融ける心と身体
「んっ、んっ！ んんっ！」
メジストのスライム触手によって塞がれている口から私のくぐもった声が漏れる。
中央広場のど真ん中で、私は帽子以外の服を溶かされ裸にされていた。
そして腕を上に吊り上げられるような格好で体をメジストの身体によって包まれている。
「んんうっ！」
メジストの身体の中で私は粘液によって愛撫を受けていた。
にゅるにゅると背中を粘液が這い回る感触に私は思わず声を上げる。
くすぐったさからではなく、快感に。
閨房術の際は演技で声を出していたが、今は本気で声を出している……いや、出させられている。
「どう、人外の愛撫は？ それともそもそも全身を愛撫されること自体が初めてかしらぁ？」
私の耳元でメジストが囁く。
メジストの言うとおり、確かに初めてだ。
閨房術を習った私でさえ、女性が性的に気持ち良くなるのは膣、陰核、胸くらいしか教わっていない。
「女の子はね、性感帯が全身に散らばっているの。だから全身を優しく、丁寧に愛撫してあげないとね♪ ほうら、こんな風に」
愛撫が尻の膨らみにも、内股にも、お腹にも施される。
まるでたくさんの粘液にまみれた手で愛撫されているかのような感触だ。
「んふぅ！ んんん！」
快感に私は首をよじって声を上げる。
『くっ……感じるものか、感じるものか……！』
自己暗示をかけて快感を遮断しようとする。
閨房術の際に教わった技術だ。
だがそんなものが通じないくらいの快感が私の身体を巡る。
ダークスライムの魔力や粘液の媚薬効果もあったが、メジストの全身の愛撫はそれくらい快感だった。
下腹部がジンジンと熱を持っているように感じる。
「すごく濡れているわね。あなたのオマンコから愛液がとろとろ出ているのが分かるわぁ」
わざわざメジストはそれを指摘する。
私の頬に熱が上った。
演技ではよくやっていたが久しく本気で感じていなかった気持ち、羞恥心が私を支配する。
それを感じたら余計、下腹部が熱くなった。
「じゃあ、今までちょっと後回しにしていた、ここを可愛がってあげる♪」
むにゅむにゅと粘液が私の胸を揉みしだく。
「んっ！ んん！？」
透明な粘液なので、私の乳房がぐねぐねと揉みしだかれているのがはっきりと見える。
まるで私の胸がひとりでに形を変えているようで不思議だ。
だが、そのように面白がって見ている余裕などない。
甘い感触が胸からも広がって私の脳を、桃色に染め上げようとしている。
「ううん♪ 可愛い反応ねぇ。でもまだまだ。この先っちょを……」
今まで付着していただけだった乳首の粘液が動き出す。
その動きは粘液らしく変化自在だった。
にゅるにゅるとこすったり、軽く引っ張ったり、吸い付いたり……
謀略する男相手に乳首をいじられることは多かったが、メジストのぬるぬるとした攻めはそんなものと比べ物にならないくらい。
身体が痺れ、頭の中が白み、視界が霞んで行く。
『な、なに、これは……！？ 体の奥から……何か、何かが来る……！！』
得体の知れない感覚に私は戸惑う。
そして次の瞬間
「んんんんっ！」
メジストの身体の中で私の身体が弓なりに反り、ガクガクと意識とは無関係に動く。
快感が私の身体の中で爆発して、その衝撃で痙攣が起きているような感じだ。
苦しくはない、気持ち良かった。
これまで経験したことのないくらい……
「んふふ〜、身体とおっぱいだけでイッちゃったね〜♪ もしかしてイくのは初めてだったかなぁ？」
これが……イく？
男の射精と同じ絶頂？
男は性的に極まると精を吐き出す。
その知識はあった。
だが女性はどうなるか、そもそも絶頂があるかどうかすら知らなかった。
それを今、このメジストによって教えられる。
「気持ちよかったでしょ〜？」
ずるりと私の口から触手が引き抜かれた。
自決を防いだものがなくなった、つまりまた自決のチャンスが与えられている……
だが、私の身体からはそのような気力などは一切失せてしまっていた。
解放された口から、ただ走り続けたときより荒い息が漏れる。
「イくことを知らないなんて、女の人生の半分近くは損しているわよぉ」
メジストがささやきながら私の胸を愛撫する。
くちゅ……
さらに粘液が私の股間に強く押し当てられる感触がした。
「せっかくだからもう一度、味あわせてあげる♪ 次はぁ……ここね♪」
「うあっ！？ うああああ！」
思わず私は悲鳴のような嬌声を上げる。
