Bright Future
「くはっ!」
水魔法の攻撃を受け、ヴァンパイアは膝を折る。
「勝負あったな!」
彼女を取り囲むのは3人の人間と1体の精霊・・・
3人はそれぞれ、戦士のラングレー、盗賊のコゼット、魔法使いのハンスだ。
そして精霊の名はミスティ、ハンスが使役するウンディーネである。
「確かに・・・よくぞ私を倒した」
崩れ落ちたままヴァンパイアは顔をあげ、3人と1体を見る。
その顔がふと笑顔が浮かんだ。
あまり気持ちのいい笑みではなかった。
「だが私には見える・・・私がいなくなってもこの地は荒れる・・・いや、それどころか私がいた以上に荒れる。それも原因がお前たちのうちの誰かでな・・・!」
「黙れ! 戯言を言うな!」
ハンスが目をむいて怒鳴るが、ヴァンパイアは笑みを崩さない。
「私は舞台を降りよう。この地が荒れ果てていくその様子を舞台袖、闇の世界よりのぞかせてもらおう・・・ふふふ・・・あーっはっはっはっは!」
笑いながらヴァンパイアの姿は風に吹き散らされるかのように掻き消えた。
「やった・・・! ついにこの土地の大地を腐らせていたヴァンパイアを倒したぞ!」
ラングレーが勝利の雄たけびをあげる。
「でも、ヴァンパイアを倒してすぐに土地が元に戻るってことはなさそうだね・・・どうするの? ハンス・・・いや、もう王子って呼んだほうがいいかな?」
コゼットがハンスに訊ねる。
実はハンス、もとはこの地方の第二王子である。
しかしヴァンパイアが現れたことによって兄と父は魔界に連れ去られ、自分を始め家臣は追放され、国の大地はヴァンパイアが放出する強力な魔力によって腐っていった。
ヴァンパイアから奪われた国を取り戻すために仲間を探し、ラングレーとコゼットと組んでウンディーネと契約し、今に至る。
「魔力というものは永久にその場にとどまるものではない・・・放出している者がいなくなれば、徐々に浄化される・・・そうだよな、ミスティ?」
「ええ、そうです。この近くの森にある私の泉も、彼女の魔力による侵食を免れるでしょう」
ハンスの問いにミスティは静かに頷いて答えた。
「そんなことは後にしようぜ! 今日はアイツが残していた財宝で、ここに戻ってくるハンスたちの家臣と一緒に大宴会だ!」
ラングレーの提案に一同は歓声を上げた。
こうしてその日の夜、大宴会が開かれた。
国を救うこととなった3人と1体は当然たたえられる。
そして宴会に参加した人間はこの国の未来に思いをはせた。
まだ大地は腐っていて、人が住むのは楽ではない土地だが、なんとかなる。
この宴会の明るさでみんなそう思っていた。
明るい宴会であったが、中心であったラングレーとコゼットが酔いつぶれてしまったことから少しずつ静かになり、お開きとなった。
だが、ハンスとミスティの宴会はこれから幕を開ける。
ハンスのものであった寝室に二人で入った。
「ここがハンスの部屋・・・」
「・・・思ったほど荒らされていないな。あのヴァンパイアにはこの城は広すぎたと見える」
長い間留守にしていたというのに、いつもどおりといった様子でハンスは服を脱いだ。
それを椅子にかけ、寝巻きは着ずに下着だけの姿になってベッドに腰掛ける。
「普通ならメイドが掃除やベッドメイキングをやってくれるのだが・・・今日はナシだ、すまない」
「いいえ、全然構いませんわ」
ミスティが微笑んでハンスの隣に腰掛けた。
ハンスの中でちょっと悪戯心が湧く。
「まぁ、たとえベッドメイキングされても今夜はすぐに乱れてしまいそうだけどな」
「もう・・・!」
案の定、ミスティは軽く頬を染めてそっぽを向いた。
そんなミスティの顎を掴んでハンスは自分の方に向けさせる。
そしてその可憐なくちびるを奪った。
ミスティも眼を閉じてそれを受け止める。
しばらく部屋には二人のくぐもった吐息と水音だけが響いていたが、どさっと音がして止まった。
『なぜだろう・・・?』
ベッドに共に倒れこんでキスを中断し、ミスティの全身を舐めるように見ながらハンスは考える。
精霊であるウンディーネは服を着ない。
戦闘の時も裸だ。
宝剣などに似た芸術品のような美しさこそ漂わせるものの、そのときは「魅惑的」という言葉は似合っていない。
『しかし、ベッドの上だとなぜこんなに魅惑的に見えるのだろう・・・?』
雰囲気の問題なのだろうか?
