前編
やけに体を軽く感じながら、市尾和喜は朝起きるとすぐにリビングに向かった、両親はさっさと仕事に行って家を空けているから、いるのは家事全般を任せている弟だけだ。
和喜はドアを開けて
「おはよ、幸喜」
と言った、言ったはずだったのだが、出た声は和喜の声にしては高かった。
「え？」「あれ？」
振り返って驚きに目を見開いた弟の背がやたらに高く見えることで、ようやく自らの体の異常を悟ったのは朝が弱い「彼女」の性質ゆえに仕方のないことかもしれない。
「あんた、誰だ？ カズ兄の新しい彼女か？」
見知らぬ人を見る目の幸喜の背は、和喜より低かったはずが高くなっている、そもそも、寝るときに着ていたパジャマそのものが明らかに今の和喜の体からすれば大きい。
まるで、和喜の体が縮んでしまったかのように。
「…………」
意味不明の状況にフリーズした和喜はとりあえず確認のために洗面所に向かう、頭が一気に覚醒した。
自分の身に何が起きているのかは予想できた、しかし確認せずにいられなかった。
そして鏡を覗き込むと、半ば以上予想通り、角を生やした中性的な顔立ちの美少女が覗き込んでいた。
身長も、かなり縮んでいた。
「なんっ！ じゃっ！ こりゃぁ―――――――――――――ッ！！！」
和喜は思わず悲鳴を上げた、すると鏡の中の美少女も大口を開けて悲鳴を上げる。
「何だ！？ 誰だ！？ 結構可愛いなって俺か！！？」
鏡に顔を近づけ、美少女の顔をもっとしっかり覗き込む。
驚愕に目を見開きパニックに陥りながらそれでも鏡の中の美少女はやはり美少女だった。
和喜は確信した、和喜は女になってしまったのだと、鏡の中の美少女が、今の和喜の顔だ。
「……まさかと思うけど、あんたカズ兄なのか？」
洗面所に来た幸喜が和喜に訊ねる、和喜はロボットのようにゆっくりと弟の方を振り返る、実弟ですら彼女が自分の兄だったことは分からなかったらしい。
和喜もその感覚はよくわかる、和喜も弟がいきなり美少女に変わったらそれが誰か察知できないだろう。
「……これが夢じゃない限り、うん。」
夢であってほしいと思う、しかし現実だろうと確信している。
「……………えっと、救急車呼ぼうか？」
「……是非とも頼む。」
この場合警察を呼んだ方がよかったのかもしれないが、しかし体の異常ならば救急車でたぶん合っている、問題は救急車が来てどうできるか。
「男に戻れなかったら、戸籍の書き換えしなくちゃいけないよな、服も新しく買いなおさないといけない、こりゃ出費的にひどいことになるぞ。」
尻から生えた太い尻尾と、背中に生えた淡い紫の羽、そして頭の角を順番にいじくりながら、これからの生活をどうにかするためにもそのことを考えていた。
「カズ兄、救急車は十分あればつくらしい、ところで物は相談なんだけどさ。」
「乳揉ませてくれとか言うなよ？」
胸はそこまで大きくはないが体全体に色気はついた。具体例を挙げるのならば腰にくびれができた。
「いや、持ってるエロ本、用済みなら譲ってくれね？」
「ヤダ。」
『こんなところでこの状況下で何を言い出すかと思ったらまさかそんな事とは』と呆れたのが最初の感想だ。
救急車に乗せられ病院にたどり着いた和喜だが、そこのドワーフ医師から下された診断は、和喜の予想を全く裏切らないものだった。
「アルプ化、という現象ですね、インキュバスのうち特定の願望を抱く人が稀に魔物に変化するんです。申し訳ありませんが治療手段はありません、魔物として生きてください。」
というのが先生のお言葉だった。
「やっぱりそうっすか……何となく予想はしてましたけどね……」
「大丈夫ですよ、住めば都という言葉もありますし数年で慣れます。」
「数年かかるんじゃ意味ないっす。あと、住めば都ってこんな時に使う言葉じゃない。」
「まずはその体に慣れるところから始めてください。いろいろ影響が出るはずなので、今までと同じ調子でいると思わぬ怪我をしますよ。」
そんな風に釘を刺す先生は、新しい実験動物の入荷を喜ぶ研究者の目をしていた。恐らく非常に希少なアルプ化の一例である和喜のことを興味津々の目で見ている。
「これから毎週、うちに来てくださいね。診察料は要りませんので。」
ギラギラとした目で、ドワーフ先生はそう言った。
病院を出ると、すぐに携帯を確認する、使用禁止ということで律儀に電源を切ってあったから、電源が入って作動するまでは待つことになるが、あまり気にしない。
