とある都市伝説のはなし
都市伝説というのは、どこにでもあるものである。
そうたとえば、次元レベルでの違う世界にも・・・。
夜もふけ、昼に活動する者達はほぼ眠りについているであろうその時間。日付はとうに変わり、それから1刻が過ぎようとしていた。
ここはとある町の宿屋。
その宿屋の1階にある洗面所で、ごそごそとなにやら作業をする影がある。
その影の正体は、リザードマンの少女だった。
彼女は旅の道中、ある奇妙な噂を聞き、その真偽を確かめるために聞いた噂を実行しようとしていたのだ。
彼女の聞いた噂。それは、真夜中に口に剃刀を咥えて、水を満たした洗面器を見つづけると、将来結婚する相手が見えるというものだった。
「んっふっふっふ。これで私も人妻よ〜♪」
別に、洗面器に相手の顔が映ったところで、すぐに結婚できる分けではないのだが、彼女はそこまで頭がまわらなかった。
「んと、あとは剃刀を加えて洗面器を覗き込み続けるっと・・・。」
そう言って、彼女は剃刀を探し始める。
ごそごそ
「あれ?おっかしいな〜」
ごそごそ
「どこいったかな〜?」
ごそごそ・・・ごそごそ・・・
ピタ
「あ〜〜。そういえば、この前鎧着たまま使って、歯が鎧で欠けちゃって捨てたんだったな・・・。どうしよう・・・、手持ちに剃刀が無いよ〜〜〜。」
だが、それで諦める彼女ではなかった。
「何かで代用できないかな・・・。っと、これでいいか。」
そう言って、彼女は愛用の”グレートソード”を口に持っていく。
「パクッとな」
(ぐ・・・、思っていたより、これは首にくる・・・。)
そう思いつつも、そのまま洗面器を覗き続ける。
(きっつ〜〜〜〜)
さらに時間は経過していく・・・。
(うぐぐぐぐぐぐ・・・・)
そうやってグレートソードを咥えながら、洗面器を除き続けていたが。
(もう・・・、だめ・・・・。)
だが、彼女を限界を悟ったかのように、洗面器の水面にぼんやりと人の顔らしきものが映りはじめる。
(ん?)
その人物はどこなく知っているような。
「あ!」
思わず声あげたことによって、彼女は口に咥えていたグレートソードを放してしまう。当然、グレートソードは口から離れ、真下の洗面器にむかって落下していく。
その様子を、彼女は動体視力で追いながら、今までの人生で中でかつてないほどの速さで思考を巡らせていく。
(あ、そういえば、この洗面器に映った顔に刃物が落下すると、水面に血がにじみ出て、その人の顔にも傷ができちゃうんだっけ?)
・・・ここまで0.03秒。
(いけない、このままだと将来の旦那様の顔に傷が〜〜〜〜〜。)
・・・ここまで0.04秒。
(っていうか、剃刀どころかグレートソードだけに洗面器ごとぶった斬って、私のせいで将来の旦那様になるはずの人が、首チョンパ!)
・・・ここまで0.08秒
(ここは我が反射神経を見よ!)
・・・ここまで0.09秒。そして、彼女は落下する剣を受け止めるべく、剣の下に手をやって・・・。
ザク
「いった〜〜〜〜〜〜〜い」
刃を受けた手のひらは、切断までとはいかないが、当然のごとく手に傷を負う。
「手が〜〜〜、手が〜〜〜、ああ〜〜〜。(某ム○カ風)」
「うるさいぞ!何時だと思ってるんだ!」
その他の客にどなられ。
「すいません、すいません、すいません。」
とにかく平謝りつづける彼女だった。
それから数日後
「ついに見つけたぞ」
ついに、彼女は洗面器に映った男を見つけたのだ。
なんの事はない、洗面器に映った顔はよくよく思い返してみれば、よく見知った顔だったのだ。
「ひさしぶりだな・・・、ってなんか今日は妙に殺気立ってない?」
「っふっふっふ、貴様と私がこうなると分かっていれば、さっさと戦っていたものを。」
「???」
「これも運命か、はたまた宿命か、こうなることは必然だったのだ。」
「???」
「もはや、我等の戦いを止めることは神ですらできぬ。」
「え〜〜〜〜っと?どゆこと?」
「いざ、覚悟!」
「人の話を聞け〜〜〜。」
っと、ツッコミの勢いでボコボコにされる彼女。
こうして、彼女は無事(?)旦那様をゲットしたのでした。
どうでもいい、後日談。
「そういえば、おまえと戦ったとき手に怪我をしていたうえ、首の調子が悪くて全力じゃなかったようだが、どうしたんだ?」
その台詞を聞き、彼女はガバっと振り返りながこう言う。
「あんたのせいじゃ〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!」
「えええ〜〜〜〜〜〜!!!」
