってわからないかなぁ?」
ジュカは耳元にさらに近付き、小声で囁く。
「彼女が君を好きだからだよ」
「・・・っ!?・・・そんっ・・・」
「好きで好きでたまんなくって・・・蕩けちゃうくらい、あんな風に、ね・・・」
「・・・ああっううっ!?」
「そうだよ、勇者様をあんな風に蕩かしちゃったのは私じゃなくって」
「・・・・っっ」
「きみ♪」
「ぐあううううっっ」


限界はとうに超えていた、ただ、許容量を遥かに超えた快楽を大量に注がれ続けたため、体が情報を処理しきれないような状態に陥り、射精せずにすんでいたようなものだった、しかしジュカの言葉で本当の限界が来た。
暴力的な快楽に粉みじんになりそうな意識の中でコンラッドはそれでも思った、今出してしまったら彼女の口に・・・
「飲ませてあげて♪」
腰が跳ね上がり、ソランの喉奥に限界まで受け入れられ、そこで弾けた。
「んんんんんん〜〜〜〜〜〜んふぅぅ!?」
突然喉の奥で弾けた熱い感覚にソランは目を白黒させる。
「彼の想いだよ・・・受け止めてあげて」
しかしジュカの言葉を聞き、必死で飲み込みはじめる。
「ごくっごくっごきゅんっごきゅんっんっきゅんっん、ごきゅっごきゅっ」
「・・・・あっかはっ・・・ひっ・・・」
「んくっんくっ・・・んっ・・・んっ・・・んんぅぅん・・・」
「・・・・・・・・」
「こくん・・・んっん・・・んくん・・・ちゅぱぁ」
「・・・・・・・」
「は・・・ちゅ・・・ちゅく・・・じゅるぅ・・・」
根限りの射精で意識が朦朧としているコンラッドの陰茎を同じく朦朧としながらも殆ど無意識の動きで綺麗に掃除するソラン。
その様子をジュカは満足げに見つめていた、これでもう二人は戻れない。
そして、自分の下腹部がきゅんきゅんと疼くのを大きく息をついて誤魔化す。
もうちょっとだけ我慢我慢、きちんとこの二人をこちら側に引き込んでからだ、それから自分もたっぷりとコンラッド君の・・・。
はあぁぁっともう一度熱い息を吐き出してからジュカは仕上げの準備に入った。
11/05/15 03:12更新 / 雑兵
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