お姉ちゃん達との帰還
「うわぁ、なっつかしいなぁ…」
帰ってきた我が家、大きな屋敷のような家は駅のようには変わっておらず、記憶のまま残っていた
「えっと、お邪魔しま…」
「もう、違うでしょ?ここは、たっくんのお家なのよぉ?」
「っと、そうやったな…えっとただいま!」
「…ん、よくできました。」
頭を撫でられた、お姉ちゃん皆はあまり変わってないのに俺だけがいろいろ変わった気がするなぁ…
「あぁそうだ、皆にちゃんと部屋がちゃんとあるんだよね!」
「え、マジかいな?小さい頃は皆同じ部屋だったよね、部屋そんなにあったっけ?」
「…たくまがいなくなってから、リフォームしたの」
リフォーム…どうせなら俺がいたころに1人部屋にしてくれればよかったのになぁ
「別れを機に皆大人になりましょうって母上が思い切ってな。姉弟で同じ部屋で過ごしていたのがいきなり皆各自の部屋で過ごすことになって…あの時は少し大変だったな」
「そうなの、今でも時々寂しくなるとみんなで一緒に寝るのよぉ?」
そういえばそうだったな、確か俺が真ん中で寝てていつも皆がジャンケンで配置を決めていた
「たくまちゃんがいなくなってから寂しい夜が続きましたけどこれでもう大丈夫ですね、今夜からはお姉ちゃんの部屋で暖かいの夜を過ごしましょうね!」
「え、いや俺にも部屋があるみたいだし大丈夫やで…」
「何言ってるのさシロナ、タクは私の部屋で子守唄を聞きながら寝るのよ?昔からそうだったじゃない」
いや、確かに昔はねぇねぇの子守唄で寝てたけど…もう10年前の話だし
「あらぁ、たっくんは私と大人の夜を過ごすのよぉ?」
「いやちょい待ち、俺は…」
「何を言っておるのじゃ!たー坊はワシと夜を共にするに決まっておろうが、呆けるでないわ!」
うわぁなんだか大変なことになっちゃったぞ
「し、シルクねぇちゃん…」
「…私と寝るの?ひさしぶりだね。」
違う、そうじゃない…これはあれなのか、誰かと寝ること確定なのか?
「そ、そうじゃなくてやな?別に俺は誰かと寝るのが一緒とかそういうのはよくて…」
「ん…わかった、お姉ちゃんにまかせて」
そういってねぇちゃんは言い合っている姉達に割って入る、流石ねぇちゃんは頼りになるなぁ…これで収まるだろ
「…たくま、昔みたいにみんなと寝たいんだって」
前言撤回、とんでもない爆弾投下してくれた
「なーんだ、そうだったんだ♪」
「それならそうと言ってよぉ、もう欲張りさん♪」
「たくまちゃん…そうですよね、帰ってきたばかりですもの、皆に甘えたいですよね♪」
「ふむ、確かにそれもそうじゃの…この甘ったれめ♪」
あれだけ言い合っていたのが確かに収まった、しかし俺の安眠は虚しくも無くなってしまった
(ま、まぁ…10年ぶりやしなぁ、今晩だけならまぁええかな?)
