誘惑の就床と融和の起床
※ソーンファーム・堂崎宅※
※ムッギ視点※
「紅茶をどうぞ」
「ありがとうございます。コクッ、甘くて美味しい」
「あたし達の魔力入り紅茶よ」
「俺達の里のお茶会に出したいくらいだ、ムッギもそう思うだろ?」
「ワーラ、今日は紅茶を貰いにきたわけじゃないのよ」
堂崎家の(性的な)揉め事が終息し、私達は彼女達の住まいである井戸の中で紅茶を飲んでいた。
「どうぞ、少し横になっててください……えっと」
「Ν-6と言います」
「えぬ、ろく?」
「周囲からはネムと呼ばれます」
「ネムさんですね、遠慮せずにゆっくり休んでください」
「すみません、四葉さん」
女兵士ことネムさんは目を瞑る。
四葉ちゃんはその小さな手でシーツをネムさんに被せる。
「まさか大人っぽいドーマウスがいるとは驚いた」
初太さんが言う。
四葉ちゃんではなく長女の一花さんに対して。
「不思議なのよね〜この国に迷い込んで、牧場で一眠りしてたら、三人とも体型はそのままでドーマウスになっちゃったのよ」
長女の一花さんは椅子にもたれながらいう。
パジャマからはみ出る大きな胸が揺れる。
「牧場の住民からは、一姉ちゃんは『不眠の鼠』ドレッサ以来の変わり種と言われてます」
末妹の四葉ちゃんが椅子に座る。
可愛らしいパジャマの間からぷにぷにした肌と微かな膨らみが見える。
「何が変わり種よ!イチ姉はセクシーを維持して、四葉はロリに磨きがかかったのに、どうして私は中途半端なのよ、ぐー」
次女の二枝さんは唐突に叫ぶ。
眠りながら。
「流石ドーマウス、周囲の会話を夢として捉えてる」
「ハァ?誰が幼児体型ですって?これでも十九歳だーぐー」
初太さんの台詞に二枝さんはズレた返答をする。
眠りながら。
「ホルスタウロスミルクを飲んでも、巨乳になるプリンを食っても胸が大きくならないのはどういうことだーぐー」
二枝さんが体をばたつかせながら叫ぶ。
眠りながらなので、パジャマをだらしなくはだけ、ショーツと胸が丸見えになっている。
だが、洗濯板なので特段興奮しなイテッ!
「何すんだよ、ムッギ」
「ワーラこそ私の台詞を勝手に代弁しないで。それに今の台詞凄く失礼よ、相手方の機嫌を損ねたらどうするの?」
「激おこぷんぷん丸だぞー、貧乳になるウエハースを食べさせてやるーぐー」
二枝は口からヨダレを垂らしながら言う。
「すみません、私の弟が大変失礼なことを」
「気にしてないわ、二枝には合法という萌え要素が備わってるから」
一花さんは紅茶で喉を潤し続ける。
「さて、本題に入りましょう。毎年競技場で開催される『まかいもコンテストin不思議の国』、ハートの女王様を筆頭に、旧時代の英雄エリーゼ,お菓子のカフェ店長グレーテル,そしてフォーカード全員,計七名を含めた審査員が国中で栽培されたまかいもを審査するーー」
「去年その大会で審査員特別賞を受賞した堂崎家特製チーズまかいもが欲しいのです」
「対価は?」
「どうぞ、卵の詰め合わせです」
私の合図でワーラは箱をテーブルの上に丁寧に置く。
「開けていい?」
「いいですよ」
私の許可を貰った四葉ちゃんが蓋を開ける。
白い宝石が魔灯花の光に反射し、部屋中を照らしだす。
「これが噂に聞くタマゴの里の卵……」
「この白い輝きは、正に真っ白な宝石箱だな」
「おいしそう」
二枝さん以外の姉弟が白い卵に目を輝かせる。
「三段構造になっておりまして、上から媚薬,大人化,子供化の成分が入ってます」
「そのまま食べるのもよし、調理しても風味と効果を損なわないぞ」
私とワーラは言う。
「越後屋〜お主もワルよの〜ぐー」
「……えちごや?ワル?」
「二枝、まだ寝呆けるのか、悪代官ごっこはそこまでだ」
三郎は二枝の身体を擦っている。
「何だよせっかくいい所なのにーぐー」
「急にムズムズしてきた……」ムチュッ
「サブ、興奮してきたの?」ンー、チュ♪
二枝さんから放たれる魔力の影響か、四姉弟の黒一点、三郎さんが二枝さんに口付けを始めた。
二枝さんも眠りながら三郎さんにキスをするが、目を瞑っているためか狙いが定まらず、頬やおでこ等に柔らかな唇を当てる。
「一花さん、卵とまかいもの交換をお願いします」
対して私は動じることなく話を続ける。
「交渉成立よ、自家製まかいもをあげるわ」
「ありがとうございます、一花さん」
「早速用意するわ」
一花さんは椅子から立ち上がると台所へ向かう。
束ね髪から見えるうなじ、すらりとした手足と綺麗に整えられた茶色の毛、セクシーな後ろ姿が、あたかもそれがドーマウスの「普通」であると錯覚してしまう。
トドメと言わんばかりに、パンティから浮かび上がるお尻の形が何ともいやらしく、起床しているにも関わらず雄を欲情させる魔力を放っテッ!
