はちっ!:新キャラっ!?
……何かしら、このみょ〜な予感。
いや、別にあのアフォが来るって言う、背筋がぞわぞわぞっ!ってなる感じじゃなくて……
……なんていうか、私が今まで築き上げた何かが崩れそうな……そんな予感。
「……なんかさぁ、私が出かけて帰ってきたとき、家の中に招かれざる客がいるってよくあるけど、なんなの?嫌がらせ?答えやがれ作者」
「ふむ?何をぶつぶつ言っておる?しかも虚空に」
家に帰ったら、なんか見知らぬロリィタがいらっしゃるって言うね。
しかも我が物顔でティータイムとしゃれこんでやがる。
「なんかえらそうな態度……いきなり失礼なロリィタね。つーか勝手に紅茶飲んでんじゃないわよ」
「む?これはすまんな。いやしかし、人間どもの作り出した嗜好品とやらはどうしてなかなか、気に入ったぞ?」
へーへーそうですか。
「と言うわけで帰りやがれ」
「いやじゃ。もうアフォ共の相手は疲れるからの。……せっかく抜け出してきたんじゃ。今日一日くらいえんじょいさせぬか」
「私はあんたの相手が疲れたよ……」
だぁ〜、このロリィタいったい何者なのさ!
「しかし、お主越しに幾度か見ておったが、この目で実際に見るとまた違った感覚じゃの。なんというか新鮮じゃ」
「……私越し?」
このロリィタは何を言っているのだ?
「あ、あんたいったい……」
「ふふふ、驚いておるな?恐怖しておるな?」
さっきまで口をつけていたカップをソーサーの上にことりと置き、ゆらりと立ち上がる。
「くっくっくっく……そんなにわしの正体が知りたいか……ならば教えてやろう……」
そういって、ロリィタは着ている服を脱ぎ捨て……
「私は、神だ」
下半身にタイツのみの姿と言う、変態通り越してる格好になってこう言って来た。
……とりあえず殴っておいた。毎度おなじみ、魔力バットのクロバットで。
「うぅ〜、ちょこっとふざけただけじゃろうに〜」
「限度って物があるでしょうが」
「くぅ、ずいぶん前『てれび』なる珍妙な箱に入っておった人間がこんな格好をしておったのじゃがなぁ……」
んな格好してる奴いるんかい。真似するなよ。
つーか、いくら完璧ロリィタ体型だからって、胸くらい隠しなさいっての。
「……で、あんたの話を要約すると、あんたは主神ってことになるわよね?」
「うむ、そうなるな」
「……うん、これは夢だ。寝よう」
「ちょ!せっかく監視の目潜り抜けて遊びに来たってのに、相手ぐらいせんか!!」
あぁもう揺らさないでよ。
つーかあんたみたいなロリィタが主神なわけないでしょうに。
いっつも私と会話してる主神は、それはそれはじじいボイスだったんだから。
「当たり前じゃ!世界を創造した主神がこんなチンチクリンだと知られたら馬鹿にされてしまうわい!せめて声だけでも威厳をという苦肉の策じゃこんちくしょう!!」
おーおー、キャラ狂ってるねぇー。
「つーかおかしいじゃろうて!?世界を創造できるほどの力を持ったわしが、自分の体一つぐらまぁでせくすぃな体に出来んのじゃぞ!?どうかしてるぜ!!」
「おーけー、とりあえず落ち着きなさい、主神(自称)ww」
「(自称)はずさんかい!?それと草はやすな!!」
うーん、やっぱ目の前に確固たる形があるのと無いのでは大違いだね。
形が目の前にあったほうがからかったときはおもしろいNE!
「ぶっちゃけ、いきなり主神言われても、証拠も何も無いし困るわ」
「む、それは、まぁそうだが」
「なんかこう、あんたが主神だ!って言う証拠でもあればねぇ」
「神の炎ならここにあるぞ?」
そうやって取り出したのは、かつて私が見たことがある神の炎そのもの。
丸々とした黒いボディの上部に、ちょろっと伸びた髪の毛のような縄。
そう、ぶっちゃけ見た目は爆弾。
ただ、その爆弾のボディにはラベルでこう記されていた。
『かみのほのー Ver.1.05b』と。
「な!?、そ、それは以前一度だけ見たことがある神の炎そのもの!!?しかも1.05bって……年代物じゃない!!」
「どうじゃ?これは何を隠そう主神であるわしがそれはそれは厳重に管理しておる。そう簡単に持ち出せる輩はおるまいて……主神であるわしを除いてな」
つ、つまりこのロリィタは間違いなく主神……ッ!
