吸血鬼の城と子供達の手紙
※トリックストリート・ジュリー宅※
※シャンプ視点※
「ヴァンパイアハンターの安否確認?」
「何でオレ達にそんな頼みごとを?」
あたしとリンスの問いにワイトのジュリーさんが口を開く。
「事の発端は町外れの丘に古城が出現したの」
「ハートの女王様が吸血鬼の一族ごと持ってきた城らしくてね」
ジュリーさんの夫であるロミオさんが続ける。
「来訪者だからパーティーに誘おうと思ったけど、その城の主は「もうワイトとは関わりたくない」と籠城を始めて」
「さらに女王様が気まぐれで銀貨兵百体を一族に譲渡したことで事態は悪化」
「城主が銀貨兵全てトリックストリートの住人を追い払うように改造したの。特にワイトやゾンビを重点的に追い払い、ワイトの魔力を感知するだけでも城中の銀貨兵が一斉に集まり門前払いするの」
「子供達も言ってたな、城の兵士が住人達を門前払いしてるって」
「ですが、尚更あたし達に頼む意味は無いと思いますが?確実に追いだされますし」
「理論上はね。でも外部から来た君達なら入城が可能なんだ」
「何故あたし達なら可能なのですか?」
「一見入城は不可能にみえるが、実の所案内役のチェシャ猫や来訪者、そして他の町から来た住人に対しては銀貨兵は無反応らしく、すんなりと城へ入れた報告が多いんだ」
「成る程、そういうことなのね」
「どういうこと?」
リンスだけ理解できていない。
「城の警備兵はゾンビ属の魔力にしか反応しないのよ」
「だからどういうこと?」
「リンス、問題よ。あたしの種族は?」
「マッドハッターだろ?」
「よく出来ました、えらいえらい♪」
「おぅ」
あたしにオチンポを撫でられて喜ぶリンス。
「次の問題よ。あたしとリンスが住んでる街はトリックストリートである。マルかバツか?」
「バツ、オレとシャンプはタマゴの里に住んでる」
「正解よ、あたしはワイトでもなければトリックストリートの住人じゃない。城の兵士によって追い出されることなく城への侵入が可能なの」
「成る程、だからシャンプは城へ入れるのか」
「そうよスリスリ、それはマッドハッターの夫であるリンスにも言えるの♪シコシコ」
「そうか〜そうかぁ〜」
あたしのさり気ない動作でリンスのオチンポが膨張、ズボン越しに立派なキノコが育っているのが解る。
このまま刺激を与えればズボンから香ばしい香りが放つだろう。
だが、お楽しみは後。今はジュリーさんとの話を優先。
「本題よ。そんなある日、一人の男がトリックストリートにやってきた」
「彼は討伐隊の一員で、子供達のイタズラを全て回避する実力を持っていた」
「さらに子供達にイタズラは時と場合を考えてと優しく諭していたわ」
「へぇーそれなりの実力者でかつ紳士的なのね」
「私達も最初はそう思っていたわ」
「だが町外れにある城と吸血鬼の一族のことを伝えると真剣な顔つきで「ヴァンパイアか、面白い。ハンターの血が騒ぐ」といって城へ向かった」
「それ以降、戻ることはなかった」
「戻らなかった……救助はしなかったのですか?」
「他の討伐隊や知人のヴァンパイアに救助及び調査を頼んでみたわ」
「そしたら意外なことに城に潜入した者全員が、そのハンターに追い返されたらしい」
「追い返された!?何で?」
「わからない、だが彼はヴァンパイアハンターだ。返り討ちに合い、洗脳に近いことをされたのかもしれない」
「カミラも相当悔しがってたわ」
「だから彼が無事かどうかを確かめたいのですね」
「以上がこれまでの経緯だ。本来なら僕達トリックストリートの住人が解決しなければならない問題だ。君たちに頼むのは図々しいことかもしれない。だけどこのまま何もしない訳にはいけないんだ」
「お気持ちはわかります。ですが闇雲に侵入しても意味はないですし」
「大丈夫、作戦は考えてある」
「作戦?」
「みんな、入ってきていいわよ」
ジュリーさんの呼び掛けで部屋の扉がゆっくり開く