ミスティも普段は惜しげもなく裸体をさらしているのに、ハンスの見方に気づいて身体を縮こまらせるようにして恥じらいを見せた。
そんなミスティのしぐさに焚きつけられ、ハンスは再びくちづけをしながら愛撫を始める。
ミスティと肌を重ねるのは初めてではない。
契約のときに交わり、ときどき宿に泊まったときに精を与えるために交わり・・・しかしいつしかその行為には「契約」とは違う要素が混じっていった。
「んっ! はふっ・・・うぅ・・・」
キスで逃げたり誘ったり絡みついたりしていたミスティの舌の動きが快感で鈍る。
どこをどういじれば気持ちいいか・・・好きな人のイイトコロは契約主であり、恋人であるハンスは良く分かっていた。
「ん! んああ、き・・・気持ちいいです、ハンス・・・」
とうとうキスを放棄し、ミスティは嬌声を上げる。
「そうか? ではもっと気持ちよくしてあげよう」
そう言ってハンスはミスティの下肢に手を伸ばす。
水の精霊であるミスティの肌は湿り気を帯びている。
時には水浴び後のように濡れていることもある。
しかし、ハンスが手を伸ばした先はそんなものとは比べ物にならないくらい濡れていた。
くちゅり・・・
「ふあああっ・・・!」
水音がたち、ミスティが身体を震わせながらあえぐ。
「ここをこうするとミスティは気持ちいいんだよね?」
「い・・・言わないで・・・ああん!」
元素から生まれる精霊の神経や体内の構造は良く分からないが、不思議と人間と似通っている。
陰核を摺りあげると、ミスティの身体が弓なりに反った。
指を膣内にもぐりこませ、えぐるように動かす。
さきほどのような陰核への刺激も忘れず、不規則に行う。
「だ・・・だめ・・・です・・・おかしく・・・なる・・・!」
「早いよ、ミスティ・・・でも、おかしくなっていいんだよ。僕の前では・・・神秘的な水の精霊じゃなくて、ひとりのエッチな精霊で・・・いいよ」
人差し指と中指で軽く陰核をつまむ。
ミスティの目がカッと見開かれ、身体に力がこもる。
「イ・・・イクッ・・・! イッちゃいますっ・・・!」
下肢から淫らな液体を流しながらミスティの身体は絶頂を迎えた。
「はぁ・・・はぁ・・・私にも、させてください・・・」
絶頂の余韻でぐったりとしていたミスティが、まだ荒いを呼吸をしながらもけなげにそう言う。
「じゃあ・・・お願いしようかな」
下着を脱ぎ捨て、ハンスは身体をゆだねる。
性器はミスティの痴態を鑑賞していたから硬く張り詰め、彼女からの愛撫を今か今かと待っているようにピクリピクリと震えていた。
四つん這いになってそれにミスティは近づく。
そしてそれに手を這わせる。
「くっ・・・」
少し湿っていて冷たいミスティの手に包まれ、ハンスは声を漏らす。
「うふふ・・・ここをこうするとハンスは気持ちいいんですよね?」
さっきのお返しとばかりにミスティは微笑んで言う。
「い・・・言うな・・・くあっ!」
仕返しされてそのまま負けるわけには行かないとハンスは思っていたが、やはり恋人であり、精霊であるミスティの愛撫にはかなわない。
痛くないようにと潤滑油代わりに水分を増した手が、頭を、首を、幹を這い回る。
「私もすっかり染まっちゃいました・・・ハンスと契約する前までは興味はあっても、こんなことするとは思っていませんでした」
そっと、ハンスの象徴にミスティは顔を近づける。
「こ・・・こんなものを、口に咥えるだなんて・・・」
そしてそれを躊躇いがちに・・・しかし退くことなく口で飲み込む。
「ん・・・んぐっ! ろうれふか、はんふ?(どうですか、ハンス?)」
「ぬ・・・おっ・・・そんな感じだ・・・!う・・・また、うまくなったんじゃないか?」
