快楽の中で眠りに落ちた朱鷺子は夢を見ていた。
自分が15歳の時に起きた突然の、悪夢の如き日々の中に訪れたささやかな幸せを。
けれど何かが引っ掛かる感じがしていた。
余りにも現実的な感触を伴いながら…。

そうして父の声がおぼろげに響く。

「と……こ、……の……理……書に……の場所……る。……形見……」

断片的過ぎて全く読み取れない言葉に、朱鷺子は何も出来ないでいた。

＊＊＊＊＊

凱と瑞姫は7Pという夜のハードスケジュールをこなしたにもかかわらず、翌朝には早く起きてサンドイッチを作り置いて訓練に出かけ、残る者達も邸宅でのんびりと過ごしていたり、掃除をしたり等様々だ。
未だに眠り続けていた朱鷺子も昼頃にようやく身体を引きずるように起きてきた。
その動きはまるでカタツムリやナメクジのように重い。

「あ゛〜〜〜……、……なんだろう、おかしな夢見たぁ〜……」
「珍しいのう。どうしたんじゃ？」
「……う〜ん、ボクにも……よく、分かんない」
「夢はそうそう覚えないものですわ」
「ですねー。あたしもー、夢は殆ど覚えてないですよー」

そんな話をしつつ、朱鷺子は凱と瑞姫が朝早くに作ってくれていたサンドイッチを口に運び、胃に流し込んでいたのだが、ふと、考えがよぎる。

「ねえ？　瑞姫ちゃんって……、勉強、してるの？」

朱鷺子の疑問に答えたのはマルガレーテだ。

「竜騎士団の訓練生にも座学がありますから、勉強はしますわ。それがどうかしまして？」
「うん……、多分……足りないって思うんだ。どうしてそう思うのかは、ボクにも分かんないんだけど……」

釈然としないものが朱鷺子の心の中で靄を立たせる。
エルノールはその会話に割り込む。

「じゃったら、お主の使っておる教科書を取ってきてやろう」
「え？」
「不安でモヤモヤするより、やってみた方がいいじゃろう？」

ソファーから降りたエルノールはそのまま自分の部屋までふわりと飛んでいき、同じように戻ってきた。彼女の手には手提げ袋が握られている。

「ほれ。何かあるかと思ってな。持ってきといたんじゃ」

朱鷺子に渡された手提げ袋の中身は、朱鷺子が瑞姫との勉強用に使っていた教科書だ。

「……学園長……」
「お主は何だかんだで瑞姫の担任じゃからな。なれど訓練疲れも考慮してやるんじゃぞ？」
「……はい」

ささやかな幸せの始まりを刻む品の一つとなった教科書が朱鷺子の手の中にある。
けれど、それが更なる運命の歯車を回す事になるなど、誰が予想しただろうか…。

＊＊＊＊＊

昼時は各自の自由となる為、第零特殊部隊の隊員達は思い思いの場所で昼食を摂る。
凱と瑞姫もこれを利用して邸宅でのんびりしていた五人と昼食を共にしていた。

「ええぇー！　ここでもぉ!?」

朱鷺子とエルノールの提案で瑞姫への授業を再開する事を聞かされ、瑞姫は辟易。
とは言っても瑞姫は戸籍上、高校生であり、きちんと卒業させてやる事もまた、エルノールなりの考えだった。

「お主はまだ特別クラスの四年。高等部にしてみれば一年じゃぞ。せめてお主だけでも卒業させねばなるまいて」
「だから、最低限の勉強は……しよう？　ね？」

二人の言葉に、瑞姫は渋々同意するしかなかった。
瑞姫が本当に高校生として学園を卒業出来るのを、一人として疑いもしていなかったのは言うまでもない。先が見えない今だからこそ、きちんと証明させたいのだ。