幼いゾンビと少年の四人組が入ってきた。
「さっき城の事を教えてくれた子供達だよね?」
「お姉ちゃん達、城に行くんだよね」
「コレ」
「手紙?」
「パーティーの招待状。それをロザリーに渡して」
「いっしょにぱーてぃをしたいの」
少年達がアタシとリンスに向かって頭を下げる。
「「お願いします」」
ゾンビ少女も遅れて頭を下げる。
「お願いシマス」
「おねがいします」
あたしは子供達の手紙を手に取り
「わかったわ、お姉さんがその娘に渡してあげる」
約束を交わした。
「報酬はちゃんと受け取るからな」
リンスは町長夫妻に釘を刺す。
「ありがとう、ちゃんと精補給剤は用意するわ」
ジュリーさんは机の引き出しを開け、何かを取り出す。
「蛭?」
「あれは『オナヒール』蛭の形をしたゴーレムのようなモノだってさ」
「蛭カラ集めタ精カラ精補給剤ヲ作るノ」
と、少年とゾンビ少女。
「来て、ロミオ……」
「ジュリー」
ジュリーさんの艶のある声がロミオさんを誘う。
ジュリーさんが細く白い手でロミオさんの頬を優しく触れながら、もう片方の手でロミオさんのオチンポに蛭をはめ込む。
魔性の誘い、爛れた肉欲、夫も彼女に従い精を蛭の中へ捧げる。
あたしも見習わなければ。
※町外れの丘※
あたしとリンスは城へと続く町外れの丘を登る。魔灯花の光りがないためか、常夜の闇があたし達の視界を遮る。
「パーティーの招待状か、正直言ってちゃんと渡せる保証はないのよね」
「受けた依頼を遂行するのが元傭兵の務めだ……ん?シャンプ見ろよ、あそこにイタズラする二人組と被害者が」
「うわぁぁ、また触手に襲われるぅ」
ターゲットの青年が触手に縛られ、咬まれ、粘液を浴びせられる。
「ソーンファームの触手植物の種が詰まった、ニャげつければ触手が周囲を蹂躙する『茨爆弾』ニャ」
仕掛人は先程のチェシャ猫と家の構造に竦んでいた女性。
「ふざけるな、この牙で食い千切ってやる!」
同じくターゲットのヴァンパイアが触手を食い千切る。
「オーノー、V-181が抵抗したわ」
「取り乱すニャ、今度はN-5が爆弾をニャげるニャ」
「トウッ!」
「あれはさっきの緑色のボール」
緑色のボールが弾けて、中身の触手が飛び出す。
「うぐっ、また触手が、いやっ、女性器を刺激するなぁぁ」
「ワオ、触手でがんじがらめになってるわ!もっと投げてみよ」
「やめっ!」
「うわぁぁぁ」
緑色の暴投は止まらない。
「ほっ、トウッ!」
「そんなにニャげるニャんて、君は結構えげつニャいニャ」
「あぁんっ」
「気持ちいいよぉ」
触手の強制かあるいは触手に触発されたか、青年とヴァンパイアがオチンポとオマンコを交互に出し入れする。
ーーっていうか
「あれって城の住人じゃないの?」
「確かに女のほうはコウモリの羽が生えてるよな。助けないと」
「待ち給え」
「誰だぁ!」
リンスがあたし達を止めた声に向かって叫ぶ。
一瞬、マッドハッターかと思った
彼女は男性のように背が高く、鮮血の燕尾服を着用していたから
だが帽子は未着用、背中にコウモリの翼、それらが彼女をヴァンパイアとしての証明だった。
「ここは私に任せてもらえるかな?」
「何?」
リンスが返答する。
「ここは私に任せてもらえるかな?」
「は、はい」
「いい娘だ、シャンプーハットのお嬢ちゃん」
ヴァンパイアは笑顔であたしの肩をぽんぽんする。
「そこのチェシャ猫と人間の女よ、イタズラをするのは止めたまえ!」
「フゥ?折角盛り上がってたトコなのに?」
「そんな穢れた物共をイタズラするよりも、女同士のイタズラの方が余程気持ちがいいぞ」
「ホワット?言ってる意味がわかりませんが?」
「ニャー!貴女はまさか!?今すぐ退散するニャ」
「エー、良いところなのに?」
「カミラ様に関わるのは危険ニャ!彼氏が出来ニャくニャるニャ!」