「へんふはんふほはふぇ・・・(全部ハンスのため)」
そう言ったミスティは本格的に頭を上下させ、舌を絡めて射精を促す。
ぬるぬると舌がハンスの性器を這い回り、唾液を擦り付ける。
「しゃべりながらされるのも気持ちいいな。でも・・・そろそろその辺にしてくれ・・・。出そうだ・・・」
「わにふぁふぉんふぁいへも?(何か問題でも?)」
「いや、だって・・・」
今までもの交わりは恋人としての要素もあったものの、一番の目的はミスティへの精・魔力の補充である。
だが翌日も旅が続くため、魔力の補充のためにハンスが一晩に何回も射精して消耗するわけにはそうはいかなかった。
そのため今までは一晩に一回しか射精をしないと二人で決めていたのだが・・・
「もうヴァンパイアは倒れ、苦しい旅は終わりました。もう私たちを阻むものは何もありません」
ハンスの性器から口を離し、手で軽くしごきながらミスティが微笑む。
「だから、遠慮せずに私の口の中に精を放ってください」
それだけ言ってミスティは追い込みをかけた。
「み・・・ミスティ!」
ひとたまりもなかった。
ハンスはそのかわいらしい口内に白濁の液をほとばしらせる。
それをミスティは満足そうに目を細めて受け止め、喉を鳴らして精を飲み干していった。
「ん・・・濃い・・・精の補充は、これでもう十分です」
そう言いながらミスティは四つん這いになる。
「え? でも・・・」
まだ本番はしていない。
ハンスが言おうとすると、ミスティはゆっくりと微笑んで、ハンスに尻を向けながら言う。
「さぁ、私と交わってください。精の補充のためでなく、子を成すために・・・あなたの子を・・・この国の姫を私に孕ませてください」
ミスティの言い方とこれからのこと・・・子ども・・・その言葉にハンスの胸が高鳴る。
気づけば性器は先ほど精を吐き出したばかりだというのにもう力を取り戻していた。
「それにしてもいきなり後背位なんて・・・積極的だな」
自分の性器をミスティの秘所に押し当てながらハンスは言う。
「その方が奥まで注いでもらえそうだから・・・だから、いじわるしないでください」
ミスティが軽く腰を振る。
二人の性器が摺れてニチッニチッといやらしい音を立てた。
ミスティに言われるがまま、ハンスは腰を進める。
「はっ! ああああん!」
「く・・・うあああ!」
二人の嬌声が絡まりあう。
そしてすぐに肉がぶつかり合う音と粘液質な音が部屋に響きだした。
突かれているままなのはウンディーネの性に合わないのだろう。
ミスティは腰を小刻みに振ってハンスを刺激しようとする。
「もっともっと・・・気持ちよくなって・・・! ハンスの精子・・・いっぱいください・・・!」
「ぬ・・・おおおお!」
ミスティの言葉に刺激され、ハンスの動きが激しくなる。
「やっ・・・激しっ・・・! そんなにされると私・・・私・・・!」
ぎゅっとミスティがシーツを握り締めながら悲鳴を上げる。
「やあああっ! またイッちゃいます・・・! 〜〜〜〜っ!」
声にならない声を上げながらミスティが絶頂に達した。
膣が収縮し、ハンスの射精を強く促す。
「ミスティ・・・! う・・・あああ!」
その収縮に耐え切れず、ハンスも果てる。
「ふぅ・・・」
「・・・・・」
そのまま脱力し、ハンスはうつ伏せになっているミスティの上に身体を預ける形となった。
「・・・ごめん、重いよね?」
「大丈夫です、このくらい・・・」
首を捻じ曲げてミスティはハンスの顔を正面から見てにっこりと笑う。
そして二人は口付けをした。
「ちょっと落ち着きましたか?」
「え? ああ・・・」
