這いよれ!スーパー魔物娘タイム
前回の三つの出来事!
一つ!家に這いよる混沌によって改造されたちびぬれおなごさんがやって来た!
二つ!家に謎の女性ヨグ子によって強化された白蛇さんがやって来た!
三つ!二人は蓮太の家にメイドとして住み着く事になった!
テケリリリリリリ………
鳴っている目覚ましを止めて起き上がる。人気小説「うちのメイドはテケリさん」の愛読者プレゼントで手に入れたものだ。隣にはくれいろいどプチちびテケリさんが……十一人いる、あと一人でコンプリートだ。
「よっこいしょ。」
布団を畳むと、台所で人の動く気配がする。もう朝ごはんを作っているのだろう。台所に向かうと……
♪むねーに つけーてる マークは御大(例のエプロンです)
じまーんの ねんーまく ゆーかそーうーじー
テケリの国からぼーくらのために きーたぞわれらーのぬれーおなごー
初めて聞くのになぜか懐かしい感じのする曲を口ずさみながら、ちびぬれおなごさんが料理をしていた。
「おはよう、早いね。その歌…テケリの国って……」
「おはようございますご主人様。テケリの国をご存知なんですか。なんでもどこかの世界の南極にあって、そこでは罪人の魂を封じたペンギンの管理を南極一ソフトウェアから委託されたスライム達が、電車ごっこをしながら楽しく暮らしている楽園らしいです。この間読んだ民明書房の本にそう書いてありました。」
それだまされてるよ……と思ったが楽しそうなちびぬれおなごさんを見てると言い出せなかった。まあいいか。
「今、朝ごはんが出来ました。味見もばっちり、これぞパーフェクトハーモニー、味の完全調和です。」
「それ没落フラグっぽいから。せめて料理の味を決めるのは下準備と手際の良さ、とかにしたら。」
「あ、それおねえちゃんも言ってました。おねえちゃんは他にも、私は永遠の十七歳です。とか言ってました。」
「それは違うおねえちゃんでは、というかキャスト変わっちゃったし。」
「キャスト…なるほどキャストオフをご所望ですか。わかりました、このちびぬれおなごご主人様のために一肌脱ぎましょう。キャストオ………」
「い、いいからいいから。脱がなくていいから。ところで前から気になっていたけどその服ぬげるの?」
「残念ながら脱いだように見せかけるだけです。もっとも私達スライム属はもともと裸がユニフォームみたいなものですが。」
なんだ、今感じた危険なほどの古さは。
「ご主人様おはようございます。」
「おはよう、白蛇さん。眠そうだね。」
「申し訳ありません。ラミア属は朝が弱くて。なかなか体温が上がらないのですわ。」
「仕方ないよ。朝食ができたようだからみんなで一緒に食べよう。」
「「はい。」」
かくしてちびぬれおなごさんが作ってくれた朝ごはんを美味しくいただいた。見たことの無い卵で作った料理もあったが、あれは何の卵だったのだろう。栄養価は高そうではあったが。
「二人が来てから食材は買ったけど、日用品はまだだったね。今日は買出しに行こう。」
「わかりました、ご主人様。」
「うれしいですわ。」
こうして、食事が終わると身支度を整えて街へ出かけて行った。初めに着いたのは家に一番近い焼き物屋だ。
『つぼ子陶芸店』と看板が出ている。意外な事に昼前だというのに店じまいの準備をしていた。
「どうしたの、つぼ子さん。まだ日も高いのに。」
店主のつぼまじんに声をかける。
「いらっしゃいませ、申し訳ありません。急用が出来たので今日はもう閉店なんです。」
「大変だね。一体何があったの。」
「実は知り合いが治療と称して患者(デク)のつぼ(秘孔)を突きまくっているので、止めてこなければならないんです。」
「「「………………」」」
「何かご入用でしたか。裏の倉庫を開けておきますので必要な物を自由に持って行って下さい。お代はいりません。」
「それは有り難いけど本当にいいの。」
