第九話 道中
ドラゴン夫婦の特訓に巻き込まれてから数日後、次の村まであと2日と言った所まで俺達は進んでいた。
もうこの頃になるとその日野宿するとなると自分が何をすればいいのかという役割分担が出来上がっていた。
もちろん日によってやることを入れ替えたりもするが。
「それじゃ今日は私が食べ物拾ってくるんだよ〜」
「いいの?毛皮もまだ完全に修理出来ていないのに・・・」
「穴は空いていないし細かい傷が多いだけだから大丈夫だよー」
「よし、分かった・・・それじゃいいもん取ってこい!」
「了解だよー!スコッド、ニミュ!」
此処に来るまでに集めた石を並べ、焚き火の土台を作るのをニミュに任せ俺は水を汲みに、ティナは野草や木の実を探しに行ってもらうことにした。
幸い湧き水が少し遠いが道を戻った所にあるのは知っているのでそこまで行くことにした。
晩飯に使う分と後は明日の朝使う分を組めば十分だろうか。
水の冷たさを両手で感じ、顔を洗う。
気持いい冷たさが顔の皮膚を引き締めて意識をはっきりさせてくれる。
この水でデザートを作ったらいいものが出来そうだなどと考えていたその時、ティナの悲鳴が聞こえ、考えるより早く俺の体は走りだしていた。
・
・
・
〜遡ること30分前〜
むふぅ、今回寝ようとしたところの周りは結構食べられるものが生えているんだよ♪
これは・・・うん大丈夫、この木の実は潰れると他の食べ物が果汁で被害食らうから別にして、このキノコは・・・ニミュに聞いてみよう。
少しの時間であっという間に両手で抱えれる程度の籠がいっぱいになったので一旦二ミュの所に戻ってもう一度何か無いか探してみることにした。
今日と明日の朝食べる分は十分確保できたけどどうせなら日持ちしそうな食材を取っておけばいざというとき大丈夫なんだよ!
「なっにっかないっかなー♪」
すんすんと匂いを嗅いでなにか良さそうなものはないか探ってみるとこの前のクリスたちとのどんちゃん騒ぎの時に食べたことのある匂いが茂みの奥からしたんだよ。
がさごそ。
「みきゅー!いいの見っけー!」
目の前に沢山咲いていたのは沢山の白い玉。
丁度花の代わりに串だんごのお団子がくっついてる見た目で、モチミソウって植物!
この前の時知ったけどこの白い玉が茹でるとむにゅむにゅ、焼くと弾力があって美味しいんだよぉ〜。
二ミュがたしか、乾燥させて粉にすると水でこねて小麦粉とかの代わりになるって言ってたしこれは取らないと!
それに目の前に20、30は実がなっているんだよ!
むきゅ〜♪
「一応此処に住んでる動物さん達の分も残しておかないとねぇ」
10個位でいいかな、もぎもぎっと。
「〜♪」
最期の1個〜10個目〜♪
ばふぅぅん!!!
「むきゅぅぅぅぅーー!?」
最期と思って取ろうとしたモチミソウが爆発して白い粉が吹き出したんだよ!?
あう...?なんか....ねむく......すやー。
・
・
・
「ティナ!大丈夫か!?」
焚き火の場所まで戻ったがティナ達の姿は無く、地面に矢印形に掘られた印があった。
それがニミュが掘ったものだと理解した俺はその方向へ急ぐ。
少しばかり進むとニミュが居て、その腕にはティナが抱かれていた。
「ニミュ、何があったんだ?」
「ティナはとりあえず大丈夫、眠っているだけ・・・」
眠っているだけと言われ安心したが二ミュのトーンが落ち、言葉の続きが心配になる。
ティナの顔をのぞき込むといつものようにむにゃむにゃと気持ちよさそうに眠っていた。
頬を指でつつくとすりすりと擦り寄ってくる。
「ねぇ、アレを見て」
二ミュが指を指した方を見るとそこにはこの前食べたモチミソウが群生していてティナが食材集めに使っていた籠の中にもモチミソウが入っていた。
そこで何か違和感を感じてモチミソウに近づこうとした時、違和感を感じたのと同時にニミュが静止する。
「まってスコッド!・・・気づいた?」
「あぁ、なんか・・・本当に数個だけど色が違うような」
真っ白な実をつけているモチミソウに混じってクリーム色っぽい白くないやつがある。
「色の違いは私には見えないけど間違いないわ、それモチミソウモドキよ」
「モドキ?偽物か」
「ちゃんとした利用法なら薬なんだけどね・・・それを摘もうと触ると破裂して、強烈な眠気が起きる花粉をまき散らして吸い込んだ人を眠らせるの」
「毒じゃなくて眠らせるねぇ、ティナが眠っているのもそのせいか」
モチミソウの白いのは実だがモドキの方は花なのか。
そしてさっきの悲鳴は急に出てきた粉に驚いたからなのだろう。
「本来はモチミソウと間違えて食べた動物を眠らせて肉食獣に食べさせ、その死体が土に帰る時に栄養にするって感じ。だけど今の時代だと旅人が眠ってその時に魔物娘がお持ち帰り・・・もしくはその逆ってところね」
予想以上にえげつない植物だった。
「ふむ、原因は分かったからいいとしてティナの方はどうなんだ?」
「はっきり言って面倒な事になってるわ、このモチミソウモドキの眠らせる効果って言うのは破裂した花の葉っぱの数を見ればだいたい分かるんだけど」
そこでニミュは言葉をつまらせた。
「おそらくティナが取った草の葉っぱの数から見て、2週間は寝っぱなしなのよ・・・音でわかる限りだけど」
「はぁ!?」
2週間!?2時間じゃなくてか!?と思わず言いたくなった。
魔物娘だからそれだけの時間眠り続けても生命活動には何の支障もない、だが俺達は旅をしている途中だ。
それだけの時間俺がおんぶし続けないといけないというのは・・・ちとキツイ気がする。
って、まてよ?大抵そういうのは毒じゃないけど解毒剤とか作れるんじゃないか?