ミスティに問われ、ハンスは頷いたあと、ミスティから離れた。
そしてミスティの横に身を横たえようとしたが、それより先にミスティが仰向けになって足を軽く広げ、両手を差し伸べてハンスをまた誘った。
「も・・・もう一回?」
「明日は何もないから、まだ大丈夫でしょう」
「おいおい・・・」
ハンスは頭をかいた。
確かに夜はまだ長いし、明日のことを気にする必要はないが、さすがに三連続の射精はキツい。
なにより、ミスティがこうして積極的に自分を誘っていることにちょっと驚く。
「それに・・・私はまだハンスから大事な言葉を聞いておりません・・・」
ちょっと恥ずかしそうに頬を染め、それでも情欲以外の何かに期待をしているミスティ。
何を期待しているかハンスはすぐに理解した。
再びミスティに覆いかぶさり、正面から抱きしめてささやく。
「ミスティ・・・愛している。結婚しよう」
ハンスの言葉にミスティは微笑んでゆっくり頷いた。
「はい、一緒にこの国を、この大地を復興させましょう」
「ああ、一緒にな・・・」
「だから・・・だからハンスの愛を・・・情けをください! もっと私を愛してください! 私もあなたに尽くしますからぁ!」
ハンスの腰にミスティの滑らかな脚が絡みつく。
「結局そう来るか」
ハンスはそう苦笑しつつも再び力を取り戻した自分の象徴を確認して、誘われるがまま腰を進める。
二人は嬌声を上げながらまた一つになるのであった。
水魔法の攻撃を受け、ヴァンパイアは膝を折る。
「勝負あったな!」
彼女を取り囲むのは3人の人間と1体の精霊・・・
3人はそれぞれ、戦士のラングレー、盗賊のコゼット、魔法使いのハンスだ。
そして精霊の名はミスティ、ハンスが使役するウンディーネである。
「確かに・・・よくぞ私を倒した」
崩れ落ちたままヴァンパイアは顔をあげ、3人と1体を見る。
その顔がふと笑顔が浮かんだ。
あまり気持ちのいい笑みではなかった。
「だが私には見える・・・私がいなくなってもこの地は荒れる・・・いや、それどころか私がいた以上に荒れる。それも原因がお前たちのうちの誰かでな・・・!」
「黙れ! 戯言を言うな!」
ハンスが目をむいて怒鳴るが、ヴァンパイアは笑みを崩さない。
「私は舞台を降りよう。この地が荒れ果てていくその様子を舞台袖、闇の世界よりのぞかせてもらおう・・・ふふふ・・・あーっはっはっはっは!」
笑いながらヴァンパイアの姿は風に吹き散らされるかのように掻き消えた。
「やった・・・! ついにこの土地の大地を腐らせていたヴァンパイアを倒したぞ!」
ラングレーが勝利の雄たけびをあげる。
「でも、ヴァンパイアを倒してすぐに土地が元に戻るってことはなさそうだね・・・どうするの? ハンス・・・いや、もう王子って呼んだほうがいいかな?」
コゼットがハンスに訊ねる。
実はハンス、もとはこの地方の第二王子である。
しかしヴァンパイアが現れたことによって兄と父は魔界に連れ去られ、自分を始め家臣は追放され、国の大地はヴァンパイアが放出する強力な魔力によって腐っていった。
ヴァンパイアから奪われた国を取り戻すために仲間を探し、ラングレーとコゼットと組んでウンディーネと契約し、今に至る。
「魔力というものは永久にその場にとどまるものではない・・・放出している者がいなくなれば、徐々に浄化される・・・そうだよな、ミスティ?」
「ええ、そうです。この近くの森にある私の泉も、彼女の魔力による侵食を免れるでしょう」
ハンスの問いにミスティは静かに頷いて答えた。
「そんなことは後にしようぜ! 今日はアイツが残していた財宝で、ここに戻ってくるハンスたちの家臣と一緒に大宴会だ!」
ラングレーの提案に一同は歓声を上げた。
