想い触れ合うは帯の如く
ドラゴニアにやって来たエルノール、亜莉亜、朱鷺子、マルガレーテ、ロロティアは第零特殊部隊の隊舎で凱と瑞姫に再会した。
実に二カ月ぶりの事だ。
凱と瑞姫は丁度訓練を終えて帰宅するところだった。
二人は突然の来訪に驚きはしたが、来てくれた事を素直に喜んだ。
だが、凱と瑞姫を目にした五人は驚くしか無かった。
以前と比べても逞しくなり、凱からはオスとしての魅力が更に映えていたのだから。
「久しぶりじゃな、兄上」
「休みを取ったんですか?」
「そう言う事じゃ。わし等はドラゴニアに一週間滞在するでのう。よろしく頼むぞ。それに、もうわしに敬語を使う必要は無い。わしの兄上になるんじゃ、もう堅苦しくする必要も無い」
「そう…ですか?」
「じゃから、それを止めろと言うんじゃ」
「それなら、あたしもですよー」
「わたくしもですわ」
エルノールだけでなく、亜莉亜とマルガレーテも自分達が凱と同じ立場なのだと意思表示する。
瑞姫も彼女達の意見に乗ってくる。
「お兄さんは、もうわたし達のお婿さんだよ。だから同じ立場なんだよ?」
彼女の言葉に凱は俯き、唸る。
「それに、お兄さんがどんな道を進んでも、わたしにはお兄さんが全てなの」
その瑞姫の言葉に即座に反応したのが、合流組の五人だった。
「……瑞姫ちゃん、ズルイ……」
「瑞姫! わしが言おうとしてたセリフを取るな!」
「瑞姫ちゃん! 先に言っちゃダメですよー」
「ミズキったら……」
「瑞姫さまらしいですね」
五人の反応に瑞姫は胸を張り、凱は苦笑するしかない。
しかも今の時間は丁度、夕飯時。折角だから、と言う事で凱は婚約者達を伴い、「居酒屋・呑竜(どんりゅう)亭」に繰り出す。
最近見つけたこの居酒屋は「大衆食堂・火竜」に並ぶ、親しみやすい店である。
凱は格式ばった店がそれ程好きではなく、逆鱗亭はギリギリ許容範囲と言えた。
瑞姫以外の五人はドラゴニア料理は豪快さと量の多さで有名であるのを予め調べて来ている。
その為、食事を朝から摂っておらず、実際の所、かなり腹ペコの状態だった。
「いらっしゃい!」
「今日は七人ね」
「あいよ! 七名様ご案内だよぉー!」
「はぁ〜ぃ! どうぞこちらでぇ〜す!」
ワイバーンの店員に案内されて広めの卓に着くと、たくさんの料理が書かれたお品書きがテーブルに置かれている。
「うわー……、いっぱいある…。全部……食べ切れるかなぁ?」
朱鷺子がそう言うのも無理は無い。
繰り返しになるがドラゴニアの料理は豪快さと量の多さが売りだ。
しかも居酒屋となれば、料理の品数も多い。
そこにエルノールが『魔界蜥蜴肉の生姜焼き』と書かれた一文に注目した。
「これじゃ! これから行こうではないか!」
「その前に飲み物を頼むのがよろしいのでは無くて?」
「あら? 皆様、ここに何か書いてますよ?」
ロロティアの指摘に凱と瑞姫以外の全員が見ると、そのメニュー表には「ハーフ、並み、大、特大のサイズで注文出来ます」と書いてある。
「ロロティア、良く気付いたね。この店、通常の半分のサイズにして食べる事も出来るんだ」
「ドラゴニア料理らしくない、って思うでしょ? でも半分にした分だけ、他の料理を食べられるの」
凱と瑞姫の説明にいたく納得する五人。
そうなれば躊躇するような彼女達では無い。
目ぼしい物を続々とハーフサイズで注文し、テーブルに届けられる。
魔界蜥蜴肉の生姜焼きを始め、ドランスパンで作られた「ドラゴラスク」、薄切りにしたドラゴンステーキや魔界レタス、魔界トマト等をドランスパンの中に挟んだ「DLTサンド」、魔界蜥蜴の挽肉から作った「ドラゴバーグ」、ホルスタウロスミルクから作ったチーズを使ったドリアやグラタン、ピッツァ等、来る物全てアレンジが利いた物ばかりだった。
それに合わせてやって来た飲み物は全てソフトドリンク。
凱自身、甘酒以外の酒は滅多な事では飲まない主義だ。
持っている事は持っているが、それらは全て料理用の安酒である。故に酒類の銘柄には疎い。
「さ、始めようか。乾杯!」
「「「「「「かーんぱぁーい!」」」」」」
カシィッ! とコップが合わさり、一口飲めばそこからは食いまくり・飲みまくりな居酒屋ならではの光景が展開される訳で――。
外は夜になり竜翼通りが更なる活気に賑わうと、呑竜亭も俄かに活気が増して来る。
バーやクラブへの行く途中の物好きな同伴客や何も気にせず飲み食いしたい者等、客層は様々。
居酒屋が客を選ぶ事は無い。
様々な思想を持つ人々が集う集会の場であり、様々な思想を持ち寄って語り合う場でもあるからだ。
もっとも、故意に争いを起こす不届き者はこの限りでは無いし、嫌いな客がいるからなどと難癖付けて店を荒らす者は論外なのだが。
やがて夜は更け、竜の寝床横丁が竜翼通り以上の大賑わいをする頃、凱達の宴は締めに入る。
二ヶ月も瑞姫だけが良い目を見ている事への不満はそれなりにあったものの、凱が正式な竜騎士となった時に何があるのか、彼に望む未来を婚約者達は語り合った。
