第一部:運び屋と荷の重い仕事4
「どうした?そんな攻め方じゃ私を満足させることなんてできないぞ?」
「わ、わしだってこの程度、・・・なら今度はこっちじゃ」
「ふふ、確かに心地よいがそんな見た目通りの幼稚な手じゃ飽きてしまうぞ?どれ、今度は私の方から攻めるみようじゃないか?」
「ああっ、止めるのじゃ、これ以上は濡れてしまうのじゃ」
「止めるはずないだろう?ここをこんなに大きく開けてまるで迎え入れているようじゃないか?どれ、お望みどおりこっちもいじってあげようじゃないか」
「だ、ダメなのじゃ、二箇所も同時に攻められたら、体勢を維持できぬのじゃ」
「ほら、そんなことを言ってる間にこっちはもうずぶ濡れだぞ?濡れたままでは悪いだろうから、そうだな、温めて乾かしてあげようか?」
「あ、熱いのじゃ、もうダメなのじゃ、我慢の限界なのじゃ」
「駄目じゃないか、そんなみだりに穴を広げるようじゃ、ほうら、三つ目の穴にも杭を打ってあげようじゃないか」
「むぐ!?むっ、んっ、ん、んんん!?っぷはあ!はーはー、はー、わ、わしの負けなのじゃ、好きにするといいのじゃ」
「おや?もう降参するのか、一軍の長ともあろうものがこんなのではしめしがつかないぞ?でも、許可はもらったからな、好きにさせてもらおうじゃないか、ずっと私のターンだ」
どうしてこうなった。
防寒用に二重に張られたテントの一枚目と二枚目の間に忍びながらナギは考える。
一つ、俺はこのテントにいる司令官に依頼されたものを届けに来た。
二つ、人払いを約束したはずの司令官は女を連れ込んで情事に耽っている。
三つ、醜い浮世の鬼を・・・こいつは違う。
こりゃ最近ガキ共の間で流行ってる“The SAMURAI, his name is MOMOTARO”の決め台詞だ。
危ねえ、危ねえ、見栄切って飛び出すところだった。
三つ、司令官だけでなくもう一人の女のほうの声にも聞き覚えがある。
駄目だ、とんと解りやしねえ。
敵襲の号令がかかった以上、いつ迄もここに隠れている事はできない。
本格的に探し出されたら、こんな所なんざすぐに見つかっちまう。
ならば、馴染みの司令官の側にいて身の安全を確保するのが一番だ。
覚悟を決めてテントの中に入り込む。
「情事の最中失礼するぜ、頼まれたものを・・・って、チェルシー、どうして手前がここにいやがる。」
両肘を机につき、頭を抱え机の上を凝視しながら唸りを上げるバフォメット、
何だ、ただの部隊を動かして遊ぶ軍事遊戯じゃないか、しかし、酷い有様だ。
水攻めにあったのか兵糧庫はずぶ濡れ、火計から逃れるために開け放った三つの門にはそれぞれ杭を打つ様に兵が流れ込んでいる。
投了するしかねえな。
その向かいの席には凛とした表情で勝利の余韻に浸っている、
「ケ・セ・ラ・セラ領主兼、天才錬金術師兼、偉大なる大魔法使い兼、マッド・サイエンティストのイングリッド・チェルシー・ローゼリッテがここにいてはいけない理由でもあるのかな?鎌居凪・・・失礼、君はこの呼び方が嫌いだったね、鎌居ナギ君。いや、私を呼ぶときはローゼリッテと呼ぶようにと言っておいたからこれでお相子だね。」
ここには居ない筈のケ・セ・ラ・セラ領主イングリッド・チェルシー・ローゼリッテがいた。
「別に呼ばれる分には構わねえさ。しかし、その自己紹介は何とかならんのか?」
俺みたいな奴からすれば手前は結局何者なんだ?と聞き返したくなる。
無論、聞き返したところで同じ答えが帰ってくるのだが。
「どうにもならないな。全て私を構成する重要な要素だ、一つたりとも欠かすことはできない。」
「そうかい。で、何で手前がここにいやがる。」
「転移魔法で。」
「そういう事を聞いてるんじゃねえ!」
全く、こいつと会話するのは本当に荷が重い。
きっと、頭の構造が違うんだろうな。