股間で人外の攻めが施されていた。
まるでぬるぬるした大蛇が私の股で前後に動いて身体をこすり付けているような感じ……
膣口やクリトリスを粘液でこすりあげられ、びりびりと下肢からはっきりとした快感が身体を駆け巡る。
私は首を左右によじって快楽から逃げようとした。
だがそんなことをしても意味がない。
「まだまだよ。ほぅら、こんなこともしてあげる」
クリトリスへの攻めが変わった。
乳首にされたように、粘液が私のクリトリスを吸い上げる。
それだけではない。
細い触手のような物を作り出されきゅきゅっとつまんで絞るような愛撫が加わった。
「んんんっ！ んあああああっ！」
耐えられず、私は快感から、愛撫から逃げるように腰を引いて攀じる。
だが、メジストの中でそのようなことをしても意味がない。
愛撫している粘液も快感もついてくる。
「あははー、腰を振っちゃって可愛い♪ そんなに気持ちいいんだぁ？」
「くっ、くそっ……あ、ふあああ！」
悔しさと羞恥心が私の心に沸き起こる。
いつもだったら殺せる感情のはずなのに、それができないくらい余裕がない。
下肢から沸き上がる快感がそれらを全て押し流す。
『また来るッ……！ さっきのが、また……！』
先程味わわされた絶頂が近づいて来るのを感じた。
このままイカされると、もう抵抗する力を全て失ってしまう気がする。
『耐えろ……！』
くちびるを噛み、痛みでなんとか気を紛らわせようとするが、そんなものは魔物からの快楽の前には無力だった。
「んっ、んんっ！ んんんうううう！」
くちびるを噛んだまま私の身体がまた絶頂を迎える。
びくんびくんと身体がメジストの中で何回かわなないたあと、ぐたりと脱力した。
頭が絶頂の余韻でぼんやりとする。
そんな私の耳元でメジストがささやいた。
「またイッちゃったね。でもまだまだ、これからよ♪」
ぐにゅ……
また股間に粘液が強く押し当てられた。
だが今度はまた感触が少し違う。
特に膣口にやや弾力のある粘液が押し当てられて膣を押し広げている……
『まさか！？』
「行っくよ〜♪ あなたの中にスライムちんちんを入れちゃうわよ〜♪」
ずずずっ……
粘液が、メジストの身体の一部が私の膣内に入ってきた。
「あっ！？ ああああ！」
既に二回も絶頂させられていた私はそれを抵抗なく受け入れてしまう。
さらに悔しいことに、その入ってくる感触は今までの男の交わりの侵入のどれよりも気持ちが良かった。
「ん〜っ♪ あなたの中、すごく気持ちいいわ。サキュバスも感心の名器かもぉ♪」
メジストもとろけた声をあげる。
「それじゃ、動くわよ。一緒にいっぱい気持ちよくなろうね」
ぐじゅっ……ぬちゅ、じゅるっ、ぐちゅっ、じゅっじゅっ……！
スライムによる抽送が始まった。
肉棒でもない、張り型でもないぐにょぐにょした物体が私の膣内をにゅるにゅると出入りする。
そして先端はこつこつと私の子宮口をノックした。
荒々しく突きながらも乱暴ではない抽送に私は悶える。
「どお？ いいでしょう？ ほぅら、後ろからも行っちゃうぞぉ〜？」
「ひぐっ！？ はぁう！！」
肛門への異物感に私は声をあげる。
閨房術を叩き込まれた私でも、肛門での交わりは体験していない。
闇に身を置き、綺麗とは程遠い汚れた存在の私でも、肛虐は不浄だと思っていた。
だが、スライムが自分の肛門の中に入ってくる感覚は不快ではなく、むしろ快感だった。
『なぜ！？ なぜこんなので感じるの！？』
未知の快感に私の心はかき乱され、崩されていく。
粘液は私の肛門を傷つけることなく貫き、中をくねくねと動いて絶妙な感覚を私に与えてくる。
私は快感と羞恥心に身体を熱くする。
「ほらほら、これって効くでしょう？」
スライムの攻めが変わった。
肛門に入っているスライムと膣に入っているスライムが肉壁越しにこすり合わされる。
「うあっ！ うわあああっ！」
メジストの言葉のとおり、かなり効いた。
凄まじい快感が腰から全身に回る。
こすり合わされるだけではない。
スライムの触手は器用に抽送の動きもしており、私の子宮口をぐいぐいと突き続けていた。
一突きされるごとに淫らな吐息が私の口からもれる。
そして絶頂がずいずいと近づいて来るのを感じた。
「い、いい……イ……く、イく……っ！」
突かれる勢いと共に私の口から自然と言葉が漏れた。
それにしまったと思ってももう遅い。