「その匂い……チェルではないか久しぶりだな、どうだジャガイモなんか放り投げて、もう一度白百合の花園で百合畑の手入れをして「さようニャらー!」
チェルと呼ばれたチェシャ猫が女性と共に退散した。
「全く、庭の手入れだけは評価してあげてるのに、ぷんぷん」
カミラ様と呼ばれたヴァンパイアが頬を膨らませる。
「貴女、あの城の一族ですよね?ヴァンパイアハンターのことを知りませんか?」
あたしは交わりを続けるヴァンパイア夫妻に声をかける。
「出るぅ!」
「ああんっ熱い精液ぃっが、びゅくびゅくしてるぅ♪」
「セックスモードに入って話が聞けないわ。折角城の一族に会えたと思ったのに」
「そいつはザントライユの一族じゃないぞ」
意外なところから答えがきた。
「私も何度かあの城に侵入しているが、城にはそのようなタイプの美女はいなかった。別ルートで不思議の国に来た夫婦が興味本位で見物に来たのだろう」
「……」
「無関係のヴァンパイアがヴァンパイアの城を見に行くなんて、ややこしいなあ」
リンスがあたしが言いたかったことを代弁してくれた。
「彼女に巻き付く触手は私が何とかするから、君はその手に持つ招待状を城の住人に渡しておくといい」
「わ、わかりました」
カミラに従い、あたしとリンスは城への歩みを再開した。
※ザントライユ城※
「間近で見るとより迫力があるな」
あたしは歩んだ道を振り替える。
「どうしたシャンプ。入るぞ」
「ええ」
既に事が済んだのか、その道にはヴァンパイア夫妻が一糸纏わぬ姿で交わるだけで、もう一人のヴァンパイア、カミラの姿は無かった。
※ザントライユ城内部※
松明の灯りを頼りに廊下を歩く。
トリックストリートの街並みは不気味ながらもどこか愛嬌があったのに対し、この城には未知の恐怖が漂っていた。
「どこもかしこも同じ通路ばかりだな、ここの城主はユーモアの欠片も無いのか」
「リンスの言うとおりね。あたし達は普段からこの国の奇妙な植物や場違いな物体が並ぶ光景に見慣れてるから、飾り気のないシンプルさが逆に違和感……」
「どうしたシャン……」
あたしとリンスの台詞が途切れる
壁一面の絵を目にしてしまったからだ。
美しい騎乗位で勇者の精液を絞りとる闇色の戦乙女
剣と剣、腰と腰、竿と膣をぶつけあう兵士と蜥蜴戦士
バフォメットを中心に幼き魔女と使い魔が大人の男性と交じり合う禁断と背徳のサバト
それは堕落と色事に満ちた楽園
あたし達はその楽園に心を奪われていた。
ガシャン
鎧の足踏みに気付かない程に。
「しまった、見つかった!」
「後ろにも銀貨兵、挟み撃ちにされたわ」
『ワイト反応無』
『ワイト魔力濃度0.01%、異常無し』
銀貨兵達があたし達の傍を通り過ぎ
そのまま通路の奥へと消えた。
「安全だと聞いてたけど、いざ対面すると構えちゃうわね」
「それにしてもここの一族はそんなに狂気に染まるのが嫌なのか?ここではそれが普通なのに」
「ザントライユ家は今や立派な住人ですよ?」
幼い声が答えた。
「誰だぁ!」
リンスの太い叫びが城中に響かせながら、あたしは幼い声がした方を向く
髪を縦ロールのツインテールに整えた、まるで人形のような少女が直立していた。
「わたくしの名はロザリー。ようこそザントライユ城へ」
人形のような少女ーーロザリーがスカートを両手に持ち挨拶をする。
「ロザリーちゃん、以前ここに来たハンターは何処にいるの?」
あたしは落ち着いた口調で尋ねる。
「それは俺のことか?」
ロザリーの背後に現れた青年が答える。
「お兄さま」
「あんたら兄妹なのか?その割には似てないが」
「わたくしとお兄さまは兄妹でもあり、夫婦でもあるのです」
リンスの問いにロザリーは微笑む。
それに対し、ハンターの方は獲物を凝視するような表情と化して行き
「その格好、燕尾服か。さてはあの女が放った死角だな」
ハンターが腰の細剣を伐刀する。
「妹との暮らしを踏み躙る愚人め、このS-50が成敗してくれる」
※続く※
