連載小説
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1.趣味と仕事はバランスが大切である。
とある建物の一室で一人の男が机に向かっている。
ぼさぼさの黒髪、紺の羽織に、ワイシャツ、ぴっちり折り目のついたズボンという、国籍不明の出で立ち。
これが俺。リンボー公国警察ガンマルク署刑事課、ジョナサン・イース・ターンズ。階級はなんだかんだで警部。独身。
「畜生、やばいな…。」
俺は頭をがりがりとかく。
今この町では、通り魔による連続殺人事件が発生している。
被害者は現在三名。共通点は未だに不明。
三人とも、袋小路の奥で腹部を刺されて死亡していた。
そして、現場周辺では犯人らしき人物が全く目撃されていない。
まるで煙のように、現場から消えてしまっているのだ。
だが、差し迫っての問題はそこではない。
今、ここで起こっている事だ。
だらだら話をしてもしょうがない。率直に言おう。
眠い。
猛烈に。
ふと気づいたら、捜査資料がヨダレでべチョべチョになっていた。
誰かに見られていないか辺りを窺いつつ、袖口で拭う。
当然のごとく袖口がネトネトになる。
止めときゃ良かった。
というか、この忙しい時期に無差別殺人とか、ふざけんじゃねーぞ。
本当は俺を殺そうとしてるんじゃないのか。
「大丈夫ですかー。目が死んでますよ、警部。」
扉が開いて、部下のマルコが入ってくる。
「大丈夫じゃねえよ。眠ぃよ。KO寸前だよ。」
マルコは可笑しそうに笑う。
何でこんな元気なんだコイツ。
「あー、コーヒーでも買ってきたいな。頼んでいいか?」
「え、ああ、大丈夫ですよ。」
「おう、じゃ、頼む。」
どさ、と書類の束をマルコに手渡す。
「じゃ、コーヒー買ってくる。」
「え!?ちょっ!?逆じゃないですか!?」
知るかよ。恨むなら殺人鬼を恨め。
俺は困惑するマルコを置いて、意気揚々と部屋を出て行く。
「ちょっ!警部――!?」
若き刑事の叫びが、外の闇にこだました。


俺は、缶コーヒーを片手に、夜の街を歩いていた。
下手をすれば、伸ばした手の先も見えないような暗闇。
俺はランプのわずかな光を頼りに、ある場所を目指した。
『骨董 森羅万象堂』
寝静まった通りの中にあって、その店だけが薄ぼんやりと鬼火のような光を放っている。
見知らぬ人間なら、怪しげな店だと避けて通るかも知れないが、俺にとっては最も安らげる場所。いわば心の故郷である。
え?仕事はどうした?
そんな昔の事は覚えちゃいないね。
扉の前のカーテン(ノレンというらしい)をめくり、中へと入る。
店内は、雑多で、それでいてどこか温かみのあるガラクタたちが跳梁跋扈している。
「夜遅くすまん、マスター。」
店主に挨拶されるより先に、声を掛ける。
別に、俺が特別きさくな人間だというわけではない。こうしないと、店主がどこにいるか分からないのだ。
もそり、とガラクタの山が動き、中から何か人型の塊が出てくる。
「はい〜?」
眠たげに半開きにされた目がこっちを見る。別に夜遅くだからではなくて、これがデフォルト。
「おー、誰かと思えばジョナサン君ですかー。おひさ。」
手を上げる彼女が、ここの店主。ホブゴブリンのキュリア。
「いや〜、いつもご贔屓どーも。君のお陰でウチの店は持ってるのだよ。」
「そりゃどうも、なんか、掘り出しものはあるか?」
「むー、そーだね〜。」
ごそごそと足元を掘り起こすキュリア。というか、品物の上に座ってていいのか。
俺はきょろきょろと店内を見渡した。
ふと、梁から下げられた品に目が留まる。
「おい、ありゃ何だ?アコーディオンか?」
「ふぇ?あー、違う違う。」
キュリアはどこからとも無く長い棒を取り出し、おぼつかない手つきでそれを引っ掛けようとする。
「むいー、もうちょい…。」
「おい、大丈夫…、」
ゴッ。
「アウチッ!」
俺の頭上に落下。
頭をおさえてのたうちまわる。
「あー、ごめんー。」
ぐおお、結構重かった。
痛みが引くまでしばらくかかった。
「…、で、これ、何だ?」
「チョーチン。」
「はい?」
聞きなれない単語だ。
「あー、だからー、ランタンの事。こん中に、ローソクいれて、火ーつけて使うの。」
ほほう。
「さらにね、使わないときはね。」
キュリアは手早く手元のそれを小さく折りたたむ。
「ほら、こんなにコンパクト。」
「すげえ!」
やばい、こういうの燃える。
「こ、この模様は何だ?」
「ふふん、これはね、家紋といってね。
キュリアの目がきらりと輝く。
「武士の家柄の、紋章なのだよ。」
「おおおおお!格好ぇ!」
「さらに今買うと徳用のハニービー製蜜蝋燭三本セットがついてくる!」
「うおお!お得だな!」
「欲しい?」
「欲しい!」
「銀貨十枚。」
「ヤー!!」
…。
あれ?