周囲の人たちの好奇の視線が和喜の体に群がるがそれも当然だ、釣り目がちな大きな瞳は淡い黄色に輝き、少し癖のある黒の短髪、ダボダボの衣服から下手をしたら見えてしまいそうな小ぶりの胸も色気を放っている。
どこからどう見てもそうにしか見えない魔物の美少女が、こんなわけありそうな格好で病院前で携帯を弄っていたら視線を集めない理由はない。
起動してすぐにメールを確認する、一件、幸喜から。
『先生に事情話してみたけど、今日は学校来なくていいってさ。』
とだけ書いてある、両親にも事情が伝わっているだろうから、両親が帰ったら家族会議だ。
まさか息子がアルプになってしまうなど両親の方も全く予想していなかったはずだ、和喜すら予想できなかったのだから。
『わかったよ、ありがとな。』
とだけ書き込んで送信する、これから和喜は家に帰って両親の帰りを待つことになる。
「これから、どんな風になるんだろうな。」
出てくるため息を隠せなかった。
和喜の異変を詳しく知るために仕事を早く切り上げてきた両親が帰宅し、直帰してきた幸喜も到着したので家族全員が揃った。
「ってことで、俺は女になっちまいました。」
まずは両親と幸喜に、病院で受けた診察をかいつまんで説明する。
和喜はアルプになってしまったこと、男に戻る手段がなく、これからは魔物として生きていかなくてはいけないことだ。
「ふむ………」
難しい顔をするのは父の喜明、その傍らの母香子はと言えば、喜色満面である。
「いやぁ、お母さん昔から女の子が欲しかったのよね〜 生まれた子供は男の子だし二人とも女装させられるほど可愛くもなくて残念だったんだけど、念願叶ったわ〜」
「いやいや母さんそんなに当たり前に受け入れるなよ。」
思わず和喜はツッコミを入れてしまうが、気にもされていない。
「そうだ！ 名前も変えないといけないわね女の子らしいのに、服だって買ってあげなくちゃ、こんなにかわいいのに昔の男物の服なんかダメよ、幸喜にあげちゃいなさい。」
勝手に話を進めてしまう香子だが、市尾家のメンバーで彼女に逆らえる人間はいない。
「そうだな、和喜はどんな新しい名前がいい？ やっぱり女の子らしく可愛げのある名前の方がいいんじゃないか？ 明日戸籍も変えに行かないとな。」
「今迄みたいに『カズ兄』って呼ぶのも控えたほうがいいよな？」
香子の発言に逆らうくらいなら同調を選んだ喜明と幸喜によって和喜の変化を気にするのは和喜一人になってしまった、もう和喜にはどうにもできない。
「明日一緒に買い物行きましょう！ あと役所に行って戸籍の変更も！」
そんなわけで、はしゃぐ母に皆が乗せられてしまう。
それから二日後。
「………と、言うわけで。『市尾和喜』君は一昨日から『市尾和希』さんになった、これからも皆仲良くするように。」
担任のアヌビス支倉走狗のそんな発言に、教室中の全員が言葉を失っていた。
和希の服装は女子制服ではなく男子制服のまま、新調するには時間が足りず、制服の丈を合わせただけで済ませたのだ。
名前は字を変えただけ、元のままでもよかったが香子に反対され、全部を変えてしまっても覚えづらいからと、今の形での決着を見た。
沈黙のまま時間が経ち、三秒が過ぎる直前に、
『すっげぇえええええええええええええええ！！！！』
教室のあちこちでそんな声がほぼ同時に発生した、男子の歓喜は痛いくらいに伝わる。
「可愛いじゃんエロいじゃん！」「やべぇ惚れそうだ、ほんとに和喜かよ！？」「どうかコスプレしてください！ とびっきり過激なの！！」
騒ぎ立てる男子を無視してさっさと鞄片手に自分の席に着く、背が低くなったせいで黒板の位置が前より高く見えるし、逆に周囲の生徒たちの身長は幾らか増したように感じる。
「何だって俺がこんな目に………」
走狗が出ていくとすぐに、級友たちが和希を取り囲む。
「なぁなぁ、和希。」
友人Aが声をかけてきた。
「何だよ。」
大体見ているところを見ればそいつが次に何を言い出すのかは理解できるがとりあえず聞いておく、他愛もない話を何度もしてきた気心の知れた友人だったからだ。
「乳揉ませてくれね？」
「断る。」
絶対に言ってくるだろうと思っていた言葉に対してあらかじめ用意しておいた返事をする。
「じゃあ一回ヤらせてくれね？」
「悪化してんじゃねぇか、ふざけんな。」
友人Aはそれでも引き下がらない、それどころか一歩後ろに下がったと思ったら
「この通りですから、中に一発出させてください！ 俺この機会を逃したら一生童貞のまま過ごすことになるかもしれないんです！！」