※シャンプ視点※
「ヴァンパイアハンターの安否確認?」
「何でオレ達にそんな頼みごとを?」
あたしとリンスの問いにワイトのジュリーさんが口を開く。
「事の発端は町外れの丘に古城が出現したの」
「ハートの女王様が吸血鬼の一族ごと持ってきた城らしくてね」
ジュリーさんの夫であるロミオさんが続ける。
「来訪者だからパーティーに誘おうと思ったけど、その城の主は「もうワイトとは関わりたくない」と籠城を始めて」
「さらに女王様が気まぐれで銀貨兵百体を一族に譲渡したことで事態は悪化」
「城主が銀貨兵全てトリックストリートの住人を追い払うように改造したの。特にワイトやゾンビを重点的に追い払い、ワイトの魔力を感知するだけでも城中の銀貨兵が一斉に集まり門前払いするの」
「子供達も言ってたな、城の兵士が住人達を門前払いしてるって」
「ですが、尚更あたし達に頼む意味は無いと思いますが?確実に追いだされますし」
「理論上はね。でも外部から来た君達なら入城が可能なんだ」
「何故あたし達なら可能なのですか?」
「一見入城は不可能にみえるが、実の所案内役のチェシャ猫や来訪者、そして他の町から来た住人に対しては銀貨兵は無反応らしく、すんなりと城へ入れた報告が多いんだ」
「成る程、そういうことなのね」
「どういうこと?」
リンスだけ理解できていない。
「城の警備兵はゾンビ属の魔力にしか反応しないのよ」
「だからどういうこと?」
「リンス、問題よ。あたしの種族は?」
「マッドハッターだろ?」
「よく出来ました、えらいえらい♪」
「おぅ」
あたしにオチンポを撫でられて喜ぶリンス。
「次の問題よ。あたしとリンスが住んでる街はトリックストリートである。マルかバツか?」
「バツ、オレとシャンプはタマゴの里に住んでる」
「正解よ、あたしはワイトでもなければトリックストリートの住人じゃない。城の兵士によって追い出されることなく城への侵入が可能なの」
「成る程、だからシャンプは城へ入れるのか」
「そうよスリスリ、それはマッドハッターの夫であるリンスにも言えるの♪シコシコ」
「そうか〜そうかぁ〜」
あたしのさり気ない動作でリンスのオチンポが膨張、ズボン越しに立派なキノコが育っているのが解る。
このまま刺激を与えればズボンから香ばしい香りが放つだろう。
だが、お楽しみは後。今はジュリーさんとの話を優先。
「本題よ。そんなある日、一人の男がトリックストリートにやってきた」
「彼は討伐隊の一員で、子供達のイタズラを全て回避する実力を持っていた」
「さらに子供達にイタズラは時と場合を考えてと優しく諭していたわ」
「へぇーそれなりの実力者でかつ紳士的なのね」
「私達も最初はそう思っていたわ」
「だが町外れにある城と吸血鬼の一族のことを伝えると真剣な顔つきで「ヴァンパイアか、面白い。ハンターの血が騒ぐ」といって城へ向かった」
「それ以降、戻ることはなかった」
「戻らなかった……救助はしなかったのですか?」
「他の討伐隊や知人のヴァンパイアに救助及び調査を頼んでみたわ」
「そしたら意外なことに城に潜入した者全員が、そのハンターに追い返されたらしい」
「追い返された!?何で?」
「わからない、だが彼はヴァンパイアハンターだ。返り討ちに合い、洗脳に近いことをされたのかもしれない」
「カミラも相当悔しがってたわ」
「だから彼が無事かどうかを確かめたいのですね」
「以上がこれまでの経緯だ。本来なら僕達トリックストリートの住人が解決しなければならない問題だ。君たちに頼むのは図々しいことかもしれない。だけどこのまま何もしない訳にはいけないんだ」
「お気持ちはわかります。ですが闇雲に侵入しても意味はないですし」
「大丈夫、作戦は考えてある」
「作戦?」
「みんな、入ってきていいわよ」
ジュリーさんの呼び掛けで部屋の扉がゆっくり開く
幼いゾンビと少年の四人組が入ってきた。