なんで俺、これ持ってんの?
「まいどー。」
「あ、うん。」
またもぞもぞとガラクタの山へと帰還していくキュリア。
あ、
俺、買わされてる!?
おのれ、何で普段とろとろしてるのにこういう所抜け目無いんだ。
「ゴブリンとはえてして商魂逞しいものなのだよ。」
どこからともなく声がする。
心を読むな。
薄給を見事に毟られた俺は、店内のエキゾチックな品々に後ろ髪惹かれつつ、チョーチンとやらを片手に、再び漆黒の闇に身を投げ出した。
「またのご来店を〜。」
何処からとも知らぬ呼びかけが、静かに闇にこだました。


提灯はゆらゆらとほのかな光を放っている。
俺の部屋に飾られた着物や仮面、ダーツの的に刺さった手裏剣など、さまざまなガラクタが照らし出されている。
キュリアの店からこれを買って帰ってきてまずやったこと。
激しく後悔。
自分の自制心の無さを責め、これって必要なのかという思いに苛まれ、迫りくる月末の恐怖に打ち震えた。
まてまて。こんなことをしてても始まらない。
前向きに考えよう。
もし、これを買ってなかったら、多分後でとてつもなく欲しくなって、矢も立てもたまらなくなって、多分次の日仕事をサボって買いに行っただろうと思う。それに比べたら…。
俺って本当に大人なんだろうか。
結構マジで、しょげる。
とりあえず…、忘れよう。
オプションでついてきた蝋燭に、ライターで火をともし、今に至る訳だ。
やさしい光が、独身男の汚い部屋さえも幻想的に照らし出す。
そのゆらゆらと揺れるほのかな輝きを見つめていると、まるで心が洗われるようで、頭が真っ白になっていくような、なんか、その、うん…。
ぐう。
…。
ん、ああ、いかんいかん。ついうとうとしてしまったようだ。疲れが溜まっていたのだろう。あの火を見ているうちに、あの火を、火を…。
火事!!
え、え!?どっか火出てないか!?
慌てて見回すも、提灯がどこにも見当たらない。
やばい、どこだ、どこだ!?
立ち上がろうとして、異変に気づいた。
一つ。俺の部屋から提灯が消えていること。
そして、もう一つ。俺の膝で、見知らぬ美少女が寝息を立てていること。


さてと、ここで読者の諸君に挑戦だ。
大枚をはたいて買った俺の提灯はどこへ消えたのか?
そしてこの少女は何者であるのか?
