「ん・・」
目を覚まし半身を起こすと、窓から星が見え初めていることに気付く。
「結構なこと、寝てたのか・・」
次に自分の左腕が包帯で巻かれていることに気付いた。
あの無理な着地と受け身のせいだろう。

「すー・・すー、んっ・・ぅ・・」
「ラーシュ・・？」
ベッドの横を見ると、ラーシュが柵にしがみつきながら眠っていた。
と、そこにザリーが入ってくる。
「ふあぁ・・お、やっとほひた・・ラーシュが一ひょに居るといっれ
ひかなふて・・うぃ・・」
・・酔っ払いながら来るなよ・・。
明らかに呂律の回っていない彼女を見ていると
開きっぱなしの扉からまた一人男が入ってくる。

「ここに居たか。さ、部屋に戻るぞ。」
「ふぇぇ〜ぃ、にゃぁおんびゅしてくれなぃきゃぁ？
　　　　　　　　　（なぁおんぶしてくれないか？）」
何と言ってるのか、何となくわかるが酷い有り様だ。
あれが本国では本当に隊長なのだろうか。

「うっわ、お前酒くっさ！？また自棄酒したのか・・」
「む〜だっへ、おみゃえがあいへしへくえないかりゃ・・
　（む〜だって、おまえが相手してくれないから・・）」
「あ〜分かった分かった、相手するから・・」
男はザリーをおんぶしつつ戸惑っている俺に向き直ると
「あ・・なんだその・・騒がしくて悪かったな・・」
そう言うと部屋を出て行った。
あ、あのお酒置きっぱなしだ・・。

「ん・・んあ・・うるさいぞ・・」
その少し後に、やっとラーシュは目覚めた。
恐らくさっきの騒動で意識が引き上げられたのだろう。
「あ、椿・・その、昼間はすまなかった。
流石に少しは手加減をするべきだったな・・」
「ああ、全くだよ。
ま、本気を見せてもらえたのは認められた気がして嬉しかったけどさ？」
すると彼女は立ちあがり
「あのころとは変わったからな、力や色々な物が・・」
言うと木造りのベッドの上に、
正確には俺の伸ばしている足の上に跨ってきた。
その顔は赤く染まり、体は最小限の範囲しか鱗が覆っていない。

「・・ラーシュ？」
おかしいと思って、彼女に話しかけた。
しかし彼女は無視して話し続ける。
「お前は男になったし、私は女になった。
私の言いたいことが分かるか・・？」
言いながら、体を揺らして顔の方へ寄ってくる。
こちらから見ると胸の谷間やら、上目遣いやらが合わさって
何と言うか・・とても魅力的だ。
「い、いや・・分からない・・」
すると、彼女は落胆の表情を浮かべた。

「・・お前は、全く変わって無いな・・鈍感だ。」
「どういう事だよ？」
今度は拗ねたような顔になって聞いてくる。
「思い出せるか？私がお前と一緒に寝るかどうかのときだ。
お前は勝ったら一緒に寝ると言ったな、あれはどういう意味だった？」
「え・・？いや、一緒に寝たら暖かいし、一人は寂しかったから・・」
とうとう彼女は怒ったような顔になった。
いや、これはもう怒っていると言った方が正しいだろう。
「それだけか？本当にそれだけなのか？・・ならもう良い。
私は・・ドキドキしてたのに・・」
「え・・？おい、ドキドキって・・」
向き直って、真剣な顔で言ってくる。

「・・ああ、ドキドキしてたさ。その・・お前が好きだったからな。」
「好き・・？お前が、俺を？！」
「やっぱり気付いてなかったのか・・お前はどうだったんだ？」
拗ねた表情のまま横を向き聞いてきた。
「それは・・まぁ、好きだったし・・嬉しいと言えば・・」
「む〜、ああもう！いいから、口を貸せ！」
そんな俺の態度に痺れを切らしたのか、ラーシュはいきなり口付けてきた。
舌は入れずに、唇を何度もついばんでくる。

「ん・・！？ん・・ちゅ・・はぁ、いきなり何を・・！？」
「どうだ、これでもさっきの言葉の意味が分からないか？」
「男とか・・女とかの話か？何となくわかるが・・」
「そうか・・何となくしかわからないか・・」
しかし次の瞬間、彼女はにやりと笑って股を開き覗き込むとこう言った。
「お前の体はしっかりと分かっているようだがな・・？」

そこには、むくむくと下着の中で大きくなっている俺のペニスがあった。
「こんなに苦しそうに・・楽にしてやらないとな。」
言うと彼女は後ろに下がって俺のそれに向き直る。
そして下着を剥ぎ取ると、いきなりしゃぶり始めた。

「むぅ、んん・・はむ・・んんっ、お前の・・臭い・・」
「お、おいっ何してるんだ！？くっ・・ぅ・・」
すると尻尾をこちらの右足にまわしつつ
「んむぅ・・はぁっ、何って・・フェラだが？んっ・・」
さも当然のように答えてくる。
「そうじゃなく・・て、っ・・」
「ふふ、こんなに大きくなって・・だが、まだイクなよ・・？」
今度は俺の体をよじ登り口付けようとして来る。

「おい、流石に汚いだろ！？それは・・！」
「むぅ、椿は細かいことを気にするなぁ・・」
それは細かいことではないような気がするのだが・・
考えているとラーシュは尻尾を俺の右足から外して、
その尻尾を器用に使い、置きっぱなしの酒を目の前に持って来て飲んだ。
そしてその容器を遠くに置くと
「さぁ、これで文句は無かろう。酒には消毒効果があるとかいうからな・・」
今度は有無を言わせず口付けてくる。
その舌は、唇を無理やり抉じ開けて入り込むと俺の口を蹂躙し始めた。