そうたとえば、次元レベルでの違う世界にも・・・。
夜もふけ、昼に活動する者達はほぼ眠りについているであろうその時間。日付はとうに変わり、それから1刻が過ぎようとしていた。
ここはとある町の宿屋。
その宿屋の1階にある洗面所で、ごそごそとなにやら作業をする影がある。
その影の正体は、リザードマンの少女だった。
彼女は旅の道中、ある奇妙な噂を聞き、その真偽を確かめるために聞いた噂を実行しようとしていたのだ。
彼女の聞いた噂。それは、真夜中に口に剃刀を咥えて、水を満たした洗面器を見つづけると、将来結婚する相手が見えるというものだった。
「んっふっふっふ。これで私も人妻よ〜♪」
別に、洗面器に相手の顔が映ったところで、すぐに結婚できる分けではないのだが、彼女はそこまで頭がまわらなかった。
「んと、あとは剃刀を加えて洗面器を覗き込み続けるっと・・・。」
そう言って、彼女は剃刀を探し始める。
ごそごそ
「あれ?おっかしいな〜」
ごそごそ
「どこいったかな〜?」
ごそごそ・・・ごそごそ・・・
ピタ
「あ〜〜。そういえば、この前鎧着たまま使って、歯が鎧で欠けちゃって捨てたんだったな・・・。どうしよう・・・、手持ちに剃刀が無いよ〜〜〜。」
だが、それで諦める彼女ではなかった。
「何かで代用できないかな・・・。っと、これでいいか。」
そう言って、彼女は愛用の”グレートソード”を口に持っていく。
「パクッとな」
(ぐ・・・、思っていたより、これは首にくる・・・。)
そう思いつつも、そのまま洗面器を覗き続ける。
(きっつ〜〜〜〜)
さらに時間は経過していく・・・。
(うぐぐぐぐぐぐ・・・・)
そうやってグレートソードを咥えながら、洗面器を除き続けていたが。
(もう・・・、だめ・・・・。)
だが、彼女を限界を悟ったかのように、洗面器の水面にぼんやりと人の顔らしきものが映りはじめる。
(ん?)
その人物はどこなく知っているような。
「あ!」
思わず声あげたことによって、彼女は口に咥えていたグレートソードを放してしまう。当然、グレートソードは口から離れ、真下の洗面器にむかって落下していく。
その様子を、彼女は動体視力で追いながら、今までの人生で中でかつてないほどの速さで思考を巡らせていく。
(あ、そういえば、この洗面器に映った顔に刃物が落下すると、水面に血がにじみ出て、その人の顔にも傷ができちゃうんだっけ?)
・・・ここまで0.03秒。
(いけない、このままだと将来の旦那様の顔に傷が〜〜〜〜〜。)
・・・ここまで0.04秒。
(っていうか、剃刀どころかグレートソードだけに洗面器ごとぶった斬って、私のせいで将来の旦那様になるはずの人が、首チョンパ!)
・・・ここまで0.08秒
(ここは我が反射神経を見よ!)
・・・ここまで0.09秒。そして、彼女は落下する剣を受け止めるべく、剣の下に手をやって・・・。
ザク
「いった〜〜〜〜〜〜〜い」
刃を受けた手のひらは、切断までとはいかないが、当然のごとく手に傷を負う。
「手が〜〜〜、手が〜〜〜、ああ〜〜〜。(某ム○カ風)」
「うるさいぞ!何時だと思ってるんだ!」
その他の客にどなられ。
「すいません、すいません、すいません。」
とにかく平謝りつづける彼女だった。
それから数日後
「ついに見つけたぞ」
ついに、彼女は洗面器に映った男を見つけたのだ。
なんの事はない、洗面器に映った顔はよくよく思い返してみれば、よく見知った顔だったのだ。
「ひさしぶりだな・・・、ってなんか今日は妙に殺気立ってない?」
「っふっふっふ、貴様と私がこうなると分かっていれば、さっさと戦っていたものを。」
「???」
「これも運命か、はたまた宿命か、こうなることは必然だったのだ。」
「???」
「もはや、我等の戦いを止めることは神ですらできぬ。」
「え〜〜〜〜っと?どゆこと?」
「いざ、覚悟!」
「人の話を聞け〜〜〜。」
っと、ツッコミの勢いでボコボコにされる彼女。
こうして、彼女は無事(?)旦那様をゲットしたのでした。
どうでもいい、後日談。
「そういえば、おまえと戦ったとき手に怪我をしていたうえ、首の調子が悪くて全力じゃなかったようだが、どうしたんだ?」
その台詞を聞き、彼女はガバっと振り返りながこう言う。
「あんたのせいじゃ〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!」
「えええ〜〜〜〜〜〜!!!」
11/01/12 16:04更新 / KのHF