「他にもあるぞ?ほれ、かつて地底人を葬った際に使った斧……」
「そのネタはもういいから」
とりあえず我が相棒、クロバットで殴っておく。
「うごぉぉぉぉおお……」
痛みゆえにごろごろ床を転がりもだえる幼女。
しかし、神の炎を見せられたら、信じるしかあるまい。
「……なんでまた降りてきてるかね?人間界に」
「う、ぐぅう……以前言っておったろう?楽隠居したいと」
「あ〜、そういやそんなこと言ってたような」
つまり楽隠居しに来たと。
「いや、今回はまぁ視察的なものじゃな。どこで楽隠居しようかな〜って言うのを、実際見て決めようと。お飾りとはいえ主神がいなくなったのだ、そのうち迎えも来るだろうしの」
「へぇ」
ま、厄介ごとを持ってきたわけじゃないし、そこまで目くじら立てなくてもいいかな?
「しっかし……」
改めて主神の姿を見てみる。
「?」
私も小さい体躯だと自覚しているが、そんな私よりも頭一つ半ほど小さい体躯。
腰あたりまで伸びた白銀の髪。
薄く桃色の光を放つ瞳。
そして……つっかえるところが無い、見事な大平原。
それはどうみたって……
「なんという完璧なロリババァ」
「よくわからんが、なんだかムカついた」
スカァァァァァン!
「……金ダライとか……」
「これもずいぶん前の『てれび』の中におった人間がやっておってのぅ。おもしろそうじゃったし、ちょうどいいからお主に試してみた」
頭に落下してきた金ダライによる衝撃により、頭を抱えその場にしゃがみこむ私。
それを見ながら優雅にお茶を楽しむ幼女。
……言っててなんだが、非常にカオスだ。
「まったく……確かに今は魔物じゃが、昔は天使であったろうに、こう、敬いの心というかのう」
「……へぇへぇ、私がわるぅござんした。じゃあお詫びに飴玉どうぞ」
完全に敬う気どころか、反省の気もゼロの私である。
しかし……
「飴玉!?わぁい!!ありがとう!!」
「へ?」
「へ?」
「…………」
「……あ」
私が差し出した飴玉を嬉々として受け取り、ご満悦といった風に口に放り込んだ瞬間、自分が何を口走ったかを思い出し、顔をそらす。
そして、そんな主神を見て私は……
「……(にやり)」
「/(^o^)\ナンテコッタイ」
瞬間、私の勝利は決まった。
「いやはや、まさか姿が見えないときは声で、姿を見せてるときは口調で、せめてもの威厳を保とうとするとは……何気に努力してるって言うか、いじらしいというか」
「……もう言わないで……」
完全に打ちのめされていますな、主神。
「うぅ……こればかりは最後の砦であったのに、よもやこんな……」
「まぁまぁ、そんなに落ち込まないで、飴玉もう一個食べる?」
今度はラムネ味の飴玉を差し出す。
「食べるー♪むぐむぐ……あ、ラムネ味だ。これ好きー♪」
「……(にやにや)」
「……ハッ!?」
末期ですな。
主神が可愛いなぁと思っちゃってる私も、飴玉に何度も釣られて何度も素を見せる主神も。
「……うぅ……」
「……ま、いいじゃん。可愛いし」
「だ、だめ!可愛いだけじゃ見くびられちゃうの!!」
ありゃりゃ、泣きそうになってて口調が素に戻ってるのすら気がつかない。
「だって、私は主神なんだよ!?それなのにこんなチンチクリンで、世界を創造したからって威厳が無きゃだめで……」
あ、あれ?
なんか雲行きが怪しく……
「それなのに……それなのに誰も言うこと聞いてくれなくて、魔物は滅ぼすって言い始めて!!私は悪くないのに私は悪者にされてぇ!!うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!!!」
「うえ!?ちょ!ここで泣く!?普通!?」
「びぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇん!!」
「あ、えっと!な、泣き止んでよぉ……」
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーー!!」
ど、どうしてこうなった!?