「解説中に叩くなよ、ムッギ」
「ワーラこそ、勝手に割り込まないで、姉弟達の反応を見てみなさい」
「弟さん、結構むっつりスケベだな」
「エッチな会話をする不届き者めーぐー」
「きゃっ、恥ずかしい」
「いいじゃん、当然のように淫らな台詞を言うのがマッドハッターなんだから」
「お待たせ、まかいもの詰め合わせよ」
一花さんがまかいもの用意が出来たようでーー
「えっ?こんなに沢山!?」
「俺達が持ってきた卵の倍以上あるぞ!?」
「遠慮しなくていいわよ、大人気の卵だからそれくらいの値はつくし、それに芋栽培も元はと言えば暇潰しで作り始めて……ふわぁ〜眠くなってきたわ」
一花さんが大きく欠伸をする。
「四葉も、うとうと……」
四葉ちゃんも目を擦っている。
「もう起きます」
既に起きていたのか、ネムさんが体を起こした。
「いいの?ネムさん」
「はい、大分楽になれましたし、それにーー」
ネムさんは続ける。
「急に睡魔に襲われる気持ち、共感出来ますので」
「なら三郎、さっきの続きと行こうかしら」
「三兄ちゃん、抱っこして」
「よし、今日は競技場はお休みだから、家族水入らずで(性的に)過ごそう」
「「おー」」
「ぐー」
「皆、用事は済んだし、外に出ましょう」
私達はまかいも箱を抱え、板の上に乗る。
すると滑車が自動で動き、私達を地上へ運んでゆく。
「井戸の中に入った時から思ったけど、ここの住宅地ってエレベーター式になってるのか」
「眠りながら地上の行き来を可能にするためよ」
「四葉の中、最高だ」
「えへへ〜」
「一花姉の中も気持ちいい」
「ああん、弟のチンポ、略してオトチン最高♪」
「二枝、中に出すぞ!」
「このクリーム、スッゴくあまーい」
もうヤってる。
「あんなに愛してくれるなんて、幸せな家族ですね……」
ネムさんは呟く
一切の疑問や不快感が無い微笑みで。
※地上※
「いいのか?二人だけで牧場の案内なんて」
「心配いらないよ初太さん、俺とムッギは養鶏場の子供だからね。牧場の住民達とは顔が広いんだ」
「ぼく達も手伝うよ」
「私達の事は気にしないでマドラさんは初太さんと一緒にピクニックを楽しんでください」
私はネムさんの手をとる。
「行きましょネムさん」
「まずは食品工房を案内してあげるよネムさん」
私達は歩きだす。
「途中でネムさんの姿が変わっても、最後まで面倒を見てくださいねー」
「マドラさん……」
「そんなの当然だよ」
私達はネムさんと共に行く。
もはや時間の問題であると自覚しながら。
※食品工房※
「木材で出来た建物ですね」
「この牧場で採れる食料や精液をこの工房で加工するの」
「もし旅に出るなら保存食を確保するのに丁度いいと思うよ?無論、見学だけでも大歓迎さ」
「見学します。何だかとてもいい香りがするので」
※見学※
「いらっしゃい、ムッギちゃんにワーラくん」
材料を運ぶスタッフの一人が元気よく挨拶をする。
「ソーセージや干物がどんどん生産されてゆく」
「ここのフルーツサラダも絶品なんだ」
「ワーラ、よだれ出てるわよ」
「この白い食べ物は何ですか?」
「精補給食品だよ」
ネムさんに質問に工房のスタッフが答える。
「未婚の魔物娘が口にする精補給剤のような物ですか?」
「その精補給剤を食べやすいように加工した食品だよ。今作っているのは新商品のチーズさ」
「チーズの匂いがしますね……美味しそう」
「だろ?ただ、厳しい審査を通過する必要があるのさ」
「審査?」
「あれだよ」
zzz…
zzz…
zzz…
zzz…
zzz…
zzz…
「六匹のドーマウスが寝てますね」
「彼女達は審査員だよ。食用に適しているかを実際に食べて審査するんだ」
「はい、あーん」
モグモグ
眠り鼠達が、その名に恥じない微睡みでチーズを咀嚼する。
「精が広がる〜」
「お腹いっぱ〜い」
「衝撃の白さ〜」
半数のドーマウスが嬉しそうに身体を揺らしている。
「よし、未婚組はクリア。後は夫持ちが美味いと言えば……」