「解毒?まぁ・・・作れるのは知ってるけど無理ね、根っこを乾燥させて砕いたものに他の植物の粉末混ぜたりするから作っている間に2週間経ってしまうわ」
「そうか・・・」
「むにゃむにゃ...」
こんちきしょう人が心配してるのに気持ちよく眠りおって、うりうり、遊んでくれる。
ニミュも一緒にティナの頬を触り始める。
こねたりつねったりつついたり、どれをしても柔らかさが心地いい。
その後ティナを背負って焚き火の所まで戻った俺達はティナが取ってきてくれた食材で晩飯を済ませることにした。
本当は自分が取ってきた食材だ、ティナも自分で食べたかっただろうに・・・。
「お前が起きたら山菜とモチミソウの団子で作った料理作ってやるからな」
そう言いながら頬をつつくと間違えて唇をつついてしまった、その時。
あむっ
と、ティナが俺の指を咥えて口をモゴモゴと動かしたのだ。
思わず目が点になり指を抜いてニミュと顔を合わせる。
試しに作ったモチミソウの素焼きを十分に冷ましてティナの口元に近づけると口を開いて食べ始めた。
「・・・コイツ本当に寝てるのか?」
「・・・うん、つねっても瞼開けてもデコピンしても反応なし、寝てるわ」
もう一回食べ物を入れてみるとちゃんと食べた。
スプーンで水を口に入れるとそれもちゃんと飲んだ。
寝ているということが信じられなくなるような現象だがとりあえずコレで水分とかそういうのは問題ないと言う事になる。
面白いのでティナが起きた時に話のネタにしてやろう、きっとぽっぽーと怒りながら俺を叩いてくるに違いない。
・
・
・
パチパチと焚き火に放り込んだ薪が音を立てる。
揺らめく炎の温かさを感じながら私はスコッドにブラッシングをしてもらっている。
彼がしてくれるブラッシングは自分でするよりも少し強めだ。
けどその強さが心地いい。
思わず喉がごろごろと鳴ってしまう。
「気持ちいいか?」
「うん、ありがとう」
ブラッシングも終わり、足を伸ばして座っているスコッドの太腿に向かい合うように座ってキスをする。
ちゅっ、ちゅっと軽く、優しく。
彼の手が私の腰に伸びてゆっくりと撫で始めるともどかしい感触と共に心も熱くなっていく。
・・・そろそろいいかな。
「スコッド...」
「どうした?」
「・・・ちょっとごめん」
そう言うと私はスコッドに私のアイマスクを付け、スコッドの視界を奪った。
少し驚いたみたいだけどすぐにリラックスしてくれた。私の事を信頼してくれているのがわかって心がポカポカする。
そして、これからする事を考えると心臓が爆発しそうになる。
けど、もう我慢する事ができない、ティナが眠っている今だからこそ私だけを見ていてほしい。
私の全部を見せてしまいたい。
ホットパンツと下着を外して片足に掛けたままにする、丁寧に脱いで畳むのが煩わしい。
そのままスコッドの股間と私の股間を合わせるようにして座る。
まだ柔らかいけどしっかりと存在を感じるだろうスコッドの物。
旅をしていなければ一日中ティナと一緒に舐めまわしたり咥えていたい愛おしい物。
「脱がすね...」
「あぁ...」
スコッドのズボンの紐を緩めてずらし、男根を空気に触れさせるとその瞬間私の脳を破壊しようと強烈な匂いが襲撃してきた。
その襲撃に為す術もなく私の口からは涎が垂れ落ちスコッドの腹部を濡らす。
今の顔はあまりスコッドに見られたくない・・・きっとひどい顔だ。
体は発情しきって、秘部からは愛液が雫となって垂れ落ちるほどぐちょぐちょになっていて私はその液体を指先に塗りたくり、尻穴に塗りたくる。
自分でも息が荒くなっているというかむふーむふーと言っているのがわかる。
スコッドがなんだか怪しさを感じたのか目隠しを取ろうとするがそれをキスで邪魔する。
右手でスコッドの後頭部から抑えて胸を押し付けて、スコッドを貪りながら左手でスコッドの肉棒に触れて私の肉筒の入り口へと添える。
そして、とうとうこの時が来た・・・。
本来出すだけで挿れるなどやるはずが無い場所をスコッドの剣は押し広げていく。
傘の一番広がっている所を超えるとちゅるんとあっけなく亀頭全てを飲み込み、くびれの部分を肉の輪が締め付ける状態になった。
それだけだというのに、指で言えば第一関節が入っただけだというのに・・・私はイッていた。
声も出せず両腕でスコッドを抱きしめ、だらしなく舌を垂らし、尻肉を痙攣させて。
玩具や自分でする事とは異質、想像を絶する幸福感。
処女を奪ってもらった時よりも感動している。
「ニ、ニミュ?コレって・・・」
流石におまんこと違うと気づいたようだけどもう遅いよ、ここまで来たら絞りとっちゃうんだから。
更に腰を落としてずぷずぷと飲み込んでいく。
「お....おおぉっ♪尻穴ぁ、スコッドにひろげられちゃうぅぅ♪」
「ちょっ!?」