一歩先でさえ、どう転ぶか分からない今を生きるからこそ――

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

昼食後も何事も無く、夕方を迎えると凱と瑞姫が邸宅に戻ってきた。
その手に食材を抱えながら。
夕食は何とバーベキューだった。

凱はうろ覚えながらも必要な機材を教え、分担して揃える。
瑞姫の勉強をさせようとしていた朱鷺子とエルノールも容赦無く巻き込まれた。
二人から不満が噴出するのは当然だろう。

けれど凱は諭した。
「羽目を外す事も多くなる」と前置きしつつ、「明日は休み貰えたから、好きな事をして来い」、と。
つまりは明日一日、瑞姫の勉強を見る時間が与えられた事を意味していた。

その日の夜はバーベキューパーティーで盛り上がる。七人であればそれなりの人数だ。作っては食べ、飲み、語り合う。人間界では、笑顔に満ちた触れ合いを実現出来る空間を実現させるのは相当な障害と困難を伴う。
そして、今を実現出来るのが魔物娘達が本来住まう、この図鑑世界こそ自分がいるべき場所であると凱は改めて感じた。だからこそなのだろう。「あの世界に見切りを付ける」という凱の言葉は人間界への深い絶望と失望であり、ふっ切る為の契機でもあった。
それがどのように周囲が動くかなど分からないけれど、それに向けて自分達が動く事くらいは出来る。
七人とサバトの支部が手を取り合って動くのだから、凱はもう独りでは無い。
けれど互いに守り合う為の団結も更に必要となるし、凱自身の力もまだまだ足りない。竜騎士としての力だけでは足りない、と凱は感じているのだ。

インキュバスとは言っても所詮は精力の強い人間に過ぎない。
だから強くならなければならない。
その力が勇者に及ぶ事は無くても、一騎当千に近づく事ならきっと出来る。かつて自分の手の中にやってきた武術書を今まで以上に読み解いていく事もまた必要だ。ただただ足掻くのみである。
竜騎士の叙任もその第一歩に過ぎない。朱鷺子とエルノールが瑞姫に勉強を教える事も未来への一歩。
瑞姫には「地上の王者」としての知恵と力を身に付けるという試練があるのだから。

凱がそんな物思いに耽るのは、パーティーも終わって自然消火の為の番をしていたからだ。
婚約者達は明日に備えて就寝しており、凱は自分で作った甘酒を飲みつつ、僅かに残った食材で夜食を作っていた。だが、食べ終わる頃には完全に鎮火し、炭と灰を混ぜて水をかけて就寝するのであった。

彼も明日は武術の鍛錬に精を出す事になる。
忌まわしいだけの人間界に一矢報いる為に――

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

翌朝、朱鷺子とエルノールは瑞姫を起こし、朝食の後、授業を行う。
凱はそれほど眠れなかったらしく、ロロティアの手を借りながら朝食を作り、振舞っていた。

「旦那さま、今日はお休みになって下さい。眠れていないのは分かってます。そのような身体では武術も身に付きませんし、お料理も美味しくなりません」

ロロティアに抵抗する凱ではあったが、疲れが彼の動きを鈍らせていた。凱は呆気なく拘束され、ロロティアによって寝室に押し込まれてしまう。だが、ロロティアは自分一人が独占してエッチをする気は無かった。第一、相手が不調である時にエッチをしたところでお互い気持ち良くならないし、楽しくも無い。彼女は凱を眠りに誘うべく、耳元で数々の甘い言葉を囁いて陶酔の彼方に押しやる。俗にウィスパーボイスと言われるものだ。それはまるで子守唄のように凱の心身を包み込み、彼をたちまち眠りに就かせた。

「旦那さま。せめて今日だけは、ゆっくりとお休み下さいませ。ロロティアには分かります……。旦那さまは近い将来、その身と心を……自ら穢さなければならないのですから」

初めての夜伽を願った時の、脳裏に浮かんだ姿がロロティアの記憶の中に浮かんでは消える。
避けられない運命ならば、自分達が今出来る事をしていくしかない。
ロロティアは魔王城に保管してある薬をいくつか見繕って貰うよう、マルガレーテに依頼する。マルガレーテも凱の回復を優先し、魔王城に飛んで体力と精力に関わる薬を選定。中でも特に強力な物を見繕い、戻ったのはその半日後の事であった。