ドゲザである。
「魔界にでも行って来い誰か拾ってくれるから。」
「そんなこと言わないでくれよ市尾さん！ 是非とも俺たちのたぎるジョニーをその白魚のような指でしごいてくれ！！ さぁ早く！！！」
クラスメイトBがいきなり変態的なお願いをしてきたのを
「後生大事に童貞抱えて死ね。」
とぶった切り、教科書を取り出そうとしたところで
「俺の教科書をどうぞ！」「いいや俺のだ！」「僕のを使ってください！！」
と、輝かしい表情で保健体育の教科書を我先にと差し出してくる、中には避妊用品のページに付箋を張った教科書を出してくる奴もいる。
「邪魔。」
すべて叩き落としてから、自分の教科書を取り出す。
「ちょっと待ってくれよ市尾さん！」
そこから数分間、授業が始まるまでずっと和希はセクハラ攻撃と戦い続けた。
一週間が経ち、和希が女子の制服を着て学校に来ることをある程度受け入れたその日、土間で一人のサキュバスが和希を待っていた。彼女の名は澤宮楓、和希のクラスメイトで、そして和希がまだ和喜だった時の恋人。和喜をインキュバスにしたのも彼女に他ならない。
「カズ君、久しぶりだねこうやって二人で話すの。」
楓は前と変わらない呼び名で和希ににこやかな笑顔を向けてきた。
「ああ……そうだな、悪いな…こんなことになったのに説明しなくて。」
毎日クラスで顔を合わせてはいた、しかし和喜が女になって以降、楓とろくに口をきいたことは一度もなかった。会っても挨拶を交わす程度、長く話はしない。
それは、和希が楓に対し後ろめたさを感じていたからだった。
「ちょっとここだと話しづらいよね？ 場所、変えない？」
そう言って楓は和希の腕をつかむと少し強引に引っ張り、そのまま渡り廊下を通って別棟に入る。あまり生徒が来ることのない別棟は確かに人目を避けるには有効な場所と言える。
楓はさらに和希を女子トイレの一室に連れ込み、鍵をかけた。
「おい？ 楓？ いったい何するんだ？」
「ん？ イイことだよ、和希さん？」
あくまでにこやかに楓は微笑んで見せた。その笑顔に、強烈な恐怖感を和希が覚えたことを別にするのなら「老若男女を骨抜きに出来そうな笑み」だった。
楓は笑顔のまま和希の服の中に手を滑り込ませながら、和希の唇を塞ぐ。そしてキスしながら和希の服を肌蹴させると、真新しい水色のブラジャーのホックを外して和希の胸を外気に晒す。
そして指を和希の小ぶりな胸に絡めるようにして揉み始める。その手の怪しい動きはさすがサキュバス、敏感なポイントを的確についている。
「いいことってお前っ」
「女の子の気持ち良さ、全身で堪能させてあげる。」
唇を離しながらそう言った楓は、さらに胸を揉む。
脂肪を解すようにやさしく圧迫しながら、硬くなってきた乳首をたまに軽く弾く。
人差し指と親指で乳首をはさみ、くりくりと指の間で転がしながら引っ張る、既にツンと尖って小さな山の上で自己主張していたピンクの果実は、その動きに引っ張られるようにさらに自己主張を激しく和希の頭に快感電波を送る電波塔として機能する。
「ひっ…くぅ……やめっ ろぉ……！」
楓の腕をつかみ、必死に引き離そうとするが、快感のあまり手に力が入らず楓の手首を弱弱しく握ることしかできない。
「やめるわけないじゃん、だってこれは罰なんだから。」
「ば……つぅっ！？」
和希の顔を覗き込む楓の目は、底知れない敵意を灯していた。
「そうだよ、大好きだったのに、本気だったのに私を裏切って女の子になった罰。乙女の心を踏みにじった罰はすっごく重いんだよ？」
言葉の調子は軽いのに、背筋に走る悪寒。
楓の左手が和希の胸から離れ、腹をなぞるようにして下って行き、下半身を覆うスカートに触れると、その裾から中に潜り込んだ。濡れたショーツ生地の上から和希の陰唇に指がたどり着き、上から指を押し付ける。
「ひぐぅっ！？」
体中に走る強烈な快感に、体が跳ねる。
しかし楓の攻撃はそれだけにとどまらず、ショーツの中に指を滑り込ませると濡れそぼった陰部をかき回すように指が膣内に滑り込んで壁をこする。
「んぁっ！ ぁあっ！！」
快感に思わず和希が声をあげると、入り込んだ指はさらに内部で壁を強く擦り始めた。
襞を根元から掬い上げるように苛め、内側から押し付けるのと同時に外に残ったままの親指が力を込め、ある部分を強い力で挟み込んだ。
「んギィいいいいいいいいいいいいいいいいッ！！！」