何か文句を言われる前に堕とさせないと♪
何百人と玩具や薬でふたなりになった女達のペニスや腕、尻尾を飲み込んできた凄さ知ってもらうんだから♪
腸は膣みたいに締め付けることが出来ない、それこそ肛門で搾り取る・・・親指と人差し指で輪を作ってそれで扱く感じ。
根本まで軽く飲み込んだら締め付けて引き抜き、力を緩めてまた根本までくわえ込む。
じゅぷじゅぷと異物に反応した腸液でエロい音が聞こえてくる。
一回一回挿れていく度に脊髄に電撃が走って脳を焼いていくし偶に子宮を裏から押しつぶされる時なんて視界が暗転してしまうほどだった。
「すこっどぉ...すきぃ♪すきなの♪いく、いっちゃうお尻でイッちゃう♪」
両腕をスコッドを抱きしめるように・・・と言うよりは獲物を逃さない勢いで抱きしめ、スコッドの肩に顎を乗せそのまま絶頂、更に私の熱り立った肉棒からもドロドロと垂れ流しの状態で汁が流れだす・・・久々のアナルのところてんキモチイイぃ....♪
スコッドをイかせる筈が先に私のほうがイッちゃったぁ♪
動こうとするけどアナル絶頂が凄まじくてただ壊れた人形のようにしがみついているしか出来なかった。
「まったく、この駄犬は・・・っ!」
「くぅん♪きゃっ♪」
駄犬というキーワードが私の脳をぶん殴ってノックアウトさせてくる。
やば...言葉責めでイカサレそう♪♪
子宮がきゅんきゅんしてるのぉっ♪
目隠しを取ったスコッドに乱暴に押し倒されてズコパコされる、と思ったら押し倒した状態でずるずると向きを変えられた。
それが自分を影にして私が焚き火を直視しないための気遣いだと分かり嬉しくなった。
「お前の昔のことを聞いていたからいつかはすると思っていたけどやるなら先に言ってくれ・・・肛門だろうがちゃんとしてやるから」
「...ごめんね」
「という訳でやるからには徹底的にやるからな」
そこからはもう・・・言葉に出来ないほどエッチしてくれた。
腸内に出される精は子宮に叩きつけられるのとはまた違った美味しさがあって・・・更におちんちんもイジメてくれて・・・うふふ♪
結果的にお尻に4発、膣に2発、ごっくん4回、ついでにティナの口に近づけたら予想通りというかなんというか咥えてきて、私とスコッドで一回ずつティナの口に出した。
眠っているからって仲間はずれは可愛そうだからね。
スコッドが寝ている相手にするのは気が引けると行っていたけど、魔物娘にそんな事関係ないんだよ♪
という訳で。
かなりはっちゃけてしまった様で気がつけば二人共全裸のままですやすやと眠ってしまっていた。
まだ日も昇っておらず、さらに霧につつまれているお陰で目隠しがなくても大丈夫そう。
スコッドの腕を枕にして眠っていて目が覚めれば彼の横顔が目の前にあった。
べたつく汗の感触がなんか嫌で近くに水辺がないかと考えながら体を起こすと反対側のスコッドの腕はティナが枕にしていた。
転がって来たのかどうかは知らないけど、相変わらず揺さぶっても目覚める様子は無いばかりか私の指を美味しそうに咥えてきた。
思わず肉棒が反応するけれど今は水浴びの方が大事だ。
「私が戻ってくるまで起きないでねあなた♪」
ちゅっ、とスコッドの唇に重ね水音がする方へ服を持って裸のまま向かう。
今の状態で服を着るのはベタベタするし恥ずかしい格好で歩くのもやってみたいことだったりする。
途中だれとも出会わず湧き水が出ている所に着いた私は布を水で濡らし体を拭く、肌のベタつきや人間が感知できる程度の汗の臭いが取れているのを確認してから服を着る。
よく見ると私が着ている服もそろそろ限界が近かった、所々解れ、擦れて薄くなっている所もある。
スコッドのことだから気にしないとか言いそうだけど私だって女だ、そう言うとことは気にする。
「さて、戻ろうっと」
戻ってもまだ寝ているようだったらお目覚めのフェラか汗を舐めとっちゃおう♪
・
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・
見渡せば霧の中。
目が覚めて真っ先に思い出したのは情事。
いつもより数段激しい獣の交り。
魔物娘が持つ底なしの性欲を改めて目の当たりにした俺は呆れ半分嬉しさ半分という感じだった。
そして右腕にかかる負荷を確認すればアザラシが気持ちよさそうに俺の腕をまくらにして眠っていた。
二ミュが運んだのかそれとも寝相でここまで来たのか、とにかく目覚めぬお姫様の?を撫でながらおはようと伝える。
帰ってくるのは寝息だけ。
そこで気がつく、一晩中腕枕をしていたなら痺れる筈なのに俺の右腕はなんともないのだ。
拳を握り、開く・・・やはり痺れがない。
「・・・少しずつインキュバスになってきている」
姿は同じでも内部が変わっていっている。
本来ならそれは怖いことなのだろうが、逆に嬉しかった。