「夫持ち?」
「夫の精の味を知ったドーマウスよ」
「夫……確かに言われてみればそんな感じがしますね」
「判るの?ネムさん」
「はい、何となくですが」
「……不味い」
「にがーい」
「うえ〜」
残りの三匹が吐き気がするような顔をした。
「ねぇー口直しー」
ドーマウスの一匹がチーズを咀嚼させた男性におねだりする。
「待っててね」
すると男性は嬉しそうにズボンを下着ごと下ろし、赤黒いソレを妻の口元へ差し出す。
妻は小さな口を大きく開けてーー
「んーおいしー」チュパチュパ
「で、出るっ」
「んー♪んー♪」ジュル、ジュルルル
「夫の精を口にしたドーマウスが美味しそうにたべてる。精って本当に魔物娘にとってのご馳走なのね」
「当然よ、ワーラの精は卵の次に美味しいのよ」
「今回も失敗か……」
「渾身の出来だと思ったのに」
「スタッフさん、可哀想ですね」
「因みにボツになった食品は作り主が責任を持って食べたり、精補給が必要な魔物娘に無料で配布するんだってさ」
「へぇー私も欲しいな〜」
「じゃあ頼んでみるよ」
「いいのですか?」
「うん……いずれネムさんには必要になる食糧だからね」
※草原※
「改めて見ても爽やかな光景ですね、緑のカーペットが美しい」
「触手だけどね」
「それさえ目を瞑れば閑かな場所ですよ。それに床の触手がふかふかして心地よいし、夫婦達が横になって交わる気持ちもわかりま……ふわぁ〜」
「欠伸ですか?」
「はい、何だか頭がポカポカしてきました〜」
すると草原の触手が収束して、ネムさんが横になれる位の段差となる。
「触手の寝床ですね、有難う触手さん〜」
ネムさんは鎧を脱ぎ捨て、質素な支給服の姿になると何の抵抗もなく、蠢く緑の寝床に体を預けた。
「あぁっ、触手さんが肩や背中を優しく刺激してる、コリが解れてゆく〜」
「ネムさん、ネムさん」
「ワーラ」
「ムッギ……」
「もう充分よ、人間の時間はここまで」
「アアンそこ気持ちいい〜イクッ!イクッ!イクウッ!」
絶頂にも関わらず触手はネムさんの股間を擦り続け、ズボンの染みを作る
私はネムさんの魔物化を防げなかった事を悔やんだりはしない
魔物化による解放感を、私は知っているから。
※
「ふわぁ〜」
触手のマッサージが終わり、ネムさんが眠りから覚める。
「よく眠れた?ネムさん」
「あ〜ムッギちゃん〜ワーラくん〜おかげ様でよく眠れて身体がすっきりしてるの〜」
「それもそうよ、ネムさん、魔物化したのだから」
「あ〜そうなんだ〜魔物か〜」
ネムさんは腕に茶色の毛,お尻に細長い尻尾,そして頭に丸い耳があることを確認し
「ドーマウスだ〜」
背伸びをしつつ
「ん〜魔物化ってほわほわして気持ちいい〜」
何の疑問もなく、自分の姿と状況を受け入れた。
「身体に溜まったモヤモヤと心が融和して甘い蜜になった気がする〜ねぇ〜二人共〜」
「はい」
「うん」
「近くのお茶会に連れてって〜この幸せをみんなに分けてあげたい〜」
「勿論ネムさんを連れて」
「里へ連れていきます」
私はネムさんとはぐれないよう手を繋ぎ、タマゴの里へ帰る。
「それじゃ〜お茶会へ行こう〜」
主を縛っていた鎧がそよ風を浴び、金属面は牧場の太陽光を反射していた。
※続く※
※ムッギ視点※
「紅茶をどうぞ」
「ありがとうございます。コクッ、甘くて美味しい」
「あたし達の魔力入り紅茶よ」
「俺達の里のお茶会に出したいくらいだ、ムッギもそう思うだろ?」
「ワーラ、今日は紅茶を貰いにきたわけじゃないのよ」
堂崎家の(性的な)揉め事が終息し、私達は彼女達の住まいである井戸の中で紅茶を飲んでいた。
「どうぞ、少し横になっててください……えっと」
「Ν-6と言います」
「えぬ、ろく?」
「周囲からはネムと呼ばれます」
「ネムさんですね、遠慮せずにゆっくり休んでください」
「すみません、四葉さん」
女兵士ことネムさんは目を瞑る。
四葉ちゃんはその小さな手でシーツをネムさんに被せる。