瞼の裏で誰かがフラッシュを焚いた、そう思うような鮮烈な光が和希の視界を埋め尽くした。クリトリスが、強い力で刺激されたのだ。
膝が生まれたての小鹿もかくやといわんばかりにガクガクと震え、噴出した潮がショーツのシミを大きく拡大し、股間部を覆う部分は完全に愛液まみれになった。
「ハぁ………はァ………ぁっ、はァアﾞッ！！！」
体を震わせながら余韻に浸ろうとした和希は膣内をもう一度こね回される快感にはしたなく叫びながら覚醒する。
「ダメだよ？ まだまだ勝手に終わったなんて思ったら。」
ぐりゅぐりゅぬぢゅぬぢゅ、ぎゅむっ！
中をこすり、そしてたまにクリトリスを強く刺激する、ただそれだけの繰り返しに、絶頂を繰り返す和希の意識は天国と現実の境を彷徨う。
何度イったのか判別がつかないほど和希が絶頂し、ようやく刺激に慣れ始めると、楓は和希の秘部から指を抜き取った、そしてハンカチで愛液を拭う。
「安心しちゃだめだよ、これからが、本番。」
終わった、そんな期待をした和希の菊門に、楓の尻尾が宛がわれていた。
何をされるのか理解して和希が表情をひきつらせたのとほぼ同時、楓の尻尾が和希の菊門をこじ開け、直腸に侵入を始めた。
みちみちみちみちみちみち
「あギィ……くうﾞっアっ………」
ハート型で先端の細いサキュバスの尾は、入る隙間に乏しかった和希の括約を無理に引き延ばして通る穴を広げている、いくら事前に強烈な快感を浴びせられていても、一度も手をかけられなかった部分にいきなり挿入されれば苦痛が伴う。
ずぽん！
先端部が入るともうあとは細い部分だけ、その解放感がたまらなく心地よかった。
そして、直腸に入り込んだ楓の尻尾がピストンするように動き始める。
肛門をこじ開けた時と同様の流れで腸内がハートの形に広げられたかと思ったら、引き抜かれていくごとに引っかかって尻をめくられるような刺激が伝わってくる。
配慮も感じられない乱暴な責めに、和喜の体は確かに快感を覚えていた。
「ふあぁっ……ンぁ……ひうっ！ んくぅ！」
和希の口から洩れた甘い声を察知したらしく、楓が顔つきを変える。
「こんなのが気持ちいいの？ 気持ちいいんだよね？」
笑顔ながらその目には怒りを宿し、楓が囁く。
何が目的なのかも深く考えないまま和希が首を縦に振ると、
「そっかー、本当にカズ君は女の子になっちゃったんだねー。」
そして天を仰ぎ、
「ふざけんな！！」
叩きつけるような怒声を放ちながら、尻尾が押し込めるだけ奥に押し込まれる。
「こんなのでよがって！ 気持ちいい声出して！！ 私の気持ち踏みにじっておきながら毎日当たり前みたいに学校に来て！！ 私がこの一週間どんな気持ちでいたのかなんてわかりもしないんでしょ！！！」
たまに裏返るほどに声を荒げ、目から涙を流しながら、あふれ出る様々な感情すべてを尻尾に乗せて楓は和希のアヌスを蹂躙する。
その顔に、和希の手が触れた。
彼女の涙を優しく拭うように、頬を細い指が這う。
「泣くなよ、楓……」
それは、付き合っていた時何かが理由で泣いた楓を和喜が慰めるときいつもとっていた行動だった、「笑ってた方が馬鹿なお前らしいから」などと、いつも冗談で言っていた。
ぶつん！
「うるっさい！！ 私の好きな人の真似をするな私の大事な人の名前を名乗るな私の大好きな人の居場所を取るな！！！ カズ君を、かえせぇ――――――――――――――――――――――――――っ！！！」
和希の行動に怒りが頂点に達した楓は、叫びながら和希の体が浮くほど強く尻尾を和希の直腸に押し込み、ほぼ同時に和希のクリトリスも強く捩じった。
「んヒあﾞっおﾞオﾞあﾞアﾞ―――――――――――――――――――――――――――ッ！！！」
狂ったような喘ぎ声をあげ、感電したように四肢を突っ張らせ、ガクガクと痙攣しながら一秒に数回、いや十数回の絶頂に至り続ける。
視界は極彩色の火花で覆われ、音も臭いも感じ取れないほど感覚がマヒし全身を貫く快感だけが異常なまでに鮮明に五感を支配する、まるですべての知覚能力を快感を貪るためだけに使用しているような、そんなをエクスタシーを和希は味わっていた。
（あれ………床、どこ行った？）
意識も、体も吹っ飛ばされるような絶頂の連続の中、和希の意識が闇に落ちた。
その後、トイレの個室で気絶していた全裸の和希が発見されたのは昼休みのことだった。
学生間での凌辱事件として教員は男子生徒を疑い犯人を捜したが、被害者である和希本人が捜査を望まず、事件が迷宮入りとなるのはそう遠くなかった。
