新婚夫妻とお揃いの燕尾服
Μタマゴの里・お茶会Μ
Μ初太視点Μ
本日のお茶会は雨天決行。
「あはぁ、今日もいい天気だね」
ピンク色の雨が俺とマドラを身体を濡らす。
「ぼくらの門出を祝福する最高の天気雨だ」
マドラの燕尾服がびしょ濡れになり、水気を吸い取った布が肌にへばりつき、大きな胸の膨らみとしなやかな腰が形成される。
「ほら、身体中がこんなにびっしょり」
その姿は、魔物娘図鑑で読んだぬれおなごを連想させる。
「ふふっ、下半身もびっしょりだよ」
対して、下半身は布が貼りついていない。
「初太の汗と精液でね」
そもそも着用しておらず、細く柔らかい太股が俺の足に絡み付いていた。
「ねえ、もっと絡み付いていい?」
絡み付くのは太股だけではない
「あっ、初太の熱さが、ぼくの身体を暖めてくれる」
産毛すら無い肌に潜む溝
「媚薬の雨にも負けないくらいの温かさだ」
名は膣
「もっと動いて」
その膣で俺の股間の証
「初太の証でぼくの証を、摩擦熱で暖めて」
陰茎というキノコを絡み付けていた。
「ああっ……熱くて、暖かい……」
俺はマドラの望み通り、自身のキノコでマドラの膣に摩擦を加える。
「ねえ、初太も感じてる?ぼくの情熱」
「ああ、感じるよ。マドラの膣から発せられる情熱を」
マドラの温かさに、俺は声を出す。
「嬉しい、初太がそう言ってくれて」
「ちょ、マドラ、腕を背中に回すな。胸が、胸が」
「ぼくのおっぱい柔らかいでしょ」
「俺もマドラも、服がびしょ濡れなんだぞ、気持ち悪くないのか?」
「全然、ましてや初太の胸板が堅くて、固くて、硬くて、心地よいんだ」
「俺も、マドラの胸が、柔らかい胸が当たって」
「あはっ、初太のキノコが猛ってるぅ。タケリダケみたーい」
「はぁはぁ、そろそろタケリダケがネバリタケになりそうだ」
「いいよ、初太が望むなら今すぐネバリタケに変えて上げる」
「うわあっ」
急速な快感に俺は喘ぐ。
マドラの腰が激しく動き出したからだ。
その不意討ちに俺はあっけなく果てる。
「粘り気が、タケリダケから粘り気がっ」
「極上のネバリタケだぁ、嬉しい……雨が止んだ」
「はぁはぁっ、大分落ち着いてきた」
「終わったようだね」
誰かの声がした。
「マドラ嬉しそうだね、そんなに旦那様の精液は美味なんだ」
それはマドラとは違う声。
顔を上げると、キノコの傘をさしたマッドハッターがいた。
黒主体の燕尾服に、白柄模様。
一番の特徴は帽子。
マドラが被るシルクハットとは違う。
教科書の挿絵で見た皇帝が被っている帽子(キノコ付き)に似ていた。
「キミがボクに見惚れるなんて、ボクの美男子ぶりに惚れた?」
美男子
言葉通り中性的な顔立ちのマッドハッター。
もし、俺がマッドハッターの情報を知らなければ、十中八九『彼』と間違えたのかもしれない。
マドラが男装した麗人ならば、
彼女は性別詐称の麗人と言ギュツ
「イテテ!」
俺の頬に痛みが走った。
顔の位置を戻すと、マドラが俺の頬をつねっていた。
「どうひたの?とつぜんすねって」
「初太ひどーい。わたしがいながらコルヌに見惚れるなんて」
マドラの口調が変わった。自宅で俺と会話する時の、彼女本来の口調に。
先程までの凛々しさはどこへやら、
頬を膨らませたマドラは、静かな狂人の欠片も無かった。
Μお茶会終了Μ
「マドラ、落ち着いた?」
「大丈夫だよコルヌ。大分落ち着いたよ」
一方俺は頬の痛みの余韻に浸っていた。
マドラも嫉妬するんだな。
満知子に頬をつねられる平也の気持ちがわかった気がする。
「ほら、キミも謝りなよ」
コルヌが俺に謝罪の催促をする。
「悪かった、マドラ」
「初太、ぼくはもう気にしてないよ、ぼく達は新婚さんだから、あの夫婦達のようにはいかないよ」