とりあえず新しい自分の部屋とやらに荷物とか置いてくるとしよう、そんなに荷物ないしさっさと片付けしまおうかな
「俺の部屋ってどこなん?荷物とか片付けたいんやけど」
「うむ、ワシが案内してやろうかの。自室は皆二階にあるのでな」
「へぇ、二階なんや…昔は物置になってたっけ」
「そうそう、昔は二階でかくれんぼとかして遊んだよね!タクが隠れるの上手くてさ、本当にいなくなったと勘違いしたシロナが泣きながら探してさぁ…」
懐かしき子供の頃の思い出に浸りながら、二階へとくる
「はーい、ここがたくまちゃんと私の愛の巣ですよー?」
「いやその表現はおかしいやろ」
冗談(本人は本気)にツッコミを入れながら、わずかな荷物が入ったカバンを下ろす
「てゆーか本当にこんな1人部屋もらってええの?」
「…ここ、何にもいじってないから私たちの部屋より大分狭いよ?」
「な、なんやて…」
研究施設の一室で父親や研究員の人たちと狭い部屋で共同生活を送ってきた俺、驚愕
「ここはたー坊の部屋なのだから好きに模様替えでもするがよいのじゃ、さすがにこのままだと質素だからの…」
「向こうでの荷物とか送ってきてあるでしょ?私たちが模様替え手伝ってあげるよ!」
「え、いや…これで全部やねんけど」
背負ってきた少し大きめのカバンを指差す
「「え…?」」
「な、なんや皆…ハトが豆鉄砲食らったような顔して」
「…たくま、服の着替えは?」
「えっと、今着てるのの他に一着とパジャマと上着くらい?あと替えの白衣くらいかな」
研究者の一員らしく白衣を常に着用している俺、白衣は研究員のアイデンティティーだって親父に教わった
「あ、あの…他にはないんですか?」
「まぁな、カバンにはそれ以外その他日用品くらいか?パソコンとかそんなんくらいかなぁ」
「お部屋に置く家具とかないのぉ?本棚とか机とか…」
「いや、部屋はみんなで共同だったから置くスペースないし…そもそも必要なかったからなぁ」
本は研究施設の図書室があったし机とかで何かする場合は研究施設の部屋でやってたし…
「なんと…そのような場所で10年と過ごして来たのか?」
「いや慣れるもんやで?てゆーか男って最低限必要な物があれば大丈夫やから」
「…さすがに、これは…」
「見てらんないね…」
「たくまちゃん、可哀想です…」
なんか微妙な雰囲気になる、何かマズイこと言っただろうか
「い、いや俺は…」
「うむ!流石にこのままでは可哀想過ぎるので、ワシのが何か持ってきてやろう!」
「わ、私も何か持ってきますね!」
「じゃあ私もー!」
「ふふ、たっくんに似合いそうなもの持ってくるからねぇ?」
「ん…探してみる」
急にみんなが立ち上がる
「いや、別に大丈夫なんやけど…」
「私たちが立大丈夫じゃないのぉ、こんな何もない部屋じゃたっくん腐っちゃうわぁ!」
「多分研究施設にずっといたから知らないと思うけど、同年代の子の部屋ってもっと色々あるんだからね?」
「マジかいな、男って不要なもんは置かないんやないの?」
「…仕事だけに生きてる男の古典的パターン」
「たくまちゃんをこんなふうにしたのは10年もそんなところに閉じ込めていたお父さんですか…?これは帰ってくる時が楽しみですね…」
シロ姉が怒りの目を燃やしている…表情は笑っているが、他の姉もなんだか似たような感じだ…親父しばらく帰ってこないほうがいいぞ
「ふむ、父上には帰ってきたら処すとして…そうじゃ、今度皆で買い物に行くとしようかの。とりあえず何を持ってこようか…」
シャクヤ姉さまに続いてみんながいろいろ物置から発掘してきて、殺風景だった部屋に家具が揃えられていく
「本棚の中身はおいおい買うとして、だいたいこれくらいでいいんじゃないの?だいぶマシになったよ」
「ん…」
机やら本棚やらいろいろと設置された部屋は劇的ビフォーアフターだ
「とりあえずこれで大丈夫ねぇ、これからはお姉ちゃんがいるからたっくんは何も心配しなくていいわよ?」
「お、おおきに…」
正直部屋に関してはべつに執着することもなかったのだが、まぁ好意は素直に受け取っておく
「それではたくまちゃん歓迎パーティーの準備をしましょう?今日はおめでたい日ですよ」
「うむそうじゃの、各々準備に取りかかれ!」
シャクヤ姉さまの声で皆が動き出す、部屋のこともあったのに元気だなぁ
「あれ、俺は何すればいいんやろ」
「…たくまは、こっちだよ」
シルクねぇちゃんに手を引かれる、えっと下の階のこっちはリビングだったかな
「…たくまとお姉ちゃんは家事担当なの」
「家事?いやまぁ一通りはできるけど…」
研究施設では炊事洗濯等の雑用もやっていたのでそれなりにスキルはある
「他のお姉ちゃん達は?」
「…家事ができるの、私ぐらいしかいないから」
「ホンマかいな…」
こんだけ女性がいて家事がねぇちゃんだけって…
いや、ってことは今まで家事は全部ねぇちゃん一人でやっていたということで…すごいな
「…全部じゃないけどね、洗濯とか掃除とかはシロナとかエル姉さんとかが代わり番こにやってるから…」
「あれ、姉さまとねーさんは?」
「…あの二人は、仕事で忙しいから」
あぁそうか、そういえば姉さまは近所の魔物娘の道場で師範みたいなことやっててねーさんは近所の神社で働いてるんだった
シロ姉やねぇねぇ、ねぇちゃんは確か近所の大学に行ってるから時間が空く分家事をやってるって感じか
(待てや、前までは研究施設にいたしそれで給料も貰ってたけどいまはもう何もやってないから…もしかして俺ニートなんちゃう…?)