メジストがにやりと笑った気がした。
「うふふ、自分でそんなこと言っちゃうくらい、いーんだ？ イッちゃいそうなんだ？ いいわよ、んふぅ！ イッちゃいなさい！」
膣内のスライムが激しくうねった。
下肢の快感が弾ける。
「あんっ！ あっ、うあ……あああああっ！」
容赦なく、私はイカされた。
私の膣がきゅきゅっと収縮しているのが、銜えこんでいるメジストのスライムによって実感する。
「えっ！？ あ、ちょ……そんなっ！」
突然、メジストが戸惑ったような、しかし甘い声をあげる。
「あ、あたしも……きゃっ！？ ふああああん！！」
メジストの身体がぶるぶると震えた。
その震えが私の裸身をさらに刺激する。
私とメジストの嬌声が重なって広場に響いた。
「はぁはぁ……すっごぉい……油断していたら、あたしもつられてイッちゃったよぉ♪」
絶頂が過ぎ去り、荒い息の下でメジストが私にねっとりと話しかける。
「あなたのオマンコ、イくと同時にぐねぐねと動くんだもん。これ、男の人はたまらないわよ。これであなたがダークスライムになったらどれくらい男の人は気持ちいいかなぁ？」
「あ、あ、うああ……」
私は答えられない。
バカのように口を開けて、腕だけ糸が残っている操り人形のように脱力している。
自分では分からないが、口からは涎が垂れていると思う。
「なぁに？ 答えられないくらい気持ちよかったの？ オマンコとアナルをちょっと激しく突いただけじゃなぁい」
そしてメジストはふっと意地悪そうに笑って私にささやいた。
「これでおっぱいもオマンコもお尻も……あなたのイイトコロ、全部ぐちゅぐちゅしてあげたらどうなるかなぁ？」
メジストの言葉にさっと背中が寒くなる。
笑顔などと一緒に長らく忘れていた感覚……恐怖だ。
だがその恐怖はどこか、期待のようなものも伴っていた。
にゅる、じゅるり……
今まで止んでいた全身への愛撫が再開される。
背中を、尻を、内股を、腹を、胸を、全身を粘液が這い回り、揉みしだく。
「んっ！ んん〜〜っ！！」
膣内のスライムも肛門内のスライムも動いていない。
それなのに達しそうになる。
にゅるり……
スライムが膣穴と肛門の中をゆっくりと動き始めた。
膣内のスライムはにゅるにゅると出入りして中を掻き回し、肛門内のスライムはプルプルと震えて絶妙な振動を送ってくる。
しかし、その動きはいたぶるように緩やかでどこか物足りない。
思わず私は腰を動かしてしまう。
「なぁに？ そんなに切なそうに腰を動かしちゃって……もっとして欲しいの？」
「もっと……んぅ、もっとぉ……」
熱に浮かされたように私は口走る。
「んっふっふ〜、もっとシて欲しいんだぁ、いやらしい〜♪ うんうん、良いと思うよ。 クールぶって死んだ魚のような目をしているより、ずぅっとね♪」
「うあぁ……」
メジストの言葉は耳に入っているが、理解するのに時間がかかった。
それくらい、私の頭が桃色に染まって動きが鈍くなっている。
「それじゃ……望み通り激しくしてア・ゲ・ル！」
言い終わるやいなや、膣内のスライムの動きが激しくなった。
ものすごい勢いで、うねりながら私の膣穴を出たり入ったり繰り返して掻き回してくる。
「あっ！ あふっ！ あああっ！ すごい！ くっ……ふあああっ！」
手を吊り上げられている格好なので倒れることはないが、立っていられないほどの快楽だ。
閨房術の訓練の賜物なのか、女の本能なのか、私の腰が勝手に動く。
激しく乱れる私だが、メジストはどこか納得していないように唸った。
「まだまだ行けるはずよねぇ……あっ！ クリちゃん弄るの忘れてた。てへっ♪」
「あっ、や……やめ……」
無邪気に、しかし残酷にメジストは言って忘れていたことを実行に移す。
少し前にされた攻め、粘液がクリトリスに吸い付いてキュキュッとつまむようにして刺激してきた。
「んあああああっ！」
あっという間に私の身体が反り返り、絶頂に達する。
だが……
「イッちゃった？ でも止めないよ？ ほらほら、連続でイカせちゃうぞ〜♪」
言葉のとおり、メジストは攻めを止めない。
私を包んでいるスライムは身体中をくちゅくちゅと揉みしだき、膣内のスライムは激しい抽送を続ける。
「だめぇ、またイッちゃう〜っ！ ……くううううっ！」
全身の筋肉が収縮する。
また私の身体がオーガズムに達していた。
特に膣が、本来なら男の精液を絞ろうと、きゅうきゅうと収縮するのが手に取るように分かる。
