第十八話 吹雪と変人伯爵
人数が倍になっても、俺たちのすることに大した変化はなかった。
とにかく安全なルートを選んで、そして南下していく。
そんな日々も一週間を過ぎたころ。
「リオネイに入りましたが……あれはなんでしょう。」
英奈さんが前方を指さして言う、そこにいるのは殺気立った二つの集団。
俺たちの前方で繰り広げられているのは、どうやら軍隊同士のいざこざのようだった。
「リオント伯、さっきから申し上げているように貴殿の領地内に逆賊が逃げ込んだという噂が立っている、それを庇い立てすれば」
「私の領地に逆賊? それを理由に踏み入りたいのならば確かな証拠を持ってこいと何度も言っているはずだ、貴殿らの蛮行を聞く限り、確実な証拠もないのにわが領地に踏み入らせることがどれほど危険かもわかったものではない。」
俺たちから見て左手の集団の先頭に立っているのは髭面の小男、それと向かい合う右手の集団の先頭に立つのは銀髪をしたまだ二十代後半であろう背の高い女性。
今リオント伯と呼ばれていたということは、どうやら彼女が変人で名高いリオネイの領主ナンナであるようだ。
「しかしことは王国全域に渡るのだ、貴殿の領地を」
「くどい!」
男の言葉を凛とした声で遮る、なんだか変人というよりはすごくまともな人に見えなくもない。
「貴様がやっていることは貴族議会への反逆だぞ!!」
「火砲用意!」
ナンナの言葉とほぼ同時に、後方の部隊が向かい合う軍隊に向けて大砲を構える。
そこまでするのかと半ば感心すらしたが、しかしさすがに発射はしない。
「私の土地に入りたいのならパージュ新元帥でも連れてこい! 一介の騎士隊長ごときが対等のつもりで私に意見するな!!」
ナンナの怒鳴り声が周囲にこだまする、はっきり言って怖い。
小男は部下を率いてすごすごと帰って行った、どうやらあれ以上の説得は不可能だと判断したらしい。
「ふん、腰抜けめ。」
ナンナは呆れたように息をつくと、部下たちに帰還命令を出す。
俺たちがその様子を見ていたところ、不意に頭を引っ張られるようなそれでいて押し付けられてもいるかのような奇妙な感覚を感じ、俺の頭の中に聞きなれた声が響いてくる。
『吹雪、聞こえるかな?』
昊からの通信だった。
「今度話すときは肉声で」と約束をしたつもりだったし昊のほうもそれに了解はしてくれていたらしかったんだが、しかしどうやら痺れを切らして俺に連絡をつけてきたらしい。
『聞こえてるぞ、そっちの様子は?』
『如月と天満はもう合流した、あとは吹雪だけだよ。』
ちょっと驚いた、天満は行方不明だと前の連絡の時には聞いてたのに、いつのまにか昊のやつと合流していたらしい、いったいどんな手段で持って連絡不能から一気に合流までこぎつけたのやら。
周囲のみんなが難しそうな顔をした俺を見ていることに気付いて、とりあえず
「俺の仲間から連絡だよ、気にしないでくれ。」
と言っておいてから、また連絡に戻る。
『こっちは予想外に大所帯になっちまった、今俺を含めて六人いる。』
『それはまた増えたねぇ……あ、こっちも連絡事項がある、如月がこの国のずいぶん深いところに巻き込まれちゃって……今クルツにはローディアナのお姫様がいるんだ。みんな合流してからしばらく経ったら、王都を攻めることになると思う……』
『おいおい……何があったんだよ。』
まさか平崎のやつがこの国の王家とかかわってることになるとは思わなかった。
みんなで集まってこれからどうするか決めるものだとばかり思ってたのに、いきなりお国を一つ左右するような問題に事後承諾の形で巻き込まれるとは思わなかった。
『この国で内乱が起きたのは知ってる?』
『ああ、隣国にも伝わってきてたからな。』
『その内乱の首謀者のせいでお姫様は追われる身になったんだ、その問題を解決してもう一回王権を奪取するのと一緒に、この国で起こっていることを明るみにして、人と魔物の共存の礎を築く計画が今錬られてる。』
さらさらと昊が述べて見せた言葉に俺は感心し、ついでに笑う。
まさかそんな面白そうなことに関われるなんて、思ってもみなかった。
「諸君、俺たちは予想以上に面白いことに巻き込まれてるぞ。」
「はい?」
全員が首をかしげて俺を見る。
「どうやら、俺の仲間はこの国を変える動きに加わるらしい。」
周囲の全員がいきなり驚いた表情を見せる。
『それに当たって、吹雪は外にいるからとある人物に接触してほしいんだってさ。』
『とある人物?』
『リオント伯爵、変人で知られる王国屈指の名君ナンナ。』
俺たちの目の前から退却していく女の名前が、俺の頭の中で出た。
「接触って言ったってなぁ……」
「まぁ、そうだろうな。」
「そんな楽にできるなら苦労しませんねぇ。」
魔物三人はとりあえず町近くの森で待機してもらって、人間である俺とリバーとチェルシーの三人で街に入ることにした。
とはいえ、変人伯爵ナンナがそう簡単に俺たちにつかまってくれるような相手ならそれこそ俺たちは苦労しないわけだ、それに俺たちは平民のそれもまだ若い男と子供が二人。到底貴族があって話を聞いてくれるなどとは思えない。
それも話の内容が行方知れずのお姫様に関することなんて、それこそ奇跡でも起きない限りはまともに取り合ってもらえる可能性などないと考えていいだろう。
しかしそれで諦めるわけにもいかないわけだ。
「しかし意外だな、お前らがついてくるなんて。」
「……こそこそせずにベルと付き合っていけるチャンスだ……逃がすわけもない。」
「リバーが参加するなら私もってことで。」
二人はおのおの真剣な顔でそう答える。
とりあえず、町はずれにあるリオネイ軍の駐屯地に向かってみる。
そこにはたくさんの兵士と市民が、和気あいあいと食事をとっている風景が広がっていた。
普通もっとこういうところってのは緊張感とかでピリピリしてるものだと思ってたが、俺の予想に反して集団はかなり落ち着いている。
そしてその中心に、さっきとは打って変わって落ち着いた表情のナンナがいる。
「………存外楽に接近できそうだな。」
とりあえず駐屯地に入っていき、領主のところをほぼ一直線に目指す。
しかし俺たちが声をかける前に、領主のほうから俺たちに向かって、
「そこの三人、見慣れない顔だが何者だ?」
と質問してきた。
反射的に攻撃の意思がないことを示すために手を挙げる、ほかの二人も俺に倣う。
「……伝言役を仰せつかったただの小市民です。」
「誰からの伝言なのか、聞かせてくれないか?」
目つきも鋭く、変人伯爵は俺たちに向かって言い放つ。