「…い、嫌なら、大丈夫だよ。…帰ってきて疲れてるよね?お姉ちゃん一人で…」
「いや!こ、これからは家事は俺がやるで!いややらせて下さい!」
立派に仕事してたり、学校行ってるお姉ちゃん達がこんなに頑張ってるのに弟の俺がニートしてるとかまずい
アルバイトとかは探すとして、家事とかは積極的にやらねば
「たくま…うん、お姉ちゃんと一緒に頑張ろ?」
「よーし、この10年で鍛えたスキルを見せてやるで!」
「…こっちに調味料一通りある、私材料切るから」
さすがはマンティスと言ったところか、切ることには慣れているようでサクサクまと作業を進めている
(手の鎌があるのに包丁使ってるのはシュールやな)
「…たくま、これ煮込むから」
「はいはい、えーとワインっと…」
特に滞りなく料理が進んでいく、ねぇちゃんも鼻歌交じりに材料を切っているので上機嫌だ
「わーいい匂いだー!」
「わっ、ねぇねぇ!」
「小腹空いたからつまみ食いしよっと」
ねぇねぇが切った後のまだ調理してない肉を一つつまみ食いをする
「…姉さん、料理してないやつはダメ」
「ダメって言われたらやりたくなるよねー」
「…うぅ」
あまり強気な態度で出れない優しい性格なのでねぇちゃんは押しに弱いのだ
「ねぇねぇ、こっちに調理したの少し取ってあるからこれにしなさい」
「わーい!ありがとー!」
小皿を受け取って悪戯な小鳥が去っていった
「…ありがと、姉さんいつもつまみ食いするの。…料理してないのはダメって言ってるんだけど」
「いやまぁ、お腹空くのはしゃあないと思うから…これからは俺がなんとかするで」
「立派になったね…♪」
頭を撫でられた、まさか自分用にちょっとつまみ食いしようとした小皿が役に立ったとは
「さて、さっさと料理を終わらせるで」
「…うんっ♪」
帰ってきた我が家、大きな屋敷のような家は駅のようには変わっておらず、記憶のまま残っていた
「えっと、お邪魔しま…」
「もう、違うでしょ?ここは、たっくんのお家なのよぉ?」
「っと、そうやったな…えっとただいま!」
「…ん、よくできました。」
頭を撫でられた、お姉ちゃん皆はあまり変わってないのに俺だけがいろいろ変わった気がするなぁ…
「あぁそうだ、皆にちゃんと部屋がちゃんとあるんだよね!」
「え、マジかいな?小さい頃は皆同じ部屋だったよね、部屋そんなにあったっけ?」
「…たくまがいなくなってから、リフォームしたの」
リフォーム…どうせなら俺がいたころに1人部屋にしてくれればよかったのになぁ
「別れを機に皆大人になりましょうって母上が思い切ってな。姉弟で同じ部屋で過ごしていたのがいきなり皆各自の部屋で過ごすことになって…あの時は少し大変だったな」
「そうなの、今でも時々寂しくなるとみんなで一緒に寝るのよぉ?」
そういえばそうだったな、確か俺が真ん中で寝てていつも皆がジャンケンで配置を決めていた
「たくまちゃんがいなくなってから寂しい夜が続きましたけどこれでもう大丈夫ですね、今夜からはお姉ちゃんの部屋で暖かいの夜を過ごしましょうね!」
「え、いや俺にも部屋があるみたいだし大丈夫やで…」
「何言ってるのさシロナ、タクは私の部屋で子守唄を聞きながら寝るのよ?昔からそうだったじゃない」
いや、確かに昔はねぇねぇの子守唄で寝てたけど…もう10年前の話だし
「あらぁ、たっくんは私と大人の夜を過ごすのよぉ?」
「いやちょい待ち、俺は…」
「何を言っておるのじゃ!たー坊はワシと夜を共にするに決まっておろうが、呆けるでないわ!」
うわぁなんだか大変なことになっちゃったぞ
「し、シルクねぇちゃん…」
「…私と寝るの?ひさしぶりだね。」
違う、そうじゃない…これはあれなのか、誰かと寝ること確定なのか?