だがその最中もメジストは私の身体を蹂躙するのを止めない。
「うあああっ！？ ダメ、だめぇ！ イッてる！ イッてるからぁ！ やめ、やめてぇ……あっ！ ふあああん！」
そう泣きわめいてもメジストは私の身体を嬲り続ける。
何も考えられない。
冷静に、クレバーになるなんてもっての外だ。
頭の中の、今まで受けた訓練の内容が全て桃色に染められてどろどろに溶けて行く気がした。
「だめぇ……頭が、溶けて……バカに、なっちゃう……」
私が思わず漏らした感覚の言葉に、メジストがそう言えばと蹂躙の手を緩めて説明し出した。
「私たち、ダークスライムの魔物化の手法は”融解”よ。あなたの心も身体も知識も何もかも、み〜んな溶かしてしまうの」
身体を溶かす……本来は恐ろしいことだ。
だが快楽でタガが外れている私の頭はそれ対する恐怖も嫌悪感もなかった。
いや、むしろこの快楽に浸れるのならそのまま溶かされたい、その溶かされる快楽を味わってみたいとすら思っていた。
「とろとろに溶けたそこからダークスライムのコアが作り出されるの。そして人間であったころの姿を元に、あなたの姿が作り出されるの。これがダークスライムの魔物化よ♪」
そうだ、この行為はただの女性同士の性行為でもなければ、性拷問でもない。
魔物化のための行為なのだ。
人間をやめ、快楽のことしか考えない魔物となる……自分のそれまで生きてきて身に付けた価値観などを全てぶち壊され、逆転される行為だ。
だが、メジストによって頭の中を快楽で染め上げられ、硬く凍らせていた心も溶かされた私は、人間の姿をしているだけの魔物も同然だった。
「それじゃ、魔物化に向けてスパートかけるわよ。人間としての最後の快楽、たっぷり味わってね♪」
「や、やああああっ！ あ、ああああっ……！」
仕上げの陵辱が始まった。
はたから見るとただ私がダークスライムに包まれているだけのように見える。
だが、ダークスライムの身体の中で私は優しくも激しく蹂躙されていた。
背中と腹に張り付いているスライムはぞわぞわと脈打って私を愛撫してくる。
尻は何人もの男に荒々しく揉まれたり撫で回されたりする気持ちだ。
脚はまるで蛇がはい回るかのようにニュルニュルと粘液で愛撫される。
胸には多彩な愛撫が施されていた。
全体をパン生地のようにコネ回されたり柔らかさを確かめるようにむにゅむにゅと揉みしだかれたり、乳首を転がされたり摘まれたり……変化自在の粘液は器用にそれらの愛撫を一度にやってくる。
股間に淫らに粘りついている粘液は膣穴と肛門に潜り込んでいた。
膣の方のスライムはぐじゅぐじゅと激しく出入りしながらぐむぐむと私の膣内で蠢いて柔肉を抉っている。
肛門に入っているスライムはまるで膣内のスライムの形を肉越しに確かめるように圧迫してくる。
「あっ！ あっ！ あああああ！！」
一度にそんな攻めを受けて耐えられるはずがなかった。
身体をメジストの中で弓なりに反らせ、痙攣しながら私はイかされる。
だが、メジストは攻めの手を休めない。
絶頂に達していて敏感な身体を粘液が這い回り、ずんずんと子宮口を突いてくる。
一突きされるごとに私が私じゃなくなるような快楽が全身から、特に下肢から脊髄を通って脳に響いた。
「もうやめてぇ……おかしくなっちゃうぅ……！」
「おかしくなってもいーよ♪ むしろ人間辞めるんだからおかしくなっちゃうべきよね♪」
「あんっ！ ああっ！ うああああっ！」
獣のような声を上げて私は頭を左右に振る。
炎のように暴力的な快楽だった。
そう、本当に炎のようだ。
炎に炙られたバターのように、私の心が溶けていくのを感じる。
そして身体までも……とろとろぐずぐずと溶けて崩れている。
実際はどうか分からないけど、身体に力が入らなくてそんな感じがした。
心地よい愛撫の感触ととろけるような恍惚感がドロドロに混ざり、虚脱感も加わっていく。
頭も考える力を失い、ぼんやりして桃色一色になってきた。
絶頂の嬌声をあげる自分の艶かしくも獣のように激しい声が遠くに聞こえる。
『も、もうダメ……』
もう人間の限界をとうに越していた
身体も、思考も、知識も、記憶も、人間としての価値観も、硬く凍りつかせていた心もとろとろにされていく。
そして意識も……形を保てなくなり、溶けて消えた。
メジストのスライム触手によって塞がれている口から私のくぐもった声が漏れる。