「まさか大人っぽいドーマウスがいるとは驚いた」
初太さんが言う。
四葉ちゃんではなく長女の一花さんに対して。
「不思議なのよね〜この国に迷い込んで、牧場で一眠りしてたら、三人とも体型はそのままでドーマウスになっちゃったのよ」
長女の一花さんは椅子にもたれながらいう。
パジャマからはみ出る大きな胸が揺れる。
「牧場の住民からは、一姉ちゃんは『不眠の鼠』ドレッサ以来の変わり種と言われてます」
末妹の四葉ちゃんが椅子に座る。
可愛らしいパジャマの間からぷにぷにした肌と微かな膨らみが見える。
「何が変わり種よ!イチ姉はセクシーを維持して、四葉はロリに磨きがかかったのに、どうして私は中途半端なのよ、ぐー」
次女の二枝さんは唐突に叫ぶ。
眠りながら。
「流石ドーマウス、周囲の会話を夢として捉えてる」
「ハァ?誰が幼児体型ですって?これでも十九歳だーぐー」
初太さんの台詞に二枝さんはズレた返答をする。
眠りながら。
「ホルスタウロスミルクを飲んでも、巨乳になるプリンを食っても胸が大きくならないのはどういうことだーぐー」
二枝さんが体をばたつかせながら叫ぶ。
眠りながらなので、パジャマをだらしなくはだけ、ショーツと胸が丸見えになっている。
だが、洗濯板なので特段興奮しなイテッ!
「何すんだよ、ムッギ」
「ワーラこそ私の台詞を勝手に代弁しないで。それに今の台詞凄く失礼よ、相手方の機嫌を損ねたらどうするの?」
「激おこぷんぷん丸だぞー、貧乳になるウエハースを食べさせてやるーぐー」
二枝は口からヨダレを垂らしながら言う。
「すみません、私の弟が大変失礼なことを」
「気にしてないわ、二枝には合法という萌え要素が備わってるから」
一花さんは紅茶で喉を潤し続ける。
「さて、本題に入りましょう。毎年競技場で開催される『まかいもコンテストin不思議の国』、ハートの女王様を筆頭に、旧時代の英雄エリーゼ,お菓子のカフェ店長グレーテル,そしてフォーカード全員,計七名を含めた審査員が国中で栽培されたまかいもを審査するーー」
「去年その大会で審査員特別賞を受賞した堂崎家特製チーズまかいもが欲しいのです」
「対価は?」
「どうぞ、卵の詰め合わせです」
私の合図でワーラは箱をテーブルの上に丁寧に置く。
「開けていい?」
「いいですよ」
私の許可を貰った四葉ちゃんが蓋を開ける。
白い宝石が魔灯花の光に反射し、部屋中を照らしだす。
「これが噂に聞くタマゴの里の卵……」
「この白い輝きは、正に真っ白な宝石箱だな」
「おいしそう」
二枝さん以外の姉弟が白い卵に目を輝かせる。
「三段構造になっておりまして、上から媚薬,大人化,子供化の成分が入ってます」
「そのまま食べるのもよし、調理しても風味と効果を損なわないぞ」
私とワーラは言う。
「越後屋〜お主もワルよの〜ぐー」
「……えちごや?ワル?」
「二枝、まだ寝呆けるのか、悪代官ごっこはそこまでだ」
三郎は二枝の身体を擦っている。
「何だよせっかくいい所なのにーぐー」
「急にムズムズしてきた……」ムチュッ
「サブ、興奮してきたの?」ンー、チュ♪
二枝さんから放たれる魔力の影響か、四姉弟の黒一点、三郎さんが二枝さんに口付けを始めた。
二枝さんも眠りながら三郎さんにキスをするが、目を瞑っているためか狙いが定まらず、頬やおでこ等に柔らかな唇を当てる。
「一花さん、卵とまかいもの交換をお願いします」
対して私は動じることなく話を続ける。
「交渉成立よ、自家製まかいもをあげるわ」
「ありがとうございます、一花さん」
「早速用意するわ」
一花さんは椅子から立ち上がると台所へ向かう。
束ね髪から見えるうなじ、すらりとした手足と綺麗に整えられた茶色の毛、セクシーな後ろ姿が、あたかもそれがドーマウスの「普通」であると錯覚してしまう。
トドメと言わんばかりに、パンティから浮かび上がるお尻の形が何ともいやらしく、起床しているにも関わらず雄を欲情させる魔力を放っテッ!