「はい、実は少し歪んだり、小さなヒビがあったりするいずれ廃棄するものばかりなんです。不具合に目を瞑ってくれるのなら好きなだけどうぞ。いつも贔屓にしてくれる御礼です。」
「では喜んでいただいて行きます。」
こうしてつぼ子さんは準備を終えるといそいそと出かけていった。
「行ってしまいましたね、ご主人様。」
「相手の方、アミ子さんとでもおっしゃるのかしら。」
「さあ、僕にはなんとも。食器を買うお金が浮いたから服でも見に行こうか。高い物はだめだけど。あ、ちびぬれおなごさんはいやかな。」
「いえ、私も色々なデザインを見るのは大好きです。ぬれおなごは服屋泣かせなので意外と機会が無いんです。」
「わたくしは大歓迎ですわ。でもどんなお店ですの。」
「ジョロウグモのアト子さんのやっている呉服店なんだけど。」
「……………ひょっとして好きな言葉は『単体女優』なんでしょうか。」
「あれ、アト子さんと知り合いなの。」
「そういうわけではないのですが。」
「たぶん、まんま、ですわね。」
そうこうしている内に呉服屋が見えてきた。
「いらっしゃい………あら………………どうしてショゴスがいるのかしら。」
「ううっ、私の事ですか。ぬれおなごなんですけど。」
「気にしてはいけませんわ、こういう時はサングラスでも掛けて『今の私はぬれおなごだ』とでも言えばいいのですわ。」
「なんだか神経質そうな少年に『そんなぬれおなご修正してやる』と殴られそうです。」
「ふふっ、楽しそうな人達ね。お友達なの?」
「ご主人様とわたくし達は友達じゃないですわ。」
「ああそうだね、僕達は友達じゃないよ。今度とびきり美味いものを食べさせてあげよう。」
「うっ、なんだかずれてる気がします。でも今はこれで我慢です。」
「アト子さん服を見せてもらいたいのですが。」
「ええ、いつでも大歓迎よ。そうそうこの間デモニカスーツという物を仕入れてみたんだけど着てみる?」
「いえ、結構です。ラミア属の物を中心にお願いします。」
「こちらの白蛇の方の物ね。ごめんなさい、今在庫はあまり無いの。アラクネ属用の物を仕立て直せばいくらでも用意できるのだけど。」
「あるだけで結構です。白蛇さん見せてもらって。」
こうして待つことしばし。
「すいませんご主人様。気に入った物が無くて。」
「しかたないよ。今回はやめておこう。」
「これからはラミア属用の物も多めに仕入れておくわね。また来て下さいな。」
呉服屋を後にした。
「ところでだいぶ沢山陶器をもらってきたけど重くない?」
「いえ、大丈夫です。でも気になるのならこんな物を這いよる混沌がくれました。」
と言ってちびぬれおなごさんが出したものはベルトだった。
ちびぬれおなごさんは、ベルトの風車に風力を受けることにより
複数のちびぬれおなごさんへと分身するのだ!
ま、また、謎のナレーションが。
「ぶんっしんっ!」
ぽぽぽぽーんといきなりちびぬれおなごさんが増えた。その数十二人。
「「「みんなで持てばたいした事ありません」」」
十二人のちびぬれおなごさんが少しづつ荷物を持ち合っていく。さらにどこからか紐を出してみんなの身体に巻きつけていく。これは………………電車ごっこ?
♪地下鉄はっ いーつーもまよなかー
ぬれおなGO!GO!GO!
ちびぬれおなごさん達が電車ごっこを始めた。な、なにこれかわいい。伝説にある地下鉄アタックとはかような物であろうか。これで体当たりされたりしたら萌え死んでしまう。
しばらく楽しそうに走り回るちびぬれおなごさん達を見ていると。
「ちびぬれおなごさん、そろそろ家に帰りませんこと。」
白蛇さんが声を掛けてきた。
「そうだね一旦家に帰ろうか。」
「「「はい」」」
こうして帰路についた。結局、ちびぬれおなごさん達は家まで電車ごっこをしていた。
一つ!家に這いよる混沌によって改造されたちびぬれおなごさんがやって来た!