彼女達にはこの場はそれで満足と言っても良かった。凱に会えた事への嬉しさは何よりも勝るものであり、自分達は共に歩き、支え合う者同士だから。
凱達は宴を終えると多少の食材を購入しつつ、邸宅への帰路に就く。
*****
邸宅に到着した合流組の五人は凱と瑞姫が借り受けている邸宅に驚きの色を隠せない。
何せ、特別寮の二倍以上の間取りと広さを持ち、浴場は特別寮の大広間と同じ広さを持っているのだ。
部屋も多く、全員が個別に入ってもまだ余る。
少しして、凱は応接の間に婚約者達を呼び、椅子やソファーに座らせる。
そして、こう言った。
「俺は……、あの世界に見切りを付ける」
だが、この言葉に婚約者達は別段驚きはしなかった。
むしろ望んでいた回答を得られた、と言わんばかりに破顔一笑(はがんいっしょう)したくらいなのだ。
「よくぞ申されました。わたくし達は、凱さんからのその一言を、待っておりましたわ」
マルガレーテの言葉に魔物娘達全員が凱に向けて頷く。
それは凱を憎しみから解き放ちたい彼女達の願いであり、彼に心の底からの安らぎを与えたいと思えばこそだからだ。
けれど凱は告げる。
「だが、あの世界でやり残した事が多過ぎる。その決着を付けない事にはこの世界に落ち付くのは無理だろうな」
そう、凱を享楽目的でいじめ抜き、父を侮辱した不埒者への復讐がある。
凱にとって彼らは殺すだけでは生温い。
むしろ殺された方が良かったと思うくらいの恥をかかせ、惨めな余生を送らせる――という思いがある。
その為なら、極悪人の汚名くらい喜んで着てみせようとの決意さえあった。
「お兄さん。あと少しだけ、少しだけ……頑張ろう? わたし達が竜騎士として正式に叙任されれば、わたし達は胸を張って元の世界に帰れる。だからわたしはお兄さんと一緒に頑張る!」
「そうじゃ。お主が竜騎士となれば、文句を付けた者が恥をかくだけじゃ。《人間界(あの世界)》の者で竜騎士の叙任を受けるべきは、お主ただ一人だけじゃ。わしはそう信じておる。じゃから、わしはお主をしっかり支えるぞ」
瑞姫とエルノールが竜騎士としての叙任は最低でも受けるべきと進言し、後押しまで宣言する。
「ボクだって……、ガイと、何時までも、一緒……。だから何も……怖くない」
「そうですよー。だから、凱くんはー、安心するですよー」
朱鷺子と亜莉亜が励ますと、亜莉亜の内にある人格達が次々に声を上げる。
「そう……。ぎゅー……って、して? がいも……して、……いいんだよ?」
「そうですとも! ガイ兄様は私に、もーっと頼ってくれていいんです! ……そして」
「……ほえっ!? わ、私ですかぁっ!? え、えと……あの、その、あ、安心して、ね?」
凱は黙って頷く事で返答とした。
ロロティアとマルガレーテも負けじと言葉を発する。
「旦那さまは私にとって何よりも大切な主であり宝です。ですから、私も誇りを持ってお仕え出来るんです」
「ほら、みんな、こんなにも凱さんの事を信じ、思ってくれていますのよ?」
何の打算も無い、無償の愛が此処にある。
人間が人間を欺き、破滅させる為にしか持っていないもの。
その真なる愛情と思いやりを魔物娘は持っているのだから。
凱は婚約者である魔物娘達に、自分が今出来得る限りの精一杯の笑みで応えた。
ただ一言、ありがとう――と。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
翌夕刻、訓練を終えて帰宅しようとすると、瑞姫は用事があるからと急いで邸宅に戻っていく。
食事を終えて夜となり、邸宅の寝室には六人の魔物娘が一堂に会していた。
「お兄さん……、……来て」
「……ガイ……、待たせないで」
「兄上、こちらに来るんじゃ」
「凱くぅん、こっちですよー」
「凱さん、いらして下さいませ」
「いらっしゃいませ、旦那さま」
広い寝室の中央に据えられたキングサイズの三倍近くはある円形ベッドに、六者六様の裸身の魔物娘達がベッドの上でみっしりと並んでいる。
しかも何処で覚えたのか、全員が赤いリボンを胸と局部を隠す形で胴体に巻き、乳房の上にはリボンが花の形で飾り付けられていた。
だが傍目から、身体に巻いているのがリボンに見える「それ」は実際にはリボンでは無い。
と言うのも――
「ドラゴニアに来る前、わたくしとエルで王魔界にて調達して来ましたの。これは【想触帯(そうしょくたい)】と言いまして、とっても特別な品ですのよ」
「触手生物の中でもかなり特別な種を加工したものでな。着用者同士が触れている事で快楽を共有出来るんじゃ」
「でも……、これを考えたのは、ミズキですの……」
身体をリボンで巻き付ける、すなわち「裸リボン」の姿を考えつく者など、この中ではおよそ瑞姫一人だけだろう。
当の瑞姫も否定は全くせず、むしろ優しい笑みを凱に向けている。
「全く…。六人一度っては初めてだぞ」
「大丈夫。お兄さんなら出来るよ。わたし達を平等に愛する事…」
瑞姫が動き出すと残る五人も一斉に動き出す。
「わたくしをここまでにさせた責任は…お分かりですわね? 動かずに、そのまま脱がされて下さいませ」