ああ、冒頭で何かが崩れ去る気がするって言ってたけど、何がかが分かった。
主神に対するイメージが崩れ去っていったんだ。
「……よ、ようやく泣き止んだ……」
というか……
「すぅ……すぅ……」
「泣きつかれて寝ちゃってるね」
とりあえず私と旦那の部屋にあるベッドに寝かせておいたけど……
まんま子どもじゃない、これって。
「……でも、こんな子どもが、世界を作ったのよねぇ」
だというのに、いつの間にか神族のお飾りトップなんかにされて、そのせいで親魔物派から謂れのない罪を着せられて……辛かっただろうな。
「だからかな?たまに愚痴りに来てたのは」
「ん……むぅ……」
私が優しく髪をなでているのがむずがゆかったのか、少しうなった後、またすーすー寝息を立て始めた。
「……神様のほうが、よっぽど魔物してるよ」
それも旧世代の魔物。
旧世代の魔物には、こんな感じに精神的に追い詰めて相手を廃人にするような奴もいたらしい。
今の神はまさにそれなんじゃないか?
「はやく、魔王の力を強めなきゃ」
そして、いつの日か魔王の力が神々の力を超え、世界を書き換えたら。
そうなったら、強がらなければならなかったこの子も強がる必要がなくなるだろうか?
「さしあたっては……とにかく斡旋してみるかぁ」
ずいぶん前からちょくちょく頼まれてるパンデモニウムのあぶれ組からの恋人斡旋。
魔物が愛する人と交われば、、そしてその二人の間に愛の結晶が生まれたら、それだけ魔王の力は強くなる。
故に……
「はぁ〜。ま、出来るとこからやってみますかね?」
私は、眠っている主神にかかっているシーツを直し、部屋を出た。
「天使は愛を運びましょうってね……けど、Dエンが運ぶ愛は、ちょっとばかし強引よ?」
この日以来、人間界でダークエンジェルやダークプリーストのパートナーを持つ男が多く現れることとなるが、果たして誰の仕業やら。
いや、別にあのアフォが来るって言う、背筋がぞわぞわぞっ!ってなる感じじゃなくて……
……なんていうか、私が今まで築き上げた何かが崩れそうな……そんな予感。
「……なんかさぁ、私が出かけて帰ってきたとき、家の中に招かれざる客がいるってよくあるけど、なんなの?嫌がらせ?答えやがれ作者」
「ふむ?何をぶつぶつ言っておる?しかも虚空に」
家に帰ったら、なんか見知らぬロリィタがいらっしゃるって言うね。
しかも我が物顔でティータイムとしゃれこんでやがる。
「なんかえらそうな態度……いきなり失礼なロリィタね。つーか勝手に紅茶飲んでんじゃないわよ」
「む?これはすまんな。いやしかし、人間どもの作り出した嗜好品とやらはどうしてなかなか、気に入ったぞ?」
へーへーそうですか。
「と言うわけで帰りやがれ」
「いやじゃ。もうアフォ共の相手は疲れるからの。……せっかく抜け出してきたんじゃ。今日一日くらいえんじょいさせぬか」
「私はあんたの相手が疲れたよ……」
だぁ〜、このロリィタいったい何者なのさ!
「しかし、お主越しに幾度か見ておったが、この目で実際に見るとまた違った感覚じゃの。なんというか新鮮じゃ」
「……私越し?」
このロリィタは何を言っているのだ?