体が変化して寿命が伸びるなら二人と長い時間愛し合えるということなのだから。
霧と朝露で少し寒いくらいで荷物からなにか取り出そうかと思ったが温まるのに丁度いいものが傍にあった。
俺の腕を枕にしているソイツを抱き枕代わりにしてみるとなんとも言えないモフモフとした感触が堪らなく、今日は霧が濃いし次の村までそんなに距離もないからこのままでいいかもしれないと思い始めてきた。
そこに二ミュが近づいてくる足音がした。
霧でほとんど見えはしないが二ミュだと確信できる。
ちょっと悪戯心が悪さをして寝たふりをすることにした。
「スコッド、起きてる?」
「・・・」
そのまま目をつぶっているとふさふさとした毛が俺の頭を撫でてくる。
二ミュの手はそれこそ男の俺の指より太く、握力とか筋力で言えば俺と同じくらいか上回る。
ティナが戯れでやった腕相撲で俺を打ちのめした事を考えると魔物娘としては弱い方だと思うがそれはそれでいい気がする。
本人は匂いを嗅がれるのを恥ずかしがって嫌がるが俺は獣の匂いが好きでティナの毛皮もニミュの獣も気に入ってる。
「チョットごめんね」
ニミュはそう言うとティナに抱きついている俺の手をゆっくりと剥がそうとする。
バレない程度に力を抜いてティナから手を離すとチャックを開く音が聞こえる。
うっすらと目を開けるとティナの体を濡らした布で拭いていた。
その姿が風邪をひいた我が子を看病する母の様に見えて羨ましく思えた。
・・・俺の親もニミュみたいに優しければな、等とありえない事を考えたりしている内に驚かそうとかいきなり抱きしめてみようとかそういう悪戯心が無くなったので普通に起きることにした。
「あ、起こしちゃった?」
「大丈夫だ、ティナは寝たままか?」
毛皮を脱がされ寒さからかしかめっ面になっているティナに声をかけながら背中や首、腕を拭いていく。
「うん、やっぱり起きない」
「とりあえず原因が解ってるだけ安心していられるか」
体を拭き終え、毛皮を着せていくニミュ。
全て着せ終えると眉間にしわを寄せていたティナも穏やかな寝顔になった。
「みきゅぅ.....すぴぃ....」
その寝顔を見ているとこう、心が柔らかくなっていく気がする。
ニミュも同じ気持ちなのかティナの頭を俺を撫でた時と同じように撫でる。
「今日はここで過ごすか、霧が深い状態でティナを背負って進むのは危険だし・・・それに」
「それに?」
「たまにはこういう所で二人とのんびり過ごしたい、とか」
くすくすと笑う彼女の笑顔。
目隠しで目元が見えないのは少し残念だがまぁいいか。
「それならしてみたかった事あるのよ」
二ミュはティナの毛皮の口を広げるとするりと中へ入ってしまった。
そういえば俺かニミュのどちらかが入っていたことはあったが3人で入ることはなかった。
手招きするニミュに連れられ俺も毛皮の中に入る。
毛皮は見た目からは想像できないほど伸縮性があって3人が入っても破れたりするような気配は一切ない。
グイグイと引っ張り遂には全員の頭も毛皮の中に入ってしまった。
「暖かいね」
「あぁ...」
薄暗いという程度の透光性はあるので二人の顔は見える。
ただ、ヘタすると行為の時よりも密着しているためドキドキしてしまう。
ニミュを撫でればニミュが俺を撫でてくる。
ティナを撫でればニミュもティナを撫で
「ふみゅぅ....」
ティナが動き出しニミュに抱きついてその豊満な胸に顔を埋めたかと思えば今度は俺に頭を擦り付けてくる。
その動きに思わず吹き出して笑ってしまう俺達。
「これもティナが起きたらしてあげましょう」
「じゃないと起きた時に頬をふくらませて起こってくるだろうしな」
そんな風に話している内に毛皮の暖かさに負けてぐっすりと眠ってしまう俺達だった。
目が覚めた時には霧は晴れていて焚き火などを片付けた俺達は次の村へ向かうのだった。
つづく
もうこの頃になるとその日野宿するとなると自分が何をすればいいのかという役割分担が出来上がっていた。
もちろん日によってやることを入れ替えたりもするが。
「それじゃ今日は私が食べ物拾ってくるんだよ〜」
「いいの?毛皮もまだ完全に修理出来ていないのに・・・」
「穴は空いていないし細かい傷が多いだけだから大丈夫だよー」
「よし、分かった・・・それじゃいいもん取ってこい!」
「了解だよー!スコッド、ニミュ!」
此処に来るまでに集めた石を並べ、焚き火の土台を作るのをニミュに任せ俺は水を汲みに、ティナは野草や木の実を探しに行ってもらうことにした。
幸い湧き水が少し遠いが道を戻った所にあるのは知っているのでそこまで行くことにした。
晩飯に使う分と後は明日の朝使う分を組めば十分だろうか。
水の冷たさを両手で感じ、顔を洗う。
気持いい冷たさが顔の皮膚を引き締めて意識をはっきりさせてくれる。