そう言って先に動いたのはマルガレーテだ。
凱の服に手を添えると、器用にボタンを外していき、他の者達もそれぞれに凱の服を脱がせていく
エルノールが止めとばかりにパンツを引き下ろすと、勃起したイチモツがビョン!とバネ仕掛けのように飛び出し、凱の下腹に張り付くように逞しくそそり立っていた。
「ぉおぅ! もうこんなにするとは。サバトの妙技を兄上にもっと味わってもらおうかのう♥」
エルノールが舌舐めずりしながら宣告する。
全裸になった凱の唇に最初にキスをしたのは意外にもロロティアだった。
自ら舌をたっぷりと挿し入れ、凱の舌と密接かつ淫靡に絡み合わせる。
勿論、他の五人も黙っていない。
「ちゅっ、ちゅくっ、ぺろぉっ♥」
「れろぉ〜♥ んちゅぅ、じゅるるぅ」
舌先で凱の右側の乳首をついばみ、舐め転がし、吸い上げるのはマルガレーテ。
逆に左側の乳首をねっとりと舐め回し、口に含んで甘噛みしながらしゃぶり上げる朱鷺子。
二人はそれぞれに、あらゆる所にキスの雨を降り注ぐ。
「(こ、こんなにも…。すご)――んぐうぅ?!」
凱の突然の戸惑いの原因は彼の尻を割り開き、肛門に舌先を当てた者がいるからだ。
暖かな舌先が凱の肛門を舐め回す。
「んうぅーっ♥ んふぅーっ♥」
舌の主は瑞姫だった。
凱の背後に回り込むや否や跪き、自らの手で最愛の許嫁の尻を割り開き、下から顔を埋め込んで舌を密着させていたからだ。
肛門だけでなく、会陰や陰嚢の裏側もベロベロと愛おしく舐め上げる。
止めはエルノールと亜莉亜によるダブルフェラ。
左右でハーモニカのように舐め上げ、片方が肉棒を頬張れば、片方は根元を舐め回したり陰嚢を吸い上げる。
身体のほぼ全ての個所を同時に舐められ、キスされ、凱は底知れない快楽に酔いしれていた。
六人の顔も裸身も密着し、肌の感触、温かさ、滑らかさ、匂い――全てが体中に伝わってくる。
しかし、ロロティアの舌と唇が離れるのを合図に、全員が凱から離れた。
「お兄さん、こっち」
積極的な瑞姫に手を引かれ、エルノールと亜莉亜によって横にさせられると――
「それぇー!」
「ガーイッ!」
マルガレーテと朱鷺子がふかふかの乳肉を凱の顔に乗せて来る。
もがもがと若干ながら抵抗する彼の姿勢はマルガレーテにとって、少々面白くないものに映った。
「まあ。凱さんがその気でしたら、わたくしも手加減は出来ませんわね」
「……抵抗なんて……させない!」
二人が乳首を吸わせようとしているのと同時にエルノールと亜莉亜、瑞姫とロロティアも動いていた。
エルノールと亜莉亜は凱の左右の乳首を交互に舐め転がし、吸い上げたり甘噛みしたりでネチネチと責め、瑞姫とロロティアは凱の脚を上げ、ますます反り立っている肉棒をしゃぶったり、会陰や陰嚢をこれでもかと奉仕責めにかかる。
三つのペアから同時に責められる快感は、凱の心にある黒い炎を鎮火寸前にさせる。
だが、これが終わればきっと黒い復讐の炎は燃え盛るだろう――と六人は思う。
それでも今は、こうして凱と触れ合い、快楽を共有し合う事を優先した。
それぞれが一人の愛しい男と結ばれ、その絆を円環として形作る事こそ重要なのだから。
六人が代わる代わる凱の身体を味わいまくると、今度は凱が勢いを盛り返し、最初に交わる者を指定する。
「一番最初は……そうだな……、朱鷺子だ」
指名を受けた朱鷺子の身と心がキュンと引き締まる。
呼ばれた途端に女の子座りの体勢になり、かつ胸を突き出して強調しつつ、凱に願いを呟く。
「……解いて……♥」
胸の上で結ばれた想触帯の両端を差し出し、解くよう促す朱鷺子。
促されるままに両端を引っ張ると想触帯がするりと解け、ぶるんっ!と弾力溢れる乳肉が姿を現す。
「どうして欲しい?」
凱は問う。
「……こうして欲しい」
言うが早いか、脚をM字に開いて寝転がる朱鷺子。
すなわち、正常位での性交を望んでいると言う証。
そこにマルガレーテが待ったをかける。不服を隠そうともしない朱鷺子を諭す意味も兼ね、マルガレーテは提案した。
「折角の想触帯ですから、トキコにはさっき解いたのを軽く巻いて貰えますかしら?」
一体何の事かきょとんとする朱鷺子だったが、エルノールの言葉によって解決する。
「始まる時にも一度言うたが、想触帯は着用者同士が触れている事で快楽を共有出来る特殊なアイテムじゃ。じゃから、朱鷺子がこれを身体に巻いて、両の端を誰かの手に巻く。後はわし等魔物娘が手を繋ぎ合えば…準備万端じゃ!」
その言葉を合図に瑞姫が朱鷺子を翼腕で持ち上げると亜莉亜とロロティアで朱鷺子の腹に想触帯を巻き付ける。
巻いたのを確認した瑞姫は朱鷺子をベッドに戻し、想触帯の両の端を瑞姫とロロティアがそれぞれの手首に巻き付けた。
するとたちまち、二人の顔が淫靡に染まる。
続いてエルノール、亜莉亜、マルガレーテが続々と手を繋いでいくと同じように、いや、それよりも増して淫靡な表情に様変わりする。
この想触帯は淫らな気持ちに特に反応するという不可思議な特性があり、これから性交を行う者の淫らな気持ちが触れた者の数だけ増幅される、と言う事なのだ。