中央広場のど真ん中で、私は帽子以外の服を溶かされ裸にされていた。
そして腕を上に吊り上げられるような格好で体をメジストの身体によって包まれている。
「んんうっ！」
メジストの身体の中で私は粘液によって愛撫を受けていた。
にゅるにゅると背中を粘液が這い回る感触に私は思わず声を上げる。
くすぐったさからではなく、快感に。
閨房術の際は演技で声を出していたが、今は本気で声を出している……いや、出させられている。
「どう、人外の愛撫は？ それともそもそも全身を愛撫されること自体が初めてかしらぁ？」
私の耳元でメジストが囁く。
メジストの言うとおり、確かに初めてだ。
閨房術を習った私でさえ、女性が性的に気持ち良くなるのは膣、陰核、胸くらいしか教わっていない。
「女の子はね、性感帯が全身に散らばっているの。だから全身を優しく、丁寧に愛撫してあげないとね♪ ほうら、こんな風に」
愛撫が尻の膨らみにも、内股にも、お腹にも施される。
まるでたくさんの粘液にまみれた手で愛撫されているかのような感触だ。
「んふぅ！ んんん！」
快感に私は首をよじって声を上げる。
『くっ……感じるものか、感じるものか……！』
自己暗示をかけて快感を遮断しようとする。
閨房術の際に教わった技術だ。
だがそんなものが通じないくらいの快感が私の身体を巡る。
ダークスライムの魔力や粘液の媚薬効果もあったが、メジストの全身の愛撫はそれくらい快感だった。
下腹部がジンジンと熱を持っているように感じる。
「すごく濡れているわね。あなたのオマンコから愛液がとろとろ出ているのが分かるわぁ」
わざわざメジストはそれを指摘する。
私の頬に熱が上った。
演技ではよくやっていたが久しく本気で感じていなかった気持ち、羞恥心が私を支配する。
それを感じたら余計、下腹部が熱くなった。
「じゃあ、今までちょっと後回しにしていた、ここを可愛がってあげる♪」
むにゅむにゅと粘液が私の胸を揉みしだく。
「んっ！ んん！？」
透明な粘液なので、私の乳房がぐねぐねと揉みしだかれているのがはっきりと見える。
まるで私の胸がひとりでに形を変えているようで不思議だ。
だが、そのように面白がって見ている余裕などない。
甘い感触が胸からも広がって私の脳を、桃色に染め上げようとしている。
「ううん♪ 可愛い反応ねぇ。でもまだまだ。この先っちょを……」
今まで付着していただけだった乳首の粘液が動き出す。
その動きは粘液らしく変化自在だった。
にゅるにゅるとこすったり、軽く引っ張ったり、吸い付いたり……
謀略する男相手に乳首をいじられることは多かったが、メジストのぬるぬるとした攻めはそんなものと比べ物にならないくらい。
身体が痺れ、頭の中が白み、視界が霞んで行く。
『な、なに、これは……！？ 体の奥から……何か、何かが来る……！！』
得体の知れない感覚に私は戸惑う。
そして次の瞬間
「んんんんっ！」
メジストの身体の中で私の身体が弓なりに反り、ガクガクと意識とは無関係に動く。
快感が私の身体の中で爆発して、その衝撃で痙攣が起きているような感じだ。
苦しくはない、気持ち良かった。
これまで経験したことのないくらい……
「んふふ〜、身体とおっぱいだけでイッちゃったね〜♪ もしかしてイくのは初めてだったかなぁ？」
これが……イく？
男の射精と同じ絶頂？
男は性的に極まると精を吐き出す。
その知識はあった。
だが女性はどうなるか、そもそも絶頂があるかどうかすら知らなかった。
それを今、このメジストによって教えられる。
「気持ちよかったでしょ〜？」
ずるりと私の口から触手が引き抜かれた。
自決を防いだものがなくなった、つまりまた自決のチャンスが与えられている……
だが、私の身体からはそのような気力などは一切失せてしまっていた。
解放された口から、ただ走り続けたときより荒い息が漏れる。
「イくことを知らないなんて、女の人生の半分近くは損しているわよぉ」
メジストがささやきながら私の胸を愛撫する。
くちゅ……
さらに粘液が私の股間に強く押し当てられる感触がした。
「せっかくだからもう一度、味あわせてあげる♪ 次はぁ……ここね♪」
「うあっ！？ うああああ！」
思わず私は悲鳴のような嬌声を上げる。
股間で人外の攻めが施されていた。
まるでぬるぬるした大蛇が私の股で前後に動いて身体をこすり付けているような感じ……