マドラがお茶会のメンバーの方を向く。
「うわっ、お茶会が終わったのにまだ交わってる」
帽子屋達は腰を振っては快楽に浸り、嬉しそうに頭からキノコを生やす。
「マドラ、ズボンだよ」
「ありがとうコルヌ」
マドラはコルヌからズボンを受け取り履く。ズボンも濡れており、お尻の形がはっきりと分かる。
可愛いお尻。
上半身の美乳と相まって水もしたたるいいぬれおなご。
ヤバイ、ドキドキしてきた。
「マドラ、早く家に帰って着替えよう。風邪引くぞ」
「うん、初太がそういうなら別にいいけどーー」
「初太は替えの服持ってる?」
…
……
………あ
「服はこれ一着しか無い」
「……そうだよね。初太はずっとそれ一着しか着てないよね」
「それならボクが洋服店に連れてってあげるよ」
と、コルヌ。
「洋服屋さんか、案内してくれコルヌ」
「構わないよ、キミ達二人は既に夫婦なんだから、そろそろお揃いの服が必要だろ?」
コルヌはマドラに一瞥。
マドラは赤面し、
「まさか……あれをヤるの?」
「それは、彼の承諾次第かな?」
コルヌは俺にウインク。
俺は首を傾げた。
Μサンドラ洋服店Μ
「失礼します」
ドアベルがチリンと鳴る。
「ほぉー、店内は帽子と燕尾服だらけだ」
「燕尾服は色や刺繍に若干の違いがあるけど、着れば性別の垣根を越えるよ」
「垣根を越えるね……ホント、帽子屋は全員男装に抵抗は無しかよ」
「ボク達帽子屋はそれが普通なのさ、その代わりここの帽子屋は、帽子にこだわる」
コルヌは帽子棚を見たので、俺も見る。
「帽子の形が、全部違う」
マドラとコルヌの帽子も違いがあったが、それとは比べものにならない程、違いが明確だった。
麦わら帽子
カウボーイハット
ベレー帽
コック帽
サンバイザー
ナースキャップ
三度笠
饅頭笠
鎧兜
ヘルメット
シャンプーハット
王冠
その全てがキノコを模していた。
「被り物なら何でもありかよ……どうした?マドラ、下向いて」
「初めてこの店に来たときの事を思い出して……」
「何かあったのか?」
「……ぼくがまだ人間だった頃ーー」
「いらっしゃい、コルヌちゃん」
店の奥から、物凄く背が高い三度笠を被った……女性が出てきた。
「ここの店長のサンドラさんだよ」
コルヌが紹介する。
「サンドラさんお久しぶりです……」
「おや、マドラちゃんも来てたのかい、魔物化には慣れた?」
「……天気の話をするように淫猥な会話が出来るようになりました」
「そうか、それは良かった。早速試着してみる?」
「いえ、旦那様とお揃いの服が欲しいです」
「あら、着せ替え用の服を用意したのよ。旦那様の前でファッションショーしないの?」
マドラ赤面
「結構です。仕立て部屋に案内して」
マドラが頭を下げる。
「冗談よ、着せ替えはコルヌちゃんに頼むわ」
「え!?まぁいいけど……」
コルヌがしぶしぶ返事する。
「コルヌ、ごめん」
マドラ赤面中のまま謝る。
サイズを計られるのがそんなに恥ずかしいのか?
「俺は店内を見回ってます」
「旦那君も一緒に部屋に入るのよ?」
「俺もですか?」
「当然よ、だってお揃いの服を作るにはーー」
「夫婦揃ってセックスする必要があるのよ」
Μ仕立て部屋Μ
「ダブルベッド?」
案内された部屋には二人分のベッドが一つ。
決してベッド二人分ではない。
このベッドで俺とマドラが交わるのか……。
別に構わないんだが、しかし何でもかんでもセックスで成立するのかよ。
「初太……」
早速マドラが燕尾服とワイシャツのボタンを外していた。
ボタンを外し終えると、白い胸の谷間が見える。
いや、何かおかしい……そうか、
ブラジャーのつなぎ目が見えないのか。
つまりノーブラだ。
…
……
………!