刀さえあれば勝てる相手だっただろうが、しかし警戒させないために丸腰の俺たちにはさすがに彼女の相手は荷が重いだろう。確かこういえば……
「あなたの最も愛する方から……です。」
ナンナは目を見開くとほぼ同時に素早く俺たちのもとまで歩み寄ってきて、俺の腕をつかんだ。そして「諸君らは適度に休んでから、周囲の警戒に当たってくれ、奴らがまた現れないとも限らない。」と言い残して、俺を引っ張って幕者の一つに引っ込んだ。
「掛けてくれたまえ。」
俺たちに椅子を指し示すと、彼女はそれらの椅子に向かい合った椅子に座る。
「……姫様が、私にどんな伝言を?」
本当にこの人レズだったんだなぁ……まさか本当にお姫さんのことを愛しているたぁおかしなことで。
「姫様はクルツ自治領に逃げ込んだそうです、今はまだ自由には動けないけれど、」
「何! クルツだと!?」
ナンナがいきなり立ち上がった。
「そんな、クルツにはサキュバスやダークエンジェルがいるというではないか、それにワーウルフも! あんなに美しい姫様が魔物に……ああいけません! 行けません姫様そんな淫らな格好をされては!!」
いきなりナンナが取り乱し始めた、というよりも何か妖しげな妄想にトリップを始めた。
「ああでも! そんな姫様も美しい! ワーウルフとなって耳と尻尾を生やしこちらを見つめてくる様子もサキュバスになって淫らな衣装で誘ってくる姿も……ああなぜ私はこんなところにいるのだ! 今すぐにでも姫様に抱いてもらいにクルツに向かわねば!!」
「落ち着いてください」
立ち上がったナンナを引き留めるため、俺は即座に立ち上がると座っていた椅子で彼女の頭を力いっぱい殴りつけた。
なるほど、変人伯爵、こいつは確かにとんでもないレベルで変人だ。
天満のブラコンも昊のシスコンも確かに程度はひどかったけどこいつのひどさはそんなレベルのものじゃあない、地方大会優勝者と全国大会覇者レベルの違いはある。
「フブキ、やることすげぇな。」
「あははははは……」
後ろでリバーが感心して、チェルシーは苦笑いしている。
「止めてくれるな! 例え追われる身になろうとも、愛する姫様にその身を抱かれる幸福に比べれば灼熱の業火すらおそるるに足りぬ!!」
「その姫様からの要請を無視したら、嫌われますよ?」
この俺の一言にはっとした表情でナンナが反応する。
「いかんいかんそれだけは絶対にあってはならん……すまぬ取り乱した。」
「ああはい、正直めっちゃ気持ち悪かったです。」
思わず感想が口から洩れてしまったが、しかしナンナは気にした様子もない。
「それで、わが愛しの姫君は私に何をお望みなのだ?」
「……おそらく二か月近く後になるでしょうが、姫君はクルツで現在の王国軍、つまり貴族議会の指揮する反乱軍を打倒するために挙兵します、その際クルツ人がどれだけ姫に味方するのかは運にも大きく左右される、ですので貴女には、挙兵とともに援軍として兵を送ってほしいそうです。」
「なるほど、しかしならば今すぐにでも私が軍団を引き連れクルツに向かったほうがいいのではないか?」
意外にこの人考えなしだ、というよりもただ単にすぐに姫様に会いに行きたいだけだろう。
「それはできません、それでもし襲撃に来た敵軍と勘違いされれば、それだけであなた方の軍勢が一気に大量に戦闘不能にされかねないそうです。」
それに、これは俺の考えだがお姫様はこの土地を守る兵士をギリギリまで出来る限り多く残しておきたいんだと思う。
この土地は魔物との共存に一歩踏み出している稀有な土地、だからこそ王国に根付いた反魔物の感情を少しずつでも打ち消していくためには、こういった存在が必要であると同時に、それを望まない貴族議会からは優先して狙われる可能性が高い。
この土地を守ることには必ず意義があるはずだ。
「なるほどな。よくわかった、私はここでしばらく待機しておこう。」
「ご理解が早くて助かります。」
「君たちを客人として迎えよう、ほかに仲間はいないかね?」
「……呼んできますね。」
魔物組三人と合流して、もう一度俺たちはナンナの幕舎に戻ってきた。
「魔物が三人か……」
三人を一目見ただけで、ナンナは当たり前のように三人が人間とは違うことを見抜いて見せた。
「そんなに簡単にわかるものなんですかね。」
「こういうのは慣れだな、すぐに君にもわかるようになるさ。」
よくわからない感覚だ。
「とりあえずこっちに来てくれ。」
ナンナは席を立つと、俺たちを先導して歩いていく。
しばらく歩いた先にあったのは、ビオトープのような感じの、柵に覆われた地域だった。
かなり広い、野山が一つと、ふもとの平原地帯を丸ごと入れてしまっているように見えなくもない。
「ここは?」
「魔物居住区だ、独身の魔物・既婚の魔物を問わず、私が奴隷市で私財を擲って買い集めた元奴隷の魔物十二人が暮らしている。」
「ほうほう……」
「……なぜわざわざそんなことを?」
英奈さんが不信感をあらわにして尋ねる。
どうしてなのかわからず俺が首をかしげていると、英奈さんは相変わらず疑った目で
「ローディアナ王国の貴族にとって魔物とは人を堕落させる人類の敵であり、そして生き物として扱う価値のない道具と教えられるはずです。しかしあなたの行動はそれと矛盾する。どうしてそんな行動をとっているのか、説明を要求します。」
と言った。
「それについては今から説明しよう、こちらへ。」
今度ナンナが俺たちを連れてきたのは、教会だった。
「安心してくれ、ここの教会は反魔物思想もないに等しく、ひたすら生命の尊さと秩序を持った共存を解き続けている異端派だ。」
そうは言われても、主神の教会というだけで魔物三人は勝手に身構えてしまっているし、俺も半分近く臨戦態勢に入っていた。
「カンヌ司祭! いるか!?」
「いるとも。私が外出したという話を聞いたことがあるのかい?」
奥から出てきたのは、偉い聖職者の着ていそうな服を着た老人だった。両目を覆う独特の装飾の施されたアイマスクをしている、どうやら、目が見えていないようだ。
「ひぃ…ふぅ…みぃ……六人かね、三人が人間でもう三人が魔物。」
老いぼれ司祭はまたもや正確に俺たちの半数が魔物であることを言い当てて見せた。
「君の客人かな? ナンナ。」
「そんなところだ、司祭に紹介しておくが右から順にフブキ、エナ、ハート、リバー、ベル、チェルシー。諸君、こちらは私の教育係でもあったマクレガー・カンヌ司祭だ。」
「よろしく頼むよ、短い間と思うけどね。」
カンヌ司祭は笑って見せた、どうやら本当に俺たちに向けた敵意はないらしい。
「教会の司祭が親魔物?」
英奈さんは相変わらず疑うような口調で言う、確かに俺も引っかかるところはあったが、しかしあまり疑いすぎても失礼だと思ってそれは隠しておくことにした。