二つ!家に謎の女性ヨグ子によって強化された白蛇さんがやって来た!
三つ!二人は蓮太の家にメイドとして住み着く事になった!
テケリリリリリリ………
鳴っている目覚ましを止めて起き上がる。人気小説「うちのメイドはテケリさん」の愛読者プレゼントで手に入れたものだ。隣にはくれいろいどプチちびテケリさんが……十一人いる、あと一人でコンプリートだ。
「よっこいしょ。」
布団を畳むと、台所で人の動く気配がする。もう朝ごはんを作っているのだろう。台所に向かうと……
♪むねーに つけーてる マークは御大(例のエプロンです)
じまーんの ねんーまく ゆーかそーうーじー
テケリの国からぼーくらのために きーたぞわれらーのぬれーおなごー
初めて聞くのになぜか懐かしい感じのする曲を口ずさみながら、ちびぬれおなごさんが料理をしていた。
「おはよう、早いね。その歌…テケリの国って……」
「おはようございますご主人様。テケリの国をご存知なんですか。なんでもどこかの世界の南極にあって、そこでは罪人の魂を封じたペンギンの管理を南極一ソフトウェアから委託されたスライム達が、電車ごっこをしながら楽しく暮らしている楽園らしいです。この間読んだ民明書房の本にそう書いてありました。」
それだまされてるよ……と思ったが楽しそうなちびぬれおなごさんを見てると言い出せなかった。まあいいか。
「今、朝ごはんが出来ました。味見もばっちり、これぞパーフェクトハーモニー、味の完全調和です。」
「それ没落フラグっぽいから。せめて料理の味を決めるのは下準備と手際の良さ、とかにしたら。」
「あ、それおねえちゃんも言ってました。おねえちゃんは他にも、私は永遠の十七歳です。とか言ってました。」
「それは違うおねえちゃんでは、というかキャスト変わっちゃったし。」
「キャスト…なるほどキャストオフをご所望ですか。わかりました、このちびぬれおなごご主人様のために一肌脱ぎましょう。キャストオ………」
「い、いいからいいから。脱がなくていいから。ところで前から気になっていたけどその服ぬげるの?」
「残念ながら脱いだように見せかけるだけです。もっとも私達スライム属はもともと裸がユニフォームみたいなものですが。」
なんだ、今感じた危険なほどの古さは。
「ご主人様おはようございます。」
「おはよう、白蛇さん。眠そうだね。」
「申し訳ありません。ラミア属は朝が弱くて。なかなか体温が上がらないのですわ。」
「仕方ないよ。朝食ができたようだからみんなで一緒に食べよう。」
「「はい。」」
かくしてちびぬれおなごさんが作ってくれた朝ごはんを美味しくいただいた。見たことの無い卵で作った料理もあったが、あれは何の卵だったのだろう。栄養価は高そうではあったが。
「二人が来てから食材は買ったけど、日用品はまだだったね。今日は買出しに行こう。」
「わかりました、ご主人様。」
「うれしいですわ。」
こうして、食事が終わると身支度を整えて街へ出かけて行った。初めに着いたのは家に一番近い焼き物屋だ。
『つぼ子陶芸店』と看板が出ている。意外な事に昼前だというのに店じまいの準備をしていた。
「どうしたの、つぼ子さん。まだ日も高いのに。」
店主のつぼまじんに声をかける。
「いらっしゃいませ、申し訳ありません。急用が出来たので今日はもう閉店なんです。」
「大変だね。一体何があったの。」
「実は知り合いが治療と称して患者(デク)のつぼ(秘孔)を突きまくっているので、止めてこなければならないんです。」
「「「………………」」」
「何かご入用でしたか。裏の倉庫を開けておきますので必要な物を自由に持って行って下さい。お代はいりません。」
「それは有り難いけど本当にいいの。」