手がかりは全てこれまでの文章の中に提示されている。(主に前説。)
さあ、この謎が解けるだろうか。
解けたら教えて欲しいんだけど。
何はともあれ、このままでは立ち上がることもできない。
ぐっすり寝ているところ悪いが、少女に起きてもらうとしよう。
ゆさゆさ。
「むー。そんなとこいじっちゃらめぇ…。むにゃむにゃ。」
どんな夢見てんだコイツ。
「うーん、あ…、そこ、いい…。」
べし。
いくら揺すっても起きないので、いらっときて、チョップをかます。
「ほわ!?」
泡を食って飛び起きる少女。
「へ!?あ、え!?だ、誰でありますか!?」
「それはこっちが聞きたい。」
少女はしばらく右往左往していたが、やがて状況を把握したように、近くにあった椅子にちょこんと座った。
「えっと、ご、ご迷惑おかけしたであります。重かったでありますか?」
「あ、いや、それはいいんだ。」
「そうでありますか!よかった。」
少女はほっとした様子でそういうと、また、うつらうつらと船を漕ぎ出した。
「ちょっと待て!おい、よかったじゃねえ!」
「ふぇ!?」
膨らみかけた鼻提灯がぱちんと割れる。
「な、何でありますか?」
「まず聞こう、お前の家は何処だ?」
「ここでありますよ?」
「名前は?」
「まだ無いであります!」
「保護者は?いるか?」
「やだなー、もう、小生は身も心も貴方のものでありますよ?」
…。
俺は懐からワッパを取り出し、少女の腕に掛ける。
「ちょ、ちょ!?何をするでありますか!?」
「とりあえず一晩は署で預かってやる。朝になったら大人しく帰れ。」
「帰るも何も、ここが小生のウチでありますよー!」
「ガキがごっこ遊びで人の家に上がりこんでいい時間じゃねえよ!まあ、そんなことしていい時間なぞ無いがな。」
「遊びじゃないでありますよ!というか何で手錠を掛けるのでありますか!?」
「何か手に負えなそうだからだ。」
じたばたする少女。
よく見りゃ胸と腰周り以外ほとんど裸みたいな格好じゃねーか。
ったく、近頃の親はどういう教育を…。
あ、そうだ。
「お前、俺の提灯知らないか?」
「へ?」
そうか、いきなり聞いても分からんよな。
「いや、提灯、てのは明かりを…。」
「え?そうじゃなくて、小生でありますよ?」
「はい?」
何か変な聞き違いをしたような気がする。
「ですから、小生が主殿の提灯であります。」
自分のほうを指差す少女。
「…。そりゃ、もう子供は眠い時間だよな。悪い。」
「寝ぼけてないでありますよ!ほら、これ!」
少女が足を上げる。
そこには…、ん?
これは、提灯の、片割れ?
「お前…。」
「分かったでありますか?」
得意げに胸を張る少女の胸倉を、掴み寄せる。
「お前、これ幾らすると思ってんだーっ!!銀貨10だぞ!10!金ってのはなあ、只で手に入るもんじゃないんだよ!弁償しろ!弁償!」
そのまま激しくシェイクする。
「あわわわわわわ!待って!違うのでありますよー!」
「何が違うんだ!」
「い、今見せるであります!止めて!」
俺の手からぼたりと落ちる少女。
「うー、痛いであります…。」
「いいから見せろ。なんだか知らんが。」
「分かったであります!よく見てて欲しいであります!」
そういうと少女は足を開きだした。ほとんど180度に近いぐらいに。
「み、見てるでありますか?」
おいおい、色仕掛けで誤魔化す気か?悪いが俺はガキには興味が…、うん?
最初は足が縮んでいるのかと思った。
次の瞬間、両足の提灯に吸い込まれるように少女の体が掻き消え、元通りの提灯が残された。
「え?え!?どういうこった!?」
「こういうことでありますよ。」
「うおっ!」
いつの間にか少女が戻っている。提灯は、無い。
はっ、そういえば、聞いたことがある。
長い間使い古された器物は魔力を蓄積しやすくなり、魔物化することがある。
一般的に99年周期の変化が多いため、「九十九神」と呼ばれる。と。
「じゃ、じゃあ、お前が、あの、提灯?」
少女の顔がぱっと明るくなる。
「やっと分かってくれたでありますかぁ!」
がちゃ。
少女が、両手をそろえて突き出す。
「あの、これを、外して欲しいであります。」


「で、お前はどういう経緯でここに?」
少女はふふんと鼻をならし、ぴっと指を立てた。
「話せば長くなってしまう話であります。聞くでありますか?」
「じゃ、いいや。」
少女が、ぽかんとしている。
そのまま本を手に取り、読み出す俺。
「も、物心ついた時は、ある勤皇浪士組のアジトにぶら下がっていたであります。」
結局喋りたかったのかよ。初めからそう言え。
「そのあと、維新が起こり、そのごたごたの中、小生は大陸の人に買われ、海を渡ったのであります。」
少女はこほんと偉そうに咳払いをする。
「それから、蚤の市で売られたり、どこかのお祭りで見世物になったり、波乱万丈の毎日を乗り越え、いまここにいるというわけであります。」
短ぇな!ほぼ一文じゃねーか!