朱鷺子のたわわな乳肉の頂点で硬く尖らせる乳頭に凱の指が優しく触れると、当人だけでなく、他の五人も喘ぎ声を上げる。
そう、乳首を触れられた感覚が朱鷺子以外の五人にも直接伝わっているのだ。
これが続けば耐性が弱い者には絶頂地獄が確定し、そうでなくとも全身を責められる感覚を終始受けなければならない。
「あああああっ♥ もぉう、もぉう、来てっ、来てっ、来てぇええええ♥ お願いだからぁ♥ あぁあああんっ、ああああああああ……っ♥」
朱鷺子は左右の手を伸ばして凱の手をひっしと握りしめ、おねだりの口調になった。下向きの二の腕に挟まった豊かな乳房が、中心に寄せられた事で谷間を深く刻みつつ、身悶える動きに合わせて艶かしく揺れていた。
そんな彼女の様子を見れば、凱の劣情メーターはレッドゾーンをいとも容易く振り切ってしまうのは至極当然の成り行き。
凱は自分の股間を朱鷺子の局部に近付けていた。
肉棒はこれ以上ないくらいに勃起して、先端からはカウパー氏腺液がダラダラと零れ出している。凱はサオを握ると亀頭を水平にこじ下ろし、ぷっくりと肥大している朱鷺子の肉襞の間に押し込み、そのまま腰を前進させていく。
クレバスにカリ首までが収まった肉槍は、ズニュニュニュニュゥ……と朱鷺子の中へと沈んでいき、脈々と表皮に浮き上がった血管が肉壺全体をうねらせて、どんどん没入していき、程無くして大陰唇と肉槍の根元が密着した。
「あああああああっ! お腹の中にガイがいるうぅ♥ 次はボクを抱きしめてっ! 二人で抱きしめ合おうよぅ♥」
朱鷺子に腕を掴まれ、凱はそのまま身体を倒していく。
それに合わせて、朱鷺子は豊かな乳房に凱の上半身を押しつけると、ピンと硬く立つ左右の乳首が凱の胸を突き刺さすかのように、かつ甘美な刺激となって朱鷺子の身体を駆け回る。
凱の背中に両腕を回し、あらん限りに強く抱き締める朱鷺子。凱も朱鷺子の身体に腕を絡めると力いっぱい抱き締める。すると朱鷺子は凱の腰を脚で絡め取り、二人はネジをきつく締めるかのように合体した。
朱鷺子は己の裸体を揺すり始め、乳房に乗せた凱を上下に動かした。それにより女性器内の肉棒がストロークを繰り返され、朱鷺子がズンズンと艶かしく腰を突き下ろしていくと、互いの性器が二倍の距離と速さで出たり刺さったりしていった。
「んああああああああああああ♥」
想触帯で繋がった瑞姫達五人も様々な格好で身悶えしつつ、秘部からは愛液がダダ漏れている。それ程までに甘美な刺激と快楽なのだ。
挿入前にしっかりと刺激していた女性器は膣壁が艶かしく収縮し、凱の分身を心地よく苛む。無数に折り重なった襞々がサオに縋り付くように責め上げる。
凱も負けじと腰を突き上げ、肉槍を深く朱鷺子の中に収めると、ひっしりと力強く抱きしめながら、リズムを徐々に合わせていく。抽迭のリズムが合致した時、二人にやって来たのは悦楽の共演であり、これを繋ぐ五人の淫らな喘ぎのコーラスだった。
そうして凱の股間には射精に向かう甘い痺れが沸々と溜まってきていた。朱鷺子もまた裸体の上下動を激しくさせ、射精を促している。
そして――
「あああっ! イクっ! イクぅ! イっちゃうぅ! イクイクイクぅぅうぅっ♥」
「うあぁ! あがぁああああっ!」
二人が同時に絶叫すると、射精を始めたペニスを収めた女性器が忙しなく収縮を繰り返し、精液を子宮へと飲み込むかのように受け止める。二人共、激しい絶頂に達し、朱鷺子の柔肌が目まぐるしく痙攣する。その震えが抱き締めたまま離さない手脚に伝播し、凱もまた狂おしく吹き出る精液の感覚に身を震わせていた。
他の五人も狂おしい絶頂の波に流され、膣を震わせていた。射精された感覚も当然ながら伝わっている。
朱鷺子はやがて絶頂を徐々に収めさせていく。肉槍を刺しっぱなしの凱も、肉壺での収縮や裸身の痙攣の鎮まり方が克明に伝わっていた。
朱鷺子が「はぁ、はぁ……」と息を喘がせ、蕩け切った顔をしながら囁く。
「……ねえ、……ガイ。ガイのオチンポが、これだけ、ミルク出したのに……、ボクの中で……硬ぁいままでいるよ? ……満足、出来てない、の……?」
「満足してるさ。凄く気持ちよかったんだぞ。吸い尽くされるかのようにな……」
凱にとって、婚約者との交わりに不満など微塵もない。しかし朱鷺子はどこか納得してない。
「……それじゃあ……、もう一度……シてよ。いっそ……出来ちゃった婚、……しちゃおうよ♥」
その言葉に呆れつつも、凱はますますいきり立ったイチモツで朱鷺子の蜜壺を掻き回し、彼女の喘ぎ声をBGMにしながら二度目の行為と絶頂に至るのであった――
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
六人の交わりを終えたのは日が高く昇る頃だった。
運良く、集合点呼の日では無かったが、そうでなければきっと、アルトイーリスらが直々に乗り込んで来たに違いない。
確かなのは、七人の絆がより強固になった事。
けれど、その絆が美しく花開くには、数多の試練が必要であった――