「はい、実は少し歪んだり、小さなヒビがあったりするいずれ廃棄するものばかりなんです。不具合に目を瞑ってくれるのなら好きなだけどうぞ。いつも贔屓にしてくれる御礼です。」
「では喜んでいただいて行きます。」
こうしてつぼ子さんは準備を終えるといそいそと出かけていった。
「行ってしまいましたね、ご主人様。」
「相手の方、アミ子さんとでもおっしゃるのかしら。」
「さあ、僕にはなんとも。食器を買うお金が浮いたから服でも見に行こうか。高い物はだめだけど。あ、ちびぬれおなごさんはいやかな。」
「いえ、私も色々なデザインを見るのは大好きです。ぬれおなごは服屋泣かせなので意外と機会が無いんです。」
「わたくしは大歓迎ですわ。でもどんなお店ですの。」
「ジョロウグモのアト子さんのやっている呉服店なんだけど。」
「……………ひょっとして好きな言葉は『単体女優』なんでしょうか。」
「あれ、アト子さんと知り合いなの。」
「そういうわけではないのですが。」
「たぶん、まんま、ですわね。」
そうこうしている内に呉服屋が見えてきた。
「いらっしゃい………あら………………どうしてショゴスがいるのかしら。」
「ううっ、私の事ですか。ぬれおなごなんですけど。」
「気にしてはいけませんわ、こういう時はサングラスでも掛けて『今の私はぬれおなごだ』とでも言えばいいのですわ。」
「なんだか神経質そうな少年に『そんなぬれおなご修正してやる』と殴られそうです。」
「ふふっ、楽しそうな人達ね。お友達なの?」
「ご主人様とわたくし達は友達じゃないですわ。」
「ああそうだね、僕達は友達じゃないよ。今度とびきり美味いものを食べさせてあげよう。」
「うっ、なんだかずれてる気がします。でも今はこれで我慢です。」
「アト子さん服を見せてもらいたいのですが。」
「ええ、いつでも大歓迎よ。そうそうこの間デモニカスーツという物を仕入れてみたんだけど着てみる?」
「いえ、結構です。ラミア属の物を中心にお願いします。」
「こちらの白蛇の方の物ね。ごめんなさい、今在庫はあまり無いの。アラクネ属用の物を仕立て直せばいくらでも用意できるのだけど。」
「あるだけで結構です。白蛇さん見せてもらって。」
こうして待つことしばし。
「すいませんご主人様。気に入った物が無くて。」
「しかたないよ。今回はやめておこう。」
「これからはラミア属用の物も多めに仕入れておくわね。また来て下さいな。」
呉服屋を後にした。
「ところでだいぶ沢山陶器をもらってきたけど重くない?」
「いえ、大丈夫です。でも気になるのならこんな物を這いよる混沌がくれました。」
と言ってちびぬれおなごさんが出したものはベルトだった。
ちびぬれおなごさんは、ベルトの風車に風力を受けることにより
複数のちびぬれおなごさんへと分身するのだ!
ま、また、謎のナレーションが。
「ぶんっしんっ!」
ぽぽぽぽーんといきなりちびぬれおなごさんが増えた。その数十二人。
「「「みんなで持てばたいした事ありません」」」
十二人のちびぬれおなごさんが少しづつ荷物を持ち合っていく。さらにどこからか紐を出してみんなの身体に巻きつけていく。これは………………電車ごっこ?
♪地下鉄はっ いーつーもまよなかー
ぬれおなGO!GO!GO!
ちびぬれおなごさん達が電車ごっこを始めた。な、なにこれかわいい。伝説にある地下鉄アタックとはかような物であろうか。これで体当たりされたりしたら萌え死んでしまう。
しばらく楽しそうに走り回るちびぬれおなごさん達を見ていると。
「ちびぬれおなごさん、そろそろ家に帰りませんこと。」
白蛇さんが声を掛けてきた。
「そうだね一旦家に帰ろうか。」
「「「はい」」」
こうして帰路についた。結局、ちびぬれおなごさん達は家まで電車ごっこをしていた。
12/05/20 07:25更新 / らいでん