「と、いうか、お前が魔物だとか、買ったときぜんぜん説明されなかったんだが?」
「そりゃそうでありますよ。この姿になったのはほとんど初めてでありますもの。」
「はあ?何でまた。変身してちゃんと話をすれば帰る機会もあっただろうに。」
「それは、でありますね。」
少女が深く息を吸い込む。
「無茶苦茶怖かったのでありますよーっ!!」
一気に涙目になる少女。
「切りあいとか、血が出るのでありますよ!?海とか、波が来るのでありますよ!?何で目が青いのでありますか!?髪が金色なのでありますか!?思い出すと怖い…。やぁ…。」
頭を抱え、ぶるぶる震える少女。
知るかよ。
「そんなこんなで怖くて変身もできなかった小生が、主殿に買われ、火をつけられ、見ると、いい武者振りの殿方が、羽織姿でうつらうつらしていて、いても立ってもいられず…。」
出てきてしまった、と。
「それで、ああ、樟脳の香り懐かしい、主殿の汗の匂いステキ、と思っているうちに、ついうっかりと眠ってしまい…。」
ああなった。訳か。
「俺は怖くないのか?」
「主殿は黒髪で、目も黒いでありますし、あまり抵抗がないのでありますよ。」
そんなもんかね。
はなっから他民族国家で生まれ育った俺としちゃ、あまり実感の湧かない話だ。
「それに、もう十年以上も…。我慢の限界であります…。」
「ん?何か言ったか?」
「い、いや、なんでもないでありますよ。」
怪しい。大体何でもないって何でもないとき言わんよな。
「そ、そうだ、小生、主殿にお礼がしたいのであります!」
「お礼?なんぞそんなことをされるような覚えが無いが。」
「え?いや、その、それは、あれでありますよ。」
わたわたとせわしなく腕を振る少女。
お前、今考えてないか?
「あっ、あの店から、助けてもらった恩であります!」
助けてもらったって、おい。
まあ、確かに道具の身の上からしてみりゃ、確かにあの店は恐怖かもしれんな。
「まあ、分からんでもないが、俺の勝手でやったことだ。別に無理に恩返しなぞいらな…?」
なんだ?
じわじわと少女が近寄ってくる。
この感じは、そう、にじり寄る、という言葉がふさわしい。
「そういわずに、小生、お役に立つでありますよ?」
目が据わっているような気がする。
と、いうか何で服に手をかけ…?
「たとえば、色々困るでありましょう?」
少女がにやりと笑う。
「独身だと。」
慌てて逃れようとするも、気づくのが一瞬遅かった。
少女に飛びつかれ、身動きを封じられる。
「そんなにもがかなくても、お楽しみの時間でありますよ!」
「やめ、放せ!俺はガキに興味は…。」
ドクン。
何だ!?