実に二カ月ぶりの事だ。
凱と瑞姫は丁度訓練を終えて帰宅するところだった。
二人は突然の来訪に驚きはしたが、来てくれた事を素直に喜んだ。
だが、凱と瑞姫を目にした五人は驚くしか無かった。
以前と比べても逞しくなり、凱からはオスとしての魅力が更に映えていたのだから。
「久しぶりじゃな、兄上」
「休みを取ったんですか?」
「そう言う事じゃ。わし等はドラゴニアに一週間滞在するでのう。よろしく頼むぞ。それに、もうわしに敬語を使う必要は無い。わしの兄上になるんじゃ、もう堅苦しくする必要も無い」
「そう…ですか?」
「じゃから、それを止めろと言うんじゃ」
「それなら、あたしもですよー」
「わたくしもですわ」
エルノールだけでなく、亜莉亜とマルガレーテも自分達が凱と同じ立場なのだと意思表示する。
瑞姫も彼女達の意見に乗ってくる。
「お兄さんは、もうわたし達のお婿さんだよ。だから同じ立場なんだよ?」
彼女の言葉に凱は俯き、唸る。
「それに、お兄さんがどんな道を進んでも、わたしにはお兄さんが全てなの」
その瑞姫の言葉に即座に反応したのが、合流組の五人だった。
「……瑞姫ちゃん、ズルイ……」
「瑞姫! わしが言おうとしてたセリフを取るな!」
「瑞姫ちゃん! 先に言っちゃダメですよー」
「ミズキったら……」
「瑞姫さまらしいですね」
五人の反応に瑞姫は胸を張り、凱は苦笑するしかない。
しかも今の時間は丁度、夕飯時。折角だから、と言う事で凱は婚約者達を伴い、「居酒屋・呑竜(どんりゅう)亭」に繰り出す。
最近見つけたこの居酒屋は「大衆食堂・火竜」に並ぶ、親しみやすい店である。
凱は格式ばった店がそれ程好きではなく、逆鱗亭はギリギリ許容範囲と言えた。
瑞姫以外の五人はドラゴニア料理は豪快さと量の多さで有名であるのを予め調べて来ている。
その為、食事を朝から摂っておらず、実際の所、かなり腹ペコの状態だった。
「いらっしゃい!」
「今日は七人ね」
「あいよ! 七名様ご案内だよぉー!」
「はぁ〜ぃ! どうぞこちらでぇ〜す!」
ワイバーンの店員に案内されて広めの卓に着くと、たくさんの料理が書かれたお品書きがテーブルに置かれている。
「うわー……、いっぱいある…。全部……食べ切れるかなぁ?」
朱鷺子がそう言うのも無理は無い。
繰り返しになるがドラゴニアの料理は豪快さと量の多さが売りだ。
しかも居酒屋となれば、料理の品数も多い。
そこにエルノールが『魔界蜥蜴肉の生姜焼き』と書かれた一文に注目した。
「これじゃ! これから行こうではないか!」
「その前に飲み物を頼むのがよろしいのでは無くて?」
「あら? 皆様、ここに何か書いてますよ?」
ロロティアの指摘に凱と瑞姫以外の全員が見ると、そのメニュー表には「ハーフ、並み、大、特大のサイズで注文出来ます」と書いてある。
「ロロティア、良く気付いたね。この店、通常の半分のサイズにして食べる事も出来るんだ」
「ドラゴニア料理らしくない、って思うでしょ? でも半分にした分だけ、他の料理を食べられるの」
凱と瑞姫の説明にいたく納得する五人。
そうなれば躊躇するような彼女達では無い。
目ぼしい物を続々とハーフサイズで注文し、テーブルに届けられる。
魔界蜥蜴肉の生姜焼きを始め、ドランスパンで作られた「ドラゴラスク」、薄切りにしたドラゴンステーキや魔界レタス、魔界トマト等をドランスパンの中に挟んだ「DLTサンド」、魔界蜥蜴の挽肉から作った「ドラゴバーグ」、ホルスタウロスミルクから作ったチーズを使ったドリアやグラタン、ピッツァ等、来る物全てアレンジが利いた物ばかりだった。
それに合わせてやって来た飲み物は全てソフトドリンク。
凱自身、甘酒以外の酒は滅多な事では飲まない主義だ。
持っている事は持っているが、それらは全て料理用の安酒である。故に酒類の銘柄には疎い。
「さ、始めようか。乾杯!」
「「「「「「かーんぱぁーい!」」」」」」
カシィッ! とコップが合わさり、一口飲めばそこからは食いまくり・飲みまくりな居酒屋ならではの光景が展開される訳で――。
外は夜になり竜翼通りが更なる活気に賑わうと、呑竜亭も俄かに活気が増して来る。
バーやクラブへの行く途中の物好きな同伴客や何も気にせず飲み食いしたい者等、客層は様々。
居酒屋が客を選ぶ事は無い。
様々な思想を持つ人々が集う集会の場であり、様々な思想を持ち寄って語り合う場でもあるからだ。
もっとも、故意に争いを起こす不届き者はこの限りでは無いし、嫌いな客がいるからなどと難癖付けて店を荒らす者は論外なのだが。
やがて夜は更け、竜の寝床横丁が竜翼通り以上の大賑わいをする頃、凱達の宴は締めに入る。
二ヶ月も瑞姫だけが良い目を見ている事への不満はそれなりにあったものの、凱が正式な竜騎士となった時に何があるのか、彼に望む未来を婚約者達は語り合った。
彼女達にはこの場はそれで満足と言っても良かった。凱に会えた事への嬉しさは何よりも勝るものであり、自分達は共に歩き、支え合う者同士だから。
凱達は宴を終えると多少の食材を購入しつつ、邸宅への帰路に就く。