「そ、そうじゃなくてやな?別に俺は誰かと寝るのが一緒とかそういうのはよくて…」
「ん…わかった、お姉ちゃんにまかせて」
そういってねぇちゃんは言い合っている姉達に割って入る、流石ねぇちゃんは頼りになるなぁ…これで収まるだろ
「…たくま、昔みたいにみんなと寝たいんだって」
前言撤回、とんでもない爆弾投下してくれた
「なーんだ、そうだったんだ♪」
「それならそうと言ってよぉ、もう欲張りさん♪」
「たくまちゃん…そうですよね、帰ってきたばかりですもの、皆に甘えたいですよね♪」
「ふむ、確かにそれもそうじゃの…この甘ったれめ♪」
あれだけ言い合っていたのが確かに収まった、しかし俺の安眠は虚しくも無くなってしまった
(ま、まぁ…10年ぶりやしなぁ、今晩だけならまぁええかな?)
とりあえず新しい自分の部屋とやらに荷物とか置いてくるとしよう、そんなに荷物ないしさっさと片付けしまおうかな
「俺の部屋ってどこなん?荷物とか片付けたいんやけど」
「うむ、ワシが案内してやろうかの。自室は皆二階にあるのでな」
「へぇ、二階なんや…昔は物置になってたっけ」
「そうそう、昔は二階でかくれんぼとかして遊んだよね!タクが隠れるの上手くてさ、本当にいなくなったと勘違いしたシロナが泣きながら探してさぁ…」
懐かしき子供の頃の思い出に浸りながら、二階へとくる
「はーい、ここがたくまちゃんと私の愛の巣ですよー?」
「いやその表現はおかしいやろ」
冗談(本人は本気)にツッコミを入れながら、わずかな荷物が入ったカバンを下ろす
「てゆーか本当にこんな1人部屋もらってええの?」
「…ここ、何にもいじってないから私たちの部屋より大分狭いよ?」
「な、なんやて…」
研究施設の一室で父親や研究員の人たちと狭い部屋で共同生活を送ってきた俺、驚愕
「ここはたー坊の部屋なのだから好きに模様替えでもするがよいのじゃ、さすがにこのままだと質素だからの…」
「向こうでの荷物とか送ってきてあるでしょ?私たちが模様替え手伝ってあげるよ!」
「え、いや…これで全部やねんけど」
背負ってきた少し大きめのカバンを指差す
「「え…?」」
「な、なんや皆…ハトが豆鉄砲食らったような顔して」
「…たくま、服の着替えは?」
「えっと、今着てるのの他に一着とパジャマと上着くらい?あと替えの白衣くらいかな」
研究者の一員らしく白衣を常に着用している俺、白衣は研究員のアイデンティティーだって親父に教わった
「あ、あの…他にはないんですか?」
「まぁな、カバンにはそれ以外その他日用品くらいか?パソコンとかそんなんくらいかなぁ」
「お部屋に置く家具とかないのぉ?本棚とか机とか…」
「いや、部屋はみんなで共同だったから置くスペースないし…そもそも必要なかったからなぁ」
本は研究施設の図書室があったし机とかで何かする場合は研究施設の部屋でやってたし…
「なんと…そのような場所で10年と過ごして来たのか?」
「いや慣れるもんやで?てゆーか男って最低限必要な物があれば大丈夫やから」
「…さすがに、これは…」
「見てらんないね…」
「たくまちゃん、可哀想です…」
なんか微妙な雰囲気になる、何かマズイこと言っただろうか
「い、いや俺は…」
「うむ!流石にこのままでは可哀想過ぎるので、ワシのが何か持ってきてやろう!」
「わ、私も何か持ってきますね!」
「じゃあ私もー!」
「ふふ、たっくんに似合いそうなもの持ってくるからねぇ?」
「ん…探してみる」
急にみんなが立ち上がる
「いや、別に大丈夫なんやけど…」
「私たちが立大丈夫じゃないのぉ、こんな何もない部屋じゃたっくん腐っちゃうわぁ!」
「多分研究施設にずっといたから知らないと思うけど、同年代の子の部屋ってもっと色々あるんだからね?」
「マジかいな、男って不要なもんは置かないんやないの?」
「…仕事だけに生きてる男の古典的パターン」
「たくまちゃんをこんなふうにしたのは10年もそんなところに閉じ込めていたお父さんですか…?これは帰ってくる時が楽しみですね…」