心臓が高鳴る。
体の末端から、心臓へと血流が遡ってくるような錯覚。
やばい、これは、魔力酔いだ。
必死に理性を振り絞って押さえ込もうとするが、ダメだった。
「むふふ…、口じゃそんなこと言ってても、ここは正直でありますなぁ♪。」
一瞬のうちに俺のズボンに城が築かれる。
「それでは、お道具拝見であります。」
少女はゆっくりとジッパーを下ろしていく。
くそ、抵抗できない。
硬い布地の制約から解き放たれた俺のモノは、勢いよく顔を出すと、さらに際限なくその勢力を強めた。
「わお!さすがは主殿、結構なお手前でありますな…!」
じゅるり、と舌なめずりをする少女。
「それじゃ、遠慮なく、頂くであります。」
そういうや否や、少女は俺のモノをぱくりと咥えた。
「…っ!?」
途端、衝撃が走る。
なんだこの快感、尋常じゃない。
「はむ、れろ、ぺろ、ぴちゃ。」
そのまま全体を余すところ無く味わいつくす少女。
石のように硬直したモノに舌が触るたび、まるで焦がされているかのように熱く鋭い刺激が伝わってくる。
「くっ…!はっ!」
思わず声が出てしまう。
「ふふ、気持ちいいのでありますね…。」
咥えたまま喋るその声の振動さえも、俺を内側から崩しにかかる。
「うっ!くぅ…!っ…!」
歯を食いしばって、内から上ってくる衝動を堪える。
ギリギリのラインで、一進一退の攻防を続ける。
と、
ぎゅっ。
「なぁっ!?」
予期せぬ刺激。
少女の小さな手が、俺の宝玉を握り締めている。
そして、上目遣いで一言。
「我慢しなくて、いいのでありますよ?」
もう、限界だった。
「んぶぅっ!?」
勢いよく少女の口内に俺の溜まっていた内なるものが吐き出される。
すかさずモノを吸い上げ、綺麗に飲み干してしまう少女。
「はああ…。いっぱい出たでありますね…。」
アレだけのものを放出したのに、まだ硬さを残す俺のモノ。
「まだまだ元気でありますね。じゃあ、次は…。」
少女がそっと足を開く。
テラテラと怪しく光る秘所を見せ付けるかのように。
ダメだ、と分かっていても、体が止められない。
「ふあっ!?」
気づくと俺は少女の乳首を弄っていた。
「あ、ああっ、いいであります!もっと、もっと!」
秘所からあふれ出た雫が、俺の足元に滴る。
「はあ、はあ、もう、びしょ濡れでありますよぉ。」
少女は指で割れ目を開いてみせる。
「ここに、欲しいのであります。」
目がとろんと淫靡に蕩けている。
「魔物化して、十何年も、ヤってないのでありますよ?もう、限界でありますぅ…。」
「それが、本心か。」
こくりと頷く。
「いいだろう、今入れてやるよ。」
モノをぴたりと入り口に押し当てる。
「はやくっ!はやくっ!」
「焦るなよ。いくぞ…。」
勢いよく少女に突き立てようとした、その瞬間。
鳴り響いた電話のベルに、はっと我に帰る。
「はっ、はい!?もしもし?こちらジョナサン・ターンズですが。」
「警部ですか!?」
マルコか。
「悪かったな。仕事置いて帰っちまってよ。こんど飯奢ってやるから勘弁…。」
「それどころじゃありません!第四の被害者です!」
戦慄する。
まさか、捜査網も張られているというのに!?
「とにかくすぐ来てください!お願いします!」
「…。分かった。すぐ行く。」
俺は受話器を置いた。
「おい、話聞こえたか?」
「…、手錠なんか持ってると思ったら、お巡りさんだったでありますか…。」
尊敬のまなざしでこっちを見てくる。
「と、いうわけで、行くからな。」
「…。え!?じゃ、じゃあ、続きは!?」
「無しに決まってんだろ!」
袖に絡みつく少女を振り払う。
「ここまできて、お預けとか、ナシでありますよ…!」
知るかよ。
急いでズボンをはき、家を駆け出る。
「主殿、カムバーーーック!!」
少女の叫びが、闇にこだました。
11/12/17 23:28更新 / 好事家
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■作者メッセージ
ここまで読んでいただき、ありがとうございます。
久しぶりに投下しました。
文章とか、構成とか、荒いですが。
長い話になりそうだったので、エロを最初に持って来ました。
もちろんラストにもありますので、気長にお待ちください。
いろいろ、狙いすぎ?仰るとおりです…。
欲張ったせいで無駄に苦労した気がします。
それでは、また次回。

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