「かねてから魔物と共存できると主張していた結果として、ここに左遷されてきた男だ。なんでも昔、一人の魔物と恋をして子を生したことがあるらしい。」
「大恋愛だったよ、小説のネタになるくらいだ。」
カンヌ司祭は相変わらず笑っている、どうやら色々と複雑な事情があるようだ。
「この国の高位聖職者を決めるのは領主だからね、私なんかナンナが司祭に就けてくれていなかったらとっくに打ち首だよ。」
楽しそうにとても怖いことを言って見せる。
「………もう突っ込んでもしょうがないので聞かないことにいたします、とりあえずあなた方は味方で、そして協力をお願いできるということはわかりましたので。」
英奈さんが微妙な顔をして言う。
「とりあえず今日は私の屋敷に泊まっていくといい、どうせ野宿続きでろくな睡眠時間も取れてはいないのだろう?」
「……よく分かりますね」
「勘だよ、こういうのは慣れだ。」
絶対に違う。
用意してもらった客室は二つだった、なのでとりあえず俺とハート、英奈さんで一部屋と、リバーとチェルシーとベルの三人で一部屋を使わせてもらうことにした。
本当は男と女で部屋を分けたかったんだが、女四人で寝させるには客室は少し狭い。
「ベッドで寝るのはおよそ一週間ぶりかな?」
「そんなものです。」
ベッドは結構整っていて、俺たち三人がそれぞれ一つずつ使うにはちょうどいい大きさ。
どのベッドで寝るか俺が考えていたところ、後ろからハートが俺をベッドの一つに押し倒してきた。
そのままベルトを外して俺の下半身を露出させると、後ろから俺の息子を両手でしごき始める。
「ちょっ……待てテメ…いきなり何を!」
「一週間もご無沙汰だったんだぜ、ゆっくりできるうちにシとかないとな。」
「あらあら……私は寝込みを襲うつもりだったんですが…節操がありませんね。」
まず女性がこんな風に男をいきなり襲わないでもらいたいものだ。
ずりずりすりぐりずりゅ
少し乱暴ながら膣にも負けない締め付けをするハートの手淫は結構気持ちいい。
「うっく、をっ……」
声が漏れないように歯を食いしばって耐える、どうにもこいつに一方的に攻められるというのは俺の本能が許さないらしい。
「やれやれ、この体勢でできることなど高が知れていますよね。」
そう言いながら、英奈さんはハートの背後に回り込むと、その尻尾をつかんだ。
それだけではなく、ふさふさの尻尾をハートの黒下着の下に滑り込ませると、尻尾を利用してハートの両乳首と、そして陰核を責め始めた。
「フあひっ! テメ……エナ…いきなり何を」
「油断大敵だぞ?」
そういいながら俺はハートの体を思い切り蹴り飛ばすと、
「英奈さん、抑えて!」
と指示を出した。
俺の狙いに気付いた英奈さんはすぐさま背後からハートを羽交い絞めにする。
その間も一瞬たりとも尻尾の攻めは止まらない。
「ひっく……あアぅっ……あイ゙ッ!!」
快感に溶けた顔をしながら、ハートが俺を目だけで懸命に睨んでくる。
股間を覆う黒下着はもう愛液で濡れに濡れている、恐らく俺の息子をしごき始めたころにはもう湿り始めていたんだろう。
「こんなに濡らして、欲しかったんなら最初からこっちに入れればよかったじゃねぇか。」
しゅるしゅるずるすりきゅるしゅむ
俺の言葉攻めと英奈さんの尻尾攻め、なかなか厄介な波状攻撃だと思う。
「わた…しワぁっ! 別ニっ!」
強がりを言おうとするハートを無視して下着を脱がし、さっきの攻撃と目の前で見せられた痴態のおかげで硬くそそり立った息子をハートの秘部に宛がわせる。
「今頃リバーのほうもお楽しみなんだろうな。」
壁の向こうからかすかに聞こえる嬌声が、向こうでもお盛んに3Pかましていることを感じさせてくれる。
「ハートさんも楽しみましょう?」
英奈さんがそう言って意地悪く笑う。
じゅぶ、ずぶぶぶぶぶぶぶぶぶ ごづん!
俺は躊躇なくハートの奥まで貫いた。
「を゙あっ! ひぃックぅ―――――――――――――――――――!!」
背を弓なりにのけぞらせて、突然の一撃にハートがなすすべもなく絶頂する。
口からは涎が溢れ、目には涙が光る。
隙あらば俺を襲って逆レイプするくらい好色でセックス狂いなのに、一週間近く我慢してきたせいだろう、完全に体は発情して敏感になっている。
いや、違うな。
「英奈さん、何かしましたよね?」
「性感向上の暗示をちょっと、いえ強めに?」
少しだけ申し訳なさそうな表情で英奈さんが答える。
えげつないとは思ったが、しかし俺も収まりはつかなくなっている。
「激しめにいくぞ、俺もちょっと溜まってたみたいだ。」
そう宣言してから、
ずにゅぅううううう
「うくっっひぅううっ!」
腰を一気に引き、
ぢゅごん!!
「ンあア゙っ!!」
乱暴に腰をぶつけ合わせるように奥の奥まで叩き込む。
ぢゅぷぷぷぷぷ ぢゅぐん!
「ハひゅゥっ!!」
同じようにもう一発。
ぢゅぶぶぶぶぶぶ ぱぢゅん!!
ずにゅるるるるるるる ぢゅどごぉん!!!
「お゙ア゙っかはっ! ―――――――――――ォヲっ!!!」
四発目とほぼ同時に、ハートは涙を滝のようにこぼす目を見開き、涎が止まらない口を大きく開けて、酸素を求めるように舌を突き出す。どうやら、イきすぎて呼吸困難になってるらしい。
「あらあら、ハートさんもう限界みたいですよ?」
そういいながらも、英奈さんは尻尾で胸と陰核を弄るのをやめようとはしない。
羽交い絞めにされたハートの体は繋がってる部分で感じずとも目で見ればわかるほどに震えていて、まだ体の中で絶頂の電撃が暴れていることを如実に示している。
目はうつろで焦点が定まらず、だらしなく開いた口はもう自分の意志で閉じることすらできなくなっているらしい。
言葉を話すことすら億劫なのかそれとも俺たちが何を言っているのかも、自分が何を言うべきなのかも判断できないほど思考が溶けたのか、ハートは無言のままだ。
「英奈さんのせいとはいえ、まだ俺は気が済んでないから付き合えよ? もともと襲ってきたのはお前なんだし。」
そういいながら、今度は最奥をマッサージするように小刻みにピストン運動を開始する。
ずっぷぐっぷぢゅぶぬぢゅぐちゃずちゅ
「はひっ! ンっひぃっ! ぉアアっ!」
一突きごとにがくがくと体を痙攣させながら、ハートはひたすら悶える。
そのたび膣は俺の息子を食いちぎりそうなほどに強く締め付けてきて、どんどん俺にも快感を蓄積させていく。
「出るっ! 出すぞっ!!」
「くひっ!? 止せ待――――――!!」
どびゅぅるるるるるるるるるるるるる ごぷごぷっ!!