和喜はドアを開けて
「おはよ、幸喜」
と言った、言ったはずだったのだが、出た声は和喜の声にしては高かった。
「え？」「あれ？」
振り返って驚きに目を見開いた弟の背がやたらに高く見えることで、ようやく自らの体の異常を悟ったのは朝が弱い「彼女」の性質ゆえに仕方のないことかもしれない。
「あんた、誰だ？ カズ兄の新しい彼女か？」
見知らぬ人を見る目の幸喜の背は、和喜より低かったはずが高くなっている、そもそも、寝るときに着ていたパジャマそのものが明らかに今の和喜の体からすれば大きい。
まるで、和喜の体が縮んでしまったかのように。
「…………」
意味不明の状況にフリーズした和喜はとりあえず確認のために洗面所に向かう、頭が一気に覚醒した。
自分の身に何が起きているのかは予想できた、しかし確認せずにいられなかった。
そして鏡を覗き込むと、半ば以上予想通り、角を生やした中性的な顔立ちの美少女が覗き込んでいた。
身長も、かなり縮んでいた。
「なんっ！ じゃっ！ こりゃぁ―――――――――――――ッ！！！」
和喜は思わず悲鳴を上げた、すると鏡の中の美少女も大口を開けて悲鳴を上げる。
「何だ！？ 誰だ！？ 結構可愛いなって俺か！！？」
鏡に顔を近づけ、美少女の顔をもっとしっかり覗き込む。
驚愕に目を見開きパニックに陥りながらそれでも鏡の中の美少女はやはり美少女だった。
和喜は確信した、和喜は女になってしまったのだと、鏡の中の美少女が、今の和喜の顔だ。
「……まさかと思うけど、あんたカズ兄なのか？」
洗面所に来た幸喜が和喜に訊ねる、和喜はロボットのようにゆっくりと弟の方を振り返る、実弟ですら彼女が自分の兄だったことは分からなかったらしい。
和喜もその感覚はよくわかる、和喜も弟がいきなり美少女に変わったらそれが誰か察知できないだろう。
「……これが夢じゃない限り、うん。」
夢であってほしいと思う、しかし現実だろうと確信している。
「……………えっと、救急車呼ぼうか？」
「……是非とも頼む。」
この場合警察を呼んだ方がよかったのかもしれないが、しかし体の異常ならば救急車でたぶん合っている、問題は救急車が来てどうできるか。
「男に戻れなかったら、戸籍の書き換えしなくちゃいけないよな、服も新しく買いなおさないといけない、こりゃ出費的にひどいことになるぞ。」
尻から生えた太い尻尾と、背中に生えた淡い紫の羽、そして頭の角を順番にいじくりながら、これからの生活をどうにかするためにもそのことを考えていた。
「カズ兄、救急車は十分あればつくらしい、ところで物は相談なんだけどさ。」
「乳揉ませてくれとか言うなよ？」
胸はそこまで大きくはないが体全体に色気はついた。具体例を挙げるのならば腰にくびれができた。
「いや、持ってるエロ本、用済みなら譲ってくれね？」
「ヤダ。」
『こんなところでこの状況下で何を言い出すかと思ったらまさかそんな事とは』と呆れたのが最初の感想だ。
救急車に乗せられ病院にたどり着いた和喜だが、そこのドワーフ医師から下された診断は、和喜の予想を全く裏切らないものだった。
「アルプ化、という現象ですね、インキュバスのうち特定の願望を抱く人が稀に魔物に変化するんです。申し訳ありませんが治療手段はありません、魔物として生きてください。」
というのが先生のお言葉だった。
「やっぱりそうっすか……何となく予想はしてましたけどね……」
「大丈夫ですよ、住めば都という言葉もありますし数年で慣れます。」
「数年かかるんじゃ意味ないっす。あと、住めば都ってこんな時に使う言葉じゃない。」
「まずはその体に慣れるところから始めてください。いろいろ影響が出るはずなので、今までと同じ調子でいると思わぬ怪我をしますよ。」
そんな風に釘を刺す先生は、新しい実験動物の入荷を喜ぶ研究者の目をしていた。恐らく非常に希少なアルプ化の一例である和喜のことを興味津々の目で見ている。
「これから毎週、うちに来てくださいね。診察料は要りませんので。」
ギラギラとした目で、ドワーフ先生はそう言った。
病院を出ると、すぐに携帯を確認する、使用禁止ということで律儀に電源を切ってあったから、電源が入って作動するまでは待つことになるが、あまり気にしない。
周囲の人たちの好奇の視線が和喜の体に群がるがそれも当然だ、釣り目がちな大きな瞳は淡い黄色に輝き、少し癖のある黒の短髪、ダボダボの衣服から下手をしたら見えてしまいそうな小ぶりの胸も色気を放っている。