膣口やクリトリスを粘液でこすりあげられ、びりびりと下肢からはっきりとした快感が身体を駆け巡る。
私は首を左右によじって快楽から逃げようとした。
だがそんなことをしても意味がない。
「まだまだよ。ほぅら、こんなこともしてあげる」
クリトリスへの攻めが変わった。
乳首にされたように、粘液が私のクリトリスを吸い上げる。
それだけではない。
細い触手のような物を作り出されきゅきゅっとつまんで絞るような愛撫が加わった。
「んんんっ！ んあああああっ！」
耐えられず、私は快感から、愛撫から逃げるように腰を引いて攀じる。
だが、メジストの中でそのようなことをしても意味がない。
愛撫している粘液も快感もついてくる。
「あははー、腰を振っちゃって可愛い♪ そんなに気持ちいいんだぁ？」
「くっ、くそっ……あ、ふあああ！」
悔しさと羞恥心が私の心に沸き起こる。
いつもだったら殺せる感情のはずなのに、それができないくらい余裕がない。
下肢から沸き上がる快感がそれらを全て押し流す。
『また来るッ……！ さっきのが、また……！』
先程味わわされた絶頂が近づいて来るのを感じた。
このままイカされると、もう抵抗する力を全て失ってしまう気がする。
『耐えろ……！』
くちびるを噛み、痛みでなんとか気を紛らわせようとするが、そんなものは魔物からの快楽の前には無力だった。
「んっ、んんっ！ んんんうううう！」
くちびるを噛んだまま私の身体がまた絶頂を迎える。
びくんびくんと身体がメジストの中で何回かわなないたあと、ぐたりと脱力した。
頭が絶頂の余韻でぼんやりとする。
そんな私の耳元でメジストがささやいた。
「またイッちゃったね。でもまだまだ、これからよ♪」
ぐにゅ……
また股間に粘液が強く押し当てられた。
だが今度はまた感触が少し違う。
特に膣口にやや弾力のある粘液が押し当てられて膣を押し広げている……
『まさか！？』
「行っくよ〜♪ あなたの中にスライムちんちんを入れちゃうわよ〜♪」
ずずずっ……
粘液が、メジストの身体の一部が私の膣内に入ってきた。
「あっ！？ ああああ！」
既に二回も絶頂させられていた私はそれを抵抗なく受け入れてしまう。
さらに悔しいことに、その入ってくる感触は今までの男の交わりの侵入のどれよりも気持ちが良かった。
「ん〜っ♪ あなたの中、すごく気持ちいいわ。サキュバスも感心の名器かもぉ♪」
メジストもとろけた声をあげる。
「それじゃ、動くわよ。一緒にいっぱい気持ちよくなろうね」
ぐじゅっ……ぬちゅ、じゅるっ、ぐちゅっ、じゅっじゅっ……！
スライムによる抽送が始まった。
肉棒でもない、張り型でもないぐにょぐにょした物体が私の膣内をにゅるにゅると出入りする。
そして先端はこつこつと私の子宮口をノックした。
荒々しく突きながらも乱暴ではない抽送に私は悶える。
「どお？ いいでしょう？ ほぅら、後ろからも行っちゃうぞぉ〜？」
「ひぐっ！？ はぁう！！」
肛門への異物感に私は声をあげる。
閨房術を叩き込まれた私でも、肛門での交わりは体験していない。
闇に身を置き、綺麗とは程遠い汚れた存在の私でも、肛虐は不浄だと思っていた。
だが、スライムが自分の肛門の中に入ってくる感覚は不快ではなく、むしろ快感だった。
『なぜ！？ なぜこんなので感じるの！？』
未知の快感に私の心はかき乱され、崩されていく。
粘液は私の肛門を傷つけることなく貫き、中をくねくねと動いて絶妙な感覚を私に与えてくる。
私は快感と羞恥心に身体を熱くする。
「ほらほら、これって効くでしょう？」
スライムの攻めが変わった。
肛門に入っているスライムと膣に入っているスライムが肉壁越しにこすり合わされる。
「うあっ！ うわあああっ！」
メジストの言葉のとおり、かなり効いた。
凄まじい快感が腰から全身に回る。
こすり合わされるだけではない。
スライムの触手は器用に抽送の動きもしており、私の子宮口をぐいぐいと突き続けていた。
一突きされるごとに淫らな吐息が私の口からもれる。
そして絶頂がずいずいと近づいて来るのを感じた。
「い、いい……イ……く、イく……っ！」
突かれる勢いと共に私の口から自然と言葉が漏れた。
それにしまったと思ってももう遅い。
メジストがにやりと笑った気がした。
「うふふ、自分でそんなこと言っちゃうくらい、いーんだ？ イッちゃいそうなんだ？ いいわよ、んふぅ！ イッちゃいなさい！」