「ホァあ゙―――――――――――――――――――ッ!!」
ハートの腹の中に、俺の精液がどぶどぶと注ぎこまれていく。
がくがくと全身を震わせ、ほとんど白目をむきながらハートは豪快に絶頂した。
ぶしっ! ぷしゅぁああああああああああ
一瞬の間をおいてから、ハートの膣から潮が噴き出す。
体は完全に脱力して、快感の余韻に時たま体を震わせるだけになる。
「あらあら、意外にだらしないですね。」
そういいながら英奈さんはハートを空いているベッドの一つに寝かせると、今度は自分の服を脱いで、壁に上半身をもたれかからせる。
「次は私ですよ、吹雪さん?」
そのまま形のいいお尻ごと秘部を俺に向かって突き出す。
尻尾のうち二本が、誘うように陰唇を開いて見せている。
逃げるという心配は全くしてないが、とりあえず突きこみ易いように両手で彼女の腰を押さえつけて、まだまだ元気な俺の息子を彼女の秘部に宛がわせると、
じゅぶぅううううっ! ばちん!!
一気に勢い良く、肌がぶつかり合って痛いくらいの速度で突っ込んだ。
「ふあぁあああんっ!!」
英奈さんは俺のほうを向かずに、しかし甘く潤んだ声を出した。
尻尾がまた動き、今度は俺の両腕と腰に絡みつく。
満足するまで放さないつもりだ。
じゅぐん ずぷん じゅっぽじゅぼぐぢゅずぢゅ
一回慣らすようにゆっくりと前後させてから、杭打ちを始める。
「んくぁっ! あっはぅん! んあぁああっ!!」
一突きごとに英奈さんは淫らに悶えて、そして俺の方を振り返っては情欲を宿したその目で「もっともっと」と誘ってくる。
ずちゅぬぢゅぶぢゅぐちゅぬちゃびしゃ
それに応えるように、微妙に角度を変えながら彼女の中をかき回すように激しくピストンを続ける。こうなってしまってはもう止まらない、止まれないのだ。
彼女の誘いにしろハートの性的奇襲攻撃にしろ、そこには何らかの特殊な暗示がある。
ただただ快楽に忠実に、欲求を隠すこともなくただ体の求めるまま乱れてすべてを忘れてしまえばいいと、そんな風に思わされる。だからこそ、肉に溺れることを嫌っていた俺が今は彼女たちの誘いにほとんど抵抗もせずに乗っかってこんな風に乱れているんだ。
「英奈さん、俺の体に何かしました?」
ずごんっ!!
奥の奥に力強く亀頭の頭突きを見舞ってから、眼下で喘ぐ彼女に尋ねる。
まともな答えが返ってくるという期待は実はしてなかった、彼女がそういうことを素直に打ち明けるタイプの人じゃないことはこれまでの触れ合いと、肌を重ねあった時間の経験で理解している。
「魔物と多く交わった影響ですよ……インキュバス化が進んで、性欲が強まって理性が相対的に弱くなっているんです……」
英奈さんはなんだか少し億劫そうな顔で俺の質問に答えてくれる。
「……じゃあ特別何かあったわけでもないんですね?」
「……パイさんやハートさんは魔力が弱いのでこんなにすぐ影響は出ません…私の魔力の影響だと思います。」
なるほど、と納得してから、
ずぶん!
「あァんっ!!」
「じゃあま、お礼代わりにたくさんシて上げましょうか。」
そう宣言してから、さっきよりも強く英奈さんの腰を抑え付けると、
ずん! ずん! ずんずんずんずんずんずんずんずん
力強く最奥を連続で突きまくる。
「アッ んひィィイイを゙っ! ほォお゙おおおおおおっ!!!」
指が壁にめり込むんじゃないかと思うほど力強く壁をつかみながら、英奈さんは理性のない獣のような嬌声を上げ、そして口から涎を吐くたびに、
ぷしっ ぷしゃっ! ぴぢゃっ!
下の口からは潮を間断こそあるものの吐きつづける。
「吹雪さんの゙ぉっ! デカマラで狂っちゃいますっ! あ゙ヒっ! 大きっずぎぃっ!!」
ずぢゅぐちゅぱぢゅぬぢゅどちゅっ ずぅん
割れた声で英奈さんが喘ぐのを聞きながらも、俺は腰の動きを止めない。
「そういや、前よりちょっとでかくなってる気がしますがこれもインキュバス化の影響ですか?」
ふと疑問に思ったのでとりあえず聞いておく。
「そう……ですね、魔物の欲求をより適した形で満たせるように性器の質は向上します……精液の量や濃さも人間時とは段違いです。」
英奈さんは書物に書いてあった知識を思い出すように言った。
実際俺とするまでは処女だったんだから、書物の知識かもしれない。
こんな風に受け答えができるってことは余裕ができてきたんだろう。
「そろそろ、出しますよ?」
そう宣言すると、攻めの質を変える。
乱暴に突くのではなく、子宮口をマッサージするようにぐりぐりと奥を抉る。
「んはぁっ 来てくださいっ! お腹膨らむくらいいっぱい私の中に注いでくださいっ!!」
「いいですよ、ただし零したら怒りますからね。」
「はいぃっ!!」
どぶびゅっ ごびゅぅうううううううううううううううううううう
たっぷり解した子宮口にきっちりと鈴口を合わせて、子宮に子種を送り込む。
「ンはあ゙ぁあ゙あ゙あ゙お゙ヲォ――――――――――――――――――っ!!!!」
びぐんびぐんびぐんびぐん
壊れたような、もはや嬌声ではないとしか思えないすさまじい声を出しながら、英奈さんは猛烈な絶頂の渦にのまれていく。
体はひっきりなしに電気刺激を与えられているように痙攣し、口からは涎、ほとんど白目をむいた眼からは涙、そして股間からはクジラよりも派手に潮を吹いて、英奈さんが狂人のような様相で絶頂を迎える。
びゅびゅぶびゅるるるるるるるっるうるるるるる
その間も俺の精液はとどまるところを知らず、そして流し込まれるたびに英奈さんが痙攣する異常な痴態が繰り広げられる。
永遠に続いたかと思うような射精の後で、力を使い果たしたらしく英奈さんはずるずると崩れ落ちていく。
恍惚とした表情のまま気を失っているのに、その膣は俺の言いつけどおり一滴も精液をこぼさないよう、しっかりと俺のペニスを銜え込んで栓をさせている。
「………いつか腹上死させられないよな?」
体中を襲う猛烈な疲労感に、俺はそんなことをつぶやいていた。
とにかく安全なルートを選んで、そして南下していく。
そんな日々も一週間を過ぎたころ。
「リオネイに入りましたが……あれはなんでしょう。」
英奈さんが前方を指さして言う、そこにいるのは殺気立った二つの集団。
俺たちの前方で繰り広げられているのは、どうやら軍隊同士のいざこざのようだった。
「リオント伯、さっきから申し上げているように貴殿の領地内に逆賊が逃げ込んだという噂が立っている、それを庇い立てすれば」