＊＊＊＊＊

一方、瑞姫の前には朱鷺子、エルノール、亜莉亜が並んでいる。
教師陣が揃って瑞姫に授業をするという計画だ。とは言っても朱鷺子は家庭教師のようなものだが。

「……さって、瑞姫ちゃん。始めるよ」
「先生が……三人も……」
「お主は始めからドラゴンとして産まれた訳じゃないんじゃ。地上の王者に恥じぬ知恵と力を持たねばならん。ドラゴニアでの訓練で思い知っておる筈じゃろう？」
「それはそうですが…」
「瑞姫ちゃん。ちゃんと卒業する為には、必要最低限の学力が無いとダメなんですよー？」

亜莉亜の言葉に、瑞姫はそれ以上何も言い返す事は出来なかった。
ドラゴンになった者としての重責――
未来の騎士たる許嫁の騎獣となる責任――
武力だけでなく知力も身に付けなければならないという三人からの圧力は、瑞姫を一層緊張させる。

ところが――

「あれ？　何これ？」

朱鷺子が物理の教科書を手に取った時、妙な違和感を感じた。随分と手に取っていなかった為に気付いていたかったのだが、物理の教科書の表紙が二つに割れていたのだ。
その間に二枚の紙が入っており、教科書が巧妙に細工されていた事を居合わせた者全員に示していた。

「……手紙？」

――祖母から朱鷺子にと託された形見を祖母の墓の裏に隠してある。何時かこの手紙を見つけた時、祖母の形見はお前の物だ。――

取り出した手紙の片方はこの文と共に墓地の所在地も書かれていた。当然ながら、墓地の場所は人間界である。もう片方は朱鷺子に遺品を譲渡する旨を父と祖母の連名で記した遺言書だ。
急いだ方が良いと判断したエルノールは授業を亜莉亜に任せ、朱鷺子と共に人間界に戻る事を決めた。幸いにも墓地の場所が風星学園から遠く離れていた為、近隣のサバトを特定し、繋ぎを取って転移する事となる。

瑞姫には亜莉亜が付きっきりで授業を行う事となり、その余りの授業量の多さに瑞姫は疲労困憊になったのである。

＊＊＊＊＊

おっとり刀で人間界に舞い戻った朱鷺子とエルノール。
目的地近隣のサバト支部長に礼を済ませると、急ぎ足で目的地である墓地に向かう。そこは人通りもまばらで、手入れがされている墓が非常に少なかった。寺が管理する共同墓地ではあるものの、寺の管理が行き届かないのだろう。
地図を辿りながら見つけたのは、全く手入れがされていないであろう事をあからさまに示す祖母の墓。二人してため息をつきつつ、雑草を力一杯引き抜きまくり、地中の雑草の根を腐らせたり、墓石に付いた苔を乾燥させ、洗い流す作業を30分程かけた。
作業を終えた二人はこれから墓を暴くような行いをするお詫びとばかりに墓前へ手を合わせ、墓の裏に回る。だが、他の墓との間隔が狭く、身体を入れるのも一苦労だった為、結局はエルノールの魔法に頼るしかなかった。
墓石の裏にある砂利が掘り返され、更に石の板が蓋を開くように返される。すると、その石の箱の中に入っていた箱が浮き上がって、朱鷺子の手に乗る。

「墓を暴くような真似をしてしもうたな。そのままにしてたら罰当たりじゃ」

そう言いながら、エルノールは墓の裏にあるギミックを魔法で再び戻した。
既に日も没し、夜になりかけている。目的の物を入手し終えた二人にとって、これ以上留まる意味は無い。再び墓前に合掌し、転移に利用したサバト支部に駆け戻ってドラゴニアに転移。凱達のいる邸宅に戻ったのは酒場が大賑わいする頃だった。