この水でデザートを作ったらいいものが出来そうだなどと考えていたその時、ティナの悲鳴が聞こえ、考えるより早く俺の体は走りだしていた。
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〜遡ること30分前〜
むふぅ、今回寝ようとしたところの周りは結構食べられるものが生えているんだよ♪
これは・・・うん大丈夫、この木の実は潰れると他の食べ物が果汁で被害食らうから別にして、このキノコは・・・ニミュに聞いてみよう。
少しの時間であっという間に両手で抱えれる程度の籠がいっぱいになったので一旦二ミュの所に戻ってもう一度何か無いか探してみることにした。
今日と明日の朝食べる分は十分確保できたけどどうせなら日持ちしそうな食材を取っておけばいざというとき大丈夫なんだよ!
「なっにっかないっかなー♪」
すんすんと匂いを嗅いでなにか良さそうなものはないか探ってみるとこの前のクリスたちとのどんちゃん騒ぎの時に食べたことのある匂いが茂みの奥からしたんだよ。
がさごそ。
「みきゅー!いいの見っけー!」
目の前に沢山咲いていたのは沢山の白い玉。
丁度花の代わりに串だんごのお団子がくっついてる見た目で、モチミソウって植物!
この前の時知ったけどこの白い玉が茹でるとむにゅむにゅ、焼くと弾力があって美味しいんだよぉ〜。
二ミュがたしか、乾燥させて粉にすると水でこねて小麦粉とかの代わりになるって言ってたしこれは取らないと!
それに目の前に20、30は実がなっているんだよ!
むきゅ〜♪
「一応此処に住んでる動物さん達の分も残しておかないとねぇ」
10個位でいいかな、もぎもぎっと。
「〜♪」
最期の1個〜10個目〜♪
ばふぅぅん!!!
「むきゅぅぅぅぅーー!?」
最期と思って取ろうとしたモチミソウが爆発して白い粉が吹き出したんだよ!?
あう...?なんか....ねむく......すやー。
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「ティナ!大丈夫か!?」
焚き火の場所まで戻ったがティナ達の姿は無く、地面に矢印形に掘られた印があった。
それがニミュが掘ったものだと理解した俺はその方向へ急ぐ。
少しばかり進むとニミュが居て、その腕にはティナが抱かれていた。
「ニミュ、何があったんだ?」
「ティナはとりあえず大丈夫、眠っているだけ・・・」
眠っているだけと言われ安心したが二ミュのトーンが落ち、言葉の続きが心配になる。
ティナの顔をのぞき込むといつものようにむにゃむにゃと気持ちよさそうに眠っていた。
頬を指でつつくとすりすりと擦り寄ってくる。
「ねぇ、アレを見て」
二ミュが指を指した方を見るとそこにはこの前食べたモチミソウが群生していてティナが食材集めに使っていた籠の中にもモチミソウが入っていた。
そこで何か違和感を感じてモチミソウに近づこうとした時、違和感を感じたのと同時にニミュが静止する。
「まってスコッド!・・・気づいた?」
「あぁ、なんか・・・本当に数個だけど色が違うような」
真っ白な実をつけているモチミソウに混じってクリーム色っぽい白くないやつがある。
「色の違いは私には見えないけど間違いないわ、それモチミソウモドキよ」
「モドキ?偽物か」
「ちゃんとした利用法なら薬なんだけどね・・・それを摘もうと触ると破裂して、強烈な眠気が起きる花粉をまき散らして吸い込んだ人を眠らせるの」
「毒じゃなくて眠らせるねぇ、ティナが眠っているのもそのせいか」
モチミソウの白いのは実だがモドキの方は花なのか。
そしてさっきの悲鳴は急に出てきた粉に驚いたからなのだろう。
「本来はモチミソウと間違えて食べた動物を眠らせて肉食獣に食べさせ、その死体が土に帰る時に栄養にするって感じ。だけど今の時代だと旅人が眠ってその時に魔物娘がお持ち帰り・・・もしくはその逆ってところね」
予想以上にえげつない植物だった。
「ふむ、原因は分かったからいいとしてティナの方はどうなんだ?」
「はっきり言って面倒な事になってるわ、このモチミソウモドキの眠らせる効果って言うのは破裂した花の葉っぱの数を見ればだいたい分かるんだけど」
そこでニミュは言葉をつまらせた。
「おそらくティナが取った草の葉っぱの数から見て、2週間は寝っぱなしなのよ・・・音でわかる限りだけど」
「はぁ!?」
2週間!?2時間じゃなくてか!?と思わず言いたくなった。
魔物娘だからそれだけの時間眠り続けても生命活動には何の支障もない、だが俺達は旅をしている途中だ。
それだけの時間俺がおんぶし続けないといけないというのは・・・ちとキツイ気がする。
って、まてよ?大抵そういうのは毒じゃないけど解毒剤とか作れるんじゃないか?