「む・・っむ、ちゅ、れあっ・・うんむ・・んっ・・んん・・」
両の翼はこちらの右腕を巻き込み、抱き締めてくる。
「んんっ！？・・んむ・・！・・ん・・ふむぅ・・」
抵抗しようと試みはしたが結局、その舌からの快楽に身を任せることにした。
こうなりたいと願っていなかったわけではないからだ。
そうなってくると、こちらからも何らかの行動をしたかった。
しかし自由な左腕はほとんど動かせず、動かせる右腕は拘束されている。
舌を動かそうにも彼女の舌に弄ばれていた。
だが、足は未だフリーだ、そう思い足を絡めようとする。
ラーシュもそれを感じ取ったらしく彼女からも絡めてきた。
全身で互いを感じながら深いキスを続ける。

しばらくの間、そうやって互いを味わっていたが
「むぅ・・はむっ・・あぅむ・・んはぁっ・・
ふふ、なぁ椿・・もっと気持ち良くなりたくないか・・？」
ゆっくりとラーシュは顔を上げ聞いてくる。
何をしたいかなど、この辺りになってくると俺も分かっていた。
「ああ・・俺もだ・・もっと、気持ち良くなりたい・・」
それを聞き、彼女は満足そうに頷くと
絡めていた足を一旦ほどいて体を持ち上げ股を開いた。
その股の先には、もう待ちきれないとばかりに膨れ上がったペニスがある。

「こんなに大きい・・ふふ・・いただきます・・んっ！」
そこにまっすぐに彼女のヴァギナが喰らいついた。
膣内はギュウギュウと肉を押しつけペニスを奥へ奥へと運ぼうとしている。
「くっ・・！はぁっ・・！凄い、ラーシュっ、これ気持ちいいっ・・！」
「ふ、ふふっ・・あぁっ、私もだっ・・
だが・・まだどんどん気持ち・・良くなるぞ・・！」
今度は少しずつ腰を動かし始めた。
彼女の動きにつられてペニスとヴァギナが擦れ合い高まっていく。
その快楽に気絶しそうになりながらもこちらも合わせて腰を動かす。
「あ・・！お前も、動かして・・ぅうんっ、良いっ、良いぞ、それっ！」
「ぐっ・・あっ・・っ・・！そ・・うか、それは、よかっ・・たっ！」

そうしているうちにも、ペニスは彼女の最奥へと辿り着いた。
「ん・・椿、っそこだ・・！そこが私の、一番・・奥っ・・！
ふふ、それにしてもっ・・遅漏なのか・・我慢したのか・・
よく・・ここまで射精しなかったな・・っだが・・っ！」
彼女が言った瞬間、先程よりももっと強い快感が襲って来る。
ペニスの先はコツコツと子宮に当たり、
それ以外の場所は容赦なく締めつけてくる肉に挟み込まれていた。
俺の体は、その快楽にびくびくと揺れ始める。
「っ・・！！・・ラーシュ・・俺っ、もう・・！」
「っはっ・・出すか・・？・・良いぞ、私の中で・・存分にっ・・！」
一際強くペニスが締めつけられたとき、ついに限界が来た。

頭の中が真っ白になり、意識が一瞬飛ぶ。
「ぅっ！？あぁ、ああ・・っ、ああぁあああぁぁっ！！」
「くぅっ！いきなり突き上げられたらぁっ、はあぁっ、んぅぅぅっっ♥」
その絶頂の際にビクンとなった腰の突き上げで彼女も絶頂を迎えたようだ。
その絶頂で膣内が締り、また絶頂した俺が彼女を絶頂させ・・
そんな繰り返しが終わったのは、互いに四回程絶頂した後だった。


「はぁっ、はぁっ・・大丈夫か・・椿？」
少し落ち着いてきたところで、ラーシュから言葉がかかる。
「っ・・ぁ・・凄かった・・気絶・・しそうだ・・」
「そうか・・私も、正直そこまで・・意識を保てそうにないよ・・」
言った後で、彼女はその翼で俺の全身を包みこんでくれた。
俺も右手だけだが彼女を抱き締める。
そのように抱き合っているので、顔は触れ合いそうなほどに近い。
「なぁ・・気絶してしまう前に、もう一度キスし・・むっ・・ん・・」
言い終わる前に彼女の口を塞ぐ。
俺も同じくそうしたかったからだ。

「んっ・・む・・れろっ・・ふっ・・」
舌を絡め、互いに口を味わい尽くす。
「んむっ・・っん・・ちゅ・・はぁ・・ふふ・・んぁ・・」
ディープキスが終わり、胸に顔を預ける彼女を見ると
瞼は既に眼の半分以上を覆っていた。
「椿・・先に寝るね・・おやすみ・・大好きだ・・」
「ああ・・おやすみ・・俺も大好きだぞ、ラーシュ・・」
その言葉を聞くと満足そうに目を閉じ、幸せそうな顔で寝息を立て始めた。
全身でラーシュを感じながら、俺も同じく目を閉じる。
その温かさのおかげで、眠りに落ちるにはそう時間は掛からなかった。


・・続く。

■作者メッセージ
・・ふぅ。
はい、ＧＡＲＵです。
エロシーンは、難しいなぁ・・そう思いつつなんとか書き切りました。

※茶番
兵士「コメントで重婚成立させようとしたワームの子、
怒らないから出てきなさい。」
「・・いいか？君を好きな人もきっといるから、頑張って探せ、良いな？
え、俺？彼女いないけど・・えちょ、うわぁぁ・・」
その後、彼の行方を知るモノは誰も居なかった・・いや、いたかも。
※（人これを蛇足という・・）


・・次回をお楽しみに！