「わ、わしだってこの程度、・・・なら今度はこっちじゃ」
「ふふ、確かに心地よいがそんな見た目通りの幼稚な手じゃ飽きてしまうぞ?どれ、今度は私の方から攻めるみようじゃないか?」
「ああっ、止めるのじゃ、これ以上は濡れてしまうのじゃ」
「止めるはずないだろう?ここをこんなに大きく開けてまるで迎え入れているようじゃないか?どれ、お望みどおりこっちもいじってあげようじゃないか」
「だ、ダメなのじゃ、二箇所も同時に攻められたら、体勢を維持できぬのじゃ」
「ほら、そんなことを言ってる間にこっちはもうずぶ濡れだぞ?濡れたままでは悪いだろうから、そうだな、温めて乾かしてあげようか?」
「あ、熱いのじゃ、もうダメなのじゃ、我慢の限界なのじゃ」
「駄目じゃないか、そんなみだりに穴を広げるようじゃ、ほうら、三つ目の穴にも杭を打ってあげようじゃないか」
「むぐ!?むっ、んっ、ん、んんん!?っぷはあ!はーはー、はー、わ、わしの負けなのじゃ、好きにするといいのじゃ」
「おや?もう降参するのか、一軍の長ともあろうものがこんなのではしめしがつかないぞ?でも、許可はもらったからな、好きにさせてもらおうじゃないか、ずっと私のターンだ」
どうしてこうなった。
防寒用に二重に張られたテントの一枚目と二枚目の間に忍びながらナギは考える。
一つ、俺はこのテントにいる司令官に依頼されたものを届けに来た。
二つ、人払いを約束したはずの司令官は女を連れ込んで情事に耽っている。
三つ、醜い浮世の鬼を・・・こいつは違う。
こりゃ最近ガキ共の間で流行ってる“The SAMURAI, his name is MOMOTARO”の決め台詞だ。
危ねえ、危ねえ、見栄切って飛び出すところだった。
三つ、司令官だけでなくもう一人の女のほうの声にも聞き覚えがある。
駄目だ、とんと解りやしねえ。
敵襲の号令がかかった以上、いつ迄もここに隠れている事はできない。
本格的に探し出されたら、こんな所なんざすぐに見つかっちまう。
ならば、馴染みの司令官の側にいて身の安全を確保するのが一番だ。
覚悟を決めてテントの中に入り込む。
「情事の最中失礼するぜ、頼まれたものを・・・って、チェルシー、どうして手前がここにいやがる。」
両肘を机につき、頭を抱え机の上を凝視しながら唸りを上げるバフォメット、
何だ、ただの部隊を動かして遊ぶ軍事遊戯じゃないか、しかし、酷い有様だ。
水攻めにあったのか兵糧庫はずぶ濡れ、火計から逃れるために開け放った三つの門にはそれぞれ杭を打つ様に兵が流れ込んでいる。
投了するしかねえな。
その向かいの席には凛とした表情で勝利の余韻に浸っている、
「ケ・セ・ラ・セラ領主兼、天才錬金術師兼、偉大なる大魔法使い兼、マッド・サイエンティストのイングリッド・チェルシー・ローゼリッテがここにいてはいけない理由でもあるのかな?鎌居凪・・・失礼、君はこの呼び方が嫌いだったね、鎌居ナギ君。いや、私を呼ぶときはローゼリッテと呼ぶようにと言っておいたからこれでお相子だね。」
ここには居ない筈のケ・セ・ラ・セラ領主イングリッド・チェルシー・ローゼリッテがいた。
「別に呼ばれる分には構わねえさ。しかし、その自己紹介は何とかならんのか?」
俺みたいな奴からすれば手前は結局何者なんだ?と聞き返したくなる。
無論、聞き返したところで同じ答えが帰ってくるのだが。
「どうにもならないな。全て私を構成する重要な要素だ、一つたりとも欠かすことはできない。」
「そうかい。で、何で手前がここにいやがる。」
「転移魔法で。」
「そういう事を聞いてるんじゃねえ!」
全く、こいつと会話するのは本当に荷が重い。
きっと、頭の構造が違うんだろうな。
11/05/25 01:59更新 / おいちゃん
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