「解毒?まぁ・・・作れるのは知ってるけど無理ね、根っこを乾燥させて砕いたものに他の植物の粉末混ぜたりするから作っている間に2週間経ってしまうわ」
「そうか・・・」
「むにゃむにゃ...」
こんちきしょう人が心配してるのに気持ちよく眠りおって、うりうり、遊んでくれる。
ニミュも一緒にティナの頬を触り始める。
こねたりつねったりつついたり、どれをしても柔らかさが心地いい。
その後ティナを背負って焚き火の所まで戻った俺達はティナが取ってきてくれた食材で晩飯を済ませることにした。
本当は自分が取ってきた食材だ、ティナも自分で食べたかっただろうに・・・。
「お前が起きたら山菜とモチミソウの団子で作った料理作ってやるからな」
そう言いながら頬をつつくと間違えて唇をつついてしまった、その時。
あむっ
と、ティナが俺の指を咥えて口をモゴモゴと動かしたのだ。
思わず目が点になり指を抜いてニミュと顔を合わせる。
試しに作ったモチミソウの素焼きを十分に冷ましてティナの口元に近づけると口を開いて食べ始めた。
「・・・コイツ本当に寝てるのか?」
「・・・うん、つねっても瞼開けてもデコピンしても反応なし、寝てるわ」
もう一回食べ物を入れてみるとちゃんと食べた。
スプーンで水を口に入れるとそれもちゃんと飲んだ。
寝ているということが信じられなくなるような現象だがとりあえずコレで水分とかそういうのは問題ないと言う事になる。
面白いのでティナが起きた時に話のネタにしてやろう、きっとぽっぽーと怒りながら俺を叩いてくるに違いない。
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パチパチと焚き火に放り込んだ薪が音を立てる。
揺らめく炎の温かさを感じながら私はスコッドにブラッシングをしてもらっている。
彼がしてくれるブラッシングは自分でするよりも少し強めだ。
けどその強さが心地いい。
思わず喉がごろごろと鳴ってしまう。
「気持ちいいか?」
「うん、ありがとう」
ブラッシングも終わり、足を伸ばして座っているスコッドの太腿に向かい合うように座ってキスをする。
ちゅっ、ちゅっと軽く、優しく。
彼の手が私の腰に伸びてゆっくりと撫で始めるともどかしい感触と共に心も熱くなっていく。
・・・そろそろいいかな。
「スコッド...」
「どうした?」
「・・・ちょっとごめん」
そう言うと私はスコッドに私のアイマスクを付け、スコッドの視界を奪った。
少し驚いたみたいだけどすぐにリラックスしてくれた。私の事を信頼してくれているのがわかって心がポカポカする。
そして、これからする事を考えると心臓が爆発しそうになる。
けど、もう我慢する事ができない、ティナが眠っている今だからこそ私だけを見ていてほしい。
私の全部を見せてしまいたい。
ホットパンツと下着を外して片足に掛けたままにする、丁寧に脱いで畳むのが煩わしい。
そのままスコッドの股間と私の股間を合わせるようにして座る。
まだ柔らかいけどしっかりと存在を感じるだろうスコッドの物。
旅をしていなければ一日中ティナと一緒に舐めまわしたり咥えていたい愛おしい物。
「脱がすね...」
「あぁ...」
スコッドのズボンの紐を緩めてずらし、男根を空気に触れさせるとその瞬間私の脳を破壊しようと強烈な匂いが襲撃してきた。
その襲撃に為す術もなく私の口からは涎が垂れ落ちスコッドの腹部を濡らす。
今の顔はあまりスコッドに見られたくない・・・きっとひどい顔だ。
体は発情しきって、秘部からは愛液が雫となって垂れ落ちるほどぐちょぐちょになっていて私はその液体を指先に塗りたくり、尻穴に塗りたくる。
自分でも息が荒くなっているというかむふーむふーと言っているのがわかる。
スコッドがなんだか怪しさを感じたのか目隠しを取ろうとするがそれをキスで邪魔する。
右手でスコッドの後頭部から抑えて胸を押し付けて、スコッドを貪りながら左手でスコッドの肉棒に触れて私の肉筒の入り口へと添える。
そして、とうとうこの時が来た・・・。
本来出すだけで挿れるなどやるはずが無い場所をスコッドの剣は押し広げていく。
傘の一番広がっている所を超えるとちゅるんとあっけなく亀頭全てを飲み込み、くびれの部分を肉の輪が締め付ける状態になった。
それだけだというのに、指で言えば第一関節が入っただけだというのに・・・私はイッていた。
声も出せず両腕でスコッドを抱きしめ、だらしなく舌を垂らし、尻肉を痙攣させて。
玩具や自分でする事とは異質、想像を絶する幸福感。
処女を奪ってもらった時よりも感動している。