こうしてその日の夜、大宴会が開かれた。
国を救うこととなった3人と1体は当然たたえられる。
そして宴会に参加した人間はこの国の未来に思いをはせた。
まだ大地は腐っていて、人が住むのは楽ではない土地だが、なんとかなる。
この宴会の明るさでみんなそう思っていた。
明るい宴会であったが、中心であったラングレーとコゼットが酔いつぶれてしまったことから少しずつ静かになり、お開きとなった。
だが、ハンスとミスティの宴会はこれから幕を開ける。
ハンスのものであった寝室に二人で入った。
「ここがハンスの部屋・・・」
「・・・思ったほど荒らされていないな。あのヴァンパイアにはこの城は広すぎたと見える」
長い間留守にしていたというのに、いつもどおりといった様子でハンスは服を脱いだ。
それを椅子にかけ、寝巻きは着ずに下着だけの姿になってベッドに腰掛ける。
「普通ならメイドが掃除やベッドメイキングをやってくれるのだが・・・今日はナシだ、すまない」
「いいえ、全然構いませんわ」
ミスティが微笑んでハンスの隣に腰掛けた。
ハンスの中でちょっと悪戯心が湧く。
「まぁ、たとえベッドメイキングされても今夜はすぐに乱れてしまいそうだけどな」
「もう・・・!」
案の定、ミスティは軽く頬を染めてそっぽを向いた。
そんなミスティの顎を掴んでハンスは自分の方に向けさせる。
そしてその可憐なくちびるを奪った。
ミスティも眼を閉じてそれを受け止める。
しばらく部屋には二人のくぐもった吐息と水音だけが響いていたが、どさっと音がして止まった。
『なぜだろう・・・?』
ベッドに共に倒れこんでキスを中断し、ミスティの全身を舐めるように見ながらハンスは考える。
精霊であるウンディーネは服を着ない。
戦闘の時も裸だ。
宝剣などに似た芸術品のような美しさこそ漂わせるものの、そのときは「魅惑的」という言葉は似合っていない。
『しかし、ベッドの上だとなぜこんなに魅惑的に見えるのだろう・・・?』
雰囲気の問題なのだろうか?
ミスティも普段は惜しげもなく裸体をさらしているのに、ハンスの見方に気づいて身体を縮こまらせるようにして恥じらいを見せた。
そんなミスティのしぐさに焚きつけられ、ハンスは再びくちづけをしながら愛撫を始める。
ミスティと肌を重ねるのは初めてではない。
契約のときに交わり、ときどき宿に泊まったときに精を与えるために交わり・・・しかしいつしかその行為には「契約」とは違う要素が混じっていった。
「んっ! はふっ・・・うぅ・・・」
キスで逃げたり誘ったり絡みついたりしていたミスティの舌の動きが快感で鈍る。
どこをどういじれば気持ちいいか・・・好きな人のイイトコロは契約主であり、恋人であるハンスは良く分かっていた。
「ん! んああ、き・・・気持ちいいです、ハンス・・・」
とうとうキスを放棄し、ミスティは嬌声を上げる。
「そうか? ではもっと気持ちよくしてあげよう」
そう言ってハンスはミスティの下肢に手を伸ばす。
水の精霊であるミスティの肌は湿り気を帯びている。
時には水浴び後のように濡れていることもある。
しかし、ハンスが手を伸ばした先はそんなものとは比べ物にならないくらい濡れていた。
くちゅり・・・
「ふあああっ・・・!」
水音がたち、ミスティが身体を震わせながらあえぐ。
「ここをこうするとミスティは気持ちいいんだよね?」
「い・・・言わないで・・・ああん!」
元素から生まれる精霊の神経や体内の構造は良く分からないが、不思議と人間と似通っている。
陰核を摺りあげると、ミスティの身体が弓なりに反った。
指を膣内にもぐりこませ、えぐるように動かす。