「私の領地に逆賊? それを理由に踏み入りたいのならば確かな証拠を持ってこいと何度も言っているはずだ、貴殿らの蛮行を聞く限り、確実な証拠もないのにわが領地に踏み入らせることがどれほど危険かもわかったものではない。」
俺たちから見て左手の集団の先頭に立っているのは髭面の小男、それと向かい合う右手の集団の先頭に立つのは銀髪をしたまだ二十代後半であろう背の高い女性。
今リオント伯と呼ばれていたということは、どうやら彼女が変人で名高いリオネイの領主ナンナであるようだ。
「しかしことは王国全域に渡るのだ、貴殿の領地を」
「くどい!」
男の言葉を凛とした声で遮る、なんだか変人というよりはすごくまともな人に見えなくもない。
「貴様がやっていることは貴族議会への反逆だぞ!!」
「火砲用意!」
ナンナの言葉とほぼ同時に、後方の部隊が向かい合う軍隊に向けて大砲を構える。
そこまでするのかと半ば感心すらしたが、しかしさすがに発射はしない。
「私の土地に入りたいのならパージュ新元帥でも連れてこい! 一介の騎士隊長ごときが対等のつもりで私に意見するな!!」
ナンナの怒鳴り声が周囲にこだまする、はっきり言って怖い。
小男は部下を率いてすごすごと帰って行った、どうやらあれ以上の説得は不可能だと判断したらしい。
「ふん、腰抜けめ。」
ナンナは呆れたように息をつくと、部下たちに帰還命令を出す。
俺たちがその様子を見ていたところ、不意に頭を引っ張られるようなそれでいて押し付けられてもいるかのような奇妙な感覚を感じ、俺の頭の中に聞きなれた声が響いてくる。
『吹雪、聞こえるかな?』
昊からの通信だった。
「今度話すときは肉声で」と約束をしたつもりだったし昊のほうもそれに了解はしてくれていたらしかったんだが、しかしどうやら痺れを切らして俺に連絡をつけてきたらしい。
『聞こえてるぞ、そっちの様子は?』
『如月と天満はもう合流した、あとは吹雪だけだよ。』
ちょっと驚いた、天満は行方不明だと前の連絡の時には聞いてたのに、いつのまにか昊のやつと合流していたらしい、いったいどんな手段で持って連絡不能から一気に合流までこぎつけたのやら。
周囲のみんなが難しそうな顔をした俺を見ていることに気付いて、とりあえず
「俺の仲間から連絡だよ、気にしないでくれ。」
と言っておいてから、また連絡に戻る。
『こっちは予想外に大所帯になっちまった、今俺を含めて六人いる。』
『それはまた増えたねぇ……あ、こっちも連絡事項がある、如月がこの国のずいぶん深いところに巻き込まれちゃって……今クルツにはローディアナのお姫様がいるんだ。みんな合流してからしばらく経ったら、王都を攻めることになると思う……』
『おいおい……何があったんだよ。』
まさか平崎のやつがこの国の王家とかかわってることになるとは思わなかった。
みんなで集まってこれからどうするか決めるものだとばかり思ってたのに、いきなりお国を一つ左右するような問題に事後承諾の形で巻き込まれるとは思わなかった。
『この国で内乱が起きたのは知ってる?』
『ああ、隣国にも伝わってきてたからな。』
『その内乱の首謀者のせいでお姫様は追われる身になったんだ、その問題を解決してもう一回王権を奪取するのと一緒に、この国で起こっていることを明るみにして、人と魔物の共存の礎を築く計画が今錬られてる。』
さらさらと昊が述べて見せた言葉に俺は感心し、ついでに笑う。
まさかそんな面白そうなことに関われるなんて、思ってもみなかった。
「諸君、俺たちは予想以上に面白いことに巻き込まれてるぞ。」
「はい?」
全員が首をかしげて俺を見る。
「どうやら、俺の仲間はこの国を変える動きに加わるらしい。」
周囲の全員がいきなり驚いた表情を見せる。
『それに当たって、吹雪は外にいるからとある人物に接触してほしいんだってさ。』
『とある人物?』
『リオント伯爵、変人で知られる王国屈指の名君ナンナ。』
俺たちの目の前から退却していく女の名前が、俺の頭の中で出た。
「接触って言ったってなぁ……」
「まぁ、そうだろうな。」
「そんな楽にできるなら苦労しませんねぇ。」
魔物三人はとりあえず町近くの森で待機してもらって、人間である俺とリバーとチェルシーの三人で街に入ることにした。
とはいえ、変人伯爵ナンナがそう簡単に俺たちにつかまってくれるような相手ならそれこそ俺たちは苦労しないわけだ、それに俺たちは平民のそれもまだ若い男と子供が二人。到底貴族があって話を聞いてくれるなどとは思えない。
それも話の内容が行方知れずのお姫様に関することなんて、それこそ奇跡でも起きない限りはまともに取り合ってもらえる可能性などないと考えていいだろう。
しかしそれで諦めるわけにもいかないわけだ。
「しかし意外だな、お前らがついてくるなんて。」
「……こそこそせずにベルと付き合っていけるチャンスだ……逃がすわけもない。」
「リバーが参加するなら私もってことで。」
二人はおのおの真剣な顔でそう答える。
とりあえず、町はずれにあるリオネイ軍の駐屯地に向かってみる。
そこにはたくさんの兵士と市民が、和気あいあいと食事をとっている風景が広がっていた。
普通もっとこういうところってのは緊張感とかでピリピリしてるものだと思ってたが、俺の予想に反して集団はかなり落ち着いている。
そしてその中心に、さっきとは打って変わって落ち着いた表情のナンナがいる。
「………存外楽に接近できそうだな。」
とりあえず駐屯地に入っていき、領主のところをほぼ一直線に目指す。
しかし俺たちが声をかける前に、領主のほうから俺たちに向かって、
「そこの三人、見慣れない顔だが何者だ?」
と質問してきた。
反射的に攻撃の意思がないことを示すために手を挙げる、ほかの二人も俺に倣う。
「……伝言役を仰せつかったただの小市民です。」
「誰からの伝言なのか、聞かせてくれないか?」
目つきも鋭く、変人伯爵は俺たちに向かって言い放つ。
刀さえあれば勝てる相手だっただろうが、しかし警戒させないために丸腰の俺たちにはさすがに彼女の相手は荷が重いだろう。確かこういえば……
「あなたの最も愛する方から……です。」
ナンナは目を見開くとほぼ同時に素早く俺たちのもとまで歩み寄ってきて、俺の腕をつかんだ。そして「諸君らは適度に休んでから、周囲の警戒に当たってくれ、奴らがまた現れないとも限らない。」と言い残して、俺を引っ張って幕者の一つに引っ込んだ。