「解説中に叩くなよ、ムッギ」
「ワーラこそ、勝手に割り込まないで、姉弟達の反応を見てみなさい」
「弟さん、結構むっつりスケベだな」
「エッチな会話をする不届き者めーぐー」
「きゃっ、恥ずかしい」
「いいじゃん、当然のように淫らな台詞を言うのがマッドハッターなんだから」
「お待たせ、まかいもの詰め合わせよ」
一花さんがまかいもの用意が出来たようでーー
「えっ?こんなに沢山!?」
「俺達が持ってきた卵の倍以上あるぞ!?」
「遠慮しなくていいわよ、大人気の卵だからそれくらいの値はつくし、それに芋栽培も元はと言えば暇潰しで作り始めて……ふわぁ〜眠くなってきたわ」
一花さんが大きく欠伸をする。
「四葉も、うとうと……」
四葉ちゃんも目を擦っている。
「もう起きます」
既に起きていたのか、ネムさんが体を起こした。
「いいの?ネムさん」
「はい、大分楽になれましたし、それにーー」
ネムさんは続ける。
「急に睡魔に襲われる気持ち、共感出来ますので」
「なら三郎、さっきの続きと行こうかしら」
「三兄ちゃん、抱っこして」
「よし、今日は競技場はお休みだから、家族水入らずで(性的に)過ごそう」
「「おー」」
「ぐー」
「皆、用事は済んだし、外に出ましょう」
私達はまかいも箱を抱え、板の上に乗る。
すると滑車が自動で動き、私達を地上へ運んでゆく。
「井戸の中に入った時から思ったけど、ここの住宅地ってエレベーター式になってるのか」
「眠りながら地上の行き来を可能にするためよ」
「四葉の中、最高だ」
「えへへ〜」
「一花姉の中も気持ちいい」
「ああん、弟のチンポ、略してオトチン最高♪」
「二枝、中に出すぞ!」
「このクリーム、スッゴくあまーい」
もうヤってる。
「あんなに愛してくれるなんて、幸せな家族ですね……」
ネムさんは呟く
一切の疑問や不快感が無い微笑みで。
※地上※
「いいのか?二人だけで牧場の案内なんて」
「心配いらないよ初太さん、俺とムッギは養鶏場の子供だからね。牧場の住民達とは顔が広いんだ」
「ぼく達も手伝うよ」
「私達の事は気にしないでマドラさんは初太さんと一緒にピクニックを楽しんでください」
私はネムさんの手をとる。
「行きましょネムさん」
「まずは食品工房を案内してあげるよネムさん」
私達は歩きだす。
「途中でネムさんの姿が変わっても、最後まで面倒を見てくださいねー」
「マドラさん……」
「そんなの当然だよ」
私達はネムさんと共に行く。
もはや時間の問題であると自覚しながら。
※食品工房※
「木材で出来た建物ですね」
「この牧場で採れる食料や精液をこの工房で加工するの」
「もし旅に出るなら保存食を確保するのに丁度いいと思うよ?無論、見学だけでも大歓迎さ」
「見学します。何だかとてもいい香りがするので」
※見学※
「いらっしゃい、ムッギちゃんにワーラくん」
材料を運ぶスタッフの一人が元気よく挨拶をする。
「ソーセージや干物がどんどん生産されてゆく」
「ここのフルーツサラダも絶品なんだ」
「ワーラ、よだれ出てるわよ」
「この白い食べ物は何ですか?」
「精補給食品だよ」
ネムさんに質問に工房のスタッフが答える。
「未婚の魔物娘が口にする精補給剤のような物ですか?」
「その精補給剤を食べやすいように加工した食品だよ。今作っているのは新商品のチーズさ」
「チーズの匂いがしますね……美味しそう」
「だろ?ただ、厳しい審査を通過する必要があるのさ」
「審査?」
「あれだよ」
zzz…
zzz…
zzz…
zzz…
zzz…
zzz…
「六匹のドーマウスが寝てますね」
「彼女達は審査員だよ。食用に適しているかを実際に食べて審査するんだ」
「はい、あーん」
