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024.3分クッキング

ご飯を食べて、お外で休憩。
町の外は森になってる。
なんだかとっても魔界な森。
おどろおどろしてる。

カナシャとディリアと一緒に外に来た。
ついでに、もう二人追加。
レスカティエの元勇者。


わんちゃんみたいなエルフみたいな?プリメーラ。
弓が得意で、尻尾パタパタ。
ツンデレ。
元々勇者と呼ばれるくらい強かった弓使い。
ワーウルフ化したから鼻が聞くようになったり野生の勘が働いて、もっとずっと狙いが鋭くなったみたい。
そして、ワーウルフだから速い。
森の中で戦うとワーウルフの速さでエルフの上手さで、なんだかすごいらしい。
あと、ツンデレ。

メルセは、エキドナ。
まだ子供は生まれていないみたいだけど、いろんな種族の子供が生まれるみたい。
エキドナってふしぎ。
蛇なのに、蛇以外が生まれる。
メルセはけんかも得意だけど、子作りも一杯頑張りたいって言ってた。
今はカナシャと喧嘩してるけど、いい勝負してる。
カナシャは力任せ。
メルセは技も使ってる。
どっちもがんばれー。

物知りな黒っぽい白サキュバスが言ってた。
エキドナは魔物の母と呼ばれたりするんだって。
でも、魔物の母って魔王じゃないのかなって聞いたら、ちょっと違うって言ってた。
黒っぽい白サキュバスのお母さんみたいだけど。


「母様の様な在り方が、私の理想なのよ」
私も、父様と母様みたいなふーになりたい。
「ふふ。貴女のご両親も、良い関係なのね」
うなずく。
黒っぽい白サキュバスは、えーっと。
「デルエラよ」
うん。
きっと覚えた。

「ちょっと、あんた。デルエラ様の名前をろくに覚えてないって、なにそれ」
だって魔王の名前も知らないし。
なんだか、プリメーラが肩を落とした。
「そういう問題じゃないでしょ」
そーゆー問題なの。
「それより。あんたって、何だってそんなに強いの?」
首をかしげる。
いつの間にか?

「この子は小さな頃から強かったわよ。敢えて言うなら、魔物にもたまにある『強い魔物』ってことじゃない?」
「桁が違うわよ、こいつは」
プリメーラが頭を叩いてくる。
「いちおう、その子は王様なのだけど?」
「いいじゃない。本人も嫌がっていないんだし」
うなずく。
ディリアが疲れたみたいにため息をついた。
「変に形式ばったのよりは、遥かにマシなのだけれどねぇ。ウチの堅物が見たら、なにを言うやら」
「そのときは、まぁ、なんとかして?」
「お断りよ」

プリメーラとディリアはちょっと似てる?
なんだか仲が良い。
ディリアもツンデレ?
「いや、違うわよ」
「というか私はツンデレじゃないわよ!?」
ツンデレー、ツンデレ―。
「違うって言ってるでしょ! このっ」
あ、ちくってじわって熱い?
「私の魔力矢って、並の魔物が当たったら悶絶絶頂なんだけどね」
私はじょうぶなのだー。
えっへん。

でるえらが、なんだか楽しそうに笑ってる。
でるえらはなんていうか、遠い?
「デルエラ様が遠いって、何それ」
プリメーラとディリアが不思議そうな顔をしてる。
ん〜、なんていうか。
遠い?
「いや、だからさ。わかんないって」

でるえらは、参加しない。
誘って、仲間を集めるけど、見てるだけ。
なんで参加しない?
「それは、私にとって魔物と人が愛し合う光景を見ていることが、愛し合う光景を増やすことが幸せだからよ」
でるえらは、気分よさそうに言ってる。
でもやっぱり遠い。
「私からすれば貴女も似たり寄ったりよ」
首をかしげる。

「『あの夢』を実現させようって言う貴女のほうが、よほど無茶にしか思えないのだけど?」
ディリアが呆れてる。
「なに、その夢って」
秘密。
「おもしろそうだけど。教えてほしいわねぇ♪」
却下。
「ちょ! デルエラ様が聞いてるのに、即答って!?」
即断即決がもっとー。

「じゃあ、ヒントを教えなさいよ」
んー?
「言うか言わないかはこの子次第なのだけど」
んー。


よし。
料理しよう。
「……へ?」
3人とも固まった。

リュウマカイモ、生産〜。
あとは、んー。
甘いリュウマカイモ〜!
ちょっとすっぱいリュウマカイモ〜!
香ばしいリュウマカイモ〜!
何でもいいから香辛料っぽいリュウマカイモ〜!

「ちょ、いきなり何やらかしてるの、貴女は!」
「どわあ!? なんだなんだぁ!?」
「リィーバ、てめぇ喧嘩の邪魔するなぁ!」

なんか色々言ってるけど放っておいて、クッキング開始。
焼いて、絞って、焼いて、ふりかけて、乾かして。
出来上がり。

「……なにこれ」
プリメーラが不思議そうに見てる。
リュウマカイモは色々作れるから色々作ってみた。
味付けはリュウマカイモ。
ホクホクに焼いたリュウマカイモに、リュウマカイモで味付けして、リュウマカイモをふりかける。
きっとおいしい?

「貴女は、はぁ。聞いているだけで頭が痛くなるわよ」
「あっはっはっは。見ているこっちも意味が分からないぞ、これは」
ディリアは呆れてるし、メルセはまた笑ってる。
プリメーラは口を開いたままで、カナシャはなんだか怒ってる。
でるえらは、楽しそう。

「あら、食べていいのかしら?」
うん。
でるえらが、食べてみる。
「ちょ、あんた! デルエラ様に何やばいの食べさせる気よ!」
じゃ、プリメーラ、食べる?
「え? えっと、食べれるの? これ」
うん、おいしい。

「ホント。貴女がイメージした味が何なのかはわからないけど。これは、あのトリコロミールのパフェをイメージしたのかしら?」
ディリア、せーかい。
「え、マジで!? ……うそ」
「なんだか滅茶苦茶だな」
「美味い。でも、リュウマカイモってのは、ちょっとなぁ」
カナシャは文句言わない。
ディリアだって食べてる。
「そりゃ、原型丸かじりじゃなければ抵抗感は無いわよ」
「ええ〜」

でるえらは?
「おいしいわね。けれど、足りないものがあるわ」
器?
「違うわねぇ」
スプーン!
「それも違うわ」
友情、努力、勝利!
「よくわからないけど、違うわよ」

「答えは、『愛情』よ。トリコロミールでは、まだ見ぬ旦那様へ向けての愛情をた〜っぷりと注ぎ込んでいるのよ♪ だから、深く甘い味わいになるのよ」
よくわかんない。
「きっと貴女にもわかるようになるわよ♪ ふふ♪」
……私のことは、私がやる。
「あら、釘を刺されてしまったわね」
でるえらはなんだか、力技な気がする。
「はぁ。他ならない貴女がそれを言うの?」
ディリアはうるさい。
「はいはい。貴女は勘がいいのやら悪いのやら」
元気はいい。
「はいはい。それじゃ、このパフェもどきを食べちゃいましょう」


「うぅ。おいしい。悔しいけど美味しい。こんな料理とも言えないような力技なのに、私より、おいしい」
「あいつなら、お前が作った手料理は全部美味いって言うだろ」
「そうかもしれないけど。ちゃんと実力で美味いって言わせないのよ!」
「じゃあサーシャに頼んで教えてもらったらいいだろ」
「う〜。がんばる」
うん、がんばれ。
「あんたに言われたくないわよ!」


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15/04/07 22:28 るーじ

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