「ノーブラだったのかよ!って、何ズボンまで脱ぐの!ノーパンだろ!」
今までは上着だけの着衣セックスだったから気付かなかったぞ、ということは、ノーブラノーパンのまま俺の傍にいて……。
ヤバイ、考えただけで、心臓がバクバク言ってる。
落ち着いて落ち着いて……
すー
はー
よし落ち着いた。
「初太」
「どうした?マドラ」
「初太も、服を脱いで」
「そうか、わかった」
「って、ええ!」
「服を作るためには互いに裸になってセックスしなきゃいけないんだ」
「何で裸!?」
「裸にならないと服が出来ないし、何よりーーわたし達は夫婦ですよ。夫婦だからお揃いの服と帽子が欲しいのです」
「でも、全裸になるんだぞ、今までの着衣セックスとは違うから……何か恥ずかしい」
「恥ずかしいのは私も同じです」
「……マドラ」
「ですが、交わることで、初太とお揃いの服が出来るのなら、恥ずかしくはありません。だから……」
マドラが俺に抱きつく。
沈静したはずの心臓の鼓動が早くなる。
いや、早いのは俺だけではない。
ワイシャツ一枚だからこそ、正確に読み取れる。
マドラの鼓動
それを聴いた俺はーー
ΜダブルベッドΜ
上着
ベルト
ズボン
シャツ
トランクス
そして、ワイシャツ
脱ぎ捨てられた服が一枚一枚、道しるべとなる。
目的地には
初めて互いの全裸を見る新婚夫婦がベッドの上で抱き合い、キスを交わしていた。
「マドラ、そろそろ挿入れるぞ」
「はい……あっ待ってください」
「どうした?」
「帽子脱ぐの忘れてました」
「帽子まで脱いだら帽子屋じゃなくて、普通の令嬢だぞ」
「初太さん、御託はいいですから」
「……そうだな、いくぞ」
「はい」
「……入ったぞ」
「はっ、初太のキノコがわたしの膣を刺激してますぅ」
「はあっはあっ、いつも以上に締まりがきついな、ちょっと手を前に」
「初太の手が、わたしのマッシュルームの上に乗っかかってぇ」
「マドラの胸って生で触ると結構柔らかいな」
「あっあっ、乳首も刺激しないで、ください」
「柔らかい、きつくて気持ちいいっ!出るっ」
「精液が、温かい精液がわたしの子宮に掛かってます、紅茶よりも甘くて潤いますぅ……うっ、あっ、頭が」
「マドラ?」
艶やかな喘ぎ声
「頭が、頭の中が、気持ちいいっ!」
マドラの頭からキノコが生えてきて、みるみる大きくなり、帽子の形となる。
「あはぁ、新しい帽子」
ベッドの周りに胞子が撒き散らされる。
「帽子を産み出すのが……こんなに気持ちいいなんて」
マドラが妖艶の表情で、帽子を俺に被せる。
「最初に初太の精を得て産み出した帽子、初太にア・ゲ・ル」
「ああ、ありがとう」
「初太、帽子を産み出したいの。だ・か・ら、もっと精液頂戴」
「そうだな、マドラがそう言うなら」
俺はマドラの喜ぶ顔を見るために精を注ぐ。
キノコを産み出しては外し、また精を注ぐの繰り返しーー
Μ翌朝Μ
…
……
………ん
「朝か……起きるか」
起きようとするが、何故か動けない。
何故なら
「き、菌糸が俺やマドラの身体を包んでる!」
「う、うん、初太どうしたの?」
「どうした?じゃねぇ、これを見ろよ!」
「……糸がぼく達の身体を包んでる」
「そうだよ、朝起きたら首から下まで糸に包まれて」
「……出来たようだね」
「出来た?」
「ほら、よく見てよ」
マドラが菌糸を剥離する。
菌糸の中は裸……ではなく、燕尾服だった。
「あれ?俺達いつの間にか服を着てる?しかも、お揃いの服を?」
「そうだよ、これがサンドラ店長の魔術さ」
「何で魔術でサイズぴったりの服が作れる?」
「それが不思議の国クオリティだよ」
「いやいや……マドラ?」
「すーはー、すーはー」
マドラが自分の服を捲り上げ、匂いを嗅いでいる。
「んー♪初太の精の匂いがする。初太に抱き締められてるみたーい」
「そういえば、俺の服にも匂いがする……何だかずっと嗅いでいたいような、そんな匂い」