膣内のスライムが激しくうねった。
下肢の快感が弾ける。
「あんっ！ あっ、うあ……あああああっ！」
容赦なく、私はイカされた。
私の膣がきゅきゅっと収縮しているのが、銜えこんでいるメジストのスライムによって実感する。
「えっ！？ あ、ちょ……そんなっ！」
突然、メジストが戸惑ったような、しかし甘い声をあげる。
「あ、あたしも……きゃっ！？ ふああああん！！」
メジストの身体がぶるぶると震えた。
その震えが私の裸身をさらに刺激する。
私とメジストの嬌声が重なって広場に響いた。
「はぁはぁ……すっごぉい……油断していたら、あたしもつられてイッちゃったよぉ♪」
絶頂が過ぎ去り、荒い息の下でメジストが私にねっとりと話しかける。
「あなたのオマンコ、イくと同時にぐねぐねと動くんだもん。これ、男の人はたまらないわよ。これであなたがダークスライムになったらどれくらい男の人は気持ちいいかなぁ？」
「あ、あ、うああ……」
私は答えられない。
バカのように口を開けて、腕だけ糸が残っている操り人形のように脱力している。
自分では分からないが、口からは涎が垂れていると思う。
「なぁに？ 答えられないくらい気持ちよかったの？ オマンコとアナルをちょっと激しく突いただけじゃなぁい」
そしてメジストはふっと意地悪そうに笑って私にささやいた。
「これでおっぱいもオマンコもお尻も……あなたのイイトコロ、全部ぐちゅぐちゅしてあげたらどうなるかなぁ？」
メジストの言葉にさっと背中が寒くなる。
笑顔などと一緒に長らく忘れていた感覚……恐怖だ。
だがその恐怖はどこか、期待のようなものも伴っていた。
にゅる、じゅるり……
今まで止んでいた全身への愛撫が再開される。
背中を、尻を、内股を、腹を、胸を、全身を粘液が這い回り、揉みしだく。
「んっ！ んん〜〜っ！！」
膣内のスライムも肛門内のスライムも動いていない。
それなのに達しそうになる。
にゅるり……
スライムが膣穴と肛門の中をゆっくりと動き始めた。
膣内のスライムはにゅるにゅると出入りして中を掻き回し、肛門内のスライムはプルプルと震えて絶妙な振動を送ってくる。
しかし、その動きはいたぶるように緩やかでどこか物足りない。
思わず私は腰を動かしてしまう。
「なぁに？ そんなに切なそうに腰を動かしちゃって……もっとして欲しいの？」
「もっと……んぅ、もっとぉ……」
熱に浮かされたように私は口走る。
「んっふっふ〜、もっとシて欲しいんだぁ、いやらしい〜♪ うんうん、良いと思うよ。 クールぶって死んだ魚のような目をしているより、ずぅっとね♪」
「うあぁ……」
メジストの言葉は耳に入っているが、理解するのに時間がかかった。
それくらい、私の頭が桃色に染まって動きが鈍くなっている。
「それじゃ……望み通り激しくしてア・ゲ・ル！」
言い終わるやいなや、膣内のスライムの動きが激しくなった。
ものすごい勢いで、うねりながら私の膣穴を出たり入ったり繰り返して掻き回してくる。
「あっ！ あふっ！ あああっ！ すごい！ くっ……ふあああっ！」
手を吊り上げられている格好なので倒れることはないが、立っていられないほどの快楽だ。
閨房術の訓練の賜物なのか、女の本能なのか、私の腰が勝手に動く。
激しく乱れる私だが、メジストはどこか納得していないように唸った。
「まだまだ行けるはずよねぇ……あっ！ クリちゃん弄るの忘れてた。てへっ♪」
「あっ、や……やめ……」
無邪気に、しかし残酷にメジストは言って忘れていたことを実行に移す。
少し前にされた攻め、粘液がクリトリスに吸い付いてキュキュッとつまむようにして刺激してきた。
「んあああああっ！」
あっという間に私の身体が反り返り、絶頂に達する。
だが……
「イッちゃった？ でも止めないよ？ ほらほら、連続でイカせちゃうぞ〜♪」
言葉のとおり、メジストは攻めを止めない。
私を包んでいるスライムは身体中をくちゅくちゅと揉みしだき、膣内のスライムは激しい抽送を続ける。
「だめぇ、またイッちゃう〜っ！ ……くううううっ！」
全身の筋肉が収縮する。
また私の身体がオーガズムに達していた。
特に膣が、本来なら男の精液を絞ろうと、きゅうきゅうと収縮するのが手に取るように分かる。
だがその最中もメジストは私の身体を蹂躙するのを止めない。