「掛けてくれたまえ。」
俺たちに椅子を指し示すと、彼女はそれらの椅子に向かい合った椅子に座る。
「……姫様が、私にどんな伝言を?」
本当にこの人レズだったんだなぁ……まさか本当にお姫さんのことを愛しているたぁおかしなことで。
「姫様はクルツ自治領に逃げ込んだそうです、今はまだ自由には動けないけれど、」
「何! クルツだと!?」
ナンナがいきなり立ち上がった。
「そんな、クルツにはサキュバスやダークエンジェルがいるというではないか、それにワーウルフも! あんなに美しい姫様が魔物に……ああいけません! 行けません姫様そんな淫らな格好をされては!!」
いきなりナンナが取り乱し始めた、というよりも何か妖しげな妄想にトリップを始めた。
「ああでも! そんな姫様も美しい! ワーウルフとなって耳と尻尾を生やしこちらを見つめてくる様子もサキュバスになって淫らな衣装で誘ってくる姿も……ああなぜ私はこんなところにいるのだ! 今すぐにでも姫様に抱いてもらいにクルツに向かわねば!!」
「落ち着いてください」
立ち上がったナンナを引き留めるため、俺は即座に立ち上がると座っていた椅子で彼女の頭を力いっぱい殴りつけた。
なるほど、変人伯爵、こいつは確かにとんでもないレベルで変人だ。
天満のブラコンも昊のシスコンも確かに程度はひどかったけどこいつのひどさはそんなレベルのものじゃあない、地方大会優勝者と全国大会覇者レベルの違いはある。
「フブキ、やることすげぇな。」
「あははははは……」
後ろでリバーが感心して、チェルシーは苦笑いしている。
「止めてくれるな! 例え追われる身になろうとも、愛する姫様にその身を抱かれる幸福に比べれば灼熱の業火すらおそるるに足りぬ!!」
「その姫様からの要請を無視したら、嫌われますよ?」
この俺の一言にはっとした表情でナンナが反応する。
「いかんいかんそれだけは絶対にあってはならん……すまぬ取り乱した。」
「ああはい、正直めっちゃ気持ち悪かったです。」
思わず感想が口から洩れてしまったが、しかしナンナは気にした様子もない。
「それで、わが愛しの姫君は私に何をお望みなのだ?」
「……おそらく二か月近く後になるでしょうが、姫君はクルツで現在の王国軍、つまり貴族議会の指揮する反乱軍を打倒するために挙兵します、その際クルツ人がどれだけ姫に味方するのかは運にも大きく左右される、ですので貴女には、挙兵とともに援軍として兵を送ってほしいそうです。」
「なるほど、しかしならば今すぐにでも私が軍団を引き連れクルツに向かったほうがいいのではないか?」
意外にこの人考えなしだ、というよりもただ単にすぐに姫様に会いに行きたいだけだろう。
「それはできません、それでもし襲撃に来た敵軍と勘違いされれば、それだけであなた方の軍勢が一気に大量に戦闘不能にされかねないそうです。」
それに、これは俺の考えだがお姫様はこの土地を守る兵士をギリギリまで出来る限り多く残しておきたいんだと思う。
この土地は魔物との共存に一歩踏み出している稀有な土地、だからこそ王国に根付いた反魔物の感情を少しずつでも打ち消していくためには、こういった存在が必要であると同時に、それを望まない貴族議会からは優先して狙われる可能性が高い。
この土地を守ることには必ず意義があるはずだ。
「なるほどな。よくわかった、私はここでしばらく待機しておこう。」
「ご理解が早くて助かります。」
「君たちを客人として迎えよう、ほかに仲間はいないかね?」
「……呼んできますね。」
魔物組三人と合流して、もう一度俺たちはナンナの幕舎に戻ってきた。
「魔物が三人か……」
三人を一目見ただけで、ナンナは当たり前のように三人が人間とは違うことを見抜いて見せた。
「そんなに簡単にわかるものなんですかね。」
「こういうのは慣れだな、すぐに君にもわかるようになるさ。」
よくわからない感覚だ。
「とりあえずこっちに来てくれ。」
ナンナは席を立つと、俺たちを先導して歩いていく。
しばらく歩いた先にあったのは、ビオトープのような感じの、柵に覆われた地域だった。
かなり広い、野山が一つと、ふもとの平原地帯を丸ごと入れてしまっているように見えなくもない。
「ここは?」
「魔物居住区だ、独身の魔物・既婚の魔物を問わず、私が奴隷市で私財を擲って買い集めた元奴隷の魔物十二人が暮らしている。」
「ほうほう……」
「……なぜわざわざそんなことを?」
英奈さんが不信感をあらわにして尋ねる。
どうしてなのかわからず俺が首をかしげていると、英奈さんは相変わらず疑った目で
「ローディアナ王国の貴族にとって魔物とは人を堕落させる人類の敵であり、そして生き物として扱う価値のない道具と教えられるはずです。しかしあなたの行動はそれと矛盾する。どうしてそんな行動をとっているのか、説明を要求します。」
と言った。
「それについては今から説明しよう、こちらへ。」
今度ナンナが俺たちを連れてきたのは、教会だった。
「安心してくれ、ここの教会は反魔物思想もないに等しく、ひたすら生命の尊さと秩序を持った共存を解き続けている異端派だ。」
そうは言われても、主神の教会というだけで魔物三人は勝手に身構えてしまっているし、俺も半分近く臨戦態勢に入っていた。
「カンヌ司祭! いるか!?」
「いるとも。私が外出したという話を聞いたことがあるのかい?」
奥から出てきたのは、偉い聖職者の着ていそうな服を着た老人だった。両目を覆う独特の装飾の施されたアイマスクをしている、どうやら、目が見えていないようだ。
「ひぃ…ふぅ…みぃ……六人かね、三人が人間でもう三人が魔物。」
老いぼれ司祭はまたもや正確に俺たちの半数が魔物であることを言い当てて見せた。
「君の客人かな? ナンナ。」
「そんなところだ、司祭に紹介しておくが右から順にフブキ、エナ、ハート、リバー、ベル、チェルシー。諸君、こちらは私の教育係でもあったマクレガー・カンヌ司祭だ。」
「よろしく頼むよ、短い間と思うけどね。」
カンヌ司祭は笑って見せた、どうやら本当に俺たちに向けた敵意はないらしい。
「教会の司祭が親魔物?」
英奈さんは相変わらず疑うような口調で言う、確かに俺も引っかかるところはあったが、しかしあまり疑いすぎても失礼だと思ってそれは隠しておくことにした。
「かねてから魔物と共存できると主張していた結果として、ここに左遷されてきた男だ。なんでも昔、一人の魔物と恋をして子を生したことがあるらしい。」