「さっき城の事を教えてくれた子供達だよね?」
「お姉ちゃん達、城に行くんだよね」
「コレ」
「手紙?」
「パーティーの招待状。それをロザリーに渡して」
「いっしょにぱーてぃをしたいの」
少年達がアタシとリンスに向かって頭を下げる。
「「お願いします」」
ゾンビ少女も遅れて頭を下げる。
「お願いシマス」
「おねがいします」
あたしは子供達の手紙を手に取り
「わかったわ、お姉さんがその娘に渡してあげる」
約束を交わした。
「報酬はちゃんと受け取るからな」
リンスは町長夫妻に釘を刺す。
「ありがとう、ちゃんと精補給剤は用意するわ」
ジュリーさんは机の引き出しを開け、何かを取り出す。
「蛭?」
「あれは『オナヒール』蛭の形をしたゴーレムのようなモノだってさ」
「蛭カラ集めタ精カラ精補給剤ヲ作るノ」
と、少年とゾンビ少女。
「来て、ロミオ……」
「ジュリー」
ジュリーさんの艶のある声がロミオさんを誘う。
ジュリーさんが細く白い手でロミオさんの頬を優しく触れながら、もう片方の手でロミオさんのオチンポに蛭をはめ込む。
魔性の誘い、爛れた肉欲、夫も彼女に従い精を蛭の中へ捧げる。
あたしも見習わなければ。
※町外れの丘※
あたしとリンスは城へと続く町外れの丘を登る。魔灯花の光りがないためか、常夜の闇があたし達の視界を遮る。
「パーティーの招待状か、正直言ってちゃんと渡せる保証はないのよね」
「受けた依頼を遂行するのが元傭兵の務めだ……ん?シャンプ見ろよ、あそこにイタズラする二人組と被害者が」
「うわぁぁ、また触手に襲われるぅ」
ターゲットの青年が触手に縛られ、咬まれ、粘液を浴びせられる。
「ソーンファームの触手植物の種が詰まった、ニャげつければ触手が周囲を蹂躙する『茨爆弾』ニャ」
仕掛人は先程のチェシャ猫と家の構造に竦んでいた女性。
「ふざけるな、この牙で食い千切ってやる!」
同じくターゲットのヴァンパイアが触手を食い千切る。
「オーノー、V-181が抵抗したわ」
「取り乱すニャ、今度はN-5が爆弾をニャげるニャ」
「トウッ!」
「あれはさっきの緑色のボール」
緑色のボールが弾けて、中身の触手が飛び出す。
「うぐっ、また触手が、いやっ、女性器を刺激するなぁぁ」
「ワオ、触手でがんじがらめになってるわ!もっと投げてみよ」
「やめっ!」
「うわぁぁぁ」
緑色の暴投は止まらない。
「ほっ、トウッ!」
「そんなにニャげるニャんて、君は結構えげつニャいニャ」
「あぁんっ」
「気持ちいいよぉ」
触手の強制かあるいは触手に触発されたか、青年とヴァンパイアがオチンポとオマンコを交互に出し入れする。
ーーっていうか
「あれって城の住人じゃないの?」
「確かに女のほうはコウモリの羽が生えてるよな。助けないと」
「待ち給え」
「誰だぁ!」
リンスがあたし達を止めた声に向かって叫ぶ。
一瞬、マッドハッターかと思った
彼女は男性のように背が高く、鮮血の燕尾服を着用していたから
だが帽子は未着用、背中にコウモリの翼、それらが彼女をヴァンパイアとしての証明だった。
「ここは私に任せてもらえるかな?」
「何?」
リンスが返答する。
「ここは私に任せてもらえるかな?」
「は、はい」
「いい娘だ、シャンプーハットのお嬢ちゃん」
ヴァンパイアは笑顔であたしの肩をぽんぽんする。
「そこのチェシャ猫と人間の女よ、イタズラをするのは止めたまえ!」
「フゥ?折角盛り上がってたトコなのに?」
「そんな穢れた物共をイタズラするよりも、女同士のイタズラの方が余程気持ちがいいぞ」
「ホワット?言ってる意味がわかりませんが?」
「ニャー!貴女はまさか!?今すぐ退散するニャ」
「エー、良いところなのに?」
「カミラ様に関わるのは危険ニャ!彼氏が出来ニャくニャるニャ!」
「その匂い……チェルではないか久しぶりだな、どうだジャガイモなんか放り投げて、もう一度白百合の花園で百合畑の手入れをして「さようニャらー!」