どこからどう見てもそうにしか見えない魔物の美少女が、こんなわけありそうな格好で病院前で携帯を弄っていたら視線を集めない理由はない。
起動してすぐにメールを確認する、一件、幸喜から。
『先生に事情話してみたけど、今日は学校来なくていいってさ。』
とだけ書いてある、両親にも事情が伝わっているだろうから、両親が帰ったら家族会議だ。
まさか息子がアルプになってしまうなど両親の方も全く予想していなかったはずだ、和喜すら予想できなかったのだから。
『わかったよ、ありがとな。』
とだけ書き込んで送信する、これから和喜は家に帰って両親の帰りを待つことになる。
「これから、どんな風になるんだろうな。」
出てくるため息を隠せなかった。
和喜の異変を詳しく知るために仕事を早く切り上げてきた両親が帰宅し、直帰してきた幸喜も到着したので家族全員が揃った。
「ってことで、俺は女になっちまいました。」
まずは両親と幸喜に、病院で受けた診察をかいつまんで説明する。
和喜はアルプになってしまったこと、男に戻る手段がなく、これからは魔物として生きていかなくてはいけないことだ。
「ふむ………」
難しい顔をするのは父の喜明、その傍らの母香子はと言えば、喜色満面である。
「いやぁ、お母さん昔から女の子が欲しかったのよね〜 生まれた子供は男の子だし二人とも女装させられるほど可愛くもなくて残念だったんだけど、念願叶ったわ〜」
「いやいや母さんそんなに当たり前に受け入れるなよ。」
思わず和喜はツッコミを入れてしまうが、気にもされていない。
「そうだ！ 名前も変えないといけないわね女の子らしいのに、服だって買ってあげなくちゃ、こんなにかわいいのに昔の男物の服なんかダメよ、幸喜にあげちゃいなさい。」
勝手に話を進めてしまう香子だが、市尾家のメンバーで彼女に逆らえる人間はいない。
「そうだな、和喜はどんな新しい名前がいい？ やっぱり女の子らしく可愛げのある名前の方がいいんじゃないか？ 明日戸籍も変えに行かないとな。」
「今迄みたいに『カズ兄』って呼ぶのも控えたほうがいいよな？」
香子の発言に逆らうくらいなら同調を選んだ喜明と幸喜によって和喜の変化を気にするのは和喜一人になってしまった、もう和喜にはどうにもできない。
「明日一緒に買い物行きましょう！ あと役所に行って戸籍の変更も！」
そんなわけで、はしゃぐ母に皆が乗せられてしまう。
それから二日後。
「………と、言うわけで。『市尾和喜』君は一昨日から『市尾和希』さんになった、これからも皆仲良くするように。」
担任のアヌビス支倉走狗のそんな発言に、教室中の全員が言葉を失っていた。
和希の服装は女子制服ではなく男子制服のまま、新調するには時間が足りず、制服の丈を合わせただけで済ませたのだ。
名前は字を変えただけ、元のままでもよかったが香子に反対され、全部を変えてしまっても覚えづらいからと、今の形での決着を見た。
沈黙のまま時間が経ち、三秒が過ぎる直前に、
『すっげぇえええええええええええええええ！！！！』
教室のあちこちでそんな声がほぼ同時に発生した、男子の歓喜は痛いくらいに伝わる。
「可愛いじゃんエロいじゃん！」「やべぇ惚れそうだ、ほんとに和喜かよ！？」「どうかコスプレしてください！ とびっきり過激なの！！」
騒ぎ立てる男子を無視してさっさと鞄片手に自分の席に着く、背が低くなったせいで黒板の位置が前より高く見えるし、逆に周囲の生徒たちの身長は幾らか増したように感じる。
「何だって俺がこんな目に………」
走狗が出ていくとすぐに、級友たちが和希を取り囲む。
「なぁなぁ、和希。」
友人Aが声をかけてきた。
「何だよ。」
大体見ているところを見ればそいつが次に何を言い出すのかは理解できるがとりあえず聞いておく、他愛もない話を何度もしてきた気心の知れた友人だったからだ。
「乳揉ませてくれね？」
「断る。」
絶対に言ってくるだろうと思っていた言葉に対してあらかじめ用意しておいた返事をする。
「じゃあ一回ヤらせてくれね？」
「悪化してんじゃねぇか、ふざけんな。」
友人Aはそれでも引き下がらない、それどころか一歩後ろに下がったと思ったら
「この通りですから、中に一発出させてください！ 俺この機会を逃したら一生童貞のまま過ごすことになるかもしれないんです！！」
ドゲザである。
「魔界にでも行って来い誰か拾ってくれるから。」