さきほどのような陰核への刺激も忘れず、不規則に行う。
「だ・・・だめ・・・です・・・おかしく・・・なる・・・!」
「早いよ、ミスティ・・・でも、おかしくなっていいんだよ。僕の前では・・・神秘的な水の精霊じゃなくて、ひとりのエッチな精霊で・・・いいよ」
人差し指と中指で軽く陰核をつまむ。
ミスティの目がカッと見開かれ、身体に力がこもる。
「イ・・・イクッ・・・! イッちゃいますっ・・・!」
下肢から淫らな液体を流しながらミスティの身体は絶頂を迎えた。
「はぁ・・・はぁ・・・私にも、させてください・・・」
絶頂の余韻でぐったりとしていたミスティが、まだ荒いを呼吸をしながらもけなげにそう言う。
「じゃあ・・・お願いしようかな」
下着を脱ぎ捨て、ハンスは身体をゆだねる。
性器はミスティの痴態を鑑賞していたから硬く張り詰め、彼女からの愛撫を今か今かと待っているようにピクリピクリと震えていた。
四つん這いになってそれにミスティは近づく。
そしてそれに手を這わせる。
「くっ・・・」
少し湿っていて冷たいミスティの手に包まれ、ハンスは声を漏らす。
「うふふ・・・ここをこうするとハンスは気持ちいいんですよね?」
さっきのお返しとばかりにミスティは微笑んで言う。
「い・・・言うな・・・くあっ!」
仕返しされてそのまま負けるわけには行かないとハンスは思っていたが、やはり恋人であり、精霊であるミスティの愛撫にはかなわない。
痛くないようにと潤滑油代わりに水分を増した手が、頭を、首を、幹を這い回る。
「私もすっかり染まっちゃいました・・・ハンスと契約する前までは興味はあっても、こんなことするとは思っていませんでした」
そっと、ハンスの象徴にミスティは顔を近づける。
「こ・・・こんなものを、口に咥えるだなんて・・・」
そしてそれを躊躇いがちに・・・しかし退くことなく口で飲み込む。
「ん・・・んぐっ! ろうれふか、はんふ?(どうですか、ハンス?)」
「ぬ・・・おっ・・・そんな感じだ・・・!う・・・また、うまくなったんじゃないか?」
「へんふはんふほはふぇ・・・(全部ハンスのため)」
そう言ったミスティは本格的に頭を上下させ、舌を絡めて射精を促す。
ぬるぬると舌がハンスの性器を這い回り、唾液を擦り付ける。
「しゃべりながらされるのも気持ちいいな。でも・・・そろそろその辺にしてくれ・・・。出そうだ・・・」
「わにふぁふぉんふぁいへも?(何か問題でも?)」
「いや、だって・・・」
今までもの交わりは恋人としての要素もあったものの、一番の目的はミスティへの精・魔力の補充である。
だが翌日も旅が続くため、魔力の補充のためにハンスが一晩に何回も射精して消耗するわけにはそうはいかなかった。
そのため今までは一晩に一回しか射精をしないと二人で決めていたのだが・・・
「もうヴァンパイアは倒れ、苦しい旅は終わりました。もう私たちを阻むものは何もありません」
ハンスの性器から口を離し、手で軽くしごきながらミスティが微笑む。
「だから、遠慮せずに私の口の中に精を放ってください」
それだけ言ってミスティは追い込みをかけた。
「み・・・ミスティ!」
ひとたまりもなかった。
ハンスはそのかわいらしい口内に白濁の液をほとばしらせる。
それをミスティは満足そうに目を細めて受け止め、喉を鳴らして精を飲み干していった。
「ん・・・濃い・・・精の補充は、これでもう十分です」
そう言いながらミスティは四つん這いになる。
「え? でも・・・」
まだ本番はしていない。
ハンスが言おうとすると、ミスティはゆっくりと微笑んで、ハンスに尻を向けながら言う。