「大恋愛だったよ、小説のネタになるくらいだ。」
カンヌ司祭は相変わらず笑っている、どうやら色々と複雑な事情があるようだ。
「この国の高位聖職者を決めるのは領主だからね、私なんかナンナが司祭に就けてくれていなかったらとっくに打ち首だよ。」
楽しそうにとても怖いことを言って見せる。
「………もう突っ込んでもしょうがないので聞かないことにいたします、とりあえずあなた方は味方で、そして協力をお願いできるということはわかりましたので。」
英奈さんが微妙な顔をして言う。
「とりあえず今日は私の屋敷に泊まっていくといい、どうせ野宿続きでろくな睡眠時間も取れてはいないのだろう?」
「……よく分かりますね」
「勘だよ、こういうのは慣れだ。」
絶対に違う。
用意してもらった客室は二つだった、なのでとりあえず俺とハート、英奈さんで一部屋と、リバーとチェルシーとベルの三人で一部屋を使わせてもらうことにした。
本当は男と女で部屋を分けたかったんだが、女四人で寝させるには客室は少し狭い。
「ベッドで寝るのはおよそ一週間ぶりかな?」
「そんなものです。」
ベッドは結構整っていて、俺たち三人がそれぞれ一つずつ使うにはちょうどいい大きさ。
どのベッドで寝るか俺が考えていたところ、後ろからハートが俺をベッドの一つに押し倒してきた。
そのままベルトを外して俺の下半身を露出させると、後ろから俺の息子を両手でしごき始める。
「ちょっ……待てテメ…いきなり何を!」
「一週間もご無沙汰だったんだぜ、ゆっくりできるうちにシとかないとな。」
「あらあら……私は寝込みを襲うつもりだったんですが…節操がありませんね。」
まず女性がこんな風に男をいきなり襲わないでもらいたいものだ。
ずりずりすりぐりずりゅ
少し乱暴ながら膣にも負けない締め付けをするハートの手淫は結構気持ちいい。
「うっく、をっ……」
声が漏れないように歯を食いしばって耐える、どうにもこいつに一方的に攻められるというのは俺の本能が許さないらしい。
「やれやれ、この体勢でできることなど高が知れていますよね。」
そう言いながら、英奈さんはハートの背後に回り込むと、その尻尾をつかんだ。
それだけではなく、ふさふさの尻尾をハートの黒下着の下に滑り込ませると、尻尾を利用してハートの両乳首と、そして陰核を責め始めた。
「フあひっ! テメ……エナ…いきなり何を」
「油断大敵だぞ?」
そういいながら俺はハートの体を思い切り蹴り飛ばすと、
「英奈さん、抑えて!」
と指示を出した。
俺の狙いに気付いた英奈さんはすぐさま背後からハートを羽交い絞めにする。
その間も一瞬たりとも尻尾の攻めは止まらない。
「ひっく……あアぅっ……あイ゙ッ!!」
快感に溶けた顔をしながら、ハートが俺を目だけで懸命に睨んでくる。
股間を覆う黒下着はもう愛液で濡れに濡れている、恐らく俺の息子をしごき始めたころにはもう湿り始めていたんだろう。
「こんなに濡らして、欲しかったんなら最初からこっちに入れればよかったじゃねぇか。」
しゅるしゅるずるすりきゅるしゅむ
俺の言葉攻めと英奈さんの尻尾攻め、なかなか厄介な波状攻撃だと思う。
「わた…しワぁっ! 別ニっ!」
強がりを言おうとするハートを無視して下着を脱がし、さっきの攻撃と目の前で見せられた痴態のおかげで硬くそそり立った息子をハートの秘部に宛がわせる。
「今頃リバーのほうもお楽しみなんだろうな。」
壁の向こうからかすかに聞こえる嬌声が、向こうでもお盛んに3Pかましていることを感じさせてくれる。
「ハートさんも楽しみましょう?」
英奈さんがそう言って意地悪く笑う。
じゅぶ、ずぶぶぶぶぶぶぶぶぶ ごづん!
俺は躊躇なくハートの奥まで貫いた。
「を゙あっ! ひぃックぅ―――――――――――――――――――!!」
背を弓なりにのけぞらせて、突然の一撃にハートがなすすべもなく絶頂する。
口からは涎が溢れ、目には涙が光る。
隙あらば俺を襲って逆レイプするくらい好色でセックス狂いなのに、一週間近く我慢してきたせいだろう、完全に体は発情して敏感になっている。
いや、違うな。
「英奈さん、何かしましたよね?」
「性感向上の暗示をちょっと、いえ強めに?」
少しだけ申し訳なさそうな表情で英奈さんが答える。
えげつないとは思ったが、しかし俺も収まりはつかなくなっている。
「激しめにいくぞ、俺もちょっと溜まってたみたいだ。」
そう宣言してから、
ずにゅぅううううう
「うくっっひぅううっ!」
腰を一気に引き、
ぢゅごん!!
「ンあア゙っ!!」
乱暴に腰をぶつけ合わせるように奥の奥まで叩き込む。
ぢゅぷぷぷぷぷ ぢゅぐん!
「ハひゅゥっ!!」
同じようにもう一発。
ぢゅぶぶぶぶぶぶ ぱぢゅん!!
ずにゅるるるるるるる ぢゅどごぉん!!!
「お゙ア゙っかはっ! ―――――――――――ォヲっ!!!」
四発目とほぼ同時に、ハートは涙を滝のようにこぼす目を見開き、涎が止まらない口を大きく開けて、酸素を求めるように舌を突き出す。どうやら、イきすぎて呼吸困難になってるらしい。
「あらあら、ハートさんもう限界みたいですよ?」
そういいながらも、英奈さんは尻尾で胸と陰核を弄るのをやめようとはしない。
羽交い絞めにされたハートの体は繋がってる部分で感じずとも目で見ればわかるほどに震えていて、まだ体の中で絶頂の電撃が暴れていることを如実に示している。
目はうつろで焦点が定まらず、だらしなく開いた口はもう自分の意志で閉じることすらできなくなっているらしい。
言葉を話すことすら億劫なのかそれとも俺たちが何を言っているのかも、自分が何を言うべきなのかも判断できないほど思考が溶けたのか、ハートは無言のままだ。
「英奈さんのせいとはいえ、まだ俺は気が済んでないから付き合えよ? もともと襲ってきたのはお前なんだし。」
そういいながら、今度は最奥をマッサージするように小刻みにピストン運動を開始する。
ずっぷぐっぷぢゅぶぬぢゅぐちゃずちゅ
「はひっ! ンっひぃっ! ぉアアっ!」
一突きごとにがくがくと体を痙攣させながら、ハートはひたすら悶える。
そのたび膣は俺の息子を食いちぎりそうなほどに強く締め付けてきて、どんどん俺にも快感を蓄積させていく。
「出るっ! 出すぞっ!!」
「くひっ!? 止せ待――――――!!」
どびゅぅるるるるるるるるるるるるる ごぷごぷっ!!