「ニ、ニミュ?コレって・・・」
流石におまんこと違うと気づいたようだけどもう遅いよ、ここまで来たら絞りとっちゃうんだから。
更に腰を落としてずぷずぷと飲み込んでいく。
「お....おおぉっ♪尻穴ぁ、スコッドにひろげられちゃうぅぅ♪」
「ちょっ!?」
何か文句を言われる前に堕とさせないと♪
何百人と玩具や薬でふたなりになった女達のペニスや腕、尻尾を飲み込んできた凄さ知ってもらうんだから♪
腸は膣みたいに締め付けることが出来ない、それこそ肛門で搾り取る・・・親指と人差し指で輪を作ってそれで扱く感じ。
根本まで軽く飲み込んだら締め付けて引き抜き、力を緩めてまた根本までくわえ込む。
じゅぷじゅぷと異物に反応した腸液でエロい音が聞こえてくる。
一回一回挿れていく度に脊髄に電撃が走って脳を焼いていくし偶に子宮を裏から押しつぶされる時なんて視界が暗転してしまうほどだった。
「すこっどぉ...すきぃ♪すきなの♪いく、いっちゃうお尻でイッちゃう♪」
両腕をスコッドを抱きしめるように・・・と言うよりは獲物を逃さない勢いで抱きしめ、スコッドの肩に顎を乗せそのまま絶頂、更に私の熱り立った肉棒からもドロドロと垂れ流しの状態で汁が流れだす・・・久々のアナルのところてんキモチイイぃ....♪
スコッドをイかせる筈が先に私のほうがイッちゃったぁ♪
動こうとするけどアナル絶頂が凄まじくてただ壊れた人形のようにしがみついているしか出来なかった。
「まったく、この駄犬は・・・っ!」
「くぅん♪きゃっ♪」
駄犬というキーワードが私の脳をぶん殴ってノックアウトさせてくる。
やば...言葉責めでイカサレそう♪♪
子宮がきゅんきゅんしてるのぉっ♪
目隠しを取ったスコッドに乱暴に押し倒されてズコパコされる、と思ったら押し倒した状態でずるずると向きを変えられた。
それが自分を影にして私が焚き火を直視しないための気遣いだと分かり嬉しくなった。
「お前の昔のことを聞いていたからいつかはすると思っていたけどやるなら先に言ってくれ・・・肛門だろうがちゃんとしてやるから」
「...ごめんね」
「という訳でやるからには徹底的にやるからな」
そこからはもう・・・言葉に出来ないほどエッチしてくれた。
腸内に出される精は子宮に叩きつけられるのとはまた違った美味しさがあって・・・更におちんちんもイジメてくれて・・・うふふ♪
結果的にお尻に4発、膣に2発、ごっくん4回、ついでにティナの口に近づけたら予想通りというかなんというか咥えてきて、私とスコッドで一回ずつティナの口に出した。
眠っているからって仲間はずれは可愛そうだからね。
スコッドが寝ている相手にするのは気が引けると行っていたけど、魔物娘にそんな事関係ないんだよ♪
という訳で。
かなりはっちゃけてしまった様で気がつけば二人共全裸のままですやすやと眠ってしまっていた。
まだ日も昇っておらず、さらに霧につつまれているお陰で目隠しがなくても大丈夫そう。
スコッドの腕を枕にして眠っていて目が覚めれば彼の横顔が目の前にあった。
べたつく汗の感触がなんか嫌で近くに水辺がないかと考えながら体を起こすと反対側のスコッドの腕はティナが枕にしていた。
転がって来たのかどうかは知らないけど、相変わらず揺さぶっても目覚める様子は無いばかりか私の指を美味しそうに咥えてきた。
思わず肉棒が反応するけれど今は水浴びの方が大事だ。
「私が戻ってくるまで起きないでねあなた♪」
ちゅっ、とスコッドの唇に重ね水音がする方へ服を持って裸のまま向かう。
今の状態で服を着るのはベタベタするし恥ずかしい格好で歩くのもやってみたいことだったりする。
途中だれとも出会わず湧き水が出ている所に着いた私は布を水で濡らし体を拭く、肌のベタつきや人間が感知できる程度の汗の臭いが取れているのを確認してから服を着る。
よく見ると私が着ている服もそろそろ限界が近かった、所々解れ、擦れて薄くなっている所もある。
スコッドのことだから気にしないとか言いそうだけど私だって女だ、そう言うとことは気にする。
「さて、戻ろうっと」
戻ってもまだ寝ているようだったらお目覚めのフェラか汗を舐めとっちゃおう♪
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見渡せば霧の中。
目が覚めて真っ先に思い出したのは情事。
いつもより数段激しい獣の交り。
魔物娘が持つ底なしの性欲を改めて目の当たりにした俺は呆れ半分嬉しさ半分という感じだった。