「さぁ、私と交わってください。精の補充のためでなく、子を成すために・・・あなたの子を・・・この国の姫を私に孕ませてください」
ミスティの言い方とこれからのこと・・・子ども・・・その言葉にハンスの胸が高鳴る。
気づけば性器は先ほど精を吐き出したばかりだというのにもう力を取り戻していた。
「それにしてもいきなり後背位なんて・・・積極的だな」
自分の性器をミスティの秘所に押し当てながらハンスは言う。
「その方が奥まで注いでもらえそうだから・・・だから、いじわるしないでください」
ミスティが軽く腰を振る。
二人の性器が摺れてニチッニチッといやらしい音を立てた。
ミスティに言われるがまま、ハンスは腰を進める。
「はっ! ああああん!」
「く・・・うあああ!」
二人の嬌声が絡まりあう。
そしてすぐに肉がぶつかり合う音と粘液質な音が部屋に響きだした。
突かれているままなのはウンディーネの性に合わないのだろう。
ミスティは腰を小刻みに振ってハンスを刺激しようとする。
「もっともっと・・・気持ちよくなって・・・! ハンスの精子・・・いっぱいください・・・!」
「ぬ・・・おおおお!」
ミスティの言葉に刺激され、ハンスの動きが激しくなる。
「やっ・・・激しっ・・・! そんなにされると私・・・私・・・!」
ぎゅっとミスティがシーツを握り締めながら悲鳴を上げる。
「やあああっ! またイッちゃいます・・・! 〜〜〜〜っ!」
声にならない声を上げながらミスティが絶頂に達した。
膣が収縮し、ハンスの射精を強く促す。
「ミスティ・・・! う・・・あああ!」
その収縮に耐え切れず、ハンスも果てる。
「ふぅ・・・」
「・・・・・」
そのまま脱力し、ハンスはうつ伏せになっているミスティの上に身体を預ける形となった。
「・・・ごめん、重いよね?」
「大丈夫です、このくらい・・・」
首を捻じ曲げてミスティはハンスの顔を正面から見てにっこりと笑う。
そして二人は口付けをした。
「ちょっと落ち着きましたか?」
「え? ああ・・・」
ミスティに問われ、ハンスは頷いたあと、ミスティから離れた。
そしてミスティの横に身を横たえようとしたが、それより先にミスティが仰向けになって足を軽く広げ、両手を差し伸べてハンスをまた誘った。
「も・・・もう一回?」
「明日は何もないから、まだ大丈夫でしょう」
「おいおい・・・」
ハンスは頭をかいた。
確かに夜はまだ長いし、明日のことを気にする必要はないが、さすがに三連続の射精はキツい。
なにより、ミスティがこうして積極的に自分を誘っていることにちょっと驚く。
「それに・・・私はまだハンスから大事な言葉を聞いておりません・・・」
ちょっと恥ずかしそうに頬を染め、それでも情欲以外の何かに期待をしているミスティ。
何を期待しているかハンスはすぐに理解した。
再びミスティに覆いかぶさり、正面から抱きしめてささやく。
「ミスティ・・・愛している。結婚しよう」
ハンスの言葉にミスティは微笑んでゆっくり頷いた。
「はい、一緒にこの国を、この大地を復興させましょう」
「ああ、一緒にな・・・」
「だから・・・だからハンスの愛を・・・情けをください! もっと私を愛してください! 私もあなたに尽くしますからぁ!」
ハンスの腰にミスティの滑らかな脚が絡みつく。
「結局そう来るか」
ハンスはそう苦笑しつつも再び力を取り戻した自分の象徴を確認して、誘われるがまま腰を進める。
二人は嬌声を上げながらまた一つになるのであった。
10/10/17 17:01更新 / 三鯖アキラ(旧:沈黙の天使)
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