*****
邸宅に到着した合流組の五人は凱と瑞姫が借り受けている邸宅に驚きの色を隠せない。
何せ、特別寮の二倍以上の間取りと広さを持ち、浴場は特別寮の大広間と同じ広さを持っているのだ。
部屋も多く、全員が個別に入ってもまだ余る。
少しして、凱は応接の間に婚約者達を呼び、椅子やソファーに座らせる。
そして、こう言った。
「俺は……、あの世界に見切りを付ける」
だが、この言葉に婚約者達は別段驚きはしなかった。
むしろ望んでいた回答を得られた、と言わんばかりに破顔一笑(はがんいっしょう)したくらいなのだ。
「よくぞ申されました。わたくし達は、凱さんからのその一言を、待っておりましたわ」
マルガレーテの言葉に魔物娘達全員が凱に向けて頷く。
それは凱を憎しみから解き放ちたい彼女達の願いであり、彼に心の底からの安らぎを与えたいと思えばこそだからだ。
けれど凱は告げる。
「だが、あの世界でやり残した事が多過ぎる。その決着を付けない事にはこの世界に落ち付くのは無理だろうな」
そう、凱を享楽目的でいじめ抜き、父を侮辱した不埒者への復讐がある。
凱にとって彼らは殺すだけでは生温い。
むしろ殺された方が良かったと思うくらいの恥をかかせ、惨めな余生を送らせる――という思いがある。
その為なら、極悪人の汚名くらい喜んで着てみせようとの決意さえあった。
「お兄さん。あと少しだけ、少しだけ……頑張ろう? わたし達が竜騎士として正式に叙任されれば、わたし達は胸を張って元の世界に帰れる。だからわたしはお兄さんと一緒に頑張る!」
「そうじゃ。お主が竜騎士となれば、文句を付けた者が恥をかくだけじゃ。《人間界(あの世界)》の者で竜騎士の叙任を受けるべきは、お主ただ一人だけじゃ。わしはそう信じておる。じゃから、わしはお主をしっかり支えるぞ」
瑞姫とエルノールが竜騎士としての叙任は最低でも受けるべきと進言し、後押しまで宣言する。
「ボクだって……、ガイと、何時までも、一緒……。だから何も……怖くない」
「そうですよー。だから、凱くんはー、安心するですよー」
朱鷺子と亜莉亜が励ますと、亜莉亜の内にある人格達が次々に声を上げる。
「そう……。ぎゅー……って、して? がいも……して、……いいんだよ?」
「そうですとも! ガイ兄様は私に、もーっと頼ってくれていいんです! ……そして」
「……ほえっ!? わ、私ですかぁっ!? え、えと……あの、その、あ、安心して、ね?」
凱は黙って頷く事で返答とした。
ロロティアとマルガレーテも負けじと言葉を発する。
「旦那さまは私にとって何よりも大切な主であり宝です。ですから、私も誇りを持ってお仕え出来るんです」
「ほら、みんな、こんなにも凱さんの事を信じ、思ってくれていますのよ?」
何の打算も無い、無償の愛が此処にある。
人間が人間を欺き、破滅させる為にしか持っていないもの。
その真なる愛情と思いやりを魔物娘は持っているのだから。
凱は婚約者である魔物娘達に、自分が今出来得る限りの精一杯の笑みで応えた。
ただ一言、ありがとう――と。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
翌夕刻、訓練を終えて帰宅しようとすると、瑞姫は用事があるからと急いで邸宅に戻っていく。
食事を終えて夜となり、邸宅の寝室には六人の魔物娘が一堂に会していた。
「お兄さん……、……来て」
「……ガイ……、待たせないで」
「兄上、こちらに来るんじゃ」
「凱くぅん、こっちですよー」
「凱さん、いらして下さいませ」
「いらっしゃいませ、旦那さま」
広い寝室の中央に据えられたキングサイズの三倍近くはある円形ベッドに、六者六様の裸身の魔物娘達がベッドの上でみっしりと並んでいる。
しかも何処で覚えたのか、全員が赤いリボンを胸と局部を隠す形で胴体に巻き、乳房の上にはリボンが花の形で飾り付けられていた。
だが傍目から、身体に巻いているのがリボンに見える「それ」は実際にはリボンでは無い。
と言うのも――
「ドラゴニアに来る前、わたくしとエルで王魔界にて調達して来ましたの。これは【想触帯(そうしょくたい)】と言いまして、とっても特別な品ですのよ」
「触手生物の中でもかなり特別な種を加工したものでな。着用者同士が触れている事で快楽を共有出来るんじゃ」
「でも……、これを考えたのは、ミズキですの……」
身体をリボンで巻き付ける、すなわち「裸リボン」の姿を考えつく者など、この中ではおよそ瑞姫一人だけだろう。
当の瑞姫も否定は全くせず、むしろ優しい笑みを凱に向けている。
「全く…。六人一度っては初めてだぞ」
「大丈夫。お兄さんなら出来るよ。わたし達を平等に愛する事…」
瑞姫が動き出すと残る五人も一斉に動き出す。
「わたくしをここまでにさせた責任は…お分かりですわね? 動かずに、そのまま脱がされて下さいませ」
そう言って先に動いたのはマルガレーテだ。
凱の服に手を添えると、器用にボタンを外していき、他の者達もそれぞれに凱の服を脱がせていく