「ホァあ゙―――――――――――――――――――ッ!!」
ハートの腹の中に、俺の精液がどぶどぶと注ぎこまれていく。
がくがくと全身を震わせ、ほとんど白目をむきながらハートは豪快に絶頂した。
ぶしっ! ぷしゅぁああああああああああ
一瞬の間をおいてから、ハートの膣から潮が噴き出す。
体は完全に脱力して、快感の余韻に時たま体を震わせるだけになる。
「あらあら、意外にだらしないですね。」
そういいながら英奈さんはハートを空いているベッドの一つに寝かせると、今度は自分の服を脱いで、壁に上半身をもたれかからせる。
「次は私ですよ、吹雪さん?」
そのまま形のいいお尻ごと秘部を俺に向かって突き出す。
尻尾のうち二本が、誘うように陰唇を開いて見せている。
逃げるという心配は全くしてないが、とりあえず突きこみ易いように両手で彼女の腰を押さえつけて、まだまだ元気な俺の息子を彼女の秘部に宛がわせると、
じゅぶぅううううっ! ばちん!!
一気に勢い良く、肌がぶつかり合って痛いくらいの速度で突っ込んだ。
「ふあぁあああんっ!!」
英奈さんは俺のほうを向かずに、しかし甘く潤んだ声を出した。
尻尾がまた動き、今度は俺の両腕と腰に絡みつく。
満足するまで放さないつもりだ。
じゅぐん ずぷん じゅっぽじゅぼぐぢゅずぢゅ
一回慣らすようにゆっくりと前後させてから、杭打ちを始める。
「んくぁっ! あっはぅん! んあぁああっ!!」
一突きごとに英奈さんは淫らに悶えて、そして俺の方を振り返っては情欲を宿したその目で「もっともっと」と誘ってくる。
ずちゅぬぢゅぶぢゅぐちゅぬちゃびしゃ
それに応えるように、微妙に角度を変えながら彼女の中をかき回すように激しくピストンを続ける。こうなってしまってはもう止まらない、止まれないのだ。
彼女の誘いにしろハートの性的奇襲攻撃にしろ、そこには何らかの特殊な暗示がある。
ただただ快楽に忠実に、欲求を隠すこともなくただ体の求めるまま乱れてすべてを忘れてしまえばいいと、そんな風に思わされる。だからこそ、肉に溺れることを嫌っていた俺が今は彼女たちの誘いにほとんど抵抗もせずに乗っかってこんな風に乱れているんだ。
「英奈さん、俺の体に何かしました?」
ずごんっ!!
奥の奥に力強く亀頭の頭突きを見舞ってから、眼下で喘ぐ彼女に尋ねる。
まともな答えが返ってくるという期待は実はしてなかった、彼女がそういうことを素直に打ち明けるタイプの人じゃないことはこれまでの触れ合いと、肌を重ねあった時間の経験で理解している。
「魔物と多く交わった影響ですよ……インキュバス化が進んで、性欲が強まって理性が相対的に弱くなっているんです……」
英奈さんはなんだか少し億劫そうな顔で俺の質問に答えてくれる。
「……じゃあ特別何かあったわけでもないんですね?」
「……パイさんやハートさんは魔力が弱いのでこんなにすぐ影響は出ません…私の魔力の影響だと思います。」
なるほど、と納得してから、
ずぶん!
「あァんっ!!」
「じゃあま、お礼代わりにたくさんシて上げましょうか。」
そう宣言してから、さっきよりも強く英奈さんの腰を抑え付けると、
ずん! ずん! ずんずんずんずんずんずんずんずん
力強く最奥を連続で突きまくる。
「アッ んひィィイイを゙っ! ほォお゙おおおおおおっ!!!」
指が壁にめり込むんじゃないかと思うほど力強く壁をつかみながら、英奈さんは理性のない獣のような嬌声を上げ、そして口から涎を吐くたびに、
ぷしっ ぷしゃっ! ぴぢゃっ!
下の口からは潮を間断こそあるものの吐きつづける。
「吹雪さんの゙ぉっ! デカマラで狂っちゃいますっ! あ゙ヒっ! 大きっずぎぃっ!!」
ずぢゅぐちゅぱぢゅぬぢゅどちゅっ ずぅん
割れた声で英奈さんが喘ぐのを聞きながらも、俺は腰の動きを止めない。
「そういや、前よりちょっとでかくなってる気がしますがこれもインキュバス化の影響ですか?」
ふと疑問に思ったのでとりあえず聞いておく。
「そう……ですね、魔物の欲求をより適した形で満たせるように性器の質は向上します……精液の量や濃さも人間時とは段違いです。」
英奈さんは書物に書いてあった知識を思い出すように言った。
実際俺とするまでは処女だったんだから、書物の知識かもしれない。
こんな風に受け答えができるってことは余裕ができてきたんだろう。
「そろそろ、出しますよ?」
そう宣言すると、攻めの質を変える。
乱暴に突くのではなく、子宮口をマッサージするようにぐりぐりと奥を抉る。
「んはぁっ 来てくださいっ! お腹膨らむくらいいっぱい私の中に注いでくださいっ!!」
「いいですよ、ただし零したら怒りますからね。」
「はいぃっ!!」
どぶびゅっ ごびゅぅうううううううううううううううううううう
たっぷり解した子宮口にきっちりと鈴口を合わせて、子宮に子種を送り込む。
「ンはあ゙ぁあ゙あ゙あ゙お゙ヲォ――――――――――――――――――っ!!!!」
びぐんびぐんびぐんびぐん
壊れたような、もはや嬌声ではないとしか思えないすさまじい声を出しながら、英奈さんは猛烈な絶頂の渦にのまれていく。
体はひっきりなしに電気刺激を与えられているように痙攣し、口からは涎、ほとんど白目をむいた眼からは涙、そして股間からはクジラよりも派手に潮を吹いて、英奈さんが狂人のような様相で絶頂を迎える。
びゅびゅぶびゅるるるるるるるっるうるるるるる
その間も俺の精液はとどまるところを知らず、そして流し込まれるたびに英奈さんが痙攣する異常な痴態が繰り広げられる。
永遠に続いたかと思うような射精の後で、力を使い果たしたらしく英奈さんはずるずると崩れ落ちていく。
恍惚とした表情のまま気を失っているのに、その膣は俺の言いつけどおり一滴も精液をこぼさないよう、しっかりと俺のペニスを銜え込んで栓をさせている。
「………いつか腹上死させられないよな?」
体中を襲う猛烈な疲労感に、俺はそんなことをつぶやいていた。
11/08/20 20:44更新 / なるつき
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