「あ、あんたいったい……」
「ふふふ、驚いておるな?恐怖しておるな?」
さっきまで口をつけていたカップをソーサーの上にことりと置き、ゆらりと立ち上がる。
「くっくっくっく……そんなにわしの正体が知りたいか……ならば教えてやろう……」
そういって、ロリィタは着ている服を脱ぎ捨て……
「私は、神だ」
下半身にタイツのみの姿と言う、変態通り越してる格好になってこう言って来た。
……とりあえず殴っておいた。毎度おなじみ、魔力バットのクロバットで。
「うぅ〜、ちょこっとふざけただけじゃろうに〜」
「限度って物があるでしょうが」
「くぅ、ずいぶん前『てれび』なる珍妙な箱に入っておった人間がこんな格好をしておったのじゃがなぁ……」
んな格好してる奴いるんかい。真似するなよ。
つーか、いくら完璧ロリィタ体型だからって、胸くらい隠しなさいっての。
「……で、あんたの話を要約すると、あんたは主神ってことになるわよね?」
「うむ、そうなるな」
「……うん、これは夢だ。寝よう」
「ちょ!せっかく監視の目潜り抜けて遊びに来たってのに、相手ぐらいせんか!!」
あぁもう揺らさないでよ。
つーかあんたみたいなロリィタが主神なわけないでしょうに。
いっつも私と会話してる主神は、それはそれはじじいボイスだったんだから。
「当たり前じゃ!世界を創造した主神がこんなチンチクリンだと知られたら馬鹿にされてしまうわい!せめて声だけでも威厳をという苦肉の策じゃこんちくしょう!!」
おーおー、キャラ狂ってるねぇー。
「つーかおかしいじゃろうて!?世界を創造できるほどの力を持ったわしが、自分の体一つぐらまぁでせくすぃな体に出来んのじゃぞ!?どうかしてるぜ!!」
「おーけー、とりあえず落ち着きなさい、主神(自称)ww」
「(自称)はずさんかい!?それと草はやすな!!」
うーん、やっぱ目の前に確固たる形があるのと無いのでは大違いだね。
形が目の前にあったほうがからかったときはおもしろいNE!
「ぶっちゃけ、いきなり主神言われても、証拠も何も無いし困るわ」
「む、それは、まぁそうだが」
「なんかこう、あんたが主神だ!って言う証拠でもあればねぇ」
「神の炎ならここにあるぞ?」
そうやって取り出したのは、かつて私が見たことがある神の炎そのもの。
丸々とした黒いボディの上部に、ちょろっと伸びた髪の毛のような縄。
そう、ぶっちゃけ見た目は爆弾。
ただ、その爆弾のボディにはラベルでこう記されていた。
『かみのほのー Ver.1.05b』と。
「な!?、そ、それは以前一度だけ見たことがある神の炎そのもの!!?しかも1.05bって……年代物じゃない!!」
「どうじゃ?これは何を隠そう主神であるわしがそれはそれは厳重に管理しておる。そう簡単に持ち出せる輩はおるまいて……主神であるわしを除いてな」
つ、つまりこのロリィタは間違いなく主神……ッ!
「他にもあるぞ?ほれ、かつて地底人を葬った際に使った斧……」
「そのネタはもういいから」
とりあえず我が相棒、クロバットで殴っておく。
「うごぉぉぉぉおお……」
痛みゆえにごろごろ床を転がりもだえる幼女。
しかし、神の炎を見せられたら、信じるしかあるまい。
「……なんでまた降りてきてるかね?人間界に」
「う、ぐぅう……以前言っておったろう?楽隠居したいと」
「あ〜、そういやそんなこと言ってたような」
つまり楽隠居しに来たと。
「いや、今回はまぁ視察的なものじゃな。どこで楽隠居しようかな〜って言うのを、実際見て決めようと。お飾りとはいえ主神がいなくなったのだ、そのうち迎えも来るだろうしの」
「へぇ」
ま、厄介ごとを持ってきたわけじゃないし、そこまで目くじら立てなくてもいいかな?
「しっかし……」
改めて主神の姿を見てみる。
「?」
私も小さい体躯だと自覚しているが、そんな私よりも頭一つ半ほど小さい体躯。
腰あたりまで伸びた白銀の髪。
薄く桃色の光を放つ瞳。
そして……つっかえるところが無い、見事な大平原。
それはどうみたって……
「なんという完璧なロリババァ」
「よくわからんが、なんだかムカついた」
スカァァァァァン!