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

竜翼通りの夜の賑わいが盛んな頃、ドラゴニアを出ていた三人も戻っていた。

マルガレーテは体力やスタミナのみならず、精力も増強させる、かなり強力な薬をいくつか調達していた。ただ、どれもこれもが媚薬としての効果も持ち合わせており、凱に何時飲ませるかのタイミングを図らねばならない。彼女が懸念するのはそれだけではなく、薬の効果が強力である以上、媚薬としての効果も想像出来なかった。飲めば良くて数日、最悪の場合は一カ月近くは媚薬の効果が消えない筈だから…。

朱鷺子とエルノールが持ち帰ってきたのは一つの箱。表面が錆で覆われた箱をそっと開けると、中にはかなり大きめのネックレスが姿を現す。大粒のルビーを中心にパールがその周りを円形に包んだそれはさながら目玉を象った造りをし、その付け根の両端と宝石の基盤の紐の付け根にはエメラルドが埋め込まれている。ルビーには狼の刻印が刻まれており、かなり精緻な造りをしている。基盤はメタルだがかなりくすんでいた。

「……これ……、確か、ひいおばあちゃんの……」

朱鷺子が幼い頃、両親以外で最も会った事がある親族が彼女の父の祖母、つまり曾祖母。
会うのが楽しみだった記憶も今はおぼろげなれど、不思議と印象に残っていたのがこのネックレスだった。だがネックレスは、曾祖母が臨終の床に就いたのと時を同じくするように忽然と消えたのである。
親族達が金にしようと血眼になって探していたが、遂に見つからなかった為、親族達の記憶からすっかり消え失せていたのだ。
そんな曰く付きの品が朱鷺子に託されていようなど夢にも思わない。

と、そこにネックレスの中央、狼の刻印がなされたルビーが唸りを上げるかのようにゆっくりと、鈍く光り出す。何かを呼び掛けているかとも取れるような感じはすれども、それが何であるかを読み取る事は出来ず、焦りだけが増す。それに凱が未だ就寝中、瑞姫が疲労困憊で部屋で仮眠中の現状では全員での原因究明は通常、不可能である。けれど、休暇の日程を潰す訳にもいかず、結局は二人を起こす事となる。

ロロティアに起こされた凱と瑞姫は彼女特製のたまごサンドと紅茶を胃に流し込み、全員で調査に出向く。

＊＊＊＊＊

邸宅を出ると、ネックレスの唸りが激しさを増し、更にはルビーが燃えるように輝いた瞬間、中から狼の遠吠えのような耳鳴りが響く。耳鳴りが消えたと思えば、今度は中央のルビーから一条の光が発せられ、まるでコンパスであるかのように西の方角を指し示す。
その方角に心当たりがあった凱と瑞姫は一気に冷や汗が出る。

「この方角……、不味いぞ」
「何が不味いのじゃ？」

凱の焦りにエルノールは不思議そうに尋ねると、瑞姫が被せてきた。

「この方角には、竜の墓場があるんです」
「ドラゴンゾンビ最大の生息地、ですわね。これは厄介な所へ案内される事になりますわ」
「聞くだけで嫌な気分になりそうですー……」
「本当によろしいのですか？　竜の墓場となると覚悟を決めなければ……」
「それでも……ボク達は、行くしか……ない」

多少の恐れと戸惑いを伴いながら、彼らの足は一路、竜の墓場へと進み出す。
悠長にしている時間は彼らに無かった。
たとえ夜の闇が、全てを覆い隠したとしても……。

魔灯花にうっすらと照らされた道を辿りながら着いた場所は、竜の骨が散乱する荒地。この場所こそ、旧ドラゲイ帝国の愚劣な上民達の手によって無残に命を奪われた竜達が眠る「竜の墓場」である。
ネックレスは光を指すばかりか強く輝き出し、遂には唸りを強め、やがてネックレス全体が振動を起こし、破砕した。いや、自壊と言っていいだろう。