「うあああっ！？ ダメ、だめぇ！ イッてる！ イッてるからぁ！ やめ、やめてぇ……あっ！ ふあああん！」
そう泣きわめいてもメジストは私の身体を嬲り続ける。
何も考えられない。
冷静に、クレバーになるなんてもっての外だ。
頭の中の、今まで受けた訓練の内容が全て桃色に染められてどろどろに溶けて行く気がした。
「だめぇ……頭が、溶けて……バカに、なっちゃう……」
私が思わず漏らした感覚の言葉に、メジストがそう言えばと蹂躙の手を緩めて説明し出した。
「私たち、ダークスライムの魔物化の手法は”融解”よ。あなたの心も身体も知識も何もかも、み〜んな溶かしてしまうの」
身体を溶かす……本来は恐ろしいことだ。
だが快楽でタガが外れている私の頭はそれ対する恐怖も嫌悪感もなかった。
いや、むしろこの快楽に浸れるのならそのまま溶かされたい、その溶かされる快楽を味わってみたいとすら思っていた。
「とろとろに溶けたそこからダークスライムのコアが作り出されるの。そして人間であったころの姿を元に、あなたの姿が作り出されるの。これがダークスライムの魔物化よ♪」
そうだ、この行為はただの女性同士の性行為でもなければ、性拷問でもない。
魔物化のための行為なのだ。
人間をやめ、快楽のことしか考えない魔物となる……自分のそれまで生きてきて身に付けた価値観などを全てぶち壊され、逆転される行為だ。
だが、メジストによって頭の中を快楽で染め上げられ、硬く凍らせていた心も溶かされた私は、人間の姿をしているだけの魔物も同然だった。
「それじゃ、魔物化に向けてスパートかけるわよ。人間としての最後の快楽、たっぷり味わってね♪」
「や、やああああっ！ あ、ああああっ……！」
仕上げの陵辱が始まった。
はたから見るとただ私がダークスライムに包まれているだけのように見える。
だが、ダークスライムの身体の中で私は優しくも激しく蹂躙されていた。
背中と腹に張り付いているスライムはぞわぞわと脈打って私を愛撫してくる。
尻は何人もの男に荒々しく揉まれたり撫で回されたりする気持ちだ。
脚はまるで蛇がはい回るかのようにニュルニュルと粘液で愛撫される。
胸には多彩な愛撫が施されていた。
全体をパン生地のようにコネ回されたり柔らかさを確かめるようにむにゅむにゅと揉みしだかれたり、乳首を転がされたり摘まれたり……変化自在の粘液は器用にそれらの愛撫を一度にやってくる。
股間に淫らに粘りついている粘液は膣穴と肛門に潜り込んでいた。
膣の方のスライムはぐじゅぐじゅと激しく出入りしながらぐむぐむと私の膣内で蠢いて柔肉を抉っている。
肛門に入っているスライムはまるで膣内のスライムの形を肉越しに確かめるように圧迫してくる。
「あっ！ あっ！ あああああ！！」
一度にそんな攻めを受けて耐えられるはずがなかった。
身体をメジストの中で弓なりに反らせ、痙攣しながら私はイかされる。
だが、メジストは攻めの手を休めない。
絶頂に達していて敏感な身体を粘液が這い回り、ずんずんと子宮口を突いてくる。
一突きされるごとに私が私じゃなくなるような快楽が全身から、特に下肢から脊髄を通って脳に響いた。
「もうやめてぇ……おかしくなっちゃうぅ……！」
「おかしくなってもいーよ♪ むしろ人間辞めるんだからおかしくなっちゃうべきよね♪」
「あんっ！ ああっ！ うああああっ！」
獣のような声を上げて私は頭を左右に振る。
炎のように暴力的な快楽だった。
そう、本当に炎のようだ。
炎に炙られたバターのように、私の心が溶けていくのを感じる。
そして身体までも……とろとろぐずぐずと溶けて崩れている。
実際はどうか分からないけど、身体に力が入らなくてそんな感じがした。
心地よい愛撫の感触ととろけるような恍惚感がドロドロに混ざり、虚脱感も加わっていく。
頭も考える力を失い、ぼんやりして桃色一色になってきた。
絶頂の嬌声をあげる自分の艶かしくも獣のように激しい声が遠くに聞こえる。
『も、もうダメ……』
もう人間の限界をとうに越していた
身体も、思考も、知識も、記憶も、人間としての価値観も、硬く凍りつかせていた心もとろとろにされていく。
そして意識も……形を保てなくなり、溶けて消えた。
11/12/06 19:27更新 / 三鯖アキラ（旧：沈黙の天使）
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