「……金ダライとか……」
「これもずいぶん前の『てれび』の中におった人間がやっておってのぅ。おもしろそうじゃったし、ちょうどいいからお主に試してみた」
頭に落下してきた金ダライによる衝撃により、頭を抱えその場にしゃがみこむ私。
それを見ながら優雅にお茶を楽しむ幼女。
……言っててなんだが、非常にカオスだ。
「まったく……確かに今は魔物じゃが、昔は天使であったろうに、こう、敬いの心というかのう」
「……へぇへぇ、私がわるぅござんした。じゃあお詫びに飴玉どうぞ」
完全に敬う気どころか、反省の気もゼロの私である。
しかし……
「飴玉!?わぁい!!ありがとう!!」
「へ?」
「へ?」
「…………」
「……あ」
私が差し出した飴玉を嬉々として受け取り、ご満悦といった風に口に放り込んだ瞬間、自分が何を口走ったかを思い出し、顔をそらす。
そして、そんな主神を見て私は……
「……(にやり)」
「/(^o^)\ナンテコッタイ」
瞬間、私の勝利は決まった。
「いやはや、まさか姿が見えないときは声で、姿を見せてるときは口調で、せめてもの威厳を保とうとするとは……何気に努力してるって言うか、いじらしいというか」
「……もう言わないで……」
完全に打ちのめされていますな、主神。
「うぅ……こればかりは最後の砦であったのに、よもやこんな……」
「まぁまぁ、そんなに落ち込まないで、飴玉もう一個食べる?」
今度はラムネ味の飴玉を差し出す。
「食べるー♪むぐむぐ……あ、ラムネ味だ。これ好きー♪」
「……(にやにや)」
「……ハッ!?」
末期ですな。
主神が可愛いなぁと思っちゃってる私も、飴玉に何度も釣られて何度も素を見せる主神も。
「……うぅ……」
「……ま、いいじゃん。可愛いし」
「だ、だめ!可愛いだけじゃ見くびられちゃうの!!」
ありゃりゃ、泣きそうになってて口調が素に戻ってるのすら気がつかない。
「だって、私は主神なんだよ!?それなのにこんなチンチクリンで、世界を創造したからって威厳が無きゃだめで……」
あ、あれ?
なんか雲行きが怪しく……
「それなのに……それなのに誰も言うこと聞いてくれなくて、魔物は滅ぼすって言い始めて!!私は悪くないのに私は悪者にされてぇ!!うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!!!」
「うえ!?ちょ!ここで泣く!?普通!?」
「びぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇん!!」
「あ、えっと!な、泣き止んでよぉ……」
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーー!!」
ど、どうしてこうなった!?
ああ、冒頭で何かが崩れ去る気がするって言ってたけど、何がかが分かった。
主神に対するイメージが崩れ去っていったんだ。
「……よ、ようやく泣き止んだ……」
というか……
「すぅ……すぅ……」
「泣きつかれて寝ちゃってるね」
とりあえず私と旦那の部屋にあるベッドに寝かせておいたけど……
まんま子どもじゃない、これって。
「……でも、こんな子どもが、世界を作ったのよねぇ」
だというのに、いつの間にか神族のお飾りトップなんかにされて、そのせいで親魔物派から謂れのない罪を着せられて……辛かっただろうな。
「だからかな?たまに愚痴りに来てたのは」
「ん……むぅ……」
私が優しく髪をなでているのがむずがゆかったのか、少しうなった後、またすーすー寝息を立て始めた。
「……神様のほうが、よっぽど魔物してるよ」
それも旧世代の魔物。
旧世代の魔物には、こんな感じに精神的に追い詰めて相手を廃人にするような奴もいたらしい。
今の神はまさにそれなんじゃないか?
「はやく、魔王の力を強めなきゃ」
そして、いつの日か魔王の力が神々の力を超え、世界を書き換えたら。
そうなったら、強がらなければならなかったこの子も強がる必要がなくなるだろうか?
「さしあたっては……とにかく斡旋してみるかぁ」
ずいぶん前からちょくちょく頼まれてるパンデモニウムのあぶれ組からの恋人斡旋。
魔物が愛する人と交われば、、そしてその二人の間に愛の結晶が生まれたら、それだけ魔王の力は強くなる。
故に……
「はぁ〜。ま、出来るとこからやってみますかね?」
私は、眠っている主神にかかっているシーツを直し、部屋を出た。
「天使は愛を運びましょうってね……けど、Dエンが運ぶ愛は、ちょっとばかし強引よ?」
この日以来、人間界でダークエンジェルやダークプリーストのパートナーを持つ男が多く現れることとなるが、果たして誰の仕業やら。
12/03/08 14:24更新 / 日鞠朔莉
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