チェルと呼ばれたチェシャ猫が女性と共に退散した。
「全く、庭の手入れだけは評価してあげてるのに、ぷんぷん」
カミラ様と呼ばれたヴァンパイアが頬を膨らませる。
「貴女、あの城の一族ですよね?ヴァンパイアハンターのことを知りませんか?」
あたしは交わりを続けるヴァンパイア夫妻に声をかける。
「出るぅ!」
「ああんっ熱い精液ぃっが、びゅくびゅくしてるぅ♪」
「セックスモードに入って話が聞けないわ。折角城の一族に会えたと思ったのに」
「そいつはザントライユの一族じゃないぞ」
意外なところから答えがきた。
「私も何度かあの城に侵入しているが、城にはそのようなタイプの美女はいなかった。別ルートで不思議の国に来た夫婦が興味本位で見物に来たのだろう」
「……」
「無関係のヴァンパイアがヴァンパイアの城を見に行くなんて、ややこしいなあ」
リンスがあたしが言いたかったことを代弁してくれた。
「彼女に巻き付く触手は私が何とかするから、君はその手に持つ招待状を城の住人に渡しておくといい」
「わ、わかりました」
カミラに従い、あたしとリンスは城への歩みを再開した。
※ザントライユ城※
「間近で見るとより迫力があるな」
あたしは歩んだ道を振り替える。
「どうしたシャンプ。入るぞ」
「ええ」
既に事が済んだのか、その道にはヴァンパイア夫妻が一糸纏わぬ姿で交わるだけで、もう一人のヴァンパイア、カミラの姿は無かった。
※ザントライユ城内部※
松明の灯りを頼りに廊下を歩く。
トリックストリートの街並みは不気味ながらもどこか愛嬌があったのに対し、この城には未知の恐怖が漂っていた。
「どこもかしこも同じ通路ばかりだな、ここの城主はユーモアの欠片も無いのか」
「リンスの言うとおりね。あたし達は普段からこの国の奇妙な植物や場違いな物体が並ぶ光景に見慣れてるから、飾り気のないシンプルさが逆に違和感……」
「どうしたシャン……」
あたしとリンスの台詞が途切れる
壁一面の絵を目にしてしまったからだ。
美しい騎乗位で勇者の精液を絞りとる闇色の戦乙女
剣と剣、腰と腰、竿と膣をぶつけあう兵士と蜥蜴戦士
バフォメットを中心に幼き魔女と使い魔が大人の男性と交じり合う禁断と背徳のサバト
それは堕落と色事に満ちた楽園
あたし達はその楽園に心を奪われていた。
ガシャン
鎧の足踏みに気付かない程に。
「しまった、見つかった!」
「後ろにも銀貨兵、挟み撃ちにされたわ」
『ワイト反応無』
『ワイト魔力濃度0.01%、異常無し』
銀貨兵達があたし達の傍を通り過ぎ
そのまま通路の奥へと消えた。
「安全だと聞いてたけど、いざ対面すると構えちゃうわね」
「それにしてもここの一族はそんなに狂気に染まるのが嫌なのか?ここではそれが普通なのに」
「ザントライユ家は今や立派な住人ですよ?」
幼い声が答えた。
「誰だぁ!」
リンスの太い叫びが城中に響かせながら、あたしは幼い声がした方を向く
髪を縦ロールのツインテールに整えた、まるで人形のような少女が直立していた。
「わたくしの名はロザリー。ようこそザントライユ城へ」
人形のような少女ーーロザリーがスカートを両手に持ち挨拶をする。
「ロザリーちゃん、以前ここに来たハンターは何処にいるの?」
あたしは落ち着いた口調で尋ねる。
「それは俺のことか?」
ロザリーの背後に現れた青年が答える。
「お兄さま」
「あんたら兄妹なのか?その割には似てないが」
「わたくしとお兄さまは兄妹でもあり、夫婦でもあるのです」
リンスの問いにロザリーは微笑む。
それに対し、ハンターの方は獲物を凝視するような表情と化して行き
「その格好、燕尾服か。さてはあの女が放った死角だな」
ハンターが腰の細剣を伐刀する。
「妹との暮らしを踏み躙る愚人め、このS-50が成敗してくれる」
※続く※
14/12/20 19:58更新 / ドリルモール
戻る
次へ