「そんなこと言わないでくれよ市尾さん！ 是非とも俺たちのたぎるジョニーをその白魚のような指でしごいてくれ！！ さぁ早く！！！」
クラスメイトBがいきなり変態的なお願いをしてきたのを
「後生大事に童貞抱えて死ね。」
とぶった切り、教科書を取り出そうとしたところで
「俺の教科書をどうぞ！」「いいや俺のだ！」「僕のを使ってください！！」
と、輝かしい表情で保健体育の教科書を我先にと差し出してくる、中には避妊用品のページに付箋を張った教科書を出してくる奴もいる。
「邪魔。」
すべて叩き落としてから、自分の教科書を取り出す。
「ちょっと待ってくれよ市尾さん！」
そこから数分間、授業が始まるまでずっと和希はセクハラ攻撃と戦い続けた。
一週間が経ち、和希が女子の制服を着て学校に来ることをある程度受け入れたその日、土間で一人のサキュバスが和希を待っていた。彼女の名は澤宮楓、和希のクラスメイトで、そして和希がまだ和喜だった時の恋人。和喜をインキュバスにしたのも彼女に他ならない。
「カズ君、久しぶりだねこうやって二人で話すの。」
楓は前と変わらない呼び名で和希ににこやかな笑顔を向けてきた。
「ああ……そうだな、悪いな…こんなことになったのに説明しなくて。」
毎日クラスで顔を合わせてはいた、しかし和喜が女になって以降、楓とろくに口をきいたことは一度もなかった。会っても挨拶を交わす程度、長く話はしない。
それは、和希が楓に対し後ろめたさを感じていたからだった。
「ちょっとここだと話しづらいよね？ 場所、変えない？」
そう言って楓は和希の腕をつかむと少し強引に引っ張り、そのまま渡り廊下を通って別棟に入る。あまり生徒が来ることのない別棟は確かに人目を避けるには有効な場所と言える。
楓はさらに和希を女子トイレの一室に連れ込み、鍵をかけた。
「おい？ 楓？ いったい何するんだ？」
「ん？ イイことだよ、和希さん？」
あくまでにこやかに楓は微笑んで見せた。その笑顔に、強烈な恐怖感を和希が覚えたことを別にするのなら「老若男女を骨抜きに出来そうな笑み」だった。
楓は笑顔のまま和希の服の中に手を滑り込ませながら、和希の唇を塞ぐ。そしてキスしながら和希の服を肌蹴させると、真新しい水色のブラジャーのホックを外して和希の胸を外気に晒す。
そして指を和希の小ぶりな胸に絡めるようにして揉み始める。その手の怪しい動きはさすがサキュバス、敏感なポイントを的確についている。
「いいことってお前っ」
「女の子の気持ち良さ、全身で堪能させてあげる。」
唇を離しながらそう言った楓は、さらに胸を揉む。
脂肪を解すようにやさしく圧迫しながら、硬くなってきた乳首をたまに軽く弾く。
人差し指と親指で乳首をはさみ、くりくりと指の間で転がしながら引っ張る、既にツンと尖って小さな山の上で自己主張していたピンクの果実は、その動きに引っ張られるようにさらに自己主張を激しく和希の頭に快感電波を送る電波塔として機能する。
「ひっ…くぅ……やめっ ろぉ……！」
楓の腕をつかみ、必死に引き離そうとするが、快感のあまり手に力が入らず楓の手首を弱弱しく握ることしかできない。
「やめるわけないじゃん、だってこれは罰なんだから。」
「ば……つぅっ！？」
和希の顔を覗き込む楓の目は、底知れない敵意を灯していた。
「そうだよ、大好きだったのに、本気だったのに私を裏切って女の子になった罰。乙女の心を踏みにじった罰はすっごく重いんだよ？」
言葉の調子は軽いのに、背筋に走る悪寒。
楓の左手が和希の胸から離れ、腹をなぞるようにして下って行き、下半身を覆うスカートに触れると、その裾から中に潜り込んだ。濡れたショーツ生地の上から和希の陰唇に指がたどり着き、上から指を押し付ける。
「ひぐぅっ！？」
体中に走る強烈な快感に、体が跳ねる。
しかし楓の攻撃はそれだけにとどまらず、ショーツの中に指を滑り込ませると濡れそぼった陰部をかき回すように指が膣内に滑り込んで壁をこする。
「んぁっ！ ぁあっ！！」
快感に思わず和希が声をあげると、入り込んだ指はさらに内部で壁を強く擦り始めた。
襞を根元から掬い上げるように苛め、内側から押し付けるのと同時に外に残ったままの親指が力を込め、ある部分を強い力で挟み込んだ。
「んギィいいいいいいいいいいいいいいいいッ！！！」
瞼の裏で誰かがフラッシュを焚いた、そう思うような鮮烈な光が和希の視界を埋め尽くした。クリトリスが、強い力で刺激されたのだ。