そして右腕にかかる負荷を確認すればアザラシが気持ちよさそうに俺の腕をまくらにして眠っていた。
二ミュが運んだのかそれとも寝相でここまで来たのか、とにかく目覚めぬお姫様の?を撫でながらおはようと伝える。
帰ってくるのは寝息だけ。
そこで気がつく、一晩中腕枕をしていたなら痺れる筈なのに俺の右腕はなんともないのだ。
拳を握り、開く・・・やはり痺れがない。
「・・・少しずつインキュバスになってきている」
姿は同じでも内部が変わっていっている。
本来ならそれは怖いことなのだろうが、逆に嬉しかった。
体が変化して寿命が伸びるなら二人と長い時間愛し合えるということなのだから。
霧と朝露で少し寒いくらいで荷物からなにか取り出そうかと思ったが温まるのに丁度いいものが傍にあった。
俺の腕を枕にしているソイツを抱き枕代わりにしてみるとなんとも言えないモフモフとした感触が堪らなく、今日は霧が濃いし次の村までそんなに距離もないからこのままでいいかもしれないと思い始めてきた。
そこに二ミュが近づいてくる足音がした。
霧でほとんど見えはしないが二ミュだと確信できる。
ちょっと悪戯心が悪さをして寝たふりをすることにした。
「スコッド、起きてる?」
「・・・」
そのまま目をつぶっているとふさふさとした毛が俺の頭を撫でてくる。
二ミュの手はそれこそ男の俺の指より太く、握力とか筋力で言えば俺と同じくらいか上回る。
ティナが戯れでやった腕相撲で俺を打ちのめした事を考えると魔物娘としては弱い方だと思うがそれはそれでいい気がする。
本人は匂いを嗅がれるのを恥ずかしがって嫌がるが俺は獣の匂いが好きでティナの毛皮もニミュの獣も気に入ってる。
「チョットごめんね」
ニミュはそう言うとティナに抱きついている俺の手をゆっくりと剥がそうとする。
バレない程度に力を抜いてティナから手を離すとチャックを開く音が聞こえる。
うっすらと目を開けるとティナの体を濡らした布で拭いていた。
その姿が風邪をひいた我が子を看病する母の様に見えて羨ましく思えた。
・・・俺の親もニミュみたいに優しければな、等とありえない事を考えたりしている内に驚かそうとかいきなり抱きしめてみようとかそういう悪戯心が無くなったので普通に起きることにした。
「あ、起こしちゃった?」
「大丈夫だ、ティナは寝たままか?」
毛皮を脱がされ寒さからかしかめっ面になっているティナに声をかけながら背中や首、腕を拭いていく。
「うん、やっぱり起きない」
「とりあえず原因が解ってるだけ安心していられるか」
体を拭き終え、毛皮を着せていくニミュ。
全て着せ終えると眉間にしわを寄せていたティナも穏やかな寝顔になった。
「みきゅぅ.....すぴぃ....」
その寝顔を見ているとこう、心が柔らかくなっていく気がする。
ニミュも同じ気持ちなのかティナの頭を俺を撫でた時と同じように撫でる。
「今日はここで過ごすか、霧が深い状態でティナを背負って進むのは危険だし・・・それに」
「それに?」
「たまにはこういう所で二人とのんびり過ごしたい、とか」
くすくすと笑う彼女の笑顔。
目隠しで目元が見えないのは少し残念だがまぁいいか。
「それならしてみたかった事あるのよ」
二ミュはティナの毛皮の口を広げるとするりと中へ入ってしまった。
そういえば俺かニミュのどちらかが入っていたことはあったが3人で入ることはなかった。
手招きするニミュに連れられ俺も毛皮の中に入る。
毛皮は見た目からは想像できないほど伸縮性があって3人が入っても破れたりするような気配は一切ない。
グイグイと引っ張り遂には全員の頭も毛皮の中に入ってしまった。
「暖かいね」
「あぁ...」
薄暗いという程度の透光性はあるので二人の顔は見える。
ただ、ヘタすると行為の時よりも密着しているためドキドキしてしまう。
ニミュを撫でればニミュが俺を撫でてくる。
ティナを撫でればニミュもティナを撫で
「ふみゅぅ....」
ティナが動き出しニミュに抱きついてその豊満な胸に顔を埋めたかと思えば今度は俺に頭を擦り付けてくる。
その動きに思わず吹き出して笑ってしまう俺達。
「これもティナが起きたらしてあげましょう」
「じゃないと起きた時に頬をふくらませて起こってくるだろうしな」
そんな風に話している内に毛皮の暖かさに負けてぐっすりと眠ってしまう俺達だった。
目が覚めた時には霧は晴れていて焚き火などを片付けた俺達は次の村へ向かうのだった。
つづく
15/06/21 15:27更新 / ホシニク
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