エルノールが止めとばかりにパンツを引き下ろすと、勃起したイチモツがビョン!とバネ仕掛けのように飛び出し、凱の下腹に張り付くように逞しくそそり立っていた。
「ぉおぅ! もうこんなにするとは。サバトの妙技を兄上にもっと味わってもらおうかのう♥」
エルノールが舌舐めずりしながら宣告する。
全裸になった凱の唇に最初にキスをしたのは意外にもロロティアだった。
自ら舌をたっぷりと挿し入れ、凱の舌と密接かつ淫靡に絡み合わせる。
勿論、他の五人も黙っていない。
「ちゅっ、ちゅくっ、ぺろぉっ♥」
「れろぉ〜♥ んちゅぅ、じゅるるぅ」
舌先で凱の右側の乳首をついばみ、舐め転がし、吸い上げるのはマルガレーテ。
逆に左側の乳首をねっとりと舐め回し、口に含んで甘噛みしながらしゃぶり上げる朱鷺子。
二人はそれぞれに、あらゆる所にキスの雨を降り注ぐ。
「(こ、こんなにも…。すご)――んぐうぅ?!」
凱の突然の戸惑いの原因は彼の尻を割り開き、肛門に舌先を当てた者がいるからだ。
暖かな舌先が凱の肛門を舐め回す。
「んうぅーっ♥ んふぅーっ♥」
舌の主は瑞姫だった。
凱の背後に回り込むや否や跪き、自らの手で最愛の許嫁の尻を割り開き、下から顔を埋め込んで舌を密着させていたからだ。
肛門だけでなく、会陰や陰嚢の裏側もベロベロと愛おしく舐め上げる。
止めはエルノールと亜莉亜によるダブルフェラ。
左右でハーモニカのように舐め上げ、片方が肉棒を頬張れば、片方は根元を舐め回したり陰嚢を吸い上げる。
身体のほぼ全ての個所を同時に舐められ、キスされ、凱は底知れない快楽に酔いしれていた。
六人の顔も裸身も密着し、肌の感触、温かさ、滑らかさ、匂い――全てが体中に伝わってくる。
しかし、ロロティアの舌と唇が離れるのを合図に、全員が凱から離れた。
「お兄さん、こっち」
積極的な瑞姫に手を引かれ、エルノールと亜莉亜によって横にさせられると――
「それぇー!」
「ガーイッ!」
マルガレーテと朱鷺子がふかふかの乳肉を凱の顔に乗せて来る。
もがもがと若干ながら抵抗する彼の姿勢はマルガレーテにとって、少々面白くないものに映った。
「まあ。凱さんがその気でしたら、わたくしも手加減は出来ませんわね」
「……抵抗なんて……させない!」
二人が乳首を吸わせようとしているのと同時にエルノールと亜莉亜、瑞姫とロロティアも動いていた。
エルノールと亜莉亜は凱の左右の乳首を交互に舐め転がし、吸い上げたり甘噛みしたりでネチネチと責め、瑞姫とロロティアは凱の脚を上げ、ますます反り立っている肉棒をしゃぶったり、会陰や陰嚢をこれでもかと奉仕責めにかかる。
三つのペアから同時に責められる快感は、凱の心にある黒い炎を鎮火寸前にさせる。
だが、これが終わればきっと黒い復讐の炎は燃え盛るだろう――と六人は思う。
それでも今は、こうして凱と触れ合い、快楽を共有し合う事を優先した。
それぞれが一人の愛しい男と結ばれ、その絆を円環として形作る事こそ重要なのだから。
六人が代わる代わる凱の身体を味わいまくると、今度は凱が勢いを盛り返し、最初に交わる者を指定する。
「一番最初は……そうだな……、朱鷺子だ」
指名を受けた朱鷺子の身と心がキュンと引き締まる。
呼ばれた途端に女の子座りの体勢になり、かつ胸を突き出して強調しつつ、凱に願いを呟く。
「……解いて……♥」
胸の上で結ばれた想触帯の両端を差し出し、解くよう促す朱鷺子。
促されるままに両端を引っ張ると想触帯がするりと解け、ぶるんっ!と弾力溢れる乳肉が姿を現す。
「どうして欲しい?」
凱は問う。
「……こうして欲しい」
言うが早いか、脚をM字に開いて寝転がる朱鷺子。
すなわち、正常位での性交を望んでいると言う証。
そこにマルガレーテが待ったをかける。不服を隠そうともしない朱鷺子を諭す意味も兼ね、マルガレーテは提案した。
「折角の想触帯ですから、トキコにはさっき解いたのを軽く巻いて貰えますかしら?」
一体何の事かきょとんとする朱鷺子だったが、エルノールの言葉によって解決する。
「始まる時にも一度言うたが、想触帯は着用者同士が触れている事で快楽を共有出来る特殊なアイテムじゃ。じゃから、朱鷺子がこれを身体に巻いて、両の端を誰かの手に巻く。後はわし等魔物娘が手を繋ぎ合えば…準備万端じゃ!」
その言葉を合図に瑞姫が朱鷺子を翼腕で持ち上げると亜莉亜とロロティアで朱鷺子の腹に想触帯を巻き付ける。
巻いたのを確認した瑞姫は朱鷺子をベッドに戻し、想触帯の両の端を瑞姫とロロティアがそれぞれの手首に巻き付けた。
するとたちまち、二人の顔が淫靡に染まる。
続いてエルノール、亜莉亜、マルガレーテが続々と手を繋いでいくと同じように、いや、それよりも増して淫靡な表情に様変わりする。
この想触帯は淫らな気持ちに特に反応するという不可思議な特性があり、これから性交を行う者の淫らな気持ちが触れた者の数だけ増幅される、と言う事なのだ。
朱鷺子のたわわな乳肉の頂点で硬く尖らせる乳頭に凱の指が優しく触れると、当人だけでなく、他の五人も喘ぎ声を上げる。