シロ姉が怒りの目を燃やしている…表情は笑っているが、他の姉もなんだか似たような感じだ…親父しばらく帰ってこないほうがいいぞ
「ふむ、父上には帰ってきたら処すとして…そうじゃ、今度皆で買い物に行くとしようかの。とりあえず何を持ってこようか…」
シャクヤ姉さまに続いてみんながいろいろ物置から発掘してきて、殺風景だった部屋に家具が揃えられていく
「本棚の中身はおいおい買うとして、だいたいこれくらいでいいんじゃないの?だいぶマシになったよ」
「ん…」
机やら本棚やらいろいろと設置された部屋は劇的ビフォーアフターだ
「とりあえずこれで大丈夫ねぇ、これからはお姉ちゃんがいるからたっくんは何も心配しなくていいわよ?」
「お、おおきに…」
正直部屋に関してはべつに執着することもなかったのだが、まぁ好意は素直に受け取っておく
「それではたくまちゃん歓迎パーティーの準備をしましょう?今日はおめでたい日ですよ」
「うむそうじゃの、各々準備に取りかかれ!」
シャクヤ姉さまの声で皆が動き出す、部屋のこともあったのに元気だなぁ
「あれ、俺は何すればいいんやろ」
「…たくまは、こっちだよ」
シルクねぇちゃんに手を引かれる、えっと下の階のこっちはリビングだったかな
「…たくまとお姉ちゃんは家事担当なの」
「家事?いやまぁ一通りはできるけど…」
研究施設では炊事洗濯等の雑用もやっていたのでそれなりにスキルはある
「他のお姉ちゃん達は?」
「…家事ができるの、私ぐらいしかいないから」
「ホンマかいな…」
こんだけ女性がいて家事がねぇちゃんだけって…
いや、ってことは今まで家事は全部ねぇちゃん一人でやっていたということで…すごいな
「…全部じゃないけどね、洗濯とか掃除とかはシロナとかエル姉さんとかが代わり番こにやってるから…」
「あれ、姉さまとねーさんは?」
「…あの二人は、仕事で忙しいから」
あぁそうか、そういえば姉さまは近所の魔物娘の道場で師範みたいなことやっててねーさんは近所の神社で働いてるんだった
シロ姉やねぇねぇ、ねぇちゃんは確か近所の大学に行ってるから時間が空く分家事をやってるって感じか
(待てや、前までは研究施設にいたしそれで給料も貰ってたけどいまはもう何もやってないから…もしかして俺ニートなんちゃう…?)
「…い、嫌なら、大丈夫だよ。…帰ってきて疲れてるよね?お姉ちゃん一人で…」
「いや!こ、これからは家事は俺がやるで!いややらせて下さい!」
立派に仕事してたり、学校行ってるお姉ちゃん達がこんなに頑張ってるのに弟の俺がニートしてるとかまずい
アルバイトとかは探すとして、家事とかは積極的にやらねば
「たくま…うん、お姉ちゃんと一緒に頑張ろ?」
「よーし、この10年で鍛えたスキルを見せてやるで!」
「…こっちに調味料一通りある、私材料切るから」
さすがはマンティスと言ったところか、切ることには慣れているようでサクサクまと作業を進めている
(手の鎌があるのに包丁使ってるのはシュールやな)
「…たくま、これ煮込むから」
「はいはい、えーとワインっと…」
特に滞りなく料理が進んでいく、ねぇちゃんも鼻歌交じりに材料を切っているので上機嫌だ
「わーいい匂いだー!」
「わっ、ねぇねぇ!」
「小腹空いたからつまみ食いしよっと」
ねぇねぇが切った後のまだ調理してない肉を一つつまみ食いをする
「…姉さん、料理してないやつはダメ」
「ダメって言われたらやりたくなるよねー」
「…うぅ」
あまり強気な態度で出れない優しい性格なのでねぇちゃんは押しに弱いのだ
「ねぇねぇ、こっちに調理したの少し取ってあるからこれにしなさい」
「わーい!ありがとー!」
小皿を受け取って悪戯な小鳥が去っていった
「…ありがと、姉さんいつもつまみ食いするの。…料理してないのはダメって言ってるんだけど」
「いやまぁ、お腹空くのはしゃあないと思うから…これからは俺がなんとかするで」
「立派になったね…♪」
頭を撫でられた、まさか自分用にちょっとつまみ食いしようとした小皿が役に立ったとは
「さて、さっさと料理を終わらせるで」
「…うんっ♪」
15/03/13 02:29更新 / ミドリマメ
戻る
次へ