「それはぼくの魔力の匂いだよ」
「成る程……道理でいい匂いの筈だ」
「ねぇ、初太」
甘い匂いに浸っていると、マドラが裾を引っ張る。
「夫婦お揃いの服を手に入れた記念として、シよ?」
「ああ、記念だしな」
俺達はいつも通り着衣セックスを始めた。
▲その頃▲
「コルヌちゃん、次はこの女王様ドレスを着てよ」
(二人とも遅いな……ボク疲れてきたよ)
サンドラ店長による着せ替えはまだまだ続く。
Μ続くΜ
Μ初太視点Μ
本日のお茶会は雨天決行。
「あはぁ、今日もいい天気だね」
ピンク色の雨が俺とマドラを身体を濡らす。
「ぼくらの門出を祝福する最高の天気雨だ」
マドラの燕尾服がびしょ濡れになり、水気を吸い取った布が肌にへばりつき、大きな胸の膨らみとしなやかな腰が形成される。
「ほら、身体中がこんなにびっしょり」
その姿は、魔物娘図鑑で読んだぬれおなごを連想させる。
「ふふっ、下半身もびっしょりだよ」
対して、下半身は布が貼りついていない。
「初太の汗と精液でね」
そもそも着用しておらず、細く柔らかい太股が俺の足に絡み付いていた。
「ねえ、もっと絡み付いていい?」
絡み付くのは太股だけではない
「あっ、初太の熱さが、ぼくの身体を暖めてくれる」
産毛すら無い肌に潜む溝
「媚薬の雨にも負けないくらいの温かさだ」
名は膣
「もっと動いて」
その膣で俺の股間の証
「初太の証でぼくの証を、摩擦熱で暖めて」
陰茎というキノコを絡み付けていた。
「ああっ……熱くて、暖かい……」
俺はマドラの望み通り、自身のキノコでマドラの膣に摩擦を加える。
「ねえ、初太も感じてる?ぼくの情熱」
「ああ、感じるよ。マドラの膣から発せられる情熱を」
マドラの温かさに、俺は声を出す。
「嬉しい、初太がそう言ってくれて」
「ちょ、マドラ、腕を背中に回すな。胸が、胸が」
「ぼくのおっぱい柔らかいでしょ」
「俺もマドラも、服がびしょ濡れなんだぞ、気持ち悪くないのか?」
「全然、ましてや初太の胸板が堅くて、固くて、硬くて、心地よいんだ」
「俺も、マドラの胸が、柔らかい胸が当たって」
「あはっ、初太のキノコが猛ってるぅ。タケリダケみたーい」
「はぁはぁ、そろそろタケリダケがネバリタケになりそうだ」
「いいよ、初太が望むなら今すぐネバリタケに変えて上げる」
「うわあっ」
急速な快感に俺は喘ぐ。
マドラの腰が激しく動き出したからだ。
その不意討ちに俺はあっけなく果てる。
「粘り気が、タケリダケから粘り気がっ」
「極上のネバリタケだぁ、嬉しい……雨が止んだ」
「はぁはぁっ、大分落ち着いてきた」
「終わったようだね」
誰かの声がした。
「マドラ嬉しそうだね、そんなに旦那様の精液は美味なんだ」
それはマドラとは違う声。
顔を上げると、キノコの傘をさしたマッドハッターがいた。
黒主体の燕尾服に、白柄模様。
一番の特徴は帽子。
マドラが被るシルクハットとは違う。
教科書の挿絵で見た皇帝が被っている帽子(キノコ付き)に似ていた。
「キミがボクに見惚れるなんて、ボクの美男子ぶりに惚れた?」
美男子
言葉通り中性的な顔立ちのマッドハッター。
もし、俺がマッドハッターの情報を知らなければ、十中八九『彼』と間違えたのかもしれない。
マドラが男装した麗人ならば、
彼女は性別詐称の麗人と言ギュツ
「イテテ!」
俺の頬に痛みが走った。
顔の位置を戻すと、マドラが俺の頬をつねっていた。
「どうひたの?とつぜんすねって」
「初太ひどーい。わたしがいながらコルヌに見惚れるなんて」
マドラの口調が変わった。自宅で俺と会話する時の、彼女本来の口調に。
先程までの凛々しさはどこへやら、
頬を膨らませたマドラは、静かな狂人の欠片も無かった。
Μお茶会終了Μ
「マドラ、落ち着いた?」
「大丈夫だよコルヌ。大分落ち着いたよ」
一方俺は頬の痛みの余韻に浸っていた。
マドラも嫉妬するんだな。
満知子に頬をつねられる平也の気持ちがわかった気がする。