その一拍後には何かが地中を掘り進みながら、地表に飛び出してきた。
大きな獣らしき何かだが、暗い中ではそれも判別出来ない。

「こうなったら……！」

マルガレーテが弓を展開し、魔法を詠唱しながら矢を生成。これをつがえて頭上に矢を放つ。
すると矢が破裂して辺りを照らす光球に変化する。彼女は《照明（ライト）》の魔法を矢へ作り変えたのである。
照らされた周囲に現れるのは狼のような姿をした四脚の獣。これが先程、地中から現れたものの正体に違いなかった。

すると朱鷺子の頭の中に一瞬の耳鳴りと共に声が響いてくる。

『我ガ封印ヲ解イタノハ、オマエカ？』
「え？　……ひょっとして、ボクに、話しかけてる……の？」

他の六人は何をしているのか、といった表情で朱鷺子を見ている。
彼女もその視線で何となく状況を察した。この狼らしき生物は自分にしか語りかけてこない、と。

『我ガ名ハ、【フロゥ】。オマエハ我ノ主トナル者。オマエノ名ハ？』
「ボクは、朱鷺子。三日月……朱鷺子、だよ。宜しくね、フロゥ」
『トキコ、カ。ワカッタ、コレカラ、ヨロシク頼ム』

フロゥと呼ばれた存在を良く見れば、背中から翼を生やした狼、と言った風体だった。

『我ハコレデ、飛ブ事モ出来ル。背ニ乗ルガイイ』

言われるがままに、朱鷺子はフロゥの背に乗って移動を始める。ふわりと浮いたかと思うと、羽ばたいている事が嘘だと思うくらい滑らかに飛び上がった。だが、そこから動かないのは、凱の邸宅の場所がはっきりと分からないせいだった。
結局、瑞姫が竜化して凱とロロティア、亜莉亜を乗せ、エルノールとマルガレーテは自ら飛行して邸宅への帰路に就いた。

明かりをはっきりと灯せば、フロゥは見事なくらい鮮やかな銀色の体毛に覆われている。背にあった翼は邸宅に入ろうとした途端に仕舞い込まれ、広間で丸くなりながら様子を伺っている。

この不思議な獣が凱達に更なる段階へ踏み出させるのは、この少し後の事だった――

■作者メッセージ
＜アイテム、キャラ（？）紹介＞
○ネックレス
朱鷺子の父の祖母（朱鷺子にとっては曾祖母）の形見。
朱鷺子の父が物理の教科書の表紙を巧妙に細工し、仕込んだ手紙に隠し場所が記されてあった。
後述するフロゥの精神が封印されていたのだが、その由来について知る者は誰もいない。
フロゥの解放と共に砕け散った。

○フロゥ
大きな狼の姿をした召喚獣。
基本的な姿は狼のそれに似ているが、翼を生やす事ができる。
外装や鎧は持たず、己の爪と牙が最大の武器である。
強いて言うなら、主を乗せる為の鞍が背中にある程度か。

銀色の毛並みは美しいとすら感じる程である。
因みに、この毛並みを乱されると猛烈に怒る。

主を乗せていようとも軽々と動きまわり、狩る事ばかり考えている。
ある意味、戦闘狂とも言えるだろう。
自制はかなり出来ているが、ブレーキ役は主である朱鷺子の役回りでもある。

基本的に食事は必要なく、召喚時に主の魔力を喰らっている。
食事が出来ない訳ではないが、無意味な事である故か食事を避ける。
それどころか人の口に合いそうな物であれば主へ差し出す程。

朱鷺子以外には基本的に気を許しておらず、朱鷺子以外の者を背中に乗せるのを嫌うが、彼女の要請であれば聞き入れる。
魔獣とかの類は我が子のように愛する、色々と不思議な獣。

ある特殊能力も有しており、それだけの力を持つ獣が何故魔物娘と化さないのかは未だに謎である。
その点だけでも不可思議な存在であるが、何故、肉体が竜の墓場に封印されていたのかは全く不明。

外見や大きさのイメージは「リネージュ２」のライディングウルフ。