膝が生まれたての小鹿もかくやといわんばかりにガクガクと震え、噴出した潮がショーツのシミを大きく拡大し、股間部を覆う部分は完全に愛液まみれになった。
「ハぁ………はァ………ぁっ、はァアﾞッ！！！」
体を震わせながら余韻に浸ろうとした和希は膣内をもう一度こね回される快感にはしたなく叫びながら覚醒する。
「ダメだよ？ まだまだ勝手に終わったなんて思ったら。」
ぐりゅぐりゅぬぢゅぬぢゅ、ぎゅむっ！
中をこすり、そしてたまにクリトリスを強く刺激する、ただそれだけの繰り返しに、絶頂を繰り返す和希の意識は天国と現実の境を彷徨う。
何度イったのか判別がつかないほど和希が絶頂し、ようやく刺激に慣れ始めると、楓は和希の秘部から指を抜き取った、そしてハンカチで愛液を拭う。
「安心しちゃだめだよ、これからが、本番。」
終わった、そんな期待をした和希の菊門に、楓の尻尾が宛がわれていた。
何をされるのか理解して和希が表情をひきつらせたのとほぼ同時、楓の尻尾が和希の菊門をこじ開け、直腸に侵入を始めた。
みちみちみちみちみちみち
「あギィ……くうﾞっアっ………」
ハート型で先端の細いサキュバスの尾は、入る隙間に乏しかった和希の括約を無理に引き延ばして通る穴を広げている、いくら事前に強烈な快感を浴びせられていても、一度も手をかけられなかった部分にいきなり挿入されれば苦痛が伴う。
ずぽん！
先端部が入るともうあとは細い部分だけ、その解放感がたまらなく心地よかった。
そして、直腸に入り込んだ楓の尻尾がピストンするように動き始める。
肛門をこじ開けた時と同様の流れで腸内がハートの形に広げられたかと思ったら、引き抜かれていくごとに引っかかって尻をめくられるような刺激が伝わってくる。
配慮も感じられない乱暴な責めに、和喜の体は確かに快感を覚えていた。
「ふあぁっ……ンぁ……ひうっ！ んくぅ！」
和希の口から洩れた甘い声を察知したらしく、楓が顔つきを変える。
「こんなのが気持ちいいの？ 気持ちいいんだよね？」
笑顔ながらその目には怒りを宿し、楓が囁く。
何が目的なのかも深く考えないまま和希が首を縦に振ると、
「そっかー、本当にカズ君は女の子になっちゃったんだねー。」
そして天を仰ぎ、
「ふざけんな！！」
叩きつけるような怒声を放ちながら、尻尾が押し込めるだけ奥に押し込まれる。
「こんなのでよがって！ 気持ちいい声出して！！ 私の気持ち踏みにじっておきながら毎日当たり前みたいに学校に来て！！ 私がこの一週間どんな気持ちでいたのかなんてわかりもしないんでしょ！！！」
たまに裏返るほどに声を荒げ、目から涙を流しながら、あふれ出る様々な感情すべてを尻尾に乗せて楓は和希のアヌスを蹂躙する。
その顔に、和希の手が触れた。
彼女の涙を優しく拭うように、頬を細い指が這う。
「泣くなよ、楓……」
それは、付き合っていた時何かが理由で泣いた楓を和喜が慰めるときいつもとっていた行動だった、「笑ってた方が馬鹿なお前らしいから」などと、いつも冗談で言っていた。
ぶつん！
「うるっさい！！ 私の好きな人の真似をするな私の大事な人の名前を名乗るな私の大好きな人の居場所を取るな！！！ カズ君を、かえせぇ――――――――――――――――――――――――――っ！！！」
和希の行動に怒りが頂点に達した楓は、叫びながら和希の体が浮くほど強く尻尾を和希の直腸に押し込み、ほぼ同時に和希のクリトリスも強く捩じった。
「んヒあﾞっおﾞオﾞあﾞアﾞ―――――――――――――――――――――――――――ッ！！！」
狂ったような喘ぎ声をあげ、感電したように四肢を突っ張らせ、ガクガクと痙攣しながら一秒に数回、いや十数回の絶頂に至り続ける。
視界は極彩色の火花で覆われ、音も臭いも感じ取れないほど感覚がマヒし全身を貫く快感だけが異常なまでに鮮明に五感を支配する、まるですべての知覚能力を快感を貪るためだけに使用しているような、そんなをエクスタシーを和希は味わっていた。
（あれ………床、どこ行った？）
意識も、体も吹っ飛ばされるような絶頂の連続の中、和希の意識が闇に落ちた。
その後、トイレの個室で気絶していた全裸の和希が発見されたのは昼休みのことだった。
学生間での凌辱事件として教員は男子生徒を疑い犯人を捜したが、被害者である和希本人が捜査を望まず、事件が迷宮入りとなるのはそう遠くなかった。
12/05/22 00:32更新 / なるつき
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