モグモグ
眠り鼠達が、その名に恥じない微睡みでチーズを咀嚼する。
「精が広がる〜」
「お腹いっぱ〜い」
「衝撃の白さ〜」
半数のドーマウスが嬉しそうに身体を揺らしている。
「よし、未婚組はクリア。後は夫持ちが美味いと言えば……」
「夫持ち?」
「夫の精の味を知ったドーマウスよ」
「夫……確かに言われてみればそんな感じがしますね」
「判るの?ネムさん」
「はい、何となくですが」
「……不味い」
「にがーい」
「うえ〜」
残りの三匹が吐き気がするような顔をした。
「ねぇー口直しー」
ドーマウスの一匹がチーズを咀嚼させた男性におねだりする。
「待っててね」
すると男性は嬉しそうにズボンを下着ごと下ろし、赤黒いソレを妻の口元へ差し出す。
妻は小さな口を大きく開けてーー
「んーおいしー」チュパチュパ
「で、出るっ」
「んー♪んー♪」ジュル、ジュルルル
「夫の精を口にしたドーマウスが美味しそうにたべてる。精って本当に魔物娘にとってのご馳走なのね」
「当然よ、ワーラの精は卵の次に美味しいのよ」
「今回も失敗か……」
「渾身の出来だと思ったのに」
「スタッフさん、可哀想ですね」
「因みにボツになった食品は作り主が責任を持って食べたり、精補給が必要な魔物娘に無料で配布するんだってさ」
「へぇー私も欲しいな〜」
「じゃあ頼んでみるよ」
「いいのですか?」
「うん……いずれネムさんには必要になる食糧だからね」
※草原※
「改めて見ても爽やかな光景ですね、緑のカーペットが美しい」
「触手だけどね」
「それさえ目を瞑れば閑かな場所ですよ。それに床の触手がふかふかして心地よいし、夫婦達が横になって交わる気持ちもわかりま……ふわぁ〜」
「欠伸ですか?」
「はい、何だか頭がポカポカしてきました〜」
すると草原の触手が収束して、ネムさんが横になれる位の段差となる。
「触手の寝床ですね、有難う触手さん〜」
ネムさんは鎧を脱ぎ捨て、質素な支給服の姿になると何の抵抗もなく、蠢く緑の寝床に体を預けた。
「あぁっ、触手さんが肩や背中を優しく刺激してる、コリが解れてゆく〜」
「ネムさん、ネムさん」
「ワーラ」
「ムッギ……」
「もう充分よ、人間の時間はここまで」
「アアンそこ気持ちいい〜イクッ!イクッ!イクウッ!」
絶頂にも関わらず触手はネムさんの股間を擦り続け、ズボンの染みを作る
私はネムさんの魔物化を防げなかった事を悔やんだりはしない
魔物化による解放感を、私は知っているから。
※
「ふわぁ〜」
触手のマッサージが終わり、ネムさんが眠りから覚める。
「よく眠れた?ネムさん」
「あ〜ムッギちゃん〜ワーラくん〜おかげ様でよく眠れて身体がすっきりしてるの〜」
「それもそうよ、ネムさん、魔物化したのだから」
「あ〜そうなんだ〜魔物か〜」
ネムさんは腕に茶色の毛,お尻に細長い尻尾,そして頭に丸い耳があることを確認し
「ドーマウスだ〜」
背伸びをしつつ
「ん〜魔物化ってほわほわして気持ちいい〜」
何の疑問もなく、自分の姿と状況を受け入れた。
「身体に溜まったモヤモヤと心が融和して甘い蜜になった気がする〜ねぇ〜二人共〜」
「はい」
「うん」
「近くのお茶会に連れてって〜この幸せをみんなに分けてあげたい〜」
「勿論ネムさんを連れて」
「里へ連れていきます」
私はネムさんとはぐれないよう手を繋ぎ、タマゴの里へ帰る。
「それじゃ〜お茶会へ行こう〜」
主を縛っていた鎧がそよ風を浴び、金属面は牧場の太陽光を反射していた。
※続く※
14/05/01 21:32更新 / ドリルモール
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