そう、乳首を触れられた感覚が朱鷺子以外の五人にも直接伝わっているのだ。
これが続けば耐性が弱い者には絶頂地獄が確定し、そうでなくとも全身を責められる感覚を終始受けなければならない。
「あああああっ♥ もぉう、もぉう、来てっ、来てっ、来てぇええええ♥ お願いだからぁ♥ あぁあああんっ、ああああああああ……っ♥」
朱鷺子は左右の手を伸ばして凱の手をひっしと握りしめ、おねだりの口調になった。下向きの二の腕に挟まった豊かな乳房が、中心に寄せられた事で谷間を深く刻みつつ、身悶える動きに合わせて艶かしく揺れていた。
そんな彼女の様子を見れば、凱の劣情メーターはレッドゾーンをいとも容易く振り切ってしまうのは至極当然の成り行き。
凱は自分の股間を朱鷺子の局部に近付けていた。
肉棒はこれ以上ないくらいに勃起して、先端からはカウパー氏腺液がダラダラと零れ出している。凱はサオを握ると亀頭を水平にこじ下ろし、ぷっくりと肥大している朱鷺子の肉襞の間に押し込み、そのまま腰を前進させていく。
クレバスにカリ首までが収まった肉槍は、ズニュニュニュニュゥ……と朱鷺子の中へと沈んでいき、脈々と表皮に浮き上がった血管が肉壺全体をうねらせて、どんどん没入していき、程無くして大陰唇と肉槍の根元が密着した。
「あああああああっ! お腹の中にガイがいるうぅ♥ 次はボクを抱きしめてっ! 二人で抱きしめ合おうよぅ♥」
朱鷺子に腕を掴まれ、凱はそのまま身体を倒していく。
それに合わせて、朱鷺子は豊かな乳房に凱の上半身を押しつけると、ピンと硬く立つ左右の乳首が凱の胸を突き刺さすかのように、かつ甘美な刺激となって朱鷺子の身体を駆け回る。
凱の背中に両腕を回し、あらん限りに強く抱き締める朱鷺子。凱も朱鷺子の身体に腕を絡めると力いっぱい抱き締める。すると朱鷺子は凱の腰を脚で絡め取り、二人はネジをきつく締めるかのように合体した。
朱鷺子は己の裸体を揺すり始め、乳房に乗せた凱を上下に動かした。それにより女性器内の肉棒がストロークを繰り返され、朱鷺子がズンズンと艶かしく腰を突き下ろしていくと、互いの性器が二倍の距離と速さで出たり刺さったりしていった。
「んああああああああああああ♥」
想触帯で繋がった瑞姫達五人も様々な格好で身悶えしつつ、秘部からは愛液がダダ漏れている。それ程までに甘美な刺激と快楽なのだ。
挿入前にしっかりと刺激していた女性器は膣壁が艶かしく収縮し、凱の分身を心地よく苛む。無数に折り重なった襞々がサオに縋り付くように責め上げる。
凱も負けじと腰を突き上げ、肉槍を深く朱鷺子の中に収めると、ひっしりと力強く抱きしめながら、リズムを徐々に合わせていく。抽迭のリズムが合致した時、二人にやって来たのは悦楽の共演であり、これを繋ぐ五人の淫らな喘ぎのコーラスだった。
そうして凱の股間には射精に向かう甘い痺れが沸々と溜まってきていた。朱鷺子もまた裸体の上下動を激しくさせ、射精を促している。
そして――
「あああっ! イクっ! イクぅ! イっちゃうぅ! イクイクイクぅぅうぅっ♥」
「うあぁ! あがぁああああっ!」
二人が同時に絶叫すると、射精を始めたペニスを収めた女性器が忙しなく収縮を繰り返し、精液を子宮へと飲み込むかのように受け止める。二人共、激しい絶頂に達し、朱鷺子の柔肌が目まぐるしく痙攣する。その震えが抱き締めたまま離さない手脚に伝播し、凱もまた狂おしく吹き出る精液の感覚に身を震わせていた。
他の五人も狂おしい絶頂の波に流され、膣を震わせていた。射精された感覚も当然ながら伝わっている。
朱鷺子はやがて絶頂を徐々に収めさせていく。肉槍を刺しっぱなしの凱も、肉壺での収縮や裸身の痙攣の鎮まり方が克明に伝わっていた。
朱鷺子が「はぁ、はぁ……」と息を喘がせ、蕩け切った顔をしながら囁く。
「……ねえ、……ガイ。ガイのオチンポが、これだけ、ミルク出したのに……、ボクの中で……硬ぁいままでいるよ? ……満足、出来てない、の……?」
「満足してるさ。凄く気持ちよかったんだぞ。吸い尽くされるかのようにな……」
凱にとって、婚約者との交わりに不満など微塵もない。しかし朱鷺子はどこか納得してない。
「……それじゃあ……、もう一度……シてよ。いっそ……出来ちゃった婚、……しちゃおうよ♥」
その言葉に呆れつつも、凱はますますいきり立ったイチモツで朱鷺子の蜜壺を掻き回し、彼女の喘ぎ声をBGMにしながら二度目の行為と絶頂に至るのであった――
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
六人の交わりを終えたのは日が高く昇る頃だった。
運良く、集合点呼の日では無かったが、そうでなければきっと、アルトイーリスらが直々に乗り込んで来たに違いない。
確かなのは、七人の絆がより強固になった事。
けれど、その絆が美しく花開くには、数多の試練が必要であった――
19/01/01 22:16更新 / rakshasa
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