座敷ファラオは俺を幸せにしてくれるのか?
俺、流川 紀行(ながれかわ としゆき)の朝は早い。 俺が起きて一番にすることは、お湯を沸かすことだ。 このお湯で淹れた熱々のお茶から立ちのぼる香りが一日の始まりを知らせてくれる、とはあいつの談だ。 「はぁ…………」 俺はため息を吐く。 なぜなら、これは俺の意思ではないからだ。 目は勝手に覚める、手は勝手に動く。 そこに俺が何かをする余地なんて無かった。 ならばどうして俺がこんなことをやっているのかって? それじゃあ話してやろうか、あいつと俺の出会いを……。 |
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