「ほら、キミも謝りなよ」
コルヌが俺に謝罪の催促をする。
「悪かった、マドラ」
「初太、ぼくはもう気にしてないよ、ぼく達は新婚さんだから、あの夫婦達のようにはいかないよ」
マドラがお茶会のメンバーの方を向く。
「うわっ、お茶会が終わったのにまだ交わってる」
帽子屋達は腰を振っては快楽に浸り、嬉しそうに頭からキノコを生やす。
「マドラ、ズボンだよ」
「ありがとうコルヌ」
マドラはコルヌからズボンを受け取り履く。ズボンも濡れており、お尻の形がはっきりと分かる。
可愛いお尻。
上半身の美乳と相まって水もしたたるいいぬれおなご。
ヤバイ、ドキドキしてきた。
「マドラ、早く家に帰って着替えよう。風邪引くぞ」
「うん、初太がそういうなら別にいいけどーー」
「初太は替えの服持ってる?」
…
……
………あ
「服はこれ一着しか無い」
「……そうだよね。初太はずっとそれ一着しか着てないよね」
「それならボクが洋服店に連れてってあげるよ」
と、コルヌ。
「洋服屋さんか、案内してくれコルヌ」
「構わないよ、キミ達二人は既に夫婦なんだから、そろそろお揃いの服が必要だろ?」
コルヌはマドラに一瞥。
マドラは赤面し、
「まさか……あれをヤるの?」
「それは、彼の承諾次第かな?」
コルヌは俺にウインク。
俺は首を傾げた。
Μサンドラ洋服店Μ
「失礼します」
ドアベルがチリンと鳴る。
「ほぉー、店内は帽子と燕尾服だらけだ」
「燕尾服は色や刺繍に若干の違いがあるけど、着れば性別の垣根を越えるよ」
「垣根を越えるね……ホント、帽子屋は全員男装に抵抗は無しかよ」
「ボク達帽子屋はそれが普通なのさ、その代わりここの帽子屋は、帽子にこだわる」
コルヌは帽子棚を見たので、俺も見る。
「帽子の形が、全部違う」
マドラとコルヌの帽子も違いがあったが、それとは比べものにならない程、違いが明確だった。
麦わら帽子
カウボーイハット
ベレー帽
コック帽
サンバイザー
ナースキャップ
三度笠
饅頭笠
鎧兜
ヘルメット
シャンプーハット
王冠
その全てがキノコを模していた。
「被り物なら何でもありかよ……どうした?マドラ、下向いて」
「初めてこの店に来たときの事を思い出して……」
「何かあったのか?」
「……ぼくがまだ人間だった頃ーー」
「いらっしゃい、コルヌちゃん」
店の奥から、物凄く背が高い三度笠を被った……女性が出てきた。
「ここの店長のサンドラさんだよ」
コルヌが紹介する。
「サンドラさんお久しぶりです……」
「おや、マドラちゃんも来てたのかい、魔物化には慣れた?」
「……天気の話をするように淫猥な会話が出来るようになりました」
「そうか、それは良かった。早速試着してみる?」
「いえ、旦那様とお揃いの服が欲しいです」
「あら、着せ替え用の服を用意したのよ。旦那様の前でファッションショーしないの?」
マドラ赤面
「結構です。仕立て部屋に案内して」
マドラが頭を下げる。
「冗談よ、着せ替えはコルヌちゃんに頼むわ」
「え!?まぁいいけど……」
コルヌがしぶしぶ返事する。
「コルヌ、ごめん」
マドラ赤面中のまま謝る。
サイズを計られるのがそんなに恥ずかしいのか?
「俺は店内を見回ってます」
「旦那君も一緒に部屋に入るのよ?」
「俺もですか?」
「当然よ、だってお揃いの服を作るにはーー」
「夫婦揃ってセックスする必要があるのよ」
Μ仕立て部屋Μ
「ダブルベッド?」
案内された部屋には二人分のベッドが一つ。
決してベッド二人分ではない。
このベッドで俺とマドラが交わるのか……。
別に構わないんだが、しかし何でもかんでもセックスで成立するのかよ。
「初太……」
早速マドラが燕尾服とワイシャツのボタンを外していた。
ボタンを外し終えると、白い胸の谷間が見える。
いや、何かおかしい……そうか、
ブラジャーのつなぎ目が見えないのか。
つまりノーブラだ。
…
……
………!
「ノーブラだったのかよ!って、何ズボンまで脱ぐの!ノーパンだろ!」
今までは上着だけの着衣セックスだったから気付かなかったぞ、ということは、ノーブラノーパンのまま俺の傍にいて……。
ヤバイ、考えただけで、心臓がバクバク言ってる。
落ち着いて落ち着いて……
すー
はー
よし落ち着いた。
「初太」
「どうした?マドラ」
「初太も、服を脱いで」
「そうか、わかった」
「って、ええ!」
「服を作るためには互いに裸になってセックスしなきゃいけないんだ」
「何で裸!?」
「裸にならないと服が出来ないし、何よりーーわたし達は夫婦ですよ。夫婦だからお揃いの服と帽子が欲しいのです」
「でも、全裸になるんだぞ、今までの着衣セックスとは違うから……何か恥ずかしい」
「恥ずかしいのは私も同じです」
「……マドラ」
「ですが、交わることで、初太とお揃いの服が出来るのなら、恥ずかしくはありません。だから……」
マドラが俺に抱きつく。
沈静したはずの心臓の鼓動が早くなる。
いや、早いのは俺だけではない。
ワイシャツ一枚だからこそ、正確に読み取れる。
マドラの鼓動
それを聴いた俺はーー
ΜダブルベッドΜ
上着
ベルト
ズボン
シャツ
トランクス
そして、ワイシャツ
脱ぎ捨てられた服が一枚一枚、道しるべとなる。
目的地には
初めて互いの全裸を見る新婚夫婦がベッドの上で抱き合い、キスを交わしていた。
「マドラ、そろそろ挿入れるぞ」
「はい……あっ待ってください」
「どうした?」
「帽子脱ぐの忘れてました」
「帽子まで脱いだら帽子屋じゃなくて、普通の令嬢だぞ」
「初太さん、御託はいいですから」
「……そうだな、いくぞ」
「はい」
「……入ったぞ」
「はっ、初太のキノコがわたしの膣を刺激してますぅ」
「はあっはあっ、いつも以上に締まりがきついな、ちょっと手を前に」
「初太の手が、わたしのマッシュルームの上に乗っかかってぇ」
「マドラの胸って生で触ると結構柔らかいな」
「あっあっ、乳首も刺激しないで、ください」
「柔らかい、きつくて気持ちいいっ!出るっ」
「精液が、温かい精液がわたしの子宮に掛かってます、紅茶よりも甘くて潤いますぅ……うっ、あっ、頭が」
「マドラ?」
艶やかな喘ぎ声
「頭が、頭の中が、気持ちいいっ!」
マドラの頭からキノコが生えてきて、みるみる大きくなり、帽子の形となる。
「あはぁ、新しい帽子」
ベッドの周りに胞子が撒き散らされる。
「帽子を産み出すのが……こんなに気持ちいいなんて」
マドラが妖艶の表情で、帽子を俺に被せる。
「最初に初太の精を得て産み出した帽子、初太にア・ゲ・ル」
「ああ、ありがとう」
「初太、帽子を産み出したいの。だ・か・ら、もっと精液頂戴」
「そうだな、マドラがそう言うなら」
俺はマドラの喜ぶ顔を見るために精を注ぐ。
キノコを産み出しては外し、また精を注ぐの繰り返しーー
Μ翌朝Μ
…
……
………ん
「朝か……起きるか」
起きようとするが、何故か動けない。
何故なら
「き、菌糸が俺やマドラの身体を包んでる!」
「う、うん、初太どうしたの?」
「どうした?じゃねぇ、これを見ろよ!」
「……糸がぼく達の身体を包んでる」
「そうだよ、朝起きたら首から下まで糸に包まれて」
「……出来たようだね」
「出来た?」
「ほら、よく見てよ」
マドラが菌糸を剥離する。
菌糸の中は裸……ではなく、燕尾服だった。
「あれ?俺達いつの間にか服を着てる?しかも、お揃いの服を?」
「そうだよ、これがサンドラ店長の魔術さ」
「何で魔術でサイズぴったりの服が作れる?」
「それが不思議の国クオリティだよ」
「いやいや……マドラ?」
「すーはー、すーはー」
マドラが自分の服を捲り上げ、匂いを嗅いでいる。
「んー♪初太の精の匂いがする。初太に抱き締められてるみたーい」
「そういえば、俺の服にも匂いがする……何だかずっと嗅いでいたいような、そんな匂い」
「それはぼくの魔力の匂いだよ」
「成る程……道理でいい匂いの筈だ」
「ねぇ、初太」
甘い匂いに浸っていると、マドラが裾を引っ張る。
「夫婦お揃いの服を手に入れた記念として、シよ?」
「ああ、記念だしな」
俺達はいつも通り着衣セックスを始めた。
▲その頃▲
「コルヌちゃん、次はこの女王様ドレスを着てよ」
(二人とも遅いな……ボク疲れてきたよ)
サンドラ店長による着せ替えはまだまだ続く。
Μ続くΜ
14/01/